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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない Y18
管理番号 1152209 
審判番号 不服2004-18817 
総通号数 87 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-09-10 
確定日 2007-02-09 
事件の表示 商願2003-94633拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由
1 本願商標
本願商標は、「VALENTINOGIONDII」及び「バレンチノジオンディ」の文字を二段に横書きしてなり、第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、平成15年10月27日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、その構成中にイタリアのデザイナー「Valentino Garavani」が「婦人・紳士物衣料品、バッグ」等の商品に使用して本願出願前から我が国において広く知られている「VALENTINO」「バレンチノ」の文字を有しているから、これをその指定商品に使用するときには、前記デザイナー、あるいは前記者と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知
本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するか否かについて、当審において証拠調べを行い、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、意見書を提出する相当の期間を指定して、平成18年9月25日付けで請求人に証拠調べの結果を通知した。



「VALENTINO GARAVANI」「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」「Valentino Garabani」の他、「バレンチノ」「ヴァレンティノ」「VALENTINO」「valentino」が使用されている事実。

(1)「世界の一流品大図鑑ライフカタログVOL.1」(昭和51年6月5日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ・ガラバーニ」が、「イタリアファッション界の旗手と呼ばれ、女性を最高に美しく見せるデザイナーとして高く評価されている。」こと、及びその経歴等を紹介する内容とともに「ブラウス、セーター、ネクタイ」の商品の写真が掲載されていること。
(2)「EUROPE一流ブランドの本(講談社MOOK第2巻)」(昭和52年12月1日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」の所有する店舗の紹介と簡単な経歴が「婦人服」の商品と共に掲載されていること。
(3)「服飾辞典」(昭和54年3月5日第1刷文化出版局発行)の、ヴァレンチィーノ ガラヴァーニ[Valentino Garabani、1932?]の項に、「イタリア北部の都市(ヴォゲラ)に生まれる。17才でリセオ(中学)を中退、パリに行く。スチリストになるため、パリのサンジカ(パリ高級衣装店組合の学校)で技術を身につける。1951年、ジャン・デッセ(オート・クチュール)のもとで5年間アシスタントとして仕事をする。その後2年間、ギ・ラローシュのアシスタントをし、1958年独立、ヴァレンティーノ・クチュールの名でローマに店を開いた。このころ、イタリアのモードは世界的に有名になりつつあった。彼の最初の仕事は、フィレンツェのピッティ宮殿でのコレクションである。このコレクンョンは、〈白だけの服〉という珍しい演出であったが、その美しさはジャーナリストの間で評判となり、「ニューズ・ウィーク」「ライフ」「タイム」「ウィメンズ・ウェア・デイリー」各誌紙で取材、モードのオスカー賞を獲得した。1967年、ヴァレンティーノの名は世界に知れわたった。1972年には紳士物も始め、その他アクセサリー、バッグ、宝石類、香水、化粧品、家具、布地、インテリアと、その仕事の幅はたいへん広いが、すべてヴァレンティーノ独特のセンスを保っているのはみごとである。ヴァレンティーノの洋服に対する考えは、まず個性が第一で、彼のコレクションからは、デテールでなくそのエスプリをくみ取ってもらうことに重きをおく。ローマの高級住宅地、アッピア・アンティカに母親とたくさんの犬と暮らしている。仕事でパリとローマを行き来するが、世界中を旅行するなど忙しい日々である。物をつくる人は誰でも波があって、いつも傑作が続くとはかぎらないが、ヴァレンティーノは現在、ローマのオート・クチュール界で最も好調なデザイナーといえる。以前から東洋風なエキゾティシズムが好きで、時によってトルコ風、アラブ風の特色がみられるが、最近はキモノのセクシーさを1950年代のハリウッドの雰囲気に表現、あやしく美しいヴァレンティーノの世界をつくり出している。」との紹介記事が掲載されていること。
(4)「朝日新聞」(昭和57年11月20日夕刊第3頁)において、世界の服をリードする3人のうちの1人として「バレンチノ」の紹介記事が掲載されていること。
(5)「男の一流品大図鑑’85年版」(昭和59年12月1日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO GARAVANI」「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」の文字とともに、「スーツ、ブルゾン、シャツ、ネクタイ、ベルト及びバッグ」の商品が掲載されていること。
(6)雑誌「non-no」1989年 No.23号(平成元年12月5日株式会社集英社発行)及び「marie claire」(1996年2月1日中央公論社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」が単に「ヴァレンティノ」と略称され、商品「婦人服」等と共に掲載されていること。
