• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y25
管理番号 1152095 
審判番号 無効2005-89116 
総通号数 87 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-03-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2005-09-07 
確定日 2007-01-31 
事件の表示 上記当事者間の登録第4874771号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4874771号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4874771号商標(以下「本件商標」という。)は、「SUZUYA ORIENTAL」の文字を横書きしてなり、平成17年2月15日に登録出願、第25類「被服,洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」を指定商品として、同17年6月24日に設定登録されたものである。

第2 請求人の引用商標
請求人が本件商標の登録の無効の理由に引用した商標は、以下の12件である。
(ア)登録第4252518号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成10年2月12日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同11年3月19日に設定登録されたものである。
(イ)登録第4360076号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成10年11月24日に登録出願、第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同12年2月10日に設定登録されたものである。
(ウ)登録第4317341号商標(以下「引用商標3」という。)は、「株式会社 鈴屋」の漢字と「SUZUYA CO LTD」の欧文字とを二段に書してなり、平成10年9月10日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同11年9月24日に設定登録されたものである。
(エ)登録第1293128号商標(以下「引用商標4」という)は、「鈴屋」の漢字を横書きしてなり、昭和49年1月16日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同52年8月15日に設定登録されたものである。
(オ)登録第1728553号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和49年12月24日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同59年11月27日に設定登録されたものである。
(カ)登録第1247031号商標(以下「引用商標6」という)は、「鈴屋」の漢字を横書きしてなり、昭和49年1月16日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同52年2月7日に設定登録されたものである。
(キ)登録第1258851号商標(以下「引用商標7」という。)は、「鈴屋」の漢字を横書きしてなり、昭和49年1月16日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同52年3月14日に設定登録されたものである。
(ク)登録第4301647号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成10年2月12日に登録出願、第3類、第14類、第16類、第18類,第21類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同11年8月6日に設定登録されたものである。なお、指定商品については、商標権一部取消審判の請求が2件あった結果、指定商品中第21類「花瓶(貴金属製のものを除く。),水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴」及び第14類「貴金属製の花瓶・水盤」について登録を取り消す旨の審判の確定登録が平成15年1月15日及び同15年9月10日にそれぞれされたものである。
(ケ)登録第3141647号商標(以下「引用商標9」という。)は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成4年4月20日に登録出願、第37類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同8年4月30日に設定登録されたものである。
(コ)登録第3102824号商標(以下「引用商標10」という。)は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成4年4月20日に登録出願、第40類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同7年12月26日に設定登録されたものである。
(サ)登録第3096565号商標(以下「引用商標11」という。)は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成4年4月20日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同7年11月30日に設定登録されたものである。
(シ)登録第3310953号商標(以下「引用商標12」という。)は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成4年4月20日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同9年5月23日に設定登録されたものである。

第3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第163号証(枝番を含む。)を提出した。
1 請求の理由
(1)請求人及び引用各商標の著名性
請求人は、明治42年6月に鈴木房吉により、東京・上野で肌着の仕立て直しや雑貨販売の鈴木屋として創業された。昭和26年3月30日に「株式会社鈴屋」として法人化され、その後、業態を女性用被服、衣料用小物類などのデザイン・企画並びにこれらの商品の製造販売を業とするアパレルメーカーと転換し、商号の一部でもある「鈴屋」及び「SUZUYA」ブランドは、請求人の大手婦人服専門店を表示するものとして、また請求人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内において確固たる地位を築き上げてきた(甲第14号証及び甲第84号証)。また日本国内ばかりでなく、昭和46年5月のパリ・シャンゼリゼ店オープンの後、昭和48年のサンジェルマン店、香港店等のオープンにより、海外においても広く知られ、その商品には高い信用が形成されているものである(甲第14号証)。
昭和51年には、請求人は東京・青山に複数店舗からなるファッションビル「青山ベルコモンズ」を開店(現在は第三者により所有されている)し、婦人服専門店として、ファッション業界をリードするポジションを維持し続けてきた(甲第15号証ないし甲第65号証)。そして、請求人の動向や請求人の当時代表取締役社長(現会長)であった鈴木義雄氏のコメントは、被服業界において常に注目されるものであり、日本繊維新聞、センイジャアナル、繊研新聞等の業界紙及び一般紙には、「鈴屋」の名前は絶え間なく掲載されていた(甲第30号証ないし甲第65号証)。
