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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 Y29
管理番号 1146598 
審判番号 不服2005-2282 
総通号数 84 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-02-10 
確定日 2006-11-07 
事件の表示 商願2003-100593拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第29類「豚肉,豚肉を主原料とする肉製品」を指定商品として、平成15年11月13日に登録出願され、その後、指定商品については、平成16年7月12日付け手続補正書において「横浜市内の養豚場で肥育された豚(食品残さを飼料の一部に含むもの。)の豚肉及びその豚肉を主原料とする肉製品」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標の『はまぽーく』の文字部分は、商標中に『YOKOHAMA』の文字が併記されていることをも踏まえれば、2003年12月19日付け日本農業新聞(39頁)の『食品残さ飼料給与 豚肉「はまぽーく」推進/横浜市』の見出しの新聞記事等の記載から、横浜市がJA横浜養豚部と協力して推進した事業で、横浜市内の調理くずなどを横浜市有機リサイクル協同組合の飼料化プラントでボイル乾燥し、その後、高温殺菌処理、脱脂、異物除去を行って作る飼料と配合飼料を混合給与して育てた豚肉を指称するものと認められるから、このような文字を顕著に有する商標を当該事業に何らの関係を有しない出願人が商標登録を受けて、独占的な権利を取得することは、横浜市及びJA横浜養豚部が推進した事業や、その事業の一環として『はまぽーく』の表示を付して豚肉の製造販売をはじめとする豚肉に関する商品や役務の供給・提供等にも支障を来すおそれがあり、穏当ということができない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、桃色の上部を結んだ袋の形状の中央に図案化した豚の顔、その上下に、それぞれ、「はまぽーく」及び「YOKOHAMA」の文字を配した構成からなるものである。
ところで、商標法第4条第1項第7号における「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、(1)その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合、(2)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合、(3)他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合、(4)特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合、(5)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合、などが含まれると解されるものである。
これを本件についてみるに、本願商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形からなるものとは認められない。
そして、「はまぽーく」に関する新聞記事及び請求人(出願人)が原審及び当審において提出した資料等によれば、平成11年から横浜市は生ゴミのリサイクル調査を皮切りに、食品循環資源の減量・リサイクルを推進した結果、学校給食の残渣が飼料とされ、これを市内の養豚農家が再利用して肥育した豚を「はまぽーく」と称して市内市場へ出荷していること、及び、その循環システムの構築にあたり横浜市、横浜農協、農家等が協力し協議を重ねてきた経緯が認められる。
また、平成16年4月、横浜農協内に事務局を置く「食品循環型はまぽーく出荷グループ」が設立され、養豚経営及び「はまぽーく」と称する豚肉の供給の主体となり、横浜食肉市場への上記豚肉の出荷が開始されたこと(平成17年5月23日付け手続補足書、第3号証、第4号証、第7号証)を認めることができる。
しかしながら、請求人(出願人)は、「食品循環型はまぽーく出荷グループ」の上記事業に対し、当初からその企画、運営等に関わりを持ち、かつ、その中心的役割を果たしていた。さらに、「食品循環型はまぽーく出荷グループ」発足後も管理獣医師となり、当該出荷グループと横浜市等の行政、横浜農協及びマスコミ等の窓口、調整役となっていたこと(同手続補足書、第5号証)が窺えるものであるから、当該事業を推進する一員とみて差し支えないものというべきである。
加えて、本願商標の出願にあたっては、上記「食品循環型はまぽーく出荷グループ」の承諾を得ていることが認められるところである(同手続補足書、第2号証)。
以上を総合勘案すれば、請求人が本願商標の商標権を取得する行為は、本願商標の出願に関する横浜市及び横浜農協の承諾がないことをもって、本願商標の登録出願の経緯について著しく社会的相当性を欠くところがあるということもできない。
そして、その他に、これを請求人が商標として使用・採択することにより商取引の秩序を害するおそれがあるという事情も見いだし難く、他の法律により、その使用等が禁止されているということもないものである。
してみれば、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということはできない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本願商標)


審決日 2006-10-25 
出願番号 商願2003-100593(T2003-100593) 
審決分類 T 1 8・ 22- WY (Y29)
最終処分 成立  
前審関与審査官 林 栄二大森 友子 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 堀内 仁子
澁谷 良雄
商標の称呼 ハマポーク、ハマ 
代理人 鵜澤 英久 
代理人 橋本 剛 
代理人 小林 博通 

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