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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y25
審判 全部申立て  登録を維持 Y25
審判 全部申立て  登録を維持 Y25
審判 全部申立て  登録を維持 Y25
管理番号 1155855 
異議申立番号 異議2006-90438 
総通号数 89 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-05-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-09-04 
確定日 2007-03-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第4958096号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4958096号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4958096号商標(以下「本件商標」という。)は、「SCARLET DIVA PLUS」及び「スカーレットディーバプラス」の文字を二段に横書きしてなり、平成17年11月1日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同18年6月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第706714号商標(以下「引用商標1」という。)は、「デイバ」及び「DIVA」の文字を二段に横書きしてなり、昭和39年8月27日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同41年5月12日に設定登録、その後、同52年3月7日、同61年8月25日及び平成8年8月29日の3回に亘る商標権存続期間の更新登録、さらに、その後、同18年5月12日に商標権存続期間の満了により消滅し、同19年1月24日に抹消の登録がされたものである。
同じく、登録第2024373号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(1)に表示したとおりの構成よりなり、昭和61年4月3日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年2月22日に設定登録、その後、平成10年8月11日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
同じく、登録第2346565号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)に表示したとおりの構成よりなり、昭和63年7月7日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年10月30日に設定登録、その後、同13年11月6日に商標権存続期間の更新登録、さらに、その後、同14年11月20日に商品区分及び指定商品を第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする書換の登録がされたものである。
以下、これらをまとめていうときには、「引用各商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「SCARLET DIVA PLUS」のローマ文字と「スカーレットディーバプラス」の片仮名文字よりなるが、前半部の「SCARLET/スカーレット」は、「緋色」を意味する英語であることは、英語の広く普及したわが国にあって、取引者・需要者に周知の事実である。
特に、本件商標の指定商品「被服」に使用された場合には、この言葉は、その色彩等を意味するものとして容易に認識され、その識別力が極めて弱いものといえる。また、後半部の「PLUS/プラス」は、「付加、さらによいもの」といった意味を持つ言葉・外来語として、これもまた、わが国で広く用いられている。
よって、本件商標の要部は、「DIVA/ディーバ」にあるものと容易に認識できる。
他方、引用各商標の要部は、「DIVA」「Diva」にあり、その指定商品中に「被服」を含むものである。
本件商標の要部「DIVA」と引用各商標の「DIVA」「Diva」とは、同一のものであり、ともに「ディーバ」の同一称呼を生ずる。
以上のとおり、本件商標の要部と引用各商標とは、称呼において同一であり、加えて、本件商標と引用各商標とは、その指定商品において抵触し、かつ、引用各商標は、先願・先登録であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、イタリアの著名な「スカーフ、ネクタイ」等服飾雑貨の生産・販売業者(会社)である。
(ア)申立人及び引用各商標の著名性
申立人は、1945年に創設され、1989年に株式市場に上場されたイタリアのコモ(Como)を代表するシルク企業として知られているものであり、レディース用高級衣服用生地、ハイファッションの服飾雑貨(ネクタイ、スカーフ、ストール等)の生産・販売を行い、2001年の総売上高は、1億3,200万ユーロに上る。
申立人の主なパートナーとしては、シャネル、イブ・サンローラン、ヴァレンティーノ、グッチ、フェラガモ等々の著名アパレルメーカーが上げられ、これらのブランドのライセンス生産販売を行っている。それと同時に、引用各商標のような自社ブランドも持ち、自己の商品も製造販売している(同第3号証)。例えば、ANA(全日本空輸(株))の旅行案内には、「ミラノ」の紹介の項に、「シルクのプリントで有名なRATTI社のアウトレットがオープンしました。「ヴァレンテイノ・ガラヴァーニ」「レオナール」(・・・中略・・・)などの有名ブランドのシルクスカーフ、ネクタイや生地を作っているメーカーで、オリジナルブランド「DIVA」(ディーヴァ)もあります。オススメなのは、スカーフ、ネクタイ。(・・・中略・・・)自分用にも、お土産にも最適。「ディーヴァ」は、シルク製品のブランドで、デザインが可愛い。」というように、申立人の引用各商標及び商品が紹介されている(甲第4号証)。
また、申立人の商品(スカーフ)は、わが国においても現実に通信販売等インターネットを利用して販売されている(甲第5号証)。
さらに、「ユニクロ」のホームページには、ユニクロのユニホーム等のデザインを担当したわが国の著名なデザイナー高田賢三氏が、申立人と「イタリアRatti社とスカーフ、ネクタイのラインにおいてコラボレート契約。」をしたことが紹介されている(甲第6号証)。
また、申立人の商品をわが国に直輸入する者も存在する(甲第7号証)。
さらに、申立人の織物を使用し、日本の服飾デザイナーがデザインしたネクタイ等が販売されており、「イタリアの高級織物メーカーRatti社により、高いクオリティが実現されています。」と紹介されている(甲第8号証)。
このように、申立人及びそのオリジナルブランドである引用各商標「DIVA」「Diva」は、現実に使用されおり、わが国においても、その商品は、広く紹介し輸入されており、周知・著名なものとなっている。
(イ)本件商標と引用各商標との混同可能性
これに対して、本件商標は、「DIVA/ディーバ」の文字に、単に「緋色」を意味する「SCARLET/スカーレット」の文字と、「付加、さらによいもの」といった意味を持つ「PLUS/プラス」を結合させただけの構成よりなるから、容易に「diva」の一種のシリーズ商標として認識されるものである。
よって、このような本件商標が引用各商標の使用に係る商品「被服(ネクタイ、スカーフ等)」に使用されれば、申立人の提供に係る商品ないし、そのライセンス商品であると取引者・需要者が誤認・混同するおそれがあることは明らかである。