最盛期である平成5年の請求人の関連会社(「鈴屋」グループ)の年間売上高は約692億円、平成6年度においては、約649億円、平成7年度は約507億円と非常に高額であり、また、請求人は繊研新聞において毎年公表される衣料専門店ランキング上、第3位の地位を度々獲得する程の婦人服専門店のランキング常連企業であり(甲第15号証ないし甲第17号証)、長年に亘り婦人服専門店業界をリードし続け、請求人、鈴丹(愛知県名古屋市)及び三愛(東京都)の三社を「名門3S」又は「御三家」とする表現が存在するほどであった(甲第65号証及び甲第67号証)。その後、個人消費の低迷と海外製品の輸入増加などによる価格破壊現象と並行する形で、請求人の売上は減少傾向をたどることとなり、業績の悪化により、請求人は平成9年2月和議申請を行った。
婦人服専門店として需要者及び取引者に著名であった請求人が、和議申請を行ったという事実は広く報じられ、また、申請前においても、再建策について新聞記事に取り上げられるほど、請求人は注目を浴び続けた(甲第63号証ないし甲第67号証)。
また平成9年以降は、老舗大手婦人服専門店の企業再編事例として注目を浴び続けることとなるが、平成9年以降も繊研新聞の全国専門店ランキングに請求人の名前は掲載され続け(甲第19号証ないし甲第26号証)、営業黒字に転換したことも新聞記事となった(甲第92号証)。そして請求人の継続した企業努力の結果、現在、請求人は日本全国に73店舗の店舗数を有し、売上高が約110億円(平成15年度、甲第24号証)と業績回復の路を辿るものである。
また、請求人はこれら引用各商標の登録以前から「鈴屋」若しくは「SUZUYA」に係る商標登録を有していたという事実がある(甲第95号証ないし甲第130号証)。これらは現時点では権利が存続していないが、さらに、請求人はこれ以外にも「SUZUYA」の文字を含む登録商標を所有している(甲第131号証ないし甲第138号証)。
以上のことから、婦人服業界においては「鈴屋」若しくは「SUZUYA」関連の商標といえば、請求人を出所とする商品又は役務についての商標であると、需要者及び取引者において広く認識されていたものと言え、本件商標の出願当時2005(平成17)年においても、すでに請求人が自らのブランドとして婦人服等のファッションに関係する商品に使用する引用各商標「鈴屋」及び「SUZUYA」は、請求人の商標として極めて広く知られていた商標であるというべきである。
(2)本件商標と引用各商標の類否について
本件商標を構成する文字のうち「ORIENTAL」は、一般的に「東洋の」という意味合いを表す英語であって、本件商標の指定商品の分野であるアパレル分野を含むファッション業界では、中国、香港等の東洋の伝統や文化を基にデザインが施された商品について「オリエンタルな」若しくは「オリエンタル調」といった表現が用いられており(甲第139号証)、「ORIENTAL」という言葉は本件商標の指定商品である被服等に使用された場合、商品の品質表示に該当する自他商品識別機能を有さない語であるといえる。よって、ともに構成される言葉(本件の場合「SUZUYA」)を要部として、要部が「東洋調」であることを強調するものである。このような「ORIENTAL」という言葉を含む結合商標の、本件商標の指定商品である被服関連分野における上記事情を鑑みると、本件商標の要部は「SUZUYA」であるというべきである。そうすると、本件商標の「SUZUYA」の部分からは、婦人服業界において著名な請求人若しくは引用各商標を想起させる観念が生ずることが必定である。さらに、本件商標からは「スズヤオリエンタル」という称呼のほか、「スズヤ」の称呼をも生ずるというべきである。
一方、引用各商標は、「鈴屋」又は「SUZUYA」等の文字部分から「スズヤ」の称呼をも生じる商標である。
そして、引用各商標からは、上述のように、婦人服業界において老舗であり、著名な請求人を想起させる観念が生ずるものである。
したがって、需要者が時と所を異にして本願商標及び引用各商標に接する場合には、称呼上及び観念上相紛れるおそれがあって、外観において著名な「SUZUYA」という共通する文字を構成に含む商標であるので、両商標は互いに類似する商標であると言うことができる。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
(ア)本件商標と引用各商標の類似性の程度
本件商標は「SUZUYA」を要部とする商標である。一方、引用各商標は、「鈴屋」又は「SUZUYA」の文字を有する商標であるから、両商標からは「スズヤ」の称呼を生じ、外観においても「SUZUYA」と共通する文字を有する商標である。そして、本件商標の要部及び引用各商標は、婦人服専門店として著名な請求人を想起させるという共通の観念を有するというべきである。したがって、本件商標と引用各商標は互いに類似する商標であるというべきである。
(イ)引用各商標の周知著名性の程度
引用各商標の著名性については、上述に述べたとおりである。よって、このような著名な請求人の商号の一部を含む引用各商標が、本件商標の指定商品の分野において著名性を有することは明白な事実である。
(ウ)本件商標の指定商品と請求人の業務に係る商品等との間の性質用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性
本件商標の指定商品は、第25類の「被服等」である。一方、引用各商標のうち、引用商標1ないし3は、本件商標と同一の指定商品を含むものである。また引用商標4ないし12においても、その指定商品又は役務は請求人の業務の範疇であり、請求人は、婦人服専門店の老舗として著名であるため、本件商標の指定商品である被服等と需要者及び取引者を共通にするものである。
また、被請求人が出願している商標のうち(甲第143号証)、本件商標及び「SUZUYA INTERNATIONAL」について、被請求人が商標を実際に使用している商品は、婦人用スカート、婦人用袖なし(キャミソール型)ニット、及びその包装用袋であり(甲第144号証及び甲第145号証)、請求人の業務分野と重複することは明らかである。またこれら商品は、大型スーパーマーケットにおいて販売されていることが発見されており(甲第144号証及び甲第145号証)、近年の大型スーパーマーケットには、あらゆる年代の需要者が訪れ、買い物を楽しむことが通常であるといえる。すなわち、たとえ、これら被請求人の商品を実際に購入する需要者層の中に、現在の10代、20代の若年層が含まれているとしても、同時に、子供や孫等のために商品を購入する壮年層の需要者がいることも容易に想到しうるものである。そして、前述したことからすれば取引者のみならず、少なくともこのような壮年層の需要者においても、請求人が老舗の婦人服専門店であり、「名門3S」の一つであったことは十分に認知されている以上、本件商標の付された商品を見て、それが請求人、株式会社鈴屋の商品であるかのごとく理解し、商品の出所について混同を生ずるおそれがあることは容易に想到しうると判断されるべきである。よって、本件商標と引用各商標の需要者及び取引者が共通することは明らかである。
(エ)小括
