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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 132 |
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管理番号 | 1150264 |
審判番号 | 取消2004-30640 |
総通号数 | 86 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-02-23 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2004-05-19 |
確定日 | 2007-01-23 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第1943729号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第1943729号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第1943729号商標(以下「本件商標」という。)は、「オーボンパン」の文字と「AU BON PAIN」の文字とを二段に書してなり、昭和59年11月27日に登録出願、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品」を指定商品として、同62年3月27日に設定登録、その後、平成9年10月24日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。 そして、本件審判の請求の登録は同16年6月7日にされたものである。 2 請求人の主張の要点 請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証(枝番を含む。)を提出した。 (1)本件商標は、その指定商品のいずれについても、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 (2)被請求人の答弁に対する弁駁 平成16年9月29日付審判事件答弁書における証拠は、証明力が欠如しており、審判の予告登録日前3年以内の使用事実を証するに足るものではない。証明力ある証拠が提出されない限り、本件商標は取消しを免れない。 3 被請求人の答弁の要点 被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第13号証を提出した。 (1)本件商標の使用事実 被請求人は、加工品販売の売上表(乙第10号証ないし乙第13号証)にあるとおり、平成13年9月27日から平成16年8月28日に至るまで、各種サンドイッチを製造販売してきた。 これらの売上表に品名として記載されている商品は、各々「クロワッサンサンドハム」(乙第4号証)、「クロワッサンサンドベジタブル」(乙第5号証)、「ソフトロールサンドハム」(乙第6号証)、「ソフトロールサンドベジタブル」(乙第7号証)、「フレンチサンドハム」(乙第8号証)及び「フレンチサンドベジタブル」(乙第9号証)であり、これらが本件商標の指定商品に含まれる「加工食料品」に属する「サンドイッチ」であることは明らかである。 被請求人は、これらの商品「サンドイッチ」を、被請求人の本店所在地にある店舗内(乙第1号証)及び指定の製パン製造者である東京都豊島区雑司が谷3丁目所在の東京フード製菓中医薬専門学校の製パン室で製造しており、販売は、本店及び出張販売などにより行っている。出張先は、東京都豊島区目白5丁目所在の東京心理音楽療法福祉専門学校内や同区雑司ヶ谷3丁目目所在の東京フード製菓中医薬専門学校内等である。 そして、これらの出張先で商品を販売する場合は、販売スペースを借り、そこにテーブルを並べて、トレイの上に並べた紙製皿の上に商品を置いた状態で販売している(乙第2号証)。また、これらの商品は、各種包装用容器に包装された状態で実際に顧客に引き渡されるが、その包装用容器には、ポリ袋(乙第3号証の上段)、紙製包装用袋(同号証の上段・中段)及びポリ袋に入った紙製包装用箱(同号証の下段)等がある。 次に、前記包装用容器には、本件商標と社会通念上同一の「au bon pain」の英字が明瞭に記載され付されている。例えば、紙製包装用袋には、太い赤線の下に英小文字で「au bon pain」と記載され、更にその下部に「THE FRENCH BAKERY CAFE」と記載されている(乙第3号証、同第4号証の下段及び同第5号証の下段)。また、包装用の紙製箱にも、同一の表示がなされている(乙第6号証の中段及び同第9号証の中段)。 (2)結論 以上、本件商標は、商標権者により、請求に係る本件商標の指定役務中「サンドイッチ」について、本件審判の請求の予告登録前3年以内に、日本国内において使用されており、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。 4 当審の判断 被請求人の提出に係る乙第1号証の店舗内の写真には、壁に貼られた価格表に「Au Bon Pain」の文字が記載され、サンドイッチが載せられたテーブルの価格表には「Au Bon Pain」とともに、品名、価格が記載されている。乙第2号証のテーブルに載せられたサンドイッチの写真にも、同様に「Au Bon Pain」とともに、品名、価格が記載されており、乙第3号証ないし同第9号証の写真でも商品「サンドイッチ」及び「Au Bon Pain」の文字を確認することができ、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が商品「サンドイッチ」に使用されていることを窺うことができる。 しかしながら、被請求人の提出した加工品販売売上票(乙第10号証ないし同第13号証)には、店舗あるいは事業者の住所、名称が記載されておらず、作成日の記載もない。また、品名が記載されているが、これらの商品に使用されている商標を特定し得る記載はない。さらに、乙第2号証のテーブルに載せられたサンドイッチの写真中の品名と加工品販売売上票(乙第10号証ないし同第13号証)に記載されている品名が一致しない。 被請求人は、これらの売上票に品名として記載されている商品は乙第4号証ないし同第9号証の写真の商品である旨主張するが、売上票の商品が写真の商品に対応するものであることを示す証拠はない。 そうとすれば、乙第1号証ないし同第9号証の写真が被請求人の店舗内あるいは被請求人の出張販売先の販売スペースにおいて撮影した写真であると特定し得ると仮定しても、写真の商品が加工品販売売上票(乙第10号証ないし同第13号証)に記載された販売日に販売されたと認め得る証拠はないといわなければならない。 したがって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が本件商標をその指定商品について使用した事実を証明していないから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-12-26 |
結審通知日 | 2006-01-05 |
審決日 | 2006-01-18 |
出願番号 | 商願昭59-123770 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Z
(132)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 廣田 米男 |
特許庁審判長 |
柴田 昭夫 |
特許庁審判官 |
岩崎 良子 小川 有三 |
登録日 | 1987-03-27 |
登録番号 | 商標登録第1943729号(T1943729) |
商標の称呼 | オーボンパン、パン、ボンパン |
代理人 | 鈴木 薫 |
代理人 | 中田 和博 |
代理人 | 青木 博通 |
代理人 | 柳生 征男 |
代理人 | 松田 雅章 |
代理人 | 足立 泉 |