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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y1825
審判 全部申立て  登録を維持 Y1825
審判 全部申立て  登録を維持 Y1825
審判 全部申立て  登録を維持 Y1825
管理番号 1143571 
異議申立番号 異議2004-90463 
総通号数 82 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-10-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2004-08-02 
確定日 2006-09-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第4766118号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4766118号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4766118号商標(以下「本件商標」という。)は、「Kent Family」の文字を横書きしてなり、平成15年2月26日に登録出願、第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年4月23日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第57号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)商標「Kent」の周知・著名性について
申立人は紳士用の衣服、服飾洋品雑貨の製造、販売を業務とし、昭和55年12月3日に株式会社ヴァンヂャケット新社として設立され、その後、昭和56年3月25日に社名を株式会社ヴァンヂャケットと変更して現在に至っている。
申立人は、商標「Kent」(以下「引用使用商標」という。)を本件商標の出願前から、紳士用の衣服及び服飾洋品雑貨に使用してきており、引用使用商標は申立人の業務に係る商品を表示するものとして極めて著名となっている。
申立人は、昭和30年代中頃から昭和50年代後半にかけてわが国における紳士用ファッションの分野をリードした企業であり、引用使用商標が申立人の商標として全国的に極めて著名であったことは、衣服及び服飾洋品雑貨の業界のみならず、一般消費者の間でも顕著な事実である。
引用使用商標は、申立人の前身である株式会社ヴァンヂャケット(以下「旧ヴァンヂャケット」という。)の商標として著名であった「VAN」の関連ブランドとして1963年に立ち上げられた。引用使用商標の付された商品(以下「Kent製品」という。)は、当初、青山Kentショップのみで販売していたが、その後、直営店であるKAMAKURAKENTが出来、銀座8丁目のテーラー・ヤマキ、東京駅の大丸、銀座松屋と増えていった。
さらに、旧ヴァンヂャケットは、マーケティング戦略として、灰皿、パブミラー、リストウオッチ等、多岐に渡る数多くのノベルティグッズを提供した。
その後、旧ヴァンヂャケットは既に解散しているが、旧ヴァンヂャケットの清算終了前の昭和55年12月3日に株式会社ヴァンヂャケット新社が設立され、旧ヴァンヂャケットの保有していた知的財産権の全てを譲り受けた。この新社設立後は、上述した青山Kentショップ、名古屋ヴァンショップ、大阪のヴァンガーズ等でKent製品を販売し、また、雑誌にKent製品の広告も掲載していた。
そして、昭和58年6月10日に新たに設立された株式会社ケントに引用使用商標の使用権を与え、Kent製品の販売を委託した。株式会社ケントは、Kent製品を上述した青山Kentショップ等で販売し、定期的に雑誌等に引用使用商標そのものの広告やKent製品の広告を掲載し、また、1年に2回、6ヶ月ごとにKent製品のカタログを作成し、それを青山Kentショップ等に来店した客等に配布していた。
更に、Kent製品の売上向上のため、製品を購入した客にノベルティグッズも配布した。
その後、申立人は平成9年3月24日に株式会社ケントを吸収合併し、再び、Kent製品を販売することとした。申立人も、Kent製品を上述した青山Kentショップ等で販売し、定期的に雑誌等に引用使用商標そのものの広告やKent製品の広告を掲載していた。また、申立人は1年に2回、6ヶ月ごとにKent製品のカタログを作成し、それをKentショップ等に来店した客等に配布していた。
そして、近年(2000年〜)もKent製品の販売が現実におこなわれ、それが継続している。申立人の「Kent」ブランド製品の売上表(2000年8月〜2004年6月)及び現在店頭で販売されている「Kent」ブランド製品の写真を添付した。
したがって、本件商標の出願時である平成15年2月26日においても、また、現在においても、引用使用商標の周知・著名性は維持されている。
(2)本件商標に対する登録異議の申立ての理由
(ア)本件商標と引用使用商標の類似性について
引用使用商標は、「Kent」の文字を横書きしてなるのに対し、本件商標は、引用使用商標と同様の構成からなる「Kent」の語に「Family」の語を付加したものであるから、両商標は、「ケント」の称呼及び「英国のケント州」の観念が同一である。
本件商標の後半の「Family」の語は、「家族、同族」を意味する語であり、前半の「Kent」の語と結合されることにより、「Kent」の家族・同族であるとの観念を生じさせ、「Kent」ブランドの関連ブランドの商品である等、申立人又は申立人と組織的・経済的に何らかの関連性を有する者の業務に係る商品であると誤認する可能性がある。
また、「Family」の語が、その商品の用途を示し「Kent」ブランド製品のうちその商品が家族向けのものであると認識する可能性がある。
つまり、本件商標は、その後部に「Family」の語が付加されていることによっては引用使用商標と本件商標がまったく違った印象を与え、それぞれの商標が付された商品に全く関連性はないと認識させることにはならない。