以上のように、本件商標は、我が国において「婦人服」等の商品に関して著名な引用各商標「SUZUYA」を含み、また引用各商標を容易に想起させるものというべきであり、指定商品の関連性等の具体的事情を考慮すると、本件商標がその指定商品に使用された際には、これに接する取引者・需要者は、恰も請求人又は請求人と経済的若しくは組織的に何等かの関係がある者の業務にかかる商品であるかの如くその商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
(4)商標法第4条第1項第8号該当性について
本件商標登録出願前にはすでに、「鈴屋」及びその欧文字「SUZUYA」は、被服業界において、著名な老舗の請求人の商号「株式会社鈴屋」の略称として広く知れ渡っていたものであるといえる。
そして、本件商標はその構成中に「SUZUYA」の文字を有してなるものであるから他人の著名な略称を含む商標というべきものである。
また、被請求人は、「SUZUYA」を含む商標を出願することについて、請求人である株式会社鈴屋本人の承諾を得ていない。
(5)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、上述のように、請求人が引用する商標「SUZUYA」(甲第2号証ないし甲第4号証)と類似する商標であって、被服業界において著名な請求人を表す「SUZUYA」の文字を含む商標である。そして、本件商標は引用商標1ないし3と同一又は類似の指定商品を含むものであるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(6)商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標は、請求人が使用する著名な商標「SUZUYA」若しくは「鈴屋」と類似する商標であり、また同一又は類似の指定商品を含むものであるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(7)商標法第4条第1項第7号該当性について
(ア)公正な取引秩序に反する出願
本件商標の被請求人であるニューベルコモンズ(香港)カンパニーリミテッドは、岡田氏をDirectorとし、香港をその住所とする企業である(甲第146号証)。被請求人は、Suzuya International(H.K.)Company Limited(鈴屋国際有限公司、以下「Suzuya HK」とする)の株を12.5%所有する株主でもある(甲第147号証)。Suzuya HKは、もともと、請求人である株式会社鈴屋の現・代表取締役会長鈴木義雄氏が、同社の社長であった昭和46年に「鈴屋」の国際展開の発端となるパリ店の開業、及び翌47年のサンジェルマン店の開業に続けて、昭和47年4月22日に海外3番目の店舗として香港店をオープンさせたときの経営母体であった(甲第14号証)。このように、Suzuya HKは、日本を除く、香港における株式会社鈴屋の国際的経営の主体となりうるべく設立された会社であり、平成4年当時には、香港で15店舗の専門店を出店し、売上規模で20億円にも到達し、以後、フランチャイズチェーンの展開など、事業の多角化に乗り出し、取引業界においてその成功は注目を集めるものであった(甲第35号証及び甲第36号証)。そして香港においても請求人の名義で引用各商標と同一又は類似の商標について出願し、これら香港の登録商標について、Suzuya HKにライセンスを与え使用させていた(甲第148号証)。
しかしながら、これら商標は香港における登録商標であり、当然のことながら、Suzuya HKが、「SUZUYA」及び「鈴屋」商標を利用して日本でビジネスを行うことなど全く想定されていなかった。
一方、平成9年に請求人が所有していたSuzuya HKの株式は全て第三者に譲渡され、請求人である株式会社鈴屋との資本関係は完全に絶たれることとなった。そして現在もその状況に変わりはなく、ニューベルコモンズ(香港)カンパニーリミテッドのDirectorである岡田氏が、Suzuya HKのDirectorとして経営を行っている(甲第146号証及び甲第147号証)。このように、香港における請求人の子会社であったSuzuya HKが、請求人と組織的及び経済的に何ら関係がなくなったにも拘らず請求人に何らの説明もなく、請求人の商標と混同を生ずるおそれのあるほど類似する商標を、Directorを共通にするニューベルコモンズ(香港)カンパニーリミテッドの名義で、日本国特許庁に出願したのが本件商標及び同第4865303号等の商標である(甲第143号証)。
このような事情のもと出願された本件商標は、請求人及び引用各商標の著名性を知りながら、上記のように請求人と特別の関係にあった者が、請求人の「SUZUYA」及び「鈴屋」の持つ著名性にフリーライドすべく出願されたものであって、このような本件商標の出願の経緯は著しく社会的妥当性を欠くものであるといえる。
(イ)被請求人が実際に使用している商標の態様について
別件商標「SUZUYA INTERNATIONAL」(甲第140号証)について、実際に被請求人が使用している商標の態様は「Suzuya」の文字部分を著しく強調した態様であり、その上、請求人が今般引用する引用商標2及び5の図形部分に該当するカタバミの家紋からなる図形を太字の円からなる線で囲んだ図形と酷似する図形を、強調した「Suzuya」の文字の左隣に添付して使用しているものである(甲第145号証)。
さらに、請求人は、被請求人が本件商標を実際に使用している態様を発見した。これによると、出願商標は明らかに同書同大で横一連に「SUZUYA ORIENTAL」と書された商標であるにもかかわらず、実際の使用態様においては明らかに「SUZUYA」部分のみを強調した使用をしていることが判明した(甲第144号証)。
上述のとおり、被請求人が請求人の著名である引用各商標の存在、及び、請求人が婦人服専門店の老舗として著名であることについて知っていたことは、容易に推認でき、今般発見された被請求人の実際に使用している商標の態様は、請求人の名声にただ乗りする使用と言わざるを得ない。
(ウ)小括
このような事情のもと出願された本件商標は、請求人及び引用各商標の著名性を知りながら、請求人と特別の関係にあった者が、請求人の「鈴屋」及び「SUZUYA」の持つ著名性にフリーライドすべく出願されたものであり、請求人の「SUZUYA」及び「鈴屋」の自他商品識別機能を著しく稀釈化するものであって、このような本件商標の出願の経緯は著しく社会的妥当性を欠くものであるといえる。よって本件商標は、公正な取引秩序に反し、社会一般道徳に反する商標というべきである。
(8)商標法第4条第1項第19号該当性について
被請求人は、請求人と何ら組織的・経済的に関連のない香港法人であるが、そのDirectorの一人に、請求人の香港における事業展開に基づいて設立され、現在は請求人とは資本的に関係のないSuzuya HKのDirectorである岡田氏が含まれていることが確認された(甲第146号証)。岡田氏が請求人及び引用各商標の日本における著名性を知り得ていたことは、岡田氏がSuzuya HKのDirectorであることから容易に推認できる。そもそも、上述したように請求人の引用各商標は、本件商標の出願当時2005年には、すでに被服関連の取引界において極めて広く知られていたのであるから、被請求人が、その出願時に著名な「鈴屋」又は「SUZUYA」の存在を知らなかったとは到底言い難い。
しかも、上述したように、実際の使用態様において明らかに「SUZUYA」部分のみを強調した使用をするといった行為を被請求人は実際に行っているのである。このような使用は、まさに「鈴屋」及び「SUZUYA」に化体した高い名声と信用にフリーライドする目的を持って使用するものに他ならない、信義則に反する不正の目的での使用であると言わざるを得ない。
