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審決分類 審判 全部無効 商4条1項7号 公序、良俗 無効としない 124
審判 全部無効 商4条1項19号 不正目的の出願 無効としない 124
管理番号 1149904 
審判番号 無効2005-89067 
総通号数 86 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-02-23 
種別 無効の審決 
審判請求日 2005-05-17 
確定日 2006-12-01 
事件の表示 上記当事者間の登録第907295号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第907295号商標(以下「本件商標」という。)は、「DERBYSTAR」の欧文字を横書きしてなり、昭和44年6月2日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同46年7月8日に設定登録、その後、三回にわたり商標権の存続期間の更新登録され、平成15年7月2日に指定商品を第24類「布製身の回り品(他の類に属するものを除く)」及び第25類「被服(運動用特殊衣服を除く)」に書換登録がなされたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第49号証(枝番を含む。以下、甲第11号証を除き枝番全てを引用する場合は、その枝番を省略する。)を提出した。
1 請求人の中の「ダービースター シュポルトアルティーケルファブリーク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング」(以下「ダービースター社」という)について
(1)「ダービースター社」は、ドイツ法人であり、1968年(昭和43年)10月29日をもってドイツ国ニーダーライニッシェ商工会議所の会員となっており(甲第2号証)、設立以来スポーツ用品、特にサッカーボールの製造・販売に尽力し、1969年(昭和44年)には、サッカーボール及びその他のサッカーウエアをはじめとするサッカー用品、スポーツ用品等を製造・販売する法人として、ドイツ国内における需要者の間に広く認識されていたものである(甲第3号証)。
(2)さらに、ダービースター社は、FIFA(国際サッカー連盟)の公認スポンサーとして、国際大会などにボールなどの用具を提供しており、ドイツ国内のみならず、欧州全域において広く知られている法人である。
(3)また、昨今の我が国におけるサッカーブームの影響により、サッカーの試合がテレビ中継されるようになって、海外の有名選手がダービースター社のロゴマークが入ったボールやウエアを使用しているシーンが日本国内において紹介され(甲第4号証)、品質の優れた商品として紹介されていることから(甲第5号証)、我が国においてもサッカーに興味がある需要者の間には相当程度認識されるに至っている。
(4)さらにまた、別掲に示したダービースター社の商標「DERBYSTAR」(「y」の文字がやや図案化され、星の図形と組み合わされている。)(以下「ダービースター社の標章」という。)は、1963年10月6日に23か国を指定国として商標登録され、以後更新登録され、現在も該商標権は有効に存続している(甲第6号証)。
2 請求人の中の「株式会社マルタ」(以下「マルタ」という。)について
「マルタ」は、平成16年4月1日にダービースター社との独占的ライセンス契約を締結し、ダービースター社の商標を日本国内において独占的に使用する権利を得て、該商標を付したサッカーウエア等の製造販売を開始した。
3 商標法第4条第1項第7号について
(1)前述のとおり、ダービースター社は、1969年(昭和44年)から現在に至るまで、ドイツのみならず欧州における需要者の間に広く認識されており、欧州においてダービースター社の名称及びその商号商標は需要者の間に広く認識されているところ、本件商標は、ダービースター社の名称を英語表記した「DERBYSTAR」からなり、同社の著名な略称と認識されるものであって、被請求人は、商標「DERBYSTAR」が我が国において登録出願されていないことを奇貨とし、ダービースター社の著名な略称と社会通念上同一の本件商標をダービースター社に無断で先取り的に登録出願して登録を受けたものといわざるを得ない。
(2)そして、平成16年5月には、実際に本件商標が付された被請求人の製造に係る商品を販売していた販売店が、ダービースター社とマルタとのライセンス契約を知り、被請求人の製造に係る本件商標が付された商品を被請求人に返品したという事実がある(甲第8号証)。
