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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y43
審判 査定不服 外観類似 登録しない Y43
管理番号 1139602 
審判番号 不服2004-24949 
総通号数 80 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-12-06 
確定日 2006-06-21 
事件の表示 商願2004- 17598拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第43類「ラーメンを主とする飲食物の提供」を指定役務として、平成16年2月26日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第3019824号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成3年法律第65号附則第5条第1項に規定する使用に基づく特例の適用を主張して、平成4年4月24日登録出願、第42類「アルコール飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として、平成7年1月31日に設定登録されたものである。
(2)登録第3019825号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成3年法律第65号附則第5条第1項に規定する使用に基づく特例の適用を主張して、平成4年4月24日登録出願、第42類「アルコール飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として、平成7年1月31日に設定登録されたものである。
(3)登録第4687753号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成14年8月20日登録出願、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成15年7月4日に設定登録されたものである。
以上、まとめていうときは「各引用商標」という。

3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおり、上段に「とんこつ」文字を配し、中段に左から「らあ」の文字、「目」の図形、「ん」の文字及びレタリングされた「樂」の文字を配し、下段に黒塗りの横長長方形部分を配してなるところ、横長長方形部分は、単に付記した程度に認識され、構成全体として常に一体として観察しなければならないとする特段の事情が認められないから、顕著な特徴を有する上段及び中段部分が独立して自他役務の識別標識としての機能を果し得るものというを相当とする。
そして、「とんこつ」、「らあ」、「目の図形」、「ん」の部分は、その図形が明らかに「目」を描いてなるものであり、「ラーメン」を「らあめん」と表すことも普通に行われていることから、「豚骨ラーメン」を表したものと看取させるものである。そして、これは、指定役務との関係においては、役務の提供物を表すものであることから、「樂」の文字部分も独立して自他役務の識別標識としての機能を有するというのが相当である。
請求人は、本願商標は、単なる「ラーメン」の平仮名表記である「らあめん」とは異なり、特徴的な標記形態を取っており、この点の参酌が不十分である旨、主張しているが、一般に、簡易、迅速を尊ぶ取引の実際においては、商標は、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほどまでに不可分的に結合していない限り、常に必ずその構成部分全体によって称呼、観念されるというわけではなく、しばしばその一部だけによって簡略に称呼、観念され、その結果、一個の商標から二個以上の称呼、観念の生ずることがある(最高裁判所第1小法廷昭和38年12月5日判決)ところ、本願商標は、上記のとおり、「樂」の文字部分が要部となり得るものであるから、その主張は、採用することができない。
そして、レタリングされた「樂」の文字部分は、4つの構成部分よりなる点で漢字「樂」と共通するものであり、それぞれの構成部分も「樂」の字の構成部分と同一のものとして理解されることから、容易に「樂」の文字を表したものであると認識されるものといわなければならない。
そうとすると、本願商標は、この文字部分より、「ラク」の称呼及び「楽しい」の観念を生ずるというのが相当である。
一方、引用商標1は、別掲(2)の構成よりなるところ、レタリングされた「楽」の文字を認識させるものであり、引用商標2は、別掲(3)の構成よりなるところ、その要部は、引用商標1と同一の構成よりなるものであり、引用商標3は、別掲(4)の構成よりなるところ、その要部は、レタリングされた「楽」の文字にあり、加えて、構成中に「RAKU」のローマ字を有してなるから、各引用商標よりは、構成中の「楽」の文字部分に相応して、「ラク」の称呼及び「楽しい」の観念をも生ずるものといわなければならない。
してみれば、本件商標と各引用商標とは、外観において差異を有するとしても、「ラク」の称呼及び「楽しい」の観念を共通にする類似の商標であって、かつ、本願商標の指定役務は、各引用商標の指定役務と同一又は類似する役務を包含しているものであるから、結局、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
なお、請求人は、本願商標中のレタリングされた「樂」の文字部分は、単なる漢字の一般的書体の一範疇から脱して、独自に想像した絵図、意味を持たない絵文字を取り込んだ視覚イメージ的形態を色濃く示すものであり、目に入る情報を文字ではなく視覚イメージで捉えようとする傾向にある社会環境の下、文字商標とは別個の商標して自他役務識別力を発揮するから、本願商標と各引用商標は、絵図と絵文字に注目して全体外観を総合的に比較すれば相紛れるおそれはない旨、主張している。
しかしながら、本願商標と各引用商標は、前記のとおり、容易に「樂」又は「楽」の文字をレタリングしたものと認識されるものであり、同一文字からなる商標について、レタリング手法の相違があるからといって、直ちに相紛れるおそれはないとまではいうことができないから、請求人の主張は、採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 (別掲)
(1)本願商標


(2)引用商標1


(3)引用商標2


(4)引用商標3


審理終結日 2006-04-27 
結審通知日 2006-04-28 
審決日 2006-05-11 
出願番号 商願2004-17598(T2004-17598) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (Y43)
T 1 8・ 262- Z (Y43)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小松 孝 
特許庁審判長 田代 茂夫
特許庁審判官 内山 進
藤平 良二
商標の称呼 トンコツラアメンラク、トンコツラアンラク、トンコツラアン、ラアンラク、ラク 
代理人 水野 博文 

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