したがって、本件商標は、請求人の取り扱い業務に係る商品を表示するものとして著名な「SUZUYA」の文字を含み、その指定商品について識別力が弱い「ORIENTAL」の文字を結合させたにすぎない商標であり、その実際の使用態様は「SUZUYA」部分を強調した使用をし、著名な「SUZUYA」を容易に想起させる態様で使用している事実から、本件商標の使用ついて著名な商標「SUZUYA」及び「鈴屋」に化体した業務上の信用にフリーライドする目的を持って使用するものというべきである。
(9)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号によって無効にすべきものである。
2 答弁に対する弁駁
A.商標法第4条第1項第15号該当について
(1)本件商標と引用各商標との類否
(ア)被請求人は、「ORIENTAL」の登録例を挙げている。しかしながら、このような登録商標が存在するとしても、「ORIENTAL」という言葉が「東洋の」又は「東洋風の」という意味合いを表す「高校基本語」の一つである英語であって、一般的に広く知られている(甲第149号証)。そして外来語としてカタカナ「オリエンタル」も「オリエンタル調」、「オリエンタル風」といったように使用され(甲第139号証)、国語辞典やカタカナ語辞典にも記載がある程、一般的に日本人に理解されその使用がなされている語であるというべきである(甲第150号証及び甲第151号証)。このような状況下、本件商標を使用すると、恰も、被服業界において周知著名な請求人鈴屋のオリエンタル調な商品といった観念が想起されることは必定であるといわざるを得ない。
また、被請求人は、「本件商標は、その審査経緯において、登録商標『ORIENTAL』並びに引用各商標『SUZUYA』、『鈴屋』が存在していたにも関わらず何ら拒絶理由を送達されることなく登録となっている」ことを根拠として、本件商標が「SUZUYA ORIENTAL」としてはじめて自他商品識別力を発揮するものであると認められたと主張する。
しかしながら、本件商標について、請求人の登録商標を引用して拒絶理由が審査段階で出されなかったという事実のみでは、本件商標が一体でのみ把握されるとする何の根拠にもならない。
(イ)被請求人は、「本件商標からは『東洋のスズヤ』又は『東洋風のスズヤ』といった特定の観念が生じる」とするとしているが、被請求人が言う観念を想起させる本件商標を、その指定商品である被服等に使用されると、「婦人服大手の鈴屋の東洋バージョン」若しくは「東洋展開を見据えた婦人服大手の鈴屋の商標」又は「積極的に東洋の各国において業務の展開を行ってきた鈴屋の商標」であるかのように、あたかも請求人の業務に係る商品であるかの印象を需要者等に与え、商品の出所について混同を生ずるおそれは極めて高いものであるというべきである。
(2)引用各商標の周知著名性の程度について
(ア)請求人が提出した記事(甲第15号証ないし甲第94号証)は、請求人に関する新聞記事であり、請求人の引用各商標を付した商品を紹介する記事ではない。しかしながら、これら記事から、請求人がアパレルの一企業として、若しくは、少なくとも婦人服専門店として、取引者及び需要者に広く知れ渡っていることが看取できることは、否定し得ない事実である。そして、これら記事はいずれも請求人の業務が引用各商標の指定商品、特に被服について使用されるものであるからこそ、婦人服専門店の老舗として請求人について掲載されているものといえる。
被請求人は請求人のブランドについて記載し、その写真を添付している(乙第10号証及び乙第11号証)。しかしながら、請求人もまた同業他社が行っているように、被服そのものにそれぞれ個別のブランド名を採用し、被請求人が示したような使用(乙第10号証及び乙第11号証)をしているとしても、レシートや包装用袋において引用各商標の使用を行っている(甲第153号証)。そしてこれら使用は商標法2条第3項第1号及び2号又は8号にいう「商標の使用」に該当するものである。
(イ)被請求人は、請求人と経済的にも組織的にも何らかかわりのない第三者が「鈴屋」、「すずや」又は「スズヤ」を含む商号を採用しているとして乙第3号証ないし乙第8号証を提出している。しかしながら、これらは重複したものを除くと23店舗に関する情報にすぎず、その半数以上が従業員5人以下の小規模な、いわゆる町の衣料品店である。したがって、これら証拠をもって、「請求人と関係のない「鈴屋」、「すずや」又は「スズヤ」を含む商号が日本各地に多数存在する」との被請求人の主張は、到底認められるものではない。
(ウ)さらに、請求人は、請求人の商標が周知・著名なものであることを立証するため、今般、アンケート方式による市場調査を行った(甲第156号証)。その作成の報告書(甲第156号証)によれば、請求人の商標を知っていると回答した者が、70.7%おり、そのうち、「具体的製品名」に被服(注:請求人は和服を提供していないため、和服と回答した者は誤答として処理)と回答したものが57.0%であった。かかる認知度は、同じアンケートで調査した海外著名ブランドである「フオートナム・メイソン」や「フィスラー」の認知度を大きく上回っており、請求人の出所表示としてのSUZUYAブランドの著名性は明らかである。
さらに、請求人は、被服業界における請求人及び引用各商標の著名性について証明するために、同業者による陳述書を提出する(甲第157号証)。
(3)本件商標の指定商品と請求人の商品との関連性並びに需要者等の共通性について
(ア)被請求人は、請求人の商品の需要者に現在の10代、20代の若年層が含まれているとしても、子供等のために商品を購入する壮年層の需要者も含まれるとした請求人の主張に対して、「苦しい主張」だとし、「通常の需要者が本件商標を見ても株式会社鈴屋と出所混同しないことを請求人自ら暗に認める証左である」と主張する。しかしながら、請求人は、引用各商標を付した請求人の商品の需要者が壮年層のみだと主張したわけではない。
(イ)被請求人は、請求人が提出した証拠(甲第144号証及び甲第145号証)について、「これらの証拠によって証明されるのは、単に本件商標が被請求人により実際に使用されているという事実である」と主張する。このことはすなわち、被請求人が本件商標をその指定商品である「被服等」に含まれる「婦人用スカート、婦人用袖なしニット」等及びその包装用袋に使用していると認識しているものといえる。
B.商標法第4条第1項第8号について
被請求人は、「請求人の主張する著名な略称は、特定の取引者間における著名性について言及するものであり、商標法第4条第1項第8号にいうところの世間一般に広く知られている『著名な略称』とは言い得ないものである」と主張する。
請求人の商号の略称である「鈴屋」及び「SUZUYA」は、被服という至極一般的な日常生活の必需品に使用されるものであって、「一般人が購入するようなものである場合」に該当することは明らかであり、「当該他人の略称(「鈴屋」及び「SUZUYA」)が世間一般に広く知られて著名であるということができる」ものと思料する。
C.商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標が「SUZUYA ORIENTAL」とまとまりよく一体に表されているとしても、他人である被請求人の広く知られた引用各商標を含むものであって、引用商標1ないし3と同一又は類似する商品を指定するものであるので、商標法第4条第1項第11号に該当するという無効理由が存在することは否定することができない。