さらに、引用使用商標は周知・著名商標であり、また、本件商標は、「Kent」と「Family」の語の最初の「K」と「F」の文字が大文字で表記されているため、「Kent」と「Family」の語を分けて認識することができる。
したがって、上述の出所の混同が生じる可能性があることを考え合わせると、本件商標と引用使用商標は全体として類似する。
(イ)商標法第4条第1項第10号について
引用使用商標は、本件商標の出願前から使用が開始され、周知・著名となっており、本件商標出願時である平成15年2月26日においても、継続的な使用によってその周知性は維持されており、現在においても維持されている。
そして、上述したとおり、引用使用商標と本件商標は類似関係にあり、本件商標の指定商品のうち第25類の「被服」が引用使用商標と同一である。
したがって、本件商標は、商標法第4条1項10号に該当する。
(ウ)商標法第4条第1項第11号について
申立人が、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録商標は、以下のとおりである。
以下、これらを一括して、「引用商標」という。
(a)「KENT」の文字を書してなり、昭和38年2月12日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同39年9月16日に設定登録された登録第653109号商標
本件商標の前半部分は、「ケント」の称呼及び「英国のケント州」の観念が同一であり、「Kent」の語の後ろに「Family」の語を付加した語であっても、そのことによって、両商標の間に全く関連性がないと判断することにはならない。そのため、両商標は、類似関係にあり、指定商品も第25類の「被服」が同一である。
(b)「ケント/KENT」(やや図案化してなる。)の文字を書してなり、昭和38年12月25日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同44年10月29日に設定登録された登録第836101号商標
「KENT」の上段にカタカナ文字で「ケント」の語を付加したものである。よって、上記(a)と同様に、本件商標と類似関係にある。指定商品も第18類の「かばん類,袋物」が同一であり、第25類の「ガーター,ズボンつり,バンド,ベルト」は、指定商品の装身具に含まれる。
(c)「ケント」の文字を書してなり、平成4年5月8日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同7年3月31日に設定登録された登録第3031467号商標
「KENT」の語をカタカナ文字に変更したものであり、上記(a)と同様に、本件商標と類似関係にある。指定商品も第25類の「運動用特殊衣服」が同一である。
したがって、本件商標の指定商品中、第18類「かばん類,袋物」及び第25類「被服,ガーター,ズボンつリ,バンド,ベルト,運動用特殊衣服」については、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(エ)商標法第4条第1項第15号について
引用使用商標は、「被服」等に使用されて、周知・著名商標であるため、「KENT」の一部を小文字化し、後ろに「Family」の文字を付加して、靴・傘・かばん等に使用しても、申立人の業務に係る商品あるいは申立人と組織的・経済的に何らかの関連性を有する者の業務に係る商品であると誤認するものと思われる。多くの服飾メーカーが、衣服だけでなく、靴や傘・かばん等にまで同一ブランドの下に商品を製造、販売し、同一デザインや同一コンセプトを活かしたトータルファッションを提供するという商品展開をおこなっている。一般の衣服ファッション雑誌においても、衣服の紹介と共に、それにあわせる靴や傘・かばんもトータルコーディーネイトを提案する意味で、それらが一緒に紹介されることはよく行われている。
したがって、本件商標の指定商品中、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステツキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」については、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(オ)商標法第4条第1項第19号について
商標権者は、2004年12月まで申立人の有する登録商標「Mr.SHOP KENT」の使用許諾を得て、当該登録商標に係る製品を製造・販売していた。その際の商標権者の使用態様は、前半のMr.SHOPの語を後半のKENTの語より極端に小さくあらわしたり、それらを2段書きにして、KENTの語を強調したものであった。
その後、商標権者は、申立人に知らせずに本件商標を出願し、登録商標「Mr.SHOP KENT」の使用許諾の更新契約でその使用料の額について争い、申立人との交渉が難航している間に、当該出願について登録を受けたものであり、商標権者は、引用使用商標の周知性・著名性を知っていたものと思われる。
次に、甲第57号証の商標権者の店舗での本件商標の使用態様を撮影した写真を見ると、商品に本件商標が付されているわけではなく、被服等の商品にきわめて近い場所に、例えば、什器に本件商標の看板が掲げられている。したがって、この本件商標の看板とその近くに置かれている商品を見た者は、その被服等の商品自体に本件商標が付されていなくても、その「Kent Family」ブランドの商品であると誤認する可能性が高いと思われる。また、本件商標が、「Kent」と「Family」の文字の大きさが同一であり、「Kent Family」と一連に構成されているのに対し、この写真では「Kent」の文字が「Family」の文字より大きく記載されており、「Kent」の文字を目立たせようとする商標権者の意図がはっきりとあらわれている。このような態様で使用すると、「Kent」と「Family」の語が同列ではなくなり、「Family」の語の持つ「家族、一族といった何らかの共同体」あるいは「家族向け」という意味合いが強くなり、一層この商標を見た者は申立人の業務に係る商品又は組織的、経済的に何らかの関連性を有する者の業務に係る商品であると誤認しやすくなる。