(3)商標の使用が社会の一般的倫理的観念に反するような場合や、それが直接に又は商取引の秩序を乱すことにより、社会公共の利益を害する場合においても、当該商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものとして、登録を受けられないものと解さなければならない(甲第7号証参照)。このようなところ、本件商標の登録が維持されることは、著しく社会的妥当性を欠き、商標法の予定する秩序に反するものとして否認されるべきものであり、公正な競業秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものであって、公の秩序を害するおそれがあるものというべきである(甲第9号証及び同第10号証)。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものである。
4 商標法第4条第1項第19号について
(1)不正の目的について
前述のとおり、ダービースター社は、1969年(昭和44年)には、ドイツ国内における需要者の間に広く認識されていたところ、本件商標は、その2年後の昭和46年7月8日に設定登録されている。この事実経緯に照らして、被請求人は、本件商標を請求人に無断で先取り的に登録出願して設定登録を受け、その著名性に便乗して利益を図る目的で商標登録を受けたと推認することができ、不正の目的で商標登録を受けたといわざるを得ない。
また、少なくとも被請求人の関連会社である楽屋被服株式会社(以下「楽屋被服」という。)が、本件商標を第三者から譲り受け移転登録の設定をした昭和51年9月13日には、ダービースター社の前記著名性は揺るぎないものとなっており、この時点で、被請求人は、ダービースター社の著名性を認識した上で、その著名性に便乗し、利益を図る目的で本件商標を譲り受けたものと推認することができる。
(2)以上のとおり、本件商標は、ダービースター社の著名性に便乗し、利益を図る目的及び請求人によるダービースター社の名称及びその商号商標の円滑な行使等の活動を害する不正の目的で商標登録を受けたものである(甲第11号証参照)。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。
5 上申書について
(1)ダービースター社及びダービースター社の標章の著名性についての補足
ア ダービースター社は、1973年から2004年の約20年の間に、実に約1500万個から約2000万個のボールを販売し、ダービースター社のボールは、著名性獲得以後も広く使用されている。
雑誌では、世界3大ボールメーカーの一つとして取り上げられるようになり、「そのすごさは、90年代前半の多いときでヨーロッパの65%のチームが採用していたという実績を持つことからも知られる。」などと紹介されているし(甲第5号証)、日本国内の雑誌でもダービースター社のボールを使用しているサッカーゲームの写真が掲載され(甲第4号証)、ダービースター社のボールが広く使用されている。
イ 同じく、甲第5号証には、世界で最初に「6枚フィン」のナチュラルラテックスチューブを開発したメーカーがドイツのダービースター社であると記載され、日本人初のプロサッカー選手、奥寺康彦もダービースター社のボールを使用していたとも記載されている。同選手がダービースター社のボールを使用したことは、ドイツのサッカーリーグでデビューした1977年(昭和52年)当時、ドイツ国内でダービースター標章を付したボールが広く使用されていたことの一つの裏付けになる。
ウ そして、甲第5号証に、ダービースターボールの使用率が高いリーグとして、オランダリーグやヨーロッパのプロクラブチームなどについて記載されており、ダービースター社のボールが、その品質の高さから賞賛され、ヨーロッパにおいて広く使用されてきた事実が認められる。
エ ダービースター社の発行するカタログによれば、古いもので1976年(昭和51年)のカタログにFIFA公認と刻印されたボールが撮影されており、また、同カタログではドイツのサッカー選手ベルティフォクツがダービースター社のボールを推薦している(甲第11号証の1及び同第11号証の2)。
オ ダービースター社のボールは、1974年にFIFAの公認球制度が始まって直ぐに登録されているのであり、それだけ世界を代表するボールであることがわかる。
カ 1973年(昭和48年)その他の価格表(甲第30号証ないし同第第34号証)によれば、ダービースター社は、世界的に著名なスポーツ用品メーカーであるプーマ社にボールをOEM供給しており、このことは1976年のカタログからもわかる(甲第11号証の1)。プーマ社へのOEM供給は、当時から、ダービースター社のボールが品質の高さゆえ広く知られていたことがわかる(甲第32号証)。
キ さらに、ダービースター社は、サッカーボールだけでなく、キーパー用グローブ及び脛あて、サポーター、シャツ、ボールケース、スポーツバッグ、Tシャツ、ポロシャツ、キーパー用衣服及びキーパー用防具など(例えば、「1976年(昭和56年)カタログ」甲第11号証の1)、広くサッカー用品を製造販売しており、品質の高いボールだけで知られていたのではなく、幅広くサッカー用品も手がけ、本件商標の指定商品である被服を含む、総合スポーツ用品メーカーとして広く知られていたのである。
ク ダービースター社は、ドイツのサッカー選手ベルティフォクツ、ウーベラン、ミヒャエル・フロンチェクなど、古くからカタログに有名選手の写真を掲載して宣伝広告を行ってきた(例えば、「1976年(昭和51年)カタログ」甲第11号証の1)。このように、ダービースター社は、長きにわたって宣伝広告活動を展開し、広く知られるようになっている。
