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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y05 審判 全部申立て 登録を維持 Y05 |
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管理番号 | 1155838 |
異議申立番号 | 異議2006-90507 |
総通号数 | 89 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-05-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2006-10-03 |
確定日 | 2007-03-17 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4969460号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4969460号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4969460号商標(以下「本件商標」という。)は、「キズブロック」の文字(標準文字)を書してなり、平成17年7月7日に登録出願、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」を指定商品として、平成18年7月14日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「ブロック」の片仮名文字をゴシック体で書してなり、商標登録第2706622号商標権(平成1年7月7日出願)について、平成17年11月18日に分割移転の登録により分割された商標権に係る商標であって、第5類「かぜ薬,アレルギー用薬剤,外皮用薬剤,感覚器官用薬剤,呼吸器官用薬剤,循環器官用薬剤,消化器官用薬剤,末しょう神経系用薬剤,中枢神経系用薬剤,ビタミン剤,泌尿生殖器又は肛門用の薬剤,代謝性薬剤,生薬,黒焼き及びもぐさ,滋養強壮変質剤」を指定商品とする登録第2706622号の2商標(以下「引用商標」という。)を引用し、本件商標と引用商標は、ともに「ブロック」(塊・妨害)と称呼、観念されることは明らかであるので、両者は、称呼、観念を共通にする互いに類似の商標である。しかも、引用商標が、その指定商品、とりわけ「薬剤」について周知、著名になっていることからも、互いに類似する商標というべきである。 また、引用商標は、申立人が長年にわたり総合感冒薬(ベンザブロック)について使用した結果、需要者、取引者間において周知、著名になっているから、本件商標が、その指定商品中、とりわけ「薬剤」について使用されたときは商品の出所につき混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。 3 当審の判断 (1)本件商標は、上記1のとおり、「キズブロック」の文字よりなるところ、該構成文字全体は同書、同大で外観上まとまりよく一体的に表されていて、これより生ずる「キズブロック」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、構成中、「キズ」の文字部分が「傷」を表すものと認識され、「ブロック」の文字部分が「塊、妨害」の意味合いを有する外来語として認識される場合があったとしても、かかる構成にあっては、むしろ、構成文字全体を一体として表した特定の意味合いを生ずることのない、一種の造語よりなるものと認識、把握されるというのが相当である。 そうすると、本件商標よりは、その構成文字全体に相応し、「キズブロック」の称呼を生じ、他に称呼は生じないというべきである。 他方、引用商標は、上記2のとおり、「ブロック」の文字よりなるから、これよりは、その構成文字に相応し、「ブロック」の称呼を生じ、「塊、妨害」の意味合いを生ずるもとの認められる。 してみれば、本件商標より生ずる「キズブロック」と、引用商標より生ずる「ブロック」の称呼は、語頭部分において「キズ」の音の有無の差異を有するから、その音構成、構成音数の相違は明確であり、称呼全体をそれぞれ一連に称呼しても、互いに紛れるおそれはないというのが相当である。 また、本件商標よりは特定の観念を生じないこと上記のとおりであるから、両者は観念においては比較できないものであり、外観において相紛れるものでないこと明らかである。 したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点においても相紛れることのない非類似の商標と認められる。 ところで、申立人は、引用商標は、総合感冒薬の分野において周知、著名な商標であるとして、本件商標と引用商標との類似性について主張するが、甲第6号証、甲第9号証ないし甲第23号証によれば、引用商標は、商品(かぜ薬)のパッケージやその広告等において、申立人の商標である「ベンザ」の文字と結合され、「ベンザブロック」(両文字間に「マルR」の記号を小さく付記してなる。)あるいは「ベンザブロック」のように一体として表示し使用されているものであり、引用商標が単独で使用されている例は見受けられないから、かかる使用方法をもって、引用商標が、長年使用された結果、引用商標単独でその取り扱いに係る商品を表す商標として周知、著名性を獲得し得たとは、俄に、これを認めることはできない。 そうすると、引用商標が周知、著名なものであるとし、かかる取引の実情を加味した上で、本件商標が引用商標と類似するとの申立人の主張は、その前提を欠くものであるから、採用することができない。 (2)上記のとおり、本件商標と引用商標とは互いに非類似の商標と認められ、また、申立人より提出された甲号証によっては、引用商標は、総合感冒薬について使用された結果、取引者、需要者間に広く知られたものであると認められないものであるから、本件商標をその指定商品(特に薬剤)について使用した場合、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想・想起することはなく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。 (3)以上、本件商標が商標法第4条第1項第11号、同第15号に違反して登録されたものということはできないから、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持するものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2007-02-28 |
出願番号 | 商願2005-62592(T2005-62592) |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Y
(Y05)
T 1 651・ 262- Y (Y05) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 岩内 三夫 |
特許庁審判長 |
柴田 昭夫 |
特許庁審判官 |
岩崎 良子 伊藤 三男 |
登録日 | 2006-07-14 |
登録番号 | 商標登録第4969460号(T4969460) |
権利者 | 東洋化学株式会社 |
商標の称呼 | キズブロック、ブロック |
代理人 | 高橋 秀一 |