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審決分類 審判 査定不服 商6条一商標一出願 登録しない Y37
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y37
管理番号 1145172 
審判番号 不服2005-6953 
総通号数 83 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-11-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-04-19 
確定日 2006-10-04 
事件の表示 商願2004-87507拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「SAYCO」の欧文字を横書きにしてなり,第37類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務とし,平成16年9月24日に登録出願され,その後,指定役務については,原審における同17年3月30日受付手続補正書により,第37類「エレベーター・エスカレーター・ゴンドラ等昇降設備の運転・監視・修理又は保守点検,カーリフト・立体駐車場等駐車場設備の運転・監視・修理又は保守点検,火災報知機・煙感知機・スプリンクラー・消火器・ドアセンサー・電気錠等防災防犯設備の運転・監視・修理又は保守点検,事務用機械器具の修理又は保守,暖冷房装置等空調設備の運転・監視・修理又は保守点検,バーナーの修理又は保守,ボイラー・圧力容器・熱交換器の運転・監視・修理又は保守点検,冷凍機械器具の運転・監視・修理又は保守点検,電話機・電話交換機・ファクシミリ等電気通信機械器具の修理又は保守,湧水槽・消火水槽・蓄熱水槽・排水槽・建築物飲料水貯水槽の修理又は保守点検,ポンプ・揚水機器・建物における給排水管等の給排水衛生設備の運転・監視・修理又は保守点検,受変電気設備の運転・監視・修理又は保守点検,照明機械器具の運転・監視・修理又は保守点検,自動扉の運転・監視・修理又は保守点検,家具の修理,洗濯,カーペットクリーニング,煙突の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,照明器具の清掃,ファンコイルフィルター・給排気口等空調設備の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,食器洗浄,床の清掃,建築物の外周の清掃,厨房用ファン・冷蔵庫等の厨房の清掃,湧水槽・消火水槽・蓄熱水槽・排水槽・建築物飲料水貯水槽の清掃,ベッドメイキング,電話機の消毒,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。)」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は,(1)及び(2)のとおり認定,判断し,本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は,登録第4178868号商標と同一又は類似であって,その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
登録第4178868号商標(以下,「引用商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成4年9月30日登録出願,第37類「電気設備の保守・点検,暖冷房装置の修理又は保守,ボイラーの保守,給排気口の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,住宅建物の内外及び附属物の清掃,窓サッシ・ブラインド・蛍光灯器具の清掃,高架水槽・受水槽・給排水管の清掃,汚水・雑配水槽の清掃,消防用設備の点検,有害動物の防除」を指定役務とし,同10年8月21日に設定登録されたものである。
(2)本願指定役務のうち,1)エレベーター・エスカレーター・ゴンドラ等昇降設備の運転・監視・修理又は保守点検,2)照明機械器具の運転・監視・修理又は保守点検,3)自動扉の運転・監視・修理又は保守点検,4)食器洗浄,5)厨房用ファン・冷蔵庫等の厨房の清掃は,その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。そのため,この商標登録出願は,政令で定める商品及び役務の区分に従って第37類の役務を指定したものと認めることもできない。したがって,この商標登録出願は,商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない。

3 当審の判断
標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関するニース協定第1条に規定する国際分類に基づく「商品・サービス国際分類表[第8版]特許庁商標課編」によれば,第37類の類見出し及び注釈において,「建築物の建設,修理,取付けサービス。注釈,第37類には,主として,恒久的な建築物の建設において請負人又は下請人が提供するサービス及び物品の原状への修復又はその物理的若しくは化学的な性質を変えずに保存を行う人又は組織が提供するサービスを含む。この類には,特に,次のサービスを含む。・・・略・・・電気,家具,器具,工具等の分野における修理サービスのような各種の修理サービス。物品の性質を変えずに現状のまま保存するための保守のサービス(・・・略・・・)。」の記載が認められることからすれば,「エレベーター・エスカレーター・ゴンドラ等昇降設備の運転・監視・修理又は保守点検,照明機械器具の運転・監視・修理又は保守点検,自動扉の運転・監視・修理又は保守点検,食器洗浄,厨房用ファン・冷蔵庫等の厨房の清掃」は,上記国際分類表に照らして,第37類の役務の範ちゅうに属するものというべきである。
したがって,原査定の拒絶の理由(2)に挙げられた指定役務は,商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しないとすることはできないから,以下,拒絶の理由(1)について検討する。
本願商標は,上記1のとおり,「SAYCO」の欧文字を書してなるものであり,その文字は,特定の語義あるいは特定の読み方を有する語として一般に普及しているとは認められない一種の造語と解されるものというべきであるところ,造語と理解される語が欧文字で表記されている場合にあっては,これに接する取引者,需要者は,我が国で馴染まれた外国語である英語風又はローマ字風の読みで称呼することが多いといえるものであるから,本願商標は,その構成文字中「SAY」を,例えば,一般に親しまれた英語の「say(言う)」を「セイ」と発音するのにならって,全体を「セイコ」と読み,その称呼をもって取引に資するのが自然であるというべきものである。
他方,引用商標は,別掲(1)に示すとおり,図形と権利者の法人名称である「株式会社 セイコー」の文字を組み合わせてなるものであるところ,その文字部分の内,法人形態を表す「株式会社」の部分は小さく,「セイコー」の部分は大きく書されていることからしても,顕著に表された「セイコー」の文字部分に着目して,それより生ずる称呼をもって取引に資する場合も少なくないものと認められるから,これよりは「セイコー」の称呼をも生ずるとするのが相当である。
そこで,本願商標より生ずる「セイコ」の称呼と引用商標から生ずる「セイコー」の称呼とを比較するに,両称呼は,3音と4音よりなり,称呼上重要な要素をしめる語頭音を含めて第3音までを,その配列を含めて同じくし,異なるところは,語尾における長音の有無に見られるところ,該差異音が長音であってみれば,その差異が称呼全体に及ぼす影響は,小さいものであり,これらを一連に称呼するときは,互いに相紛れるおそれがあるものというべきである。
してみれば,本願商標と引用商標とは,外観において相違し,観念において比較すべきところがないとしても,両商標は,称呼において全体として相紛れるおそれのある,類似する商標といわざるを得ない。
また,本願商標の指定役務は,引用商標の指定役務と類似する役務を含むものである。
したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願を拒絶した原査定は,妥当であって,取り消すことができない。
なお,請求人は,過去の登録例を挙げて,本願商標も登録されるべきである旨主張しているが,本願商標とは,その構成・態様が異なるものであって,同列には論じられないばかりでなく,商標の類否判断は,比較する両商標について個別具体的に考察し,検討されるべきものであるから,請求人の主張は,採用することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 引用商標

(色彩については,原本参照。)


審理終結日 2006-08-01 
結審通知日 2006-08-02 
審決日 2006-08-21 
出願番号 商願2004-87507(T2004-87507) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y37)
T 1 8・ 91- Z (Y37)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石田 清小川 きみえ 
特許庁審判長 柳原 雪身
特許庁審判官 今田 尊恵
山本 良廣
商標の称呼 セーコ、サイコ 
代理人 辻本 一義 

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