ケ ダービースター社のカタログをみれば、同社の製品がプロサッカー選手から賞賛され、また、FIFAからもその技術力が評価されていることがわかる(例えば、甲第22号証)。さらに、甲第25号証では、ボールにはFIFA認定ボールとFIFA検閲済みボールとIMS(国際競技基準)ボール認定とがあり、ダービースター社のボールはすべてFIFA認定ボールかIMS認定ボールであると記載され、検定に合格する高品質のものであることが強調されている。
コ しかも、各カタログには、上述の有名サッカー選手がダービースター社の標章の付されたウエアやパンツを着用している写真も掲載されている(甲第23号証及び同第24号証)。これらは、ダービースター社が、古くからウエアやパンツも製造し、これにダービースター社の標章を付していることを示している。それだけでなく、その有名サッカー選手に着用されることにより、サッカーウエアやパンツの分野でもダービースター社の標章が著名性を獲得していることがわかる。結局、ダービースター社の標章は、サッカー用品全般にわたる著名標章としての地位を獲得しているのである。
サ ダービースター社の商品は、現在でも広く使用されており、ドイツ国内でのサッカーの試合では主催者となって宣伝広告活動を行うなどしている(甲第37号証)。また、雑誌でも、ダービースター社のボールを使用するクラブチームが写真付きで紹介されているし(例えば、甲第35号証)、ダービースター社の取引先は極めて多く、現在では3000に達している(甲第36号証の1)。ダービースター社は、オランダのトップチーム、ドイツの名門、強豪チームなどに用具提供を行い(甲第38号証ないし同第41号証)、FIFA主催のチャリティマッチでボールが使用され(甲第42号証)、ドイツ国内の一般の販売店では大きなコーナーが設けられてダービースター社の製品が販売されている(甲第43号証ないし同第48号証)。これらのことから、ダービースター社の標章のドイツ国内での著名性は依然として維持されているといえる。
以上のとおり、ダービースター社の標章は、昭和44年当時から著名性があること、造語であることから、被請求人が不正の目的により本件商標を譲り受け、使用してきたこと明らかである。
(2)弁駁の理由
ア 被請求人は、「仮に請求人の主張のとおり、『ドイツ国内のみならず、欧州全域において広く知られている法人である』としても、本件登録出願当時に我が国では知られていなかったから、本件商標を無効とする理由にはならない。」と主張するが、請求人が商標法第4条第1項第19号にて主張する無効理由は、「ダービースター社の業務にかかる商品を表示するものとして外国における需要者の間に広く認識されている商標と同-又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用するもの」に該当するというものであり、被請求人の「本件登録出願当時に我が国では知られていなかったから、本件商標を無効とする理由にはならない。」との主張は失当である。
イ 被請求人は、マルタに専用使用権の設定がない旨を指摘しているが、ライセンス契約がなされた事実は、ダービースター社も認めるところである。
また、被請求人は、マルタが、本件商標を使用したスーツシャツを販売しているので、東京地方裁判所に差止請求をした(平成16年(ワ)第19650号)訴訟を提起しており、実際に紛争が起きているのであるから、請求人適格は認められる。
その上、商標法第4条第1項第7号は、公益目的、同第19号は、濫用防止の目的により登録阻却事由とされた規定であるので、これらの無効事由に該当する商標は、元来使用を許すべきでないのであって、広く請求人適格が認められるべきである。
ウ 被請求人は、本件登録出願時(昭和44年)には、ダービースターの名称はそれほど著名ではなかった旨主張するが、前述のとおりダービースター社の周知性は公的に証明されている(甲第3号証)。
また、商標法第4条第1項第7号との関係においていえば、後発的に同号の無効事由が生じた場合でも、商標法第46条第1項第5号により無効審判の請求が可能であるので、登録出願・設定登録時に周知性を獲得していなくても、また、登録出願時に妨害目的がなく譲渡時に妨害目的がある場合でも、同号に該当するとの理由で本件商標を無効とすることができるし、本件では登録出願時に周知性を獲得しているのであるから、商標法第4条第1項第7号が適用されることに支障はない。
エ 被請求人は、ダービースター社の標章が特許庁ホームページに著名商標として登載されていないことを理由にその周知著名性を否定しようとしている。
しかし、該ホームページには「防護標章として登録されている商標、及び審判・判決において周知・著名な商標と認定された登録商標」が登載されているのである(甲第49号証)。したがって、外国において周知・著名であるダービースター社の標章が登載されるべくもなく、ましてダービースター社の標章は防護標章登録された標章ではなく、今のところ審判・判決において周知・著名な商標とは認定されていない。よって、特許庁のホームページに著名商標としての登載がないからといって、即座にダービースター社の標章の外国における周知・著名性が否定されるものではない。