よって、本件商標は、商標法4条1項15号にも該当する商標である。
(3)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
上記のとおり、申立人は、イタリアの著名な「スカーフ、ネクタイ」等服飾雑貨の生産・販売業者(会社)であり、引用各商標「diva(ディーバ)」は、そのオリジナルブランドとして、イタリア本国での使用はもとより、わが国にも、その商品が輸入され、紹介されて、広く親しまれている。
これに対して、本件商標は、「DIVA/ディーバ」の文字に、単に「緋色」を意味する「SCARLET/スカーレット」の文字と、「付加、さらによいもの」といった意味をもつ「PLUS/プラス」とを結合させただけの構成からなり、容易に「diva」の一種のシリーズ商標として認識されるものであり、このような本件商標を商標登録しようとする行為は、引用各商標の信用を不当にフリーライドしようとするものである。
よって、かかる本件商標を登録することは、国際信義、ひいては公序良俗に反するので、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号にも該当する商標である。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第7号及び同第19号に該当するから、同法第43条の2第1号の規定により取消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
(ア)申立人が本件商標の取消理由として引用した引用商標1は、「デイバ」及び「DIVA」の文字を二段に横書きしてなり、これよりは「デイバ」又は「ディーバ」の称呼を生ずる。
ただし、引用商標1は、平成18年5月12日に存続期間満了により消滅し、同19年1月24日に抹消登録されているところ、本件登録異議申立時及び同予告登録時(同18年6月16日及び同年7月12日)に要件を充足する手続をすれば有効に存続し得たことから、これについても、一応判断した。
また、引用商標2は、別掲(1)に示すとおり、「DIVA」の文字と特段の語義をも解し難い図形との結合よりなるところ、これを常に一体不可分のものとして把握すべき特別の理由もうかがえないことから、その構成中の左上付近に白抜きしてなる「DIVA」の文字部分も独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものとみるのが相当である。
してみれば、引用商標2よりは、該文字部分に相応して「デイバ」又は「ディーバ」の称呼を生ずる。
さらに、引用商標3は、別掲(2)に示すとおり、「Diva」の文字を筆記体風に書してなるから、これよりも「デイバ」又は「ディーバ」の称呼を生ずる。
そうとすれば、引用商標1ないし3、すなわち引用各商標からは、「デイバ」又は「ディーバ」の称呼を生ずるものである。
(イ)本件商標は、「SCARLET DIVA PLUS」の欧文字と「スカーレットディーバプラス」の片仮名文字とを二段に横書きした構成よりなるところ、構成各文字は、いずれも同書、同大に外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「スカーレットディーバプラス」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、たとえ、構成中の「SCARLET」「スカーレット」の文字部分が商品の色彩等を意味するものとして使用されることがあり得るとしても、また、「PLUS」「プラス」の文字部分が外来語として、わが国で広く用いられているとしても、かかる構成においては、それらの各文字が特定の商品の品質その他を具体的に表示するものとして、直ちに理解されるとは認め難いから、むしろ、その構成全体をもって、一体不可分の造語を表したものと認識し、把握されるとみるのが自然である。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字の全体に相応して、「スカーレットディーバプラス」の称呼のみを生ずるものであって、単なる「デイバ」又は「ディーバ」の称呼を生ずることはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標から、単なる「デイバ」又は「ディーバ」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本件商標と引用各商標とが称呼において類似するとの申立人の主張は妥当でなく、到底採用することはできない。
また、本件商標の外観は、上述したとおりであるから、引用各商標とは判然と区別し得るものである。
さらに、前述したとおり、本件商標からは、特定の観念を生じないのに対し、引用各商標の欧文字「DIVA」、「Diva」からは、我が国において、特に、親しまれた観念を生ずるものとは解し難いが、たとえ、観念を生ずる場合があるといい得ても、せいぜい「女性の大歌手。(歌劇の)主役の女性歌手。プリマドンナ。」(研究社発行「新英和大辞典」第5版606頁)という程のものというべきであり、両商標は、観念においても、比較することができない。
その他、本件商標と引用各商標とが類似すると見るべき特段の理由も見出せない。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記したとおり、本件商標と引用各商標とは、判然と区別し得る別異の商標であるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が引用各商標を連想又は想起するものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について誤信し、混同を生ずるおそれもないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当しない。
(3)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
また、本件商標については、前記したとおりであるから、引用各商標の信用を不当にフリーライドしようとするものであるとか、国際信義ひいては公序良俗に反するものと認めることもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反して登録されたものでもない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)引用商標2(登録第2024373号商標)


(2)引用商標3(登録第2346565号商標)

異議決定日 2007-02-23 
出願番号 商願2005-102456(T2005-102456) 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (Y25)
T 1 651・ 26- Y (Y25)
T 1 651・ 271- Y (Y25)
T 1 651・ 22- Y (Y25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 渡邉 健司 
特許庁審判長 高野 義三
特許庁審判官 山口 烈
鈴木 新五
登録日 2006-06-02 
登録番号 商標登録第4958096号(T4958096) 
権利者 株式会社ヒズウェイ
商標の称呼 スカーレットディーバプラス、スカーレットディバプラス、スカーレットディーバ、スカーレットディバ、スカーレット、ディーバプラス、ディバプラス、ディーバ、ディバ、プラス 
代理人 藤倉 大作 
代理人 中村 稔 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 松尾 和子 
代理人 東谷 幸浩 
代理人 井滝 裕敬 

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