(7)「英和商品名辞典」(1990年株式会社研究社発行)[Valentino Garavani]の項において、「イタリア RomaのデザイナーValentino Garavani(1932-)のデザインした婦人・紳士物の衣料品・毛皮・革製バッグ・革小物・ベルト・ネクタイ・アクセサリー・婦人靴・香水・ライター・インテリア用品など。Roma,Firenze,Milanoなどにあるその店の名称はValentino(vは小文字でかくこともある)。・・・」との記事及びデザイナーとしての紹介記事が掲載されていること。
(8)「世界の一流品大図鑑’93年版」(平成5年5月20日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO」ブランドの香水が掲載されていること。
(9)「岩波=ケンブリッジ世界人名辞典」(1997年11月21日株式会社岩波書店発行)の[ガラヴァーニ]の項において「ヴァレンティノ Garavani,Valentino通称ヴァレンティノ Valentino(伊 1933?)服飾デザイナー・・・・」との紹介記事が掲載されていること。
同じく、[ヴァレンティノ Valentino]の項において、「ガラヴァーニ、ヴァレンティノ」を見よとの表示があること。
(10)2000.3.3 日刊スポーツ
連載 パリコレ短信(5)原点に返った「バレンチノ」の見出しの下、「1つの色でまとめるファッションは「バレンチノ」にとって意味深い。世界的に有名になったきっかけが、67年の白1色のコレクションだった。
◆神田うののワンポイントメモ
バレンチノ、ジバンシー、ランバンなど、しにせのブランドも頑張ってますね。
◆バレンチノ 1932年イタリア生まれのバレンチノ・ガラバーニ氏が60年にスタート。故ジャクリーヌ・ケネディさんがオナシス氏との結婚式で着たレースのミニドレスは世界中の雑誌の表紙に取り上げられた。同氏はエリザベス・テーラーと親友で、91年、リズが8回目の挙式で着たウエディングドレスを制作した。「V」のブランドロゴでおなじみ。」との紹介記事が掲載されていること。
(11)「世界の一流品大図鑑’98年版」(1998年5月30日株式会社講談社発行)において、婦人服の項に「VALENTINO」「ヴァレンティノ」が「今シーズンのイメージは『ウエスタン』。ハードなテーマに、女性らしい知性やエレガンスを加え、最高級の素材使いでゴージャスに仕上げています。」と紹介されているとともに、「ドレス、ジャケット、パンツ」の商品の写真が掲載されていること。

4 請求人(出願人)は、上記3の証拠調べ通知に対し、所定の期間を経過するも何らの応答もない。

5 当審の判断
(1)上記3の証拠調べのとおり、「Valentino Garavani」(VALENTINO GARAVANI)「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」は、国際的なトップデザイナーとして、本願商標の登録出願時には既に、我が国において著名であったものと認められる。また、同氏の名前は、「Valentino Garavani」(VALENTINO GARAVANI)「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」とフルネームで表示され、このフルネームをもって紹介されることも多いが、同時に辞書類、新聞、雑誌等に掲載された中には、単に「Valentino」(VALENTINO)「ヴァレンティノ」と略して採り上げられており、ファッション関連分野に関して「Valentino」(VALENTINO)「ヴァレンティノ」といえば同氏を指すものと広く認識されるに至っているというべきである。そして、同氏がデザインした婦人服、紳士服、アクセサリー、バック類、インテリア用品等のファッション関連商品は、「Valentino Garavani」(VALENTINO GARAVANI)「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」及びその略称として「Valentino」(VALENTINO)「ヴァレンティノ」の商標をもって我が国の取引者、需要者の間に広く知られていたというべきであり、このことは、少なくとも本願商標の登録出願時である平成15年10月27日前において既に我が国の取引者、需要者間に広く認識せられていたものであり、また、その状況は現在に至るまで継続しているものとみて差し支えないものである。
(2)しかして、本願商標は「VALENTINOGIONDII」及び「バレンチノジオンディ」の文字を書してなるところ、これより外国人の氏名であるかの如くに理解される場合があるとしても、かかる欧文字を一体のものとして印象づけて記憶するような格別の事情に乏しい状況にあっては、これより生ずる全体の称呼も比較的冗長に亘ることと相俟って、これに接する需要者は、その構成中の「VALENTINO」と「GIONDII」また、「バレンチノ」と「ジオンディ」の各文字のうち、記憶、印象しやすい文字部分により取引に資する場合も決して少なくないものというべきである。
加えて、「VALENTINO GARAVANI」の略称「VALENTINO」は、「婦人服,紳士服,アクセサリー,バッグ」等に使用して、本願商標の登録出願前より、取引者、需要者の間でデザイナーブランドとして広く一般に認識されおり、かつ、これらの商品と本願商標の指定商品、「かばん類,袋物」等の商品とは密接な関連性を有しており、両商品の取引者、需要者の相当部分が共通している。
したがって、上記の事情に照らせば、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、本願商標構成中の「VALENTINO」及び「バレンチノ」の文字部分に強い注意力が注がれ、「VALENTINO GARAVANI」を想起、連想するとともに、同人に係る一連のデザイナーブランドであるかの如く誤認し、或いは、同人と組織的、経済的に何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同(広義の混同)を生ずるおそれがあるのものといわなければならない。
