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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 Y05
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 Y05
管理番号 1157415 
審判番号 不服2005-23517 
総通号数 90 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-12-07 
確定日 2007-05-21 
事件の表示 商願2004-103098拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「PFS」の欧文字を標準文字で書してなり、第5類「薬剤」を指定商品として、平成16年11月11日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『PFS』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるところ、以下の新聞記事及びインターネットの記載によると、指定商品に係る業界において、『PFS』の文字が、あらかじめ薬液がシリンジに充填されている『プレフィルドシリンジ』のことを意味するものとして使用されていることが認められるから、本願商標を付した商品に接する取引者、需要者が、本願商標から『あらかじめ薬液がシリンジに充填されている商品である』と認識することも決して少なくないものと判断するのが相当である。よって、この本願商標を、指定商品中『前記文字に照応する商品(例えば、シリンジに充填済みの薬剤)』について使用するときは、単に商品の品質を表示したものと理解されるに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
2001.04.19 日刊薬業 8頁 アストラゼネカ「1%ディプリバン注-キット」6月にも発売へ
アストラゼネカは17日、全身麻酔・鎮静用剤「1%ディプリバン注」(一般名・プロポフォール)があらかじめシリンジに充填されたキット製品「1%ディプリバン注?キット」の日本での承認を3月14日に取得したと発表した。(略)同キットは、海外でPFS(プレフィルド・シリンジ)といわれるディプリバンの新剤型。あらかじめ薬液がシリンジに充填されているため、準備時間の短縮や汚染防止などの安全面において大きなメリットがあり、医療事故防止も期待できる。(略)また、東京女子医科大学麻酔科学教室の尾崎眞教授は、同日開催されたセミナーで「TCIとディプリバンPFSについて」をテーマに講演し、TCIシステムにより、安全で質の高い麻酔が可能になり、ヒューマンエラーの減少も期待できると説明した。尾崎教授によると、同程度の薬物効果を得るために必要なプロポフォールの量は、従来法と比較してTCI法による投与量が最も少なく、また、薬物投与中止後、血中濃度が低下するまでに必要な時間を比較した場合も、TCI法が最も短かった。尾崎教授は、TCI法について他領域の薬剤への応用の可能性を説明し、TCI法では効果発現や覚醒が速やかな薬剤が効果的だとした。また、PFSがもつメリットとして医療の現場でヒューマンエラーの減少が期待できることから、他の薬剤へのPFSの応用を訴えた。
http://senri-ccmc.suita.osaka.jp/jadm/kaisi/abst5-1.htm
日本集団災害医学会会誌 第5巻 第1号 要旨集 2000年8月
4.救命救急用プレフィルドシリンジの災害医療現場における有用性について
要旨 救命救急の際に用いることの多い薬剤をあらかじめ充填した救急用プレフィルドシリンジ(以下PFS)の試作品を入手し,阪神・淡路大震災を経験した関西地区の救命救急センター等5施設46名の協力を得て,災害医療現場におけるPFSの有用性を検証するためにアンケート調査を行った。震災時の救護経験を有する医師を中心にPFSの操作方法を説明し,模擬的試用の後にアンケートを行った。アンプルを用いた方法は被災時の体験を基にし,PFSは被災時に用いることを想定した回答を得た。その結果,PFSでは,細菌汚染・ガラス片や異物の混入の可能性,投薬準備の煩雑さ,けがの危険性がないこと,迅速性・携帯性に優れ,備蓄医薬品としての可能性がある等,PFSは災害医療における不安や問題点を減少させるものであり,災害の医療現場において有用性が期待されるシステムであることが明らかとなった。今後,このような製品が広く浸透していくことが望まれる。

3 当審の判断
本願商標は、「PFS」の欧文字を標準文字で書してなるところ、該文字が、注射器との関係において、「あらかじめ薬液が充填されている注射器」を意味する「Pre-filled Syringe」の略語として一般に使用されていることは認められるとしても、本願指定商品「薬剤」との関係では、該文字より直ちに特定の意味合いを看取し得るものとはいい難く、また、特定の商品の品質を、直接的または具体的に表示するものとして一般に理解されるものともいい難いものである。
また、該文字が、本願指定商品の品質を表示するものとして、取引上、普通に用いられているという事実も発見することはできなかった。
そうすると、本願商標は、特定の意味合いを有さない造語を表したものと認識されるとみるのが相当であって、これをその指定商品について使用しても、自他商品識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、かつ、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2007-05-07 
出願番号 商願2004-103098(T2004-103098) 
審決分類 T 1 8・ 272- WY (Y05)
T 1 8・ 13- WY (Y05)
最終処分 成立  
前審関与審査官 松浦 裕紀子 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 鈴木 修
岩本 和雄
商標の称呼 ピイエフエス 
代理人 高田 修治 

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