(2)被請求人が言う「東洋のスズヤ」又は「東洋風のスズヤ」の観念を想起させる本件商標を、その指定商品である被服等に使用された場合、「婦人服大手の鈴屋(スズヤ)の東洋風のイメージのコレクション」若しくは「東洋における展開を見据えた婦人服大手の鈴屋(スズヤ)の商標」、又は「積極的に東洋の各国において業務の展開を行ってきた鈴屋の商標」であるかのように、取引者及び需要者は認識するおそれが極めて高いものと考えられ、この点でやはり本件商標の要部は「SUZUYA」であるといわざるを得ず、本件商標と引用商標1ないし3は類似する商標であるというべきである。
D.商標法第4条第1項第10号について
引用各商標が使用されることと相侯って請求人の商号の略称としての「鈴屋」及び「SUZUYA」も、引用各商標とともにその周知著名性を獲得しているということについてはいうまでもない。
E.商標法第4条第1項第7号について
(1)被請求人が主張するように、鈴屋国際有限公司自体は、請求人である株式会社鈴屋の香港法人として設立されたものであり(甲第14号証)、そもそも請求人名義で登録された香港における商標権を譲渡した先は鈴屋国際有限公司であって(甲第161号証)、被請求人が主張する「被請求人ニューベルコモンズ(香港)株式会社が、株式会社鈴屋から鈴屋関連商標のアジア地域における一切の権利を譲り受けた」のではない。
まして、「アジア地域」に「日本」が含まれることは断じてなく、この点については当時、請求人の代表取締役社長であって、現会長の鈴木義雄氏の陳述書及び商標権譲渡契約書からも明らかな事実であり(甲第161号証及び甲第162号証)、むしろ、あえて譲渡契約書に、譲渡する商標権について日本以外の国名や登録番号等を明記したということは、鈴屋国際(香港)有限公司が「鈴屋」関連の商標を日本では使用しないとの合意があったことを裏付けるものである。
また、被請求人は、請求人と資本関係を有さず、商品を共有している事実がないにもかかわらず、自己のホームページにおいて、請求人である株式会社鈴屋の歴史を紹介し、あたかも請求人と繋がりがあるかのような表示を行っている(甲第152号証)。このように自らのホームページにおいて請求人とのつながりがあるかのような記載をして自己の業務を行っているにも係らず、本件商標が、請求人の「鈴屋」及び「SUZUYA」商標と類似しないものであって、請求人を想起させないとの主張は全くをもって相容れない主張である。
一方、「被請求人が本商標権を不正使用する意図はない。被請求人は、使用態様での商標権を取得すべく、一連の無効審判の請求前に出願済みである」として乙第14号証を提出した。被請求人の主張する「一連の無効審判の請求前に出願済みである商標」は、その出願日を平成17年8月22日とするものである。後述する、本件商標の出願の経緯から見られるように、被請求人が請求人に鈴屋関連の商標の使用について最初に申し出たのは平成16年夏頃であって、その後、幾たびか請求人と被請求人間のやりとりがあり、特に「SUZUYA ORIENTAL」の使用について、被請求人の代表取締役である岡田氏から請求人の代表取締役である伊狩悟氏に申出があったのは平成17年5月30日以降であって、これに対しては、上記商標の登録出願前に請求人から被請求人に対し、「SUZUYA ORIENTAL」の使用は容認できないことを明確に伝えている(甲第163号証)。
このような経緯から、「使用態様での商標」として、「SUZUYA」の文字を大きく強調した態様であって、「SUZUYA」、「ORIENTAL」と二段書きにてなる商標が本件審判請求の請求日前に行われたとしても、その出願日は、明らかに岡田氏が、請求人が被請求人に本件商標の使用の中止を求めた日以降であって、全く、その出願の経緯に正当性が感じられないといわざるを得ない。
(2)被請求人は「請求人に対してSUZUYAとカタバミ紋の図形からなる商標を沖縄県で使用してもよいと口頭で了解を得た経緯がある」と主張する。当該主張が事実に反することは、以下に述べるとおりであるが、そもそもこのような主張を被請求人が行うこと自体、事前に請求人の了解を得なければSUZUYA商標を日本では使用できないことを被請求人が十分に理解していたことを明らかに示すものである。よって「鈴屋」及び「SUZUYA」関連商標を被服等を指定商品として、被請求人が商標登録出願することができないことは当然であって、本件商標等の出願は請求人と被請求人との合意に明らかに反するものであると言わざるを得ない。
さらに、被請求人の上記主張については、請求人としては、このような事実はないと主張せざるを得ない。請求人の代表取締役社長である伊狩悟氏は、平成16年夏頃、被請求人の代表取締役である岡田氏から「沖縄で鈴屋国際(香港)の商品を販売したい。」という内容の電話を受けた。当時の岡田氏の説明は、鈴屋国際の香港で余った在庫商品の処理のため、というものであったので、ごく短期間に限って沖縄でバーゲンセールを行う程度のことと伊狩氏は解釈した。そして岡田氏から今後被請求人が日本において「鈴屋」及び「SUZUYA」に関連する商標を出願し、継続して事業を日本において展開するなどという説明は一切なかった。伊狩氏は、もしこのとき本件商標のような商標や、「SUZUYA ORIENTAL」といった看板や商標を使用して今後日本で事業展開をする予定であるという話を聞いていれば、当然のことながら、ごく短期間とはいえ、当該在庫処分を容認することはなかった。この沖縄におけるごく短期間に限った在庫処理の容認が、「SUZUYAとカタバミ紋の図形からなる商標を沖縄県で使用してもよい」ということにはなり得ないことは明らかである。
さらに、平成17年5月末以降、岡田氏から、「SUZUYA ORIENTAL」ブランド等を利用した商品の日本展開を行っていきたい旨の意向が伝えられ、実際に、九州の都城等で「SUZUYA ORIENTAL」ブランドを利用した商品の販売が行われていること、及び、被請求人名義で本件商標他数件の商標が登録及び出願中であることが判明した。
これに対し、請求人は、口頭及び書面にて、SUZUYA関連の商標を使用して日本国内で事業を展開することは容認できないので、SUZUYA関連の商標の使用を中止することとSUZUYA関連商標の商標登録を放棄または請求人に譲渡することを再三にわたり要求してきたところ、被請求人は、平成17年9月15日の面談の際、漸く、沖縄を含め、全ての既存店舗及び今後出展予定の店舗において、鈴屋関連商標の使用をやめ、他のブランドに変更すること、及び、被請求人の名義で所有する鈴屋関連の商標は今後一切使用はしないことを約束するに至った。しかしながら、商標権の放棄や譲渡には同意できないとのことであったので、請求人は書面で再考を求めたが、現在に至るまで応じてもらえていない(甲第163号証)。
したがって、本審判請求は、上記のような経緯を経てなされたのであり、被請求人が主張する「沖縄でかかる商標を使用することに何の問題もない」ことの根拠は存在せず、その後、幾度もの書簡の送付や、電話及び面会において請求人は、その立場を被請求人に明確に表示し、本件商標等の使用を今後中止する旨の約束は取り付けたものの、当該商標権の帰属については、継続して争う姿勢を被請求人は見せている。このようなことからも、本件商標が公正な取引秩序及び社会一般道徳に反するものと言わざるを得ない。
F.商標法第4条第1項第19号について
そして上述のような経緯で出願された本件商標は、信義則に反する不正の目的を持って出願されたことが明らかであり、かつ、実際に被請求人は「SUZUYA」部分を強調した使用をしている。

第4 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第14号証を提出した。
A.商標法第4条第1項第15号について
(1)本件商標と引用各商標の類似性の程度について
