ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y09 審判 全部申立て 登録を維持 Y09 審判 全部申立て 登録を維持 Y09 |
---|---|
管理番号 | 1143611 |
異議申立番号 | 異議2006-90118 |
総通号数 | 82 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2006-10-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2006-03-23 |
確定日 | 2006-08-28 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4916282号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4916282号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4916282号商標(以下「本件商標」という。)は、「Invader」の文字を標準文字で表してなり、平成14年7月15日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年12月16日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由(要旨) (1)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、昭和53年に、業務用テレビゲーム機として「スペースインベーダー」を開発、発表した。当時、このゲームは、日本のみならず世界各国で爆発的なブームを巻き起こし、以来、申立人は、多くのバージョンの「スペースインベーダー」ゲームを提供している。これらのゲームは、「インベーダーゲーム」、「インベーダー」として、そのゲームのキャラクタと共に、今日でもなお、幼児にまで遍く知られている。また、今日では、業務用テレビゲーム機のみならず、パソコン及び各種携帯端末用のゲームとして広く普及している。これらの機器は、電子応用機機械器具に属するものである。さらに、今日では、このゲームは、電子応用機械器具に属する「パソコン及び各種の携帯端末」にダウンローダブルなプログラムとして提供されている。 したがって、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品又はこれらに類似する商品について使用されるものである。 また、上記ゲームからは、多種多様な派生商品が存在し、今日でも、申立人は、これらの派生商品の商品化の許諾を行っていることを勘案すると、本件商標をその指定商品について使用した場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、以下に示す登録商標と「インベーダー」の称呼及び「侵略者」の観念において類似する商標であり、また、本件商標の指定商品は、各引用商標の指定商品中に含まれるものである。 (ア)登録第4061064号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成8年2月8日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年9月26日に設定登録されたものである。 (イ)登録第4172548号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成9年1月21日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年7月31日に設定登録されたものである。 (ウ)登録第4369892号商標(以下「引用商標3」という。)は、「SPACE INVADERS」の文字を横書きしてなり、平成11年1月26日に登録出願、第9類、第16類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年3月24日に設定登録されたものである。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 甲第2号証ないし甲第9号証及び甲第13号証ないし甲第17号証を総合すれば、「スペース インベーダー」、「SPACE INVADERS(又は「SPACE」と「INVADERS」の二段併記)」(これらを合わせて、以下「引用標章」という。)の名称よりなる申立人の業務に係る業務用テレビゲーム機及びそのプログラム(これらを合わせて、以下「申立人商品」という。)は、昭和53年(1978年)に開発、発表されて以来、わが国の若者を中心とした世代に圧倒的人気を博し、引用標章は、本件商標の登録出願前より査定時に至るまで、その需要者の間に広く認識されていたことが認められる。 ところで、引用標章が使用される申立人商品は、ゲーム機本体に投影されるインベーダー(侵略者)を主体にゲームが繰り広げられる内容とするものであり、インベーダーによる侵略を防ぐことにより、得点を競うゲームであって、甲号証に表示される「インベーダーゲーム」、あるいは「インベーダー」なる語は、侵略者による侵略を防御する内容のゲーム全般を指す用語、あるいはゲーム中に投影されるインベーダー(侵略者)そのものを指す語であるというのが相当であって、必ずしも常に申立人商品に付された名称の略称を表しているものとは認め難いところである。 そうすると、申立人商品は、引用標章をもって、申立人の業務に係る商品であることが特定されるのであって、単なる「インベーダー」の表示は、「侵略者」を意味する一般的用語であり、申立人商品に付された名称の略称を表すものではないとみるのが相当である。 そして、引用標章は、その構成文字から、「スペースインベーダー」又は「スペースインベーダーズ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、「宇宙の侵略者(達)」なる観念を生ずるものであるのに対し、本件商標は、その構成文字より、「インベーダー」の称呼及び「侵略者」の観念を生ずるものであるから、両者は、それぞれの称呼を一連に称呼した場合、「スペース」の音の有無の差異により、明らかに聴別し得るものであり、また、観念上も相紛れるおそれはない。さらに、それぞれの構成よりみて、外観上も区別し得るものである。したがって、引用標章と本件商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても非類似の商標というべきである。 以上によれば、本件商標は、申立人商品の著名な略称を表示するものではなく、商標それ自体においても、引用標章とは非類似の別異の商標であるから、これをその指定商品について使用しても、その需要者が、該商品を申立人又は申立人と業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、前記認定のとおり、その構成文字より、「インベーダー」の称呼及び「侵略者」の観念を生ずるものである。 他方、引用商標1は、別掲(1)のとおり、「SPACE」と「INVADERS」の各文字を二段に書してなるものであるとはいえ、いずれの文字も同一の書体をもって、外観上一体的に表されているばかりでなく、構成文字全体をもって、申立人商品を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されているものであるから、構成文字全体として認識されるものであり、ことさら「INVADERS」の文字部分のみが独立して把握、認識されるものではない。したがって、引用商標1は、これより「スペースインベーダーズ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、「宇宙の侵略者達」なる観念を生ずるものである。 また、引用商標2は、別掲(2)のとおり、「炎のインベーダー」の文字を一連に書してなるものであり、これをその構成中の「インベーダー」の文字部分のみを分離して、抽出しなければならない特別の事情は見いだせないから、構成文字全体をもって、「ホノオノインベーダー」の称呼及び「炎のインベーダー(侵略者)」なる観念を生ずるものである。 さらに、引用商標3は、「SPACE INVADERS」の文字を書してなるものであり、引用商標1と同様に、構成文字全体をもって、申立人商品を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されているものであるから、これより「スペースインベーダーズ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、「宇宙の侵略者達」なる観念を生ずるものである。 そうすると、本件商標より生ずる「インベーダー」の称呼と各引用商標より生ずる「スペースインベーダーズ」又は「ホノオノインベーダー」の称呼は、「スペース」又は「ホノオノ」の音の有無の差異(前者については、「ズ」の音の有無の差異も有する。)により、それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても、その語調、語感が相違したものとなり、明瞭に聴別し得るものである。 また、本件商標と各引用商標は、それぞれ前記した観念を有するものであるから、観念上互いに紛れるおそれはないものであり、さらに、それぞれの構成よりみて、外観上も区別し得るものである。 したがって、本件商標と各引用商標は、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 (3)むすび 以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第11号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(1) 引用商標1 別掲(2) 引用商標2 |
異議決定日 | 2006-08-10 |
出願番号 | 商願2002-58975(T2002-58975) |
審決分類 |
T
1
651・
26-
Y
(Y09)
T 1 651・ 271- Y (Y09) T 1 651・ 25- Y (Y09) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 久我 敬史 |
特許庁審判長 |
野本 登美男 |
特許庁審判官 |
山口 烈 矢澤 一幸 |
登録日 | 2005-12-16 |
登録番号 | 商標登録第4916282号(T4916282) |
権利者 | 住友電気工業株式会社 |
商標の称呼 | インベーダー |
代理人 | 森田 俊雄 |
代理人 | 野田 久登 |
代理人 | 竹内 耕三 |
代理人 | 深見 久郎 |
代理人 | 最上 正太郎 |