オ 被請求人は、本件商標の出願人である東洋紡績株式会社(以下「東洋紡績」という。)が不正の目的で登録出願したものではなく、被請求人も不正の目的で本件商標の譲渡を受けておらず、被請求人による本件商標の使用にも不正の目的はない旨主張するが、少なくとも、前述のとおり、被請求人は、本件商標権を有していることを理由にマルタに対して前記訴訟を提起しており、外国の権利者であるダービースター社の国内参入の阻止を企てた事実があり、このような事実には、不正の目的が認定されるとしている(被請求人の挙げた「商標審査基準の解説」(財団法人発明協会発行))。このように、明らかに被請求人はダービースター社の国内参入阻止という不正の目的をもって本件商標の譲渡を受けたことが明らかである。
カ 被請求人は、「DERBY」も「STAR」も普通名称であり、これらを結合した「DERBYSTAR」とも「競技の花形」ともいうべき普通の単語からなるありふれた複合語であり、著名商標に「ただ乗り」するために登録した商標ではないと主張する。
しかし、被請求人の論法は、普通名称普通名称とを結合した場合に、結合後の名称もありふれた複合語になるというものにすぎないし、「競技の花形」なる意味も、辞書に記載されているわけではなく、被請求人の想像によるものにすぎない。
普通名称普通名称とを結合させて自他識別力を有する名称を作出することは、世間一般に行われていることであり、「DERBYSTAR」もまさにこの例にあてはまる。
「DERBYSTAR」なる名称が辞書に記載されているわけでもないのであるから、被請求人の主張は理由がない。
6 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号又は同第19号に該当する商標であるから、同法第46条第1項の規定により無効とされるべきものである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出した。
1 ダービースター社について
(1)請求人の主張1(1)のうち、「1969年(昭和44年)にはサッカーボール及びその他のサッカーウエアをはじめとするサッカー用品、スポーツ用品等を製造・販売する法人として、ドイツ国内における需要者の間に広く認識されていたものである」との部分について
甲第2号証によれば、ダービースター社は、1968年(昭和43年)にニーダーライニッシェ商工会議所に登録されたものであり、また甲第3号証によれば、1968年(昭和43年)に設立登記申請され、1969年(昭和44年)に登記された会社であるから、設立登記された年から「需要者の間に広く認識されていた」というのは不合理である。
(2)請求人の主張1(2)について
仮に請求人の主張のとおり、「ダービースター社がドイツ国内のみならず、欧州全域において広く知られている法人である」としても、本件登録出願時に日本国内又は外国では知られていなかったから、本件商標を無効とする理由にはならない。
(3)請求人の主張1(3)について
甲第4号証「週間サッカーマガジン」は、1995年(平成7年)4月12日の発行である。「ダービースターボールの使用率が高いリーグ」という見出しで、ダービースターの宣伝記事がある。これによって、かえって日本ではダービースターボールの使用率の高いリーグはないことを証明している。ましてや、本件登録出願時に、ダービースターボールがそれほど著名ではなかったことが推定される。
甲第5号証「世界のサッカーボール」は、2005年(平成17年)4月発行であるが、これには「日本では、ダービースターという名前は聞いたことがないかもしれないが」と記載されている。今年の4月においても「聞いたことがない」名称が、本件登録出願時である昭和45年ごろにおいて、ダービースターの名称は「日本では、名前は聞いたことがない」者がほとんどであることが極めて明白である。
仮に、請求人の主張のとおりであったとしても、「昨今の我が国におけるサッカーブームの影響により、サッカーに興味のある需要者の間には相当程度認識されている」というのであるから、被服について昭和44年6月2日に登録出願し、同46年7月8日に登録された本件商標を無効とする理由にはならない。
2 マルタについて
マルタが「ダービースター社の商標を日本国内において独占的に使用する権利を得て」とは我が国の商標法上、どのような権利を得たと主張するのか不明であり、少なくとも専用使用権は取得していない。
3 商標法第4条第1項第7号について
(1)請求人の主張3(1)の「ダービースター社が1969年(昭和44年)からサッカーボール等のサッカー用品のメーカーとしてドイツのみならず欧州における需要者の間に広く認識されていた」という事実がなかったことは、前述のとおりである。
仮に、そのような事実があったとしても
ア 本件登録出願時(昭和44年)には、ダービースターの名称はそれほど著名ではなかった。
イ 仮に、ダービースター社の名称が我が国においてある程度著名であったとしても、本件商標は本件商標の指定商品である被服等に関しては、ダービースター社の名称は全く知られていなかった。