そして、このような誤認を生じさせるような事態を引き起こすことで、引用使用商標の著名性にフリーライドし、不正な利益を得ようとする商標権者の意思が認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記のとおり「Kent Family」の文字よりなるものであるところ、「Kent」と「Family」の文字間に一字分の間隙を有するとしても、その構成文字全体は、外観上まとまりよく一体的に表されているばかりでなく、これより生ずる「ケントファミリー」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。また、その構成文字中、「Kent」の文字は、欧米の男子の名「ケント」又は英国の州名「ケント州」を表したものと認識させるとしても、「Family」の文字は、「家族、一家、一族」等を意味する一般に親しまれた英語と認められるものであるから、「Kent」の文字は、後半の「Family」との関係においては、男子の名「ケント」を表したものと理解させるものであり、本件商標は、その構成文字全体をもって、「ケント家、ケント一家」の観念を認識し把握させるものとみるのが相当である。
他方、引用商標は、「Kent」、「KENT」及び「ケント」の文字を単独で若しくは組み合わせて構成されてなるものであるから、これよりは、「ケント」の称呼を生じ、欧米の男子の名「ケント」又は英国の州名「ケント州」の観念を表したものと理解させるものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、「ケントファミリー」と「ケント」の称呼において、その音構成、構成音数を明らかに異にするものであるから、称呼において相紛れるおそれはないものである。また、観念においても、
その差異は明らかであり、外観においては、明確に区別し得る差異を有するものと認められる。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれにおいても相紛れることのない非類似の商標であり、他に、両商標が類似するとすべき理由は見出せない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人は、昭和30年代中頃から昭和50年代後半にかけて「VAN」の商標を使用して我が国における紳士用ファッションの分野をリードした企業であり、「VAN」ブランドの関連ブランドとして「Kent」の文字を横書きしてなる引用使用商標を1963年に立ち上げ、同「Kent」の文字を付したKent製品を、青山Kentショップや、直営店であるKAMAKURAKENT、銀座テーラー・ヤマキ、東京駅大丸、銀座松屋等で販売していたものである(甲第7号証、甲第10号証及び甲第12号証)。
しかしながら、申立人の提出した証拠によっては、Kent製品の本件商標の登録出願時及び登録査定時における取扱い状況が明確でなく、例えば、提出された商品カタログも2000年以降のものは見当たらず、また、甲第44号証によれば、Kent製品の売上高も、最も直近のもので、2004年1月〜6月迄で約1,500万円、年間でみても2002年で約4,700万円、2003年で約3,700万円と僅少なものとなっている。
そうすると、上記におけるKent製品の取扱い状況や販売実績等を総合して判断すれば、引用使用商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時において、取引者、需要者間において、なお広く知られるに至っている状況にあったとは、俄にこれを認めることができない。
そして、本件商標と引用使用商標とは、本件商標と引用商標の類否について判断した上記(1)と同様の理由で、互いに類似しないものであり、他に、両商標間において混同を生ずるとすべき特段の理由を見出すことはできない。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、直ちに、引用使用商標を連想又は想起するものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、上記のとおり、引用商標及び引用使用商標とは類似しないものであり、該引用使用商標を連想又は想起させるものではないから、商標権者が本件商標を採択使用する行為に不正の目的があったものということはできない。
なお、申立人は、登録商標「Mr.SHOP KENT」についての商標権者の当該登録商標の使用態様及び当該登録商標の使用許諾の更新契約交渉の経緯について、及び甲第57号証(写真)の商標権者による本件商標の使用態様について述べているが、 登録商標「Mr.SHOP KENT」は、本件商標とは関係のない商標であり、また、商標権者による本件商標に類似する商標の使用は、本件において検討されるべきものではないから、これをもって、直ちに、本件商標を採択使用する行為に不正の目的があったものということはできない。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2006-08-28 
出願番号 商願2003-19627(T2003-19627) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y1825)
T 1 651・ 222- Y (Y1825)
T 1 651・ 26- Y (Y1825)
T 1 651・ 25- Y (Y1825)
最終処分 維持 
前審関与審査官 三澤 惠美子 
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 小川 有三
岩崎 良子
登録日 2004-04-23 
登録番号 商標登録第4766118号(T4766118) 
権利者 株式会社ショップエンドショップス
商標の称呼 ケントファミリー、ケント 
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