本件商標を構成する文字部分のうち「ORIENTAL」の英語については、「東洋の」といった意味を有する語である。しかしながら、甲第139号証に示されるように、「オリエンタル」の日本語表記が複数のファッション関係のWebページに掲載されているからといって、何ら商標法上における自他商品識別標識に影響するものではない。その証拠として乙第1号証及び乙第2号証を提出する。
上記乙第1号証及び乙第2号証に示したように、欧文字表記「ORIENTAL」のみからなる商標が本件商標の指定商品である「被服」等を指定商品として登録されているという事実がある。このことは、「ORIENTAL」の表記自体に自他商品識別力があることを明確に示すものである。
本件商標は、その審査経緯において、上記登録商標「ORIENTAL」並びに請求人が類似すると主張する引用各商標である「鈴屋」又は「SUZUYA」が存在していたにも関わらず、何ら拒絶理由を送達されることなく登録となっている。つまり、本件商標を構成する「SUZUYA ORIENTAL」は、「SUZUYA」或いは「ORIENTAL」の夫々の自他商品識別力云々の問題ではなく、一連不可分に構成される商標「SUZUYA ORIENTAL」としてはじめて自他商品識別力を発揮するものであると認定されたものであり、何れか一方を切り離して、個別的に自他商品識別力について議論するものではないことは明らかである。
そこで、改めて本件商標と引用各商標との類否を称呼、外観、観念について観察してみると、本件商標からはその構成文字「SUZUYA ORIENTAL」から「スズヤオリエンタル」の称呼が生じ、上記引用各商標からは「スズヤ」、「スズヤカブシキカイシャ」、「スズヤシーオーエルティーディー」の称呼が生じる。また、その外観においては比較するまでもなく一見して相違することが明らかであり、さらに、本件商標からは「東洋のスズヤ」又は「東洋風のスズヤ」といった特定の観念が生じるのに対し、引用各商標からは「鈴屋」又は「株式会社鈴屋」といった異なる観念が生じるものである。
したがって、本件商標と引用各商標とは、互いに称呼、外観、観念の何れにおいても相違することが明白であり、時と処を異にする離隔的観察を試みたとしても、両者は彼此相紛らわしく看取されることはなく、互いに非類似の商標である。
(2)引用各商標の周知著名性の程度について
請求人が証拠として提出する甲第15号証ないし甲第94号証においては、「株式会社鈴屋」、その略称としての「鈴屋」又はその英文字表記である「SUZUYA」が商号又は商号の略称として使用されていることを証明するにすぎず、引用各商標が本件商標の指定商品の分野における商品の商標として使用されているという事実並びにその商標の著名性を何ら立証するものでなく、単に請求人の商号である「株式会社鈴屋」が取り上げられていることを示すだけである。さらに言えば、平成9年2月の和議申請頃から現在に至るまでマスコミに取り上げられた記事内容は、株式会社鈴屋の企業イメージにとってマイナスのものばかりである(特に甲第68号証ないし甲第79号証)。このような記事内容が商標「株式会社鈴屋」、「鈴屋」又は「SUZUYA」の著名性を立証する証拠とはならない。
また、請求人は、引用各商標の登録以前から多数の「鈴屋」若しくは「SUZUYA」に係る商標登録を有していたという事実を示しているが、上述のような過去の多数の請求人による商標登録の事実があるからといって、引用各商標である「鈴屋」若しくは「SUZUYA」が需要者及び取引者において広く認識された商標であるとは言えない。
乙第3号証ないし乙第8号証は、一部において重複掲載されている商号を含むものであるが、これらに掲載されている商標は、何れも請求人である「株式会社鈴屋」とは経済的にも組織的にも何ら関わりのないものである。
してみると、経済的にも組織的にも何ら関わりのない「鈴屋」、「スズヤ」又は「すずや」を含む請求人以外の商号が日本各地に多数存在することに鑑みれば、必ずしも引用各商標である「鈴屋」若しくは「SUZUYA」が需要者及び取引者において広く認識された商標であるとは言えず、また、「鈴屋」又は「SUZUYA」が一概に被服業界において請求人を指し示すものであるとは言えない。
(3)本件商標の指定商品と請求人の業務に係る商品等との間の性質用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性
本件商標と引用各商標とが非類似であるのだから、仮に需要者及び取引者が共通するものであったとしても、その指定商品が同一又は類似、或いは、請求人の業務の範疇に属するからといって商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるとする請求人の主張は成り立たない。
さらに言えば、請求人の販売する商品の需要者が現在の10代、20代の若年層であるところ、子供や孫等のために商品を購入する壮年層の需要者が含まれていることが容易に想到され、少なくともこのような壮年層の需要者において、本件商標の付された商品を見て、それが請求人、株式会社鈴屋の商品であるかのごとく理解し、商品の出所について混同を生ずるおそれがあると請求人は主張する。このような苦しい主張は、通常の需要者が本件商標を見ても株式会社鈴屋と出所混同しないことを請求人自ら暗に認める証左である。
また、被請求人が出願中である又は登録を有する複数の商標(甲第144号証及び甲第145号証)によって証明されるのは、単に商標が被請求人により実際に使用されているという事実である。
したがって、本件商標と引用各商標とは非類似の商標である以上、仮に需要者並びに取引者が共通することをもって請求人の業務の範疇に属する商品に本件商標が使用された際に、商品の出所について混同を生じるおそれがあるものと言わざるを得ないとする請求人の主張は、認めることができない。
(6)その他取引の実情
取引の実情として、実際に取引が行われる商品又は製品につき、一般消費者が製品の品質を正しく認識し、その購入に不測の損失を被ることのないようにするため、家庭用品品質表示法(乙第9号証)には、販売に係る商品の製造又は加工につき責任を有する製造者、販売者又はこれらから表示の委託を受けて行う表示事業者が表示を行う義務があると定められている。
そこで実際に請求人が販売している商品を確認してみると、乙第10号証及び乙第11号証に示すように、製造者又は販売者として請求人の商号である「株式会社鈴屋」又はその略称表記と主張する「鈴屋」或いは「SUZUYA」といった表示は一切確認することができず、請求人により開発されたブランド名である「Jean Vertical」、「BELLE BOUDOIR」、「Ombrage」といった表示のみが確認できるものである。これより、取引の実情において請求人の主張する「鈴屋」又は「SUZUYA」といった商標が実際に商品又は製品に使用されているという事実は確認できない。
よって、これらの事実からは、本件商標の指定商品の関連分野において請求人である「株式会社鈴屋」が実際に販売している商品や製品が当該請求人により開発されたブランド名により取引され、当該ブランド名により自他商品が識別されているということである。
(7)小括
以上の説明から明らかなように、本件商標である「SUZUYA ORIENTAL」は、一連不可分にして自他商品識別機能を発揮する商標であり、引用各商標とは称呼、外観、観念の何れにおいても明白に相違するもので、これに接する取引者・需要者が普通に支払われる注意力をもってすれば両者は十分に識別可能な互いに非類似の商標であり、且つ、引用各商標は著名商標でもないため、本件商標をその指定商品に使用しても商品の出所について混同を生ずるおそれはない。
B.商標法第4条第1項第8号について