ウ 本件商標の指定商品である被服等と、サッカーボールは類似商品ではない。サッカーボールと類似していない被服等の登録商標としてDERBYSTARの商標を登録することは、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とはいえない(商標法第1条「目的」参照)。
エ 特許庁のホームページには、著名商標が列記されている。もし、ダービースター社の標章が著名であるとすれば、当然に著名商標として掲載されているはずであるのに、登載されていない。
現在でさえも著名商標として登載されていないのであるから、本件登録出願時に著名であったはずがない。
オ ダービースター社は、本件商標の出願公告後、登録異議申立てをせず、35年間もの間、無効審判等の請求をしていない。しかるに、マルタがダービースター社の標章を使用してスーツシャツを販売しているので、被請求人が本件商標権侵害差止請求を東京地方裁判所にしたところ、今になって本件無効審判の請求をしている。自らの怠慢を省みず、被請求人の上記既得権を侵害しようとする行為は、権利の濫用といわなければならない。
カ 請求人は、甲第8号証を提出し、「ダービースター商品が返品されたのは、業者がダービースターの商品を使用することが、ダービースター社及びマルタの権利を侵害すると認識した結果である。」旨の主張をしているが、牽強付会の主張である。
すなわち、マインスポーツ株式会社の行為は、トラブルに巻き込まれるのを避ける行為であることが明白である。決して請求人の主張しているような、「善意の第三者が社会の一般的倫理観念に照らして判断した結果」によるものではない。
キ 請求人らは、上申書に添付して判例や審決例を提出しているが、それらはいずれも、本件とは事案が全く異なる。
(2)以上により、被請求人は、同業他社の著名商標に便乗して商標登録を受けているのではないことがわかる。
4 商標法第4条第1項第19号について
(1)「不正の目的」には、外国で周知な他人の商標と同一又は類似の商標が我が国で登録されていないことを奇貨として、高額で買い取らせるために先取り的に登録出願した場合や、外国の権利者の国内参入を阻止し若しくは代理店契約締結を強制する目的で登録出願した場合などが該当すると解される。
(2)ダービースター社の名称が、1969年(昭和44年)当時、日本国内又は外国でそれほど著名ではなかったことは、前述のとおりである。
(3)東洋紡績は、不正の目的をもって本件商標を登録出願したものではなく、被請求人も、本件商標を不正の目的をもって譲渡を受けたものではない。常識的な価格で譲り受けたものであり、東洋紡績が不当な利益を受けるために商標権を取得したものでもない。
被請求人は、自己の商品に使用するために譲渡を受けたものであり、昭和50年11月に譲渡を受けて以来、本日まで30余年にわたって自己の製造・販売する被服、特にスポーツシャツの商標として使用しているものである(乙第1号証)。
(4)「ダービースター」の名称について
広辞苑第5版によれば、「ダービー」は、「ダービー伯爵が始めたサラブレッドの特別レース、転じて、競争、首位争い」という趣旨の説明がある。「ダービー」は、日本ではごく普通の言葉になっている。
また「スター」も、同辞典によれば「人気のある役者・歌手・運動選手・花形」とある。
要するに、「競技の花形」とでもいうべき、普通の単語からなるありふれた複合語であって、「SONY」のような特別な造語ではないから、本件商標は、特殊な著名商標に「ただ乗り」するために登録した商標でもないことが明らかである。
(5)請求人らは、上申書に添付して判例や審決例を提出しているが、それらはいずれも、本件とは事案が全く異なる。
5 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号又は同第19号に該当しない。

第4 当審の判断
1 本件商標について
(1)本件商標は、前記第1のとおり「DERBYSTAR」の欧文字を横書きしてなるものであって、東洋紡績により昭和44年6月2日に登録出願、同46年7月8日に設定登録され、その後、三回にわたり商標権の存続期間の更新登録され、平成15年7月2日に指定商品を第24類「布製身の回り品(他の類に属するものを除く)」及び第25類「被服(運動用特殊衣服を除く)」となったものである。
(2)東洋紡績は、昭和50年11月6日に本件商標権を楽屋被服に譲渡し、同51年9月13日にその登録がされた。
(3)楽屋被服は、昭和58年10月25日に株式会社ジーアールエスプロダクツ(以下「ジーアールエス」という。)に本件商標権を譲渡し、同59年8月27日にその登録がされた。
(4)被請求人は、平成13年4月4日にジーアールエスを吸収合併し、本件商標権を承継した。
2 ダービースター社の名称及びダービースター社の標章の著名性について
(1)甲各号証によれば、以下の事実が認められる。
ア 請求人の登録商標について
ダービースター社は、スポーツ用品、特に革製ボールの製造販売を事業目的とするドイツ法人であり、第28類「スポーツ用ボール、特にサッカー用ボール」を指定商品とし、欧州各国を指定国とする、別掲のとおりのダービースター社の標章と構成を同じくする登録商標を所有している(甲第6号証)。