また、請求人の主張する、「Valentino」、「VALENTINO」が、イタリアではありふれた名前であるとしても、少なくとも我が国においては、「Valentino」、「VALENTINO」は、ありふれた氏又は名でなく、一定程度の独創性を備えたものといえるものであり、かつ、ファッション関連からみれば、上述のとおり国際的なトップデザイナー「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ(Valentino Garavani)」又はそのデザイナーズブランドないしはその作品群を容易に想起するものである。
さらに、請求人は、本願商標に係る登録例を挙げて本願商標登録の正当性について述べているが、審理に当たっては、既登録例に何ら拘束されることなく客観的証拠に基づき個別具体的に判断するものであり、これをもって上記認定が左右されるものではない。
(3)なお、「VALENTINO」の文字をその構成中に有する登録商標に関して、本件と同様に審決又は異議決定をしたものに対する東京高等裁判所、知的財産高等裁判所における行政訴訟事件において、次のとおり判決されているところである。
(a)平成14年(行ケ)第201号事件(審判番号07-07234 商標登録第2699605号 商標「GIANNI VALENTINO」指定商品第19類「台所用品、日用品」)は、平成15年9月30日に請求を棄却する旨の判決が言い渡された。
(b)平成14年(行ケ)第354号事件(審判番号09-20430 商標登録第2614322号 商標「GIANNI VALENTINO」指定商品第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品および附属品」)は、平成15年9月30日に請求を棄却する旨の判決が言い渡された。
(c)平成14年(行ケ)第370号事件(審判番号08-20103 商標登録第2357409号 商標「RUDOLPH VALENTINO」指定商品第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く) 」)は、平成15年9月29日に請求を棄却する旨の判決が言い渡された(なお、上告(平成15(行ノ)201、平成15(行サ)第182、平成15(行ツ)333、平成15(行ヒ)353)されたが平成17年7月11日に上告棄却。)。
(d)平成14年(行ケ)第402号事件(審判番号09-02833 商標登録第2715313号 商標「Rudolph Valentino/「V」図形」指定商品第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く) 」)は、平成15年9月29日に請求を棄却する旨の判決が言い渡された(なお、上告(平成15(行ノ)202号、平成15(行サ)183、平成15(行ツ)334、平成15(行ヒ)354)されたが平成17年7月11日に上告棄却。)。
(e)平成14年(行ケ)第405号事件(審判番号11-35033 商標登録第2629700号 商標「valentino /orlandi」指定商品第17類「被服、布製身回品、寝具類」)は、平成15年6月19日に請求を棄却する旨の判決が言い渡された。
(f)平成14年(行ケ)第421号事件(審判番号10-35465 商標登録第2582891号 商標「valentino /orlandi」指定商品第17類「はき物、かさ、つえ、これらの部品および附属品」)は、平成15年6月19日に請求を棄却する旨の判決が言い渡された。
(g)平成16年(行ケ)第335号事件(異議番号2003-90376 商標登録第4658091号 商標「「SとV」のモノグラム図形/SILVIO VALENTINO」指定商品第3類「せっけん類、薫料、つけづめ、つけまつ毛、歯磨き、靴クリーム、靴墨」)は、平成17年2月24日に請求を棄却する旨の判決が言い渡された。
(h)平成17年(行ケ)第10270号事件(異議番号平成10-92002号 商標登録第4161151号 商標 「モノグラム図形/GIOVANNI VALENTINO」指定商品第25類「被服、ガータ、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」)は、平成17年9月28日に請求を棄却する旨の判決が言い渡された。
(i)平成17年(行ケ)第10491号事件(審判番号2002-12122号 商願2001-56565商標 「図形/FEMMIO VALENTINO」指定商品第21類「ガラス基礎製品(建築用のものを除く。)、なべ類、その他」)は、平成17年12月20日に請求を棄却する旨の判決が言い渡された。
(4)以上のとおり、本願商標は、他人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるものというべきであるから、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2006-12-11 
結審通知日 2006-12-13 
審決日 2006-12-28 
出願番号 商願2003-94633(T2003-94633) 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (Y18)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 井岡 賢一板谷 玲子 
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 岩崎 良子
佐藤 松江
商標の称呼 バレンチノジオンディ、バレンティノジョンディイ、バレンチノ、バレンティノ、ジオンディ、ジョンディイ 
代理人 若林 拡 
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