請求人の主張する著名な略称とは、甲第15号証ないし甲第26号証に基づいて被服業界における請求人の商号である「株式会社鈴屋」及びその略称である「鈴屋」又は「SUZUYA」についての著名性であり、いわゆる特定の取引者間における著名性について言及するものであり、商標法第4条第1項第8号にいうところの世間一般に広く知られている「著名な略称」とは言い得ないものである。
よって、請求人の商号である「株式会社鈴屋」の略称としての「鈴屋」又はその欧文字表記である「SUZUYA」については、商標法4条第1項第8号に規定される「著名な略称」には該当せず、本件商標の被請求人が本件商標登録出願以前の段階で請求人に対して「SUZUYA」を含む本件商標「SUZUYA ORIENTAL」を出願することにつき、何らの承諾を得る一切の義務はない。
C.商標法第4条第1項第11号について
本件商標を構成する「SUZUYA ORIENTAL」は、「SUZUYA」又は「ORIENTAL」の夫々の自他商品識別力云々の問題ではなく、一連不可分に構成される商標「SUZUYA ORIENTAL」としてはじめて自他商品識別力を発揮するものである。故に、何れか一方を切り離して、個別的に自他商品識別力について議論するものではない。
敢えて引用商標1ないし3との対比を行うならば、本件商標からは、淀みなく一息に「スズヤオリエンタル」の称呼が生じるのに対し、引用商標1ないし3からは「スズヤ」の称呼を生じるものである。よって、本件商標と引用商標1ないし3とは、明らかにその称呼を異にするものであり、両者は称呼において互いに非類似の商標である。
また、本件商標と引用商標1ないし3とは、詳細を検討するまでもなく明らかにその外観を異にするものであり、両者は外観において互いに非類似の商標である。
さらに、本件商標からは、「東洋のスズヤ」又は「東洋風のスズヤ」といった特定の観念が生ずるのに対し、引用商標1及び2からは「スズヤ」という観念が生じ、引用商標3からは「株式会社鈴屋」といった特定の観念が生じるものである。してみると、本件商標と引用商標1ないし3とは、互いに異なる観念が生じるものであり、両者が観念において互いに非類似の商標である。
したがって、本件商標と引用商標1ないし3とは、称呼、外観、観念の何れにおいても相違することが明白であり、時と処を異にする離隔的観察を試みたとしても、両者は彼此相紛らわしく看取されることはなく、互いに非類似の商標である。
D.商標法第4条第1項第10号について
請求人提出の甲第19号証、甲第24号証ないし甲第26号証に記載されている「鈴屋」又は「SUZUYA」は商標として記載されているものではなく、単に請求人の商号「株式会社鈴屋」の略称表記として記載されているものであり、商標「SUZUYA」及び「鈴屋」の著名性を何ら立証するものではない。
さらに、上述の商標法第4条第1項第11号において被請求人の主張として具申したように、本件商標と引用各商標とは互いに非類似の商標であることは明白であり、同一又は類似の商品に使用されたとしても、その商品の出所について混同を生じるおそれはない。
E.商標法第4条第1項第7号について
鈴屋国際有限公司は、もともと、昭和48年1月、株式会社鈴屋の香港現地法人として成立されたものであるが、現在の鈴屋国際有限公司が株式会社鈴屋と資本関係を有さないことは事実である。請求人である株式会社鈴屋が平成9年2月の和議申請したのと関連して、鈴屋国際有限公司の株主である被請求人ニューベルコモンズ(香港)株式会社(代表者:岡田)が、株式会社鈴屋から鈴屋関連商標のアジア地域における一切の権利を譲り受けたためである。被請求人ニューベルコモンズ(香港)株式会社と資本関係にある鈴屋国際有限公司が、アジア地域において「鈴屋国際有限公司」や「SUZUYA INTERNATIONAL」の商号及び商標を使用することは正当な行為である。
被請求人は、乙第13号証に示すように、香港(直営店35店舗)を拠点とし、マカオ(直営店6店舗)、中国(直営店10店舗、フランチャイズ店15店舗)、シンガポール(直営店2店舗)、マレーシア(直営店5店舗)、タイ(直営店4店舗、フランチャイズ店1店舗)、ベトナム(直営店1店舗、フランチャイズ店1店舗)、インドネシア(フランチャイズ店1店舗)というように、東南アジア地域において精力的に営業活動を行っているものである。また、2004年9月から2005年8月までの売上高も香港の直営店だけで164,470,053.8HKドル(日本円で約25億円)、他の直営店及びフランチャイズ店の売上高の合計が203,369,035.99HKドル(日本円で約31億円)に達する。被請求人は、過去に請求人との間で特別な関係にあった事実はあるものの、乙第10号証及び乙第11号証をもって示したように、請求人は実際に商標「鈴屋」又は「SUZUYA」を商品に使用しているものではなく、既述したように請求人による引用各商標が著名性を有するに至ったとする何らの根拠もないものである。
よって、本件商標が請求人の「SUZUYA」及び「鈴屋」の持つ著名性にフリーライドすべくなされた出願であり、請求人の商標「鈴屋」及び「SUZUYA」の自他商品識別機能を著しく希釈化させるもので、本件商標の出願の経緯が著しく社会的妥当性を欠くものであるという請求人の主張は、これを認めることができない。
請求人は、被請求人がジャスコ都城店(宮崎県)で販売した「SUZUYA ORIENTAL」商標を付した商品の使用態様(甲第144号証)と本件商標権の商標見本とが異なることを問題としている。かかる使用態様が請求人の商標との間で出所の混同を招くことはなく、被請求人が本商標権を不正使用する意図はない。請求人は、使用態様での商標権を取得すべく、一連の無効審判の請求前に出願済みである(乙第14号証)。なお、被請求人は、審判請求事件後、無用な嫌疑を払拭するためにその使用を止めている。
したがって、本件商標は、公正な取引秩序及び社会一般道徳に反するものでない。
F.商標法第4条第1項第19号について
請求人が提出した証拠資料の甲第15号証ないし甲第94号証は、請求人の商号である「株式会社鈴屋」、その略称としての「鈴屋」又はその英文字表記である「SUZUYA」が商号又は商号の略称として使用されていることを示すものであり、引用各商標が本件商標の指定商品の分野における商標として使用されているという事実並びにその商標の著名性を何ら立証するものでなく、引用各商標である「鈴屋」若しくは「SUZUYA」が需要者及び取引者において広く認識された商標であるとは言えない。
また、乙第4号証ないし乙第9号証には、何れも請求人である「株式会社鈴屋」とは経済的にも組織的にも何ら関わりのない「鈴屋」、「スズヤ」又は「すずや」を含む請求人以外の商号が日本各地に多数存在することが示されており、引用各商標である「鈴屋」又は「SUZUYA」が一概に被服業界において請求人を指し示すものであるとは言えない。
なお、商標法第4条第1項第11号の被請求人の主張において申し述べたとおり、本件商標と引用各商標である「鈴屋」及び「SUZUYA」とは互いに非類似の商標である。
よって、請求人の引用各商標が著名であるとは言えず、また、本件商標と引用各商標とは互いに非類似のものであるから、本件商標が請求人の商標である「鈴屋」及び「SUZUYA」に化体した業務上の信用にフリーライドするという不正な目的をもって使用するものであり、公正な取引秩序を乱すものであるという請求人の主張は、これを認めることができない。
G.結語