イ ニーダーライニッシェ商工会議所の証明書について
該ニーダーライニッシェ商工会議所の証明書(甲第3号証)には、ドイツ法人であるダービースター社は、ニーダーライニッシェ商工会議所の会員となった1969年までには、サッカーボール及びその他のサッカー用品、スポーツ用品等を製造・販売する法人としてドイツ国内における需要者の間に広く認識されていた旨が証明されている。
ウ 雑誌の紹介記事について
(ア)平成17年(2005年)4月28日学習研究社発行の雑誌「週刊パーゴルフ4月28日号別冊『世界のサッカーボール』」(甲第5号証)に、「現代サッカーボールの原形となったダービースター」として「世界で最初に『6枚フィン』のナチュラルラテックスチューブを開発したメーカーで、サッカーボールの進化を決定づけたメーカーが、ドイツのダービースター社である。日本人初のプロサッカー選手である、奥寺康彦もダービースターのボールを使用していた。ダービースターのボールは非常に優秀で、多くのメーカーがボール作りのお手本としているものである。」と記載され、また、「ダービースターボールの使用率が高いリーグ」として「オランダリーグも、・・・ヨーロッパのプロクラブチームの60%のシェアを誇るダービースター社のボールの使用率が高いのは当然の結果といえる。」、「ダービースターを知らないと『モグリ』だ」として「そのすごさは、90年代前半の多いときでヨーロッパの65%のチームが採用していたという実績を持つことからも知られる。とにかくヨーロッパでダービースターといえば泣く子も黙る存在だし、そのトップボールを持って街を歩けば、『あんたサッカー選手かね』と声をかけられることは間違いない。そのくらいの完全最高のボールなのである。」と記載されている。
(イ)平成7年(1995年)4月12日ベースボール・マガジン社発行の雑誌「週刊サッカーマガジン」に、ダービースター社のボールを使用しているサッカーゲームの写真が掲載されている(甲第4号証)。
エ FIFA公認球について
ダービースター社の発行するカタログには、古いもので1976年(昭和51年版)の各カタログに、FIFA公認と刻印されたボールの写真が掲載されている(甲第11号証の1)。
オ OEM供給について
昭和48年(1973年)ほかの価格表(甲第30号証ないし同第34号証)及び1976年(昭和51年)版カタログ(甲第11号証の1)にOEM供給しているものと推認される「PUMA」商標のサッカーボールが掲載されている。
カ サッカーボール以外のサッカー用品について
ダービースター社のカタログには、サッカーボール以外の製品が次のとおり掲載されている。
1976年(昭和51年)版カタログにキーパー用グローブ及び脛当て(甲第11号証の1)、1983年(昭和58年)のカタログに脛あて(甲第13号証)、1984年(昭和59年)のカタログに脛あて及びサポーター(甲第14号証の1)、1986年(昭和61年)のカタログにシャツ、スポーツバッグ及びボールケース(甲第17号証及び同第18号証)、1987年(昭和62年)のカタログにボールケース(甲第19号証)、1995/96年(平成7/8年)のカタログにキーパー用グローブ、脛あて、サポーター、スポーツバッグ及びシャツ(甲第20号証)、1996年/97年(平成8/9年)のカタログから2000/01年(平成12/13年)のカタログに1995/96年(平成7/8年)のカタログと同様のサッカー用品(甲第21号証ないし同第24号証の2)、2002/03年(平成14/15年)のカタログにTシャツ及びポロシャツ(甲第25号証)、2003/04年(平成15/16年)のカタログにTシャツ及びポロシャツ(甲第26号証)、2004/05年(平成16/17年)のカタログにキーパー用衣服及びキーパー用防具(甲第27号証)、2005/06年(平成17/18年)のカタログにチームウェア及びトレーニングウェア(甲第28号証の1)
キ サッカー選手の写真の掲載について
ダービースターのカタログには、サッカー選手と認められる人物の写真が掲載されている(甲第29号証)。
ク ダービースター社の製品に対する評価について
甲第22号証には、「ダービースター社のゴールキーパー・グローブが経験豊かなゴールキーパーと一緒になって開発してきました。それ故、品質、機能、実効性は明らかであります。」、「…ゴールキーパーのアンドレアス・ヴェッセルスは、『私のこれ迄のプロ経歴で、ダービースターアムステルダムほど優れたゴールキーパー・グローブを持ったことがない』と言っています。」と記載され、また、甲第23号証には、「ベアー(ボルシア ドルトムンド)のウォルフガング(テディ)」、「ホルガー ヒーマン(ウォルフスブルグVfL)」及び「ナショナルU-18(バイエル レーベルクッセン)のゴールキーパーであるトム シュタルケ」が、ダービースター社のゴールキーパー・グローブを賞賛している旨が記載され、甲第24号証には、「アンドレアス・ヴェッセルス(フォルトゥーナ ケルン)」及び「ダニエル・エシュバッハ(KFCユルディンゲン)」が、ダービースター社のゴールキーパー・グローブを賞賛している旨が記載されている。
