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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z31
管理番号 1139670 
審判番号 不服2002-1460 
総通号数 80 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-01-28 
確定日 2006-07-04 
事件の表示 商願2000-137808拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「アンデス」の片仮名文字を標準文字で横書きしてなり、第31類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年12月4日に登録出願、その後、指定商品については、同14年1月28日付け手続補正書により、第31類「メロン」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『アンデス』の文字を表してなるものであるが、該文字は、昭和52年に日本で発売されたメロンの一品種で、皮の表面は細かい網目が特徴で、中身は緑色をしている『アンデスメロン』を容易に認識させるものであるから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の普通名称を表示したものとして把握、認識されるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第1号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、「アンデス」の片仮名文字よりなるところ、該文字は、「コンサイス カタカナ語辞典」(2002年11月1日株式会社三省堂発行)の70頁、「アンデス・メロン」の項目に「日本で作られたハウスメロンの1品種」の記載があるとおり、 メロンの一品種名を表す語として、一般に知られているものである。
そして、「アンデス」の文字について、当審において職権により調査したところ、該文字が、メロンの一品種名を表示するものとして、各種辞典類、インターネットホームページ、新聞記事情報及びチラシ広告に、以下のとおり、掲載されていることが認められたので、その旨を証拠調べ通知により請求人に通知した。
(1)各種辞典類及びインターネットホームページ
(ア)「野菜園芸大事典」訂正追補(第3版1985年1月30日(株)養賢堂発行)第835頁、「表15-28 露地メロンの品種分類」中に「アンデス」の記載。
(イ)「園芸植物大事典5」(1989年12月20日(株)小学館発行)10頁に、「・・・栽培品種として,ネット系では‘アンデス’,‘アムス’・・・」の記載。
(ウ)「新版 図集・野菜栽培の基礎知識」(1996年3月15日第1刷農山漁村文化協会発行)143頁、「表1 主要品種の分類と特性」の「品種」の欄に、「・・・,アンデス,アムス、・・・」の記載。
(エ)新編「野菜園芸ハンドブック」(2001年3月22日(株)養賢堂発行)476頁、「表1.7 メロン品種の分類(瀬古)」中の「品種」の項に「・・・,アムス,アンデス,・・・」の記載。
(オ)「野菜園芸大百科4メロン」(第2版 2004年1月31日 農山漁村文化協会 発行)474頁、「第1表 熊本県のメロン栽培の特徴」中の「主要品種」の項に「アンデス,アムス,・・・」の記載。
(カ)「コンサイス カタカナ語辞典」(2002年11月1日株式会社三省堂発行)の70頁、「アンデス・メロン」の項目に「日本で作られたハウスメロンの1品種」の記載。
(キ)「果物・果実(新・食品事典)」(1991年10月30日株式会社真珠書院発行)の296頁に「アンデス」の項目があり、「コサックの血を引く雑種で、一九七七年(昭和五二)に育成された。・・・」の記載。
(ク)「丸善食品総合辞典」(平成10年3月25日 丸善株式会社 発行)の1081頁に「・・・・南ヨーロッパ系露地メロンとまくわうりの一代雑種であるプリンスメロンが普及し、・・・その後、ネット型メロンのアンデスメロンやアムスメロンが温室メロンに近いものと好評を博し、・・・」の記載。
(ケ)「FOOD’S FOOD 食材図典」(1995年8月1日株式会社小学館発行)の249頁、「ハウルメロン(ネット型)」の項目に、「・・・アムス、アンデスが普及し、現在ではこの2品種が中心となって栽培・・・」の記載。
(コ)農林水産省のホームページ「消費者の部屋」の「消費者相談Q&A」(http://www.maff.go.jp/soshiki/syokuhin/heya/qa/alt/altqa020313.htm)に、「A アンデスメロンやアムスメロンはメロンの品種名ですが、・・・」の記載。
(サ)独立行政法人農畜産業振興機構のホームページの野菜図鑑「メロン」(http://www.vegefund.com/panfu/melon/melon.htm)に、「アンデス・・・現在のハウスメロンの中心。地床専用の品種。」の記載。
(2)新聞記事情報及び生協等のチラシ広告