以上詳述したとおり、本件商標と引用各商標とは、称呼、外観及び観念上類似するものではなく、且つ、商品の出所につき誤認・混同を生ずるそれもない。また、請求人の「SUZUYA」及び「鈴屋」の持つ著名性にフリーライドするという不正な目的をもって出願されたものでなく、引用各商標である「鈴屋」及び「SUZUYA」の自他商品識別機能を著しく希釈化させるものでもない。さらには、本件商標の出願の際に、請求人の承諾を得る必要性は皆無であり、社会一般道徳に反するものでも公正な取引に反するものでもない。
よって、本件商標は、請求人が主張する商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれの規定に違反するものではない。

第5 当審の判断
(1)商標「鈴屋」及び「SUZUYA」の著名性について
(ア)甲第14号証の「鈴屋65年史」(昭和50年6月10日発行)及び甲第84号証の「流通サービス新聞」(平成10年7月3日発行)によれば、請求人は、明治42年6月に、東京、上野で肌着の仕立て直しや雑貨販売の鈴木屋として創業。昭和26年3月30日に「株式会社鈴屋」として法人化され、その後、業態を女性用被服、衣料用小物類などのデザイン、企画並びにこれらの商品の製造販売を業とするアパレルメーカーに転換したことが認められる。
(イ)甲第15号証ないし甲第17号証の「繊研新聞」(平成6年7月26日、平成7年7月27日、平成8年7月24日発行)、甲第65号証の「日経流通新聞」(平成8年6月25日発行)及び甲第67号証の「流通サービス新聞」(平成9年2月7日発行)によれば、最盛期である平成5年の請求人の関連会社(「鈴屋」グループ)の年間売上高は約692億円、平成6年度においては、約649億円、平成7年度は約507億円と非常に高額であり、また、請求人は繊研新聞において毎年公表される衣料専門店ランキング上、第3位の地位を度々獲得する程の婦人服専門店のランキング常連企業であり、長年に亘り婦人服専門店業界をリードし続け、請求人、鈴丹(愛知県名古屋市)及び三愛(東京都)の三社を「名門3S」又は「御三家」とする表現が存在するほどであったことが認められる。そして、上記「繊研新聞」等には、請求人を指称するものとして「鈴屋」の名前が掲載されていることが認められる。
(ウ)甲第68号証ないし甲第78号証の「日経流通新聞、朝日新聞他の各新聞」(平成9年2月25日ないし同2月27日発行)によれば、請求人は、業績の悪化により、平成9年2月和議申請を行ったことが報じられているが、甲第92号証の「日経流通新聞」(平成10年11月12日発行)によれば、和解決定後翌年には営業黒字に転換したこと、また、甲第19号証ないし甲第26号証の「繊研新聞」(平成10年8月7日ないし平成17年8月9日発行)によれば、和議申請後の平成9年以降も、同新聞の全国専門店ランキング(レディス部門売上高上位60社)に「鈴屋」の名前が掲載され続け、平成9年度から同16年度間のレディス部門の売上高ランキングにおいて第20位前後にランクされていることが認められる。
(エ)甲第47号証の「日経流通新聞」(平成6年9月15日発行)、甲第56号証の「日本繊維新聞」(平成8年5月1日発行)、甲第64号証の「流通サービス新聞」(平成8年6月21日発行)、甲第70号証の「繊研新聞」(平成9年2月26日)、甲第72号証の「毎日新聞」(平成9年2月25日)、甲第75号証の「日刊工業新聞」(平成9年2月25日)、甲第77号証の「産経新聞」(平成9年2月25日)及び甲第78号証の「東京新聞」(平成9年2月25日)には、請求人を指称するものとして、「鈴屋」の欧文字表記である「SUZUYA」の文字が掲載されていることが認められる。
(オ)甲第153号証によれば、請求人が被服そのものには、それぞれ個別のブランド名を採用し、その被服の包装用袋又はレシートに、請求人を指称する「SUZUYA」の文字が表示されていることが認められる。
(カ)以上を含め、請求人の提出に係る甲第14号証ないし甲第163号証の甲各号証を総合勘案すれば、請求人である「株式会社鈴屋」の使用する「鈴屋」及び「SUZUYA」の文字からなる商標は、請求人の業務に係る商品「婦人服」に永年使用された結果、本件商標の登録出願時ないし査定時には、請求人を指称するものとして、また、請求人の業務に係る商品「婦人服」を表示する商標として、少なくともファション関連商品を取り扱う需要者の間に広く認識され、著名性を獲得していたものというべきであり、その状態は現在に至るまで継続しているものとみるのが相当である。
(2)本件商標について
本件商標は、前記のとおり「SUZUYA ORIENTAL」の文字よりなるところ、その構成中に、前記認定のとおり請求人の業務に係る商標として著名な「SUZUYA」の文字を含むものであり、また、本件商標に係る指定商品は、「被服,洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,帽子」等であって、請求人の業務に係る商品「婦人服」を含むファッション関連商品を多く含むものである。
(3)被請求人の主張について
被請求人は、「本件商標は、一連不可分にして自他商品識別機能を発揮する商標であり、引用各商標とは称呼、外観、観念の何れにおいても明白に相違するもので、これに接する取引者・需要者が普通に支払われる注意力をもってすれば両者は十分に識別可能な互いに非類似の商標であり、且つ、引用各商標は著名商標でもないため、本件商標をその指定商品に使用しても商品の出所について混同を生ずるおそれはない。」旨主張している。
しかしながら、前記のとおり、本件商標はその構成中の「SUZUYA」の著名性が認められること、そして、「ORIENTAL」の語は、「東洋の」の意味を有する語としてよく知られており、一般的に商品が東洋調であることを示唆する語であって、識別力の弱い語といえることから、本件商標に接する需要者は、「SUZUYA」の文字部分のみを捉えて、取引にあたる場合が多いものというのが相当であり、この点に関する被請求人の主張は採用の限りでない。
(4)結論
以上のとおり、被請求人が「SUZUYA」の文字を含む本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、これより容易に商標「鈴屋」及び「SUZUYA」を連想、想起し、あたかも該商品が請求人又は請求人と組織的若しくは経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号、同第11号及び同第19号について検討するまでもなく、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)登録第4252518号商標



(2)登録第4360076号商標



(3)登録第1728553号商標



(4)登録第4301647号商標



(5)登録第3141647号商標,登録第3102824号商標
登録第3096565号商標,登録第3310953号商標


審理終結日 2006-08-29 
結審通知日 2006-09-04 
審決日 2006-09-21 
出願番号 商願2005-11940(T2005-11940) 
審決分類 T 1 11・ 271- Z (Y25)
最終処分 成立 
前審関与審査官 有水 玲子 
特許庁審判長 山口 烈
特許庁審判官 小林由美子
山本 良廣
登録日 2005-06-24 
登録番号 商標登録第4874771号(T4874771) 
商標の称呼 スズヤオリエンタル、スズヤ、オリエンタル 
代理人 田中 克郎 
代理人 石田 良子 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 佐藤 真太郎 
代理人 中嶋 伸介 
代理人 奥山 倫行 
代理人 中村 勝彦 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