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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) Z05 審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) Z05 審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) Z05 審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) Z05 |
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管理番号 | 1145256 |
異議申立番号 | 異議2004-90445 |
総通号数 | 83 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2006-11-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2004-07-23 |
確定日 | 2006-09-14 |
異議申立件数 | 3 |
事件の表示 | 登録第4765052号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4765052号商標の指定商品中、第5類「薬剤」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4765052号商標(以下「本件商標」という。)は、「ACE」の欧文字を標準文字で書してなり、平成11年6月9日登録出願、第5類「包帯,ばんそうこう,薬剤」及び第10類「医療用機械器具」を指定商品として、同16年4月16日設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 (1)登録異議申立人「中外製薬株式会社」及び「武田薬品工業株式会社」は、本件商標は、「最高の」「一流の」などを示す英語として一般に親しまれており、商品の品質・品位などを表す誇示・誇称的な語として広く使用されていることから、これを指定商品に使用しても、単に、商品の品質・品位などを表したと理解するにとどまり、商品の出所を認識することができないものであり、自他商品識別力を有しない。また、「ACE」は、「アンジオテンシン変換酵素(angiotensin converting enzyme)」の略号としても広く認識され、用いられているものであるから、指定商品「薬剤」中の「ACE阻害薬」(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)について使用されたときは商品の品質・効能を表示したと理解されるにとどまり、これ以外の商品に使用されたときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであると申し立てた。 (2)登録異議申立人「山之内製薬株式会社」及び「藤沢製薬工業株式会社」は、本件商標の指定商品中、「薬剤」においては、「ACE」なる表示は慣用的に用いられており慣用商標にすぎないものである。また、「アンジオテンシン変換酵素」の略称として普通に用いられているにすぎない。そして、本件商標を「アンジオテンシン変換酵素」以外に使用するときは、品質の誤認を生じさせるものである。よって、本件商標は、商標法第3条第1項第1号及び同第2号並びに同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであると申し立てた。 3 本件商標に対する取消理由の要旨 商標権者に対して通知した取消理由は、要旨次のとおりである。 「ACE」の語が、「アンジオテンシン変換酵素」の略称であって、医薬品業界において高血圧症治療薬である「ACE阻害薬」「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」として使用されている事実を認めることができる。したがって、本件商標は、その指定商品中、第5類「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」について使用しても、単に、その商品の品質を表示するというべきであり、また、その指定商品中、前記商品以外の「薬剤」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本件商標は、その指定商品中、第5類「薬剤」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。 4 商標権者の意見の要旨 商標権者は、上記3の取消理由通知に対して、本件商標の登録までの経緯に加えて、要旨次のとおり述べた。 「ACE」の語は、取引者、需要者の間で「アンジオテンシン変換酵素」の表示として認識されていたのではなく、自他商品の識別標識として機能していたと考察するのが自然である。このような考察が合理的であることは、「ACE」又は「エース」を含んだ登録商標が多数存在している事実からも明らかである。そして、本件商標権者は、1897年にアメリカで設立され、いまや世界屈指の医療品メーカーである。1914年ごろ、高水準な包帯を開発し、販売を開始した。1918年に「ACE」という商標を採用し、現在では著名ブランドとして世界に認知されている。したがって、本件商標は、指定商品「薬剤」について、十分に識別力を発揮し得るものである。よって、本件商標が、単なる「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」として認識されることはなく、その他の「薬剤」について、品質の誤認を生じることもない。 5 当審の判断 (1)「ACE」の語について 「ACE」の語が、「アンジオテンシン変換酵素」の略称であって、医薬品業界において高血圧症治療薬である「ACE阻害薬」「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」として使用されている事実は、前記3(取消理由の通知)で登録異議申立人の提出に係る証拠によって認定したとおりである。商標権者は、「ACE」又は「エース」を含んだ登録商標が多数存在している事実を指摘し、自他商品の識別標識として機能していたと述べているが、これらの登録商標は、識別力を有する他の文字と組み合わされた構成よりなるものであり、これらの事実によって商標権者の主張の正当性を認めることはできない。さらに、商標権者は、「ACE」ブランドが著名であり、薬剤について十分に識別力を発揮し得ると述べているが、その商品は「包帯」についての主張であり、薬剤の取引者、需要者間で「ACE」の語は、「アンジオテンシン変換酵素」の略称であって、医薬品業界において高血圧症治療薬である「ACE阻害薬」「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」として使用されている事実があることは、前記3のとおりであるから、この点についても商標権者の主張を採用することはできない。 (2)結び 以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、第5類「薬剤」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、第5類「薬剤」についての登録を取り消すべきものである。 しかしながら、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品は、商標法第3条第1項第1号、同第2号、同第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものとはいい得ないから、同法第43条の3第4項の規定により、指定商品中「薬剤」以外の商品については、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2006-04-28 |
出願番号 | 商願平11-51102 |
審決分類 |
T
1
651・
11-
ZC
(Z05)
T 1 651・ 12- ZC (Z05) T 1 651・ 272- ZC (Z05) T 1 651・ 13- ZC (Z05) |
最終処分 | 一部取消 |
前審関与審査官 | 野上 サトル |
特許庁審判長 |
田代 茂夫 |
特許庁審判官 |
柳原 雪身 内山 進 |
登録日 | 2004-04-16 |
登録番号 | 商標登録第4765052号(T4765052) |
権利者 | ベクトン ディッキンソン アンド カンパニー |
商標の称呼 | エース、エーシーイー、エイシイイイ |
代理人 | 坂井 淳 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 城田 百合子 |
代理人 | 秋山 敦 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 加藤 ちあき |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 秋山 敦 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 秋山 敦 |
代理人 | 高橋 秀一 |
代理人 | 城田 百合子 |
代理人 | 大島 厚 |
代理人 | 城田 百合子 |