(ア)1992年5月21日付け朝日新聞東京朝刊には、「メロン小ぶりで安め 市場(生活予報)」)」の見出しのもと、「・・・プリンス、アムス、肥後レッドと品種は多様だが、・・・アンデスメロンが、最も多く出回っている。」の記載。
(イ)1998年6月8日付け毎日新聞東京朝刊には、「〔食のふるさと〕おしながき 旭村のメロン(茨城)あまい香りいっぱい」の見出しのもと、「・・・6割がアンデスメロンで、残りがクインシーメロンだ。旭村のメロンはこの2品種が主流だ。」の記載。
(ウ)2000年5月25日付け毎日新聞地方版/群馬には、「メロンの収穫、真っ盛 天候に恵まれ、作柄上々--笠懸町/群馬」の見出しのもと、「・・・黄色いエリザベスメロンや網目のあるアンデスメロン、果肉の赤い赤肉メロンなど4種類を栽培。」の記載。
(エ)2001年5月15日付け毎日新聞地方版/茨城には、「『今年のメロンは糖度高いよ』――JAかしまなだ、県庁でPR/茨城」の見出しのもと、「・・・『かしまなだメロン』のブランド名で売り出しているメロンは、クインシーメロンやアンデスメロン、パパイヤメロンなど6種類で・・・」の記載。
(オ)2001年9月5日付け毎日新聞地方版/栃木には、「〔データ栃木〕青果物流通/栃木」の見出しのもと、『99年宇都宮市中央卸売市場及び市内青果市場の品目別流通数量・1キロ当たりの価格は、プリンスメロン259トン・355円(3トン・253円)、アンデスメロン1118トン・372円(91トン・315円)、アムスメロン26トン・330円(3トン・271円)、スイカ6410トン・165円(888トン・149円)』、キウイフルーツ332トン・273円(38トン・224円)、・・・」の記載。
(カ)2002年6月4日付け読売新聞東京朝刊には、「人気復活、メロン大作戦 スッキリ甘味の新品種で競う」の見出しのもと、「・・・おなじみのアンデスメロンやクインシーメロン・・」の記載。
(キ)2003年4月25日付け朝日新聞東京地方版/静岡には、「メロン、これから季節 風間昭廣(市場だより)/静岡」の見出しのもと、「・・・熊本茨城両県からのアンデスメロン、クインシーメロンなどの入荷が本格的・・・各品目とも大玉が少なく・・・」の記載。
(ク)2005年4月1回「コープとうきょう くらしのステージ」の商品注文販売用のチラシ「2.果実」の欄に「はっさく」、「いよかん」、「国産キウイフルーツ」に並んで、「アンデスメロン」の記載。
(ケ)「池袋三越ゴールデンウィークバーゲン 4月26日(火)〜5月8日(日)池袋三越 各階にて開催」のチラシ「食品お買い得まつり」の欄には、「辛子明太子」、「北海道がごめ昆布」に並んで、「アンデスメロン」の記載。
以上(1)及び(2)の事実に照らせば、「アンデス」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品である「メロン」に使用しても、単にメロンの一品種名を表示する語として認識されるにすぎず、自他商品の識別標識とはなり得ないものと判断するのが相当である。
これに対し、請求人は、「『アンデス』の文字は、株式会社サカタのタネ(当時社名坂田種苗株式会社)が、昭和52年に交配開発した新品種『アンデス』であり、この『アンデス』の名称は、昭和53年に業界の自主登録がなされ、現在に至るもなお請求人のみの使用する商標として、他の業者の使用する『メロン』(ネットメロン)と確実に区別されている商標である。」旨主張し、甲第1号証ないし甲第16号証を提出している。
しかしながら、これらの証拠は、「アンデス」の文字がメロンの一品種名であることを説明するにすぎないものであって、請求人の商標として自他商品識別機能を果たし得るものであることを何等証明するものではないから、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
したがって、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
なお、原査定においては、本願商標は、商標法第3条第1項第1号に該当するとして拒絶したものであるが、本願商標は、上記のとおり、自他商品識別標識としての機能を果たさない商標であり、この認定において原査定と相違するものでないから、結局、原査定は妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-09-29 
結審通知日 2005-10-03 
審決日 2005-10-14 
出願番号 商願2000-137808(T2000-137808) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z31)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 福田 洋子寺光 幸子 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 津金 純子
佐藤 達夫
商標の称呼 アンデス 
代理人 松田 治躬 

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