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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y43
審判 全部申立て  登録を維持 Y43
審判 全部申立て  登録を維持 Y43
管理番号 1152326 
異議申立番号 異議2006-90289 
総通号数 87 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-03-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-06-22 
確定日 2007-02-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第4939730号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4939730号商標の登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4939730号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示したとおりの構成よりなり、平成17年9月8日に登録出願、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、同18年3月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
(1)理由の要点
(ア)登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、別掲(2)ないし(6)に示したとおりの構成よりなる登録第4244004号商標、登録第2053847号商標、登録第3345192号商標、登録第3370335号商標及び登録第4372514号商標(以下、これらを記載した順に「引用A商標」「引用B商標」のようにいい、一括していう場合は「引用商標」と総称する。)とほぼ同一の構成よりなる登録第128088号商標(商標権の期間満了により消滅)及び引用商標を長年にわたり継続して使用しており、引用商標は少なくとも一地域では周知性があると解され、本件商標は、引用商標に類似するものであるから、本件商標の指定役務の提供元と申立人との間に何らかの経済的関係があるものと広義の混同を生ずるおそれがある。
(イ)本件商標の商標権者は、引用商標の存在を知った上で、本件商標を含む4件の商標を相次いで登録出願しており、引用商標に化体した信用にただ乗りする意図又は希釈化の意図を推認することができる。
以上から、本件商標は、不正の目的をもって登録出願をし又は使用している。
(ウ)本件商標の文字部分の要部は、「百草」であり、「百草」は「薬」であるから、本件商標は、「百草を含む飲食物」の提供を受けることができる又は「百草という薬」を飲食物として提供を受けることができるものと誤認する、あるいは、飲食物を提供している店舗において薬が販売されているものと誤認するおそれがある。
(2)結論
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第19号及び同第16号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)本件商標は、別掲(1)に示したとおり、入山と丸に三つ引きの両紋章を組み合わせた図形とその右側に「百草本舗」の文字を表してなるものであるのに対し、引用商標は、別掲(2)ないし(6)に示したとおりの構成よりなるものであって、本件商標の図形と引用商標の図形とは事実上同一といえるものであるから、本件商標は、引用商標に類似するものということができる。
しかしながら、申立人の主張及び同人の提出に係る証拠を総合するも、申立人は、取引の実情について「製造販売する百草などの生薬の販売量は、例えば終戦前ですら年間約40万袋に及んでいた。」旨主張するのみで、本件商標の登録出願前及び登録出願時を含む近時において、例えば引用商標を使用した商品が市場においてどの程度のシェアを得ていたのか、販売額がいかほどであったのかなどの取引の実情について何ら明らかにされておらず、また、どのようなメディアを通じて、どの程度の期間、どのくらいの回数宣伝を行ったのかなど広告宣伝の事実についても明らかにしていない。
してみれば、引用商標は、本件商標の登録出願時に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたとは認めることができない。
引用B商標の図形商標について、東京高等裁判所は、平成9年(行ケ)第213号審決取消事件の判決(甲第11号証)において、「木曽地域で製造される木曽御嶽神社にゆかりのある生薬という商品自体を示すものとしての機能を有するものであって、特定の人とのつながりにおいて認識されるものではない」旨判示しており、引用A商標の「百草」の文字及び引用D商標の四角形の図形の各部分を除けば、引用商標の図形はいずれも事実上同一のものであるから、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていないとの引用商標についての上記判断は、この判旨に沿うものということができる。
してみれば、本件商標をその指定役務に使用した場合、申立人又は申立人と関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。
(2)引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていないこと上述のとおりであり、また、本件商標は、不正の目的をもって使用するものとも判断し得ないものであって、この点を認めるに足りる証拠もない。
(3)本件商標は、上記のとおり、図形と「百草本舗」の文字よりなるものであって、該文字自体は全体で屋号ないし店名などの名称を表したものということができるから、本件商標の指定役務「飲食物の提供」との関係よりみれば、本件商標をその指定役務に使用した場合、役務の質について誤認を生ずるおそれもないと認められる。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第19号及び同第16号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(1) 本件商標



別掲(2) 登録第4244004号商標(引用A商標)



別掲(3) 登録第2053847号商標(引用B商標)



別掲(4) 登録第3345192号商標(引用C商標)



別掲(5) 登録第3370335号商標(引用D商標)



別掲(6) 登録第4372514号商標(引用E商標)


異議決定日 2007-01-18 
出願番号 商願2005-84244(T2005-84244) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y43)
T 1 651・ 222- Y (Y43)
T 1 651・ 272- Y (Y43)
最終処分 維持  
前審関与審査官 門倉 武則 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 小林 和男
久我 敬史
登録日 2006-03-24 
登録番号 商標登録第4939730号(T4939730) 
権利者 日野製薬株式会社
商標の称呼 ヒャクソーホンポ、ヒャクソー、モモクサ、モグサ 
代理人 柴田 富士子 
代理人 三俣 弘文 
代理人 柴田 五雄 

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