さらに、甲第25号証には、「FIFA認定、FIFA検閲済そして国際競技基準(IMS)」、「1996年以来サッカーに国際競技で認めた統一品質規格がある。」、「これらは、FIFAがダービースターおよび他の指導的なボールメーカーとの共同で仕上げたものである」、「…全てのダービースターのサッカーボール(APSとTT)は、FIFA認定あるいはIMS認定である。これらは、国際あるいは国内の公式競技に使用されていることで知られている。」と記載されている。
ケ ダービースター社の事業活動について
甲第36号証には、ダービースター社は、ドイツで約3000人の顧客があり、ヨーロッパ全体では、約60の異なる流通業者に商品を販売している旨が記載されている。
(2)上記認定事実に基づき、まず、請求人の主張する「サッカーボールの販売数量」及び「ニーダーライニッシェ商工会議所の証明書(甲第3号証)」について検討する。
ア サッカーボールの販売数量
請求人は、「ダービースター社は、1973年から2004年の約20年の間に、実に約1500万個から約2000万個のボールを販売している」と主張するが、請求人の提出に係る証拠によっては、これらの販売数量を認め得る証拠はないといわなければならない。
イ ニーダーライニッシェ商工会議所の証明書について
該証明書に、ダービースター社は、1969年までには、サッカーボール及びその他のサッカー用品、スポーツ用品等を製造・販売する法人としてドイツ国内における需要者の間に広く認識されていた旨が記載されているが、該証明書には、その根拠となる具体的事実の裏付けがなく、請求人の提出に係る証拠にも、この点を認めるに足りるものはないから、これらの記載内容は、直ちに採用することはできないといわなければならない。
(3)以上の事実関係に照らし、ダービースター社の名称及びダービースター社の標章の著名性について検討する。
ダービースター社の著名性は、少なくとも被請求人の関連会社である楽屋被服が本件商標を第三者から譲り受け移転登録の設定をした昭和51年9月13日には揺るぎないものとなっており、この時点で、請求人は、被請求人がダービースター社の著名性を認識した上で、その著名性に便乗し、利益を図る目的で本件商標を譲り受けたものと推認することができる旨主張するので、本件登録出願時である昭和44年6月、あるいは上記移転登録時の昭和51年9月(譲渡契約は昭和50年11月)においてダービースター社の名称及びダービースター社の標章が著名であったか否かについて判断する。
ア 昭和44年6月時の著名性について
上記2(2)のとおり、ニーダーライニッシェ商工会議所の証明書をもってしては、直ちにはダービースター社の名称及びダービースター社の標章の著名性を認め難いものである。また、上記2(1)ウの「雑誌の紹介記事」のなかに「90年代前半の多いときでヨーロッパの65%のチームが採用していたという実績を持つことからも知られる。」旨の記載がある。しかし、その時期は「90年代前半」という漠然とした表現に止まり、その年代を特定すべき証拠はない。他に昭和44年6月時までに著名であったと認め得る証拠はないから、請求人の提出に係る証拠を総合しても、ドイツあるいはヨーロッパにおいて、本件登録出願時である昭和44年6月の時点において、ダービースター社の名称及びダービースター社の標章が需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
イ 昭和50年11月時の著名性について
上記2(1)のとおり、ダービースター社のサッカーボールについては、少なくとも昭和50年以前に、ドイツ、オランダを初めヨーロッパのサッカーチームの多くにおいてダービースター社のボールが使用されており、昭和48年には、ダービースター社のサッカーボールが、スポーツ用品メーカーとして著名なプーマ社にOEM供給されていた事実がある。また、昭和51年には、ダービースター社のサッカーボールがFIFA(国際サッカー連盟)の公認球となっており、FIFAが同ボールを昭和51年前に既に高く評価していたものと推認できるなどの事実に照らせば、サッカーボールについては、昭和50年11月時においては、ダービースター社の名称及びダービースター社の標章は少なくともドイツにおいて需要者の間に広く認識されていたものと認めることができる。
しかしながら、サッカーボールを除くサッカー用品その他のスポーツ用品については、昭和50年11月前において需要者間に広く認識されていたことを裏付ける的確な証拠はないから、昭和50年11月時に、ドイツあるいはヨーロッパにおいて、ダービースター社の名称及びダービースター社の標章が需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
3 不正の目的について
(1)本件商標について
ア 文字構成
岩波書店発行「広辞苑第5版」によれば、「ダービー」は、「ダービー伯爵が始めたサラブレッドの特別レース、転じて、競争、首位争い」を意味し、また「スター」は、「人気のある役者・歌手・運動選手・花形」を意味する語であって、両語とも一般に広く知られている語であり、両語を結合することにより「競技の花形」の意味を生ずるか否かはともかく、「ダービースター」の文字は、日常語といえるこれら両語を結合したと認識されるものというべきであるから、「DERBYSTAR」の文字からなる本件商標は、ダービースター社の名称あるいは同社の商標を知らなければ創作することができないほどのものではないといえる。
イ ダービースター社の標章との対比
本件商標は、別掲に示したダービースター社の標章の特徴である「y」の文字の上部に星の図形を含むものではなく、その指定商品も、サッカーボールではなく「被服」等である。
(2)本件商標の使用について
本件商標について、登録出願をし登録を得た東洋紡績から楽屋被服が譲り受け、楽屋被服はこれをジーアールエスに譲渡し、被請求人がジーアールエスの地位を承継した、この間に至る承継人の経緯については当事者間に争いはなく、被請求人は、学校用衣料品を中心に,本件商標を付したスポーツウェア等を販売している(乙第1号証)。
(3)買い取り等の交渉について
東洋紡績、楽屋被服、ジーアールエスあるいは被請求人に、ダービースター社と本件商標権の買取り等について交渉した等の事実を示す証拠はなく、請求人もこの点を主張していない。
4 本件商標が商標法第4条第1項第7号又は同条同項第19号に該当するか否かについて
(1)本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当するか否かについて
本件商標は、前記のとおり「DERBYSTAR」の欧文字よりなるところ、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形からなるものではなく、また、本件商標をその指定商品について使用することが著しく社会的妥当性を欠き、公正な競業秩序を乱すおそれがあるということはできない。さらに、他に本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標に該当するとすべき事由は登録の前後において見いだせない。
また、請求人のいうところの、商標「DERBYSTAR」が我が国において登録出願されていないことを奇貨とし、ダービースター社の著名な略称と社会通念上同一の本件商標をダービースター社に無断で先取り的に出願して登録を受けたことが、著しく社会的妥当性を欠き、商標法の予定する秩序に反するものとして否認されるべきものであり、公正な競業秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものであって、公の秩序を害するおそれがあるものというべきである旨の主張は、前記2(3)ア(昭和44年6月時の著名性について)のとおり、ドイツあるいはヨーロッパにおいて、本件登録出願時である昭和44年6月の時点において、ダービースター社の名称及びダービースター社の標章が需要者の間に広く認識されていたものでないから、請求人の前記主張は当たらないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。
(2)本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当するか否かについて
前記2(3)ア(昭和44年6月時の著名性について)のとおり、ドイツあるいはヨーロッパにおいて、本件登録出願時である昭和44年6月の時点において、ダービースター社の名称及びダービースター社の標章が需要者の間に広く認識されていたものでないこと、前記3(不正の目的について)のとおり、本件商標を不正の目的をもって使用をするものでない(登録出願時、楽屋被服が本件商標を譲り受けた昭和50年11月時、あるいはジーアールエスがこれを譲り受けた時点、さらに被請求人がその地位を承継した時点を含む。)ことから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
5 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反して登録されたものでないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 「ダービースター社の標章」


審理終結日 2006-02-28 
結審通知日 2006-07-10 
審決日 2006-07-24 
出願番号 商願昭44-45576 
審決分類 T 1 11・ 22- Y (124)
T 1 11・ 222- Y (124)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 高野 義三
特許庁審判官 井岡 賢一
中村 謙三
登録日 1971-07-08 
登録番号 商標登録第907295号(T907295) 
商標の称呼 ダービースター 
代理人 特許業務法人共生国際特許事務所 
代理人 特許業務法人共生国際特許事務所 
代理人 堀越 靖司 

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