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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200425905 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 Y41
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 取り消して登録 Y41
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 Y41
審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 Y41
管理番号 1136456 
審判番号 不服2004-25906 
総通号数 78 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-06-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-12-20 
確定日 2006-05-17 
事件の表示 商願2004-23409拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1.本願商標
本願商標は,「京都検定」の文字(標準文字による商標)を書してなり,第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,平成16年3月12日に登録出願されたものである。
そして,その指定役務については,当審における同18年3月27日受付の手続補正書により,第41類「京都の伝統・文化・歴史・観光に関する知識及び能力の検定の実施,京都の伝統・文化・歴史・観光に関する検定試験及びそれに関する模擬試験の企画及び実施,京都の伝統・文化・歴史・観光に関する技芸・スポーツ又は知識の教授,京都の伝統・文化・歴史・観光に関するセミナーの企画・運営又は開催」と補正されたものである。

2.原査定の拒絶の理由
原査定は,要旨,(1)ないし(2)のとおり認定,判断して,本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は,「京都検定」の文字を書してなるものであり,これをその指定役務中,京都に関する「検定試験,試験の企画及び実施,セミナーの企画・運営又は開催」について使用した場合は,単に役務の提供の質(内容)を表示するにすぎないものであるから,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから,商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)本願商標は,「京都検定」の文字を書してなるものであり,このような特定の資格を付与する団体を想起させる構成よりなる商標を一法人たる出願人が登録商標として採択使用することは,商取引における秩序を乱すおそれがあるから,商標法第4条第1項第7号に該当する。

3.当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
請求人(出願人)の提出に係る甲各号証(枝番号を含む。)及びインターネットの情報(http://www.kyo.or.jp/kyoto/kentei/kyotokentei/)等によれば,「京都検定」は,平成16年より,請求人である京都商工会議所が,国土交通省近畿運輸局,京都府及び京都市の後援を得て,京都の文化,歴史の継承と観光の振興,人材育成に寄与することを目的として,「京都の歴史・地理・観光・庭園・建築・京料理・伝統工芸・祭り・もてなし・文学・自然環境など広く京都に関する事柄についての専門家,すなわち『京都通』であることを認定する」ことを内容とする「京都・観光文化検定試験」の略称として使用されているものであると認められる。
そして,平成16年7月頃には本検定試験の実施要領が発表され,第1回検定試験は,同16年12月12日に,2級ないし3級で実施され,受験者数は,全国各地から,9,801名(申込者数は,10,724名)に上り,第2回検定試験は,同17年12月12日に,1級ないし3級で実施され,受験者数は,各級合わせて12,662名(申込者は,13,863名)に達しているものであって,全国的な規模で盛大に実施されたといえるものである。
さらに,第1回検定試験の実施に先立ち,請求人は,本検定試験のための講習の開催,新聞,雑誌等に試験案内の広告・宣伝を行う等,「京都検定」の普及に務めていたこと,加えて,公式テキストブックの販売,受験者向けの観光ツアーの企画,販売等ともあいまって,ユニークな検定試験として各種,新聞,雑誌等に紹介された結果,社会から関心が注がれたことが認められる。
また,本願の指定役務については,前記1のとおり,「京都の伝統・文化・歴史・観光に関する知識及び能力の検定の実施,京都の伝統・文化・歴史・観光に関する検定試験及びそれに関する模擬試験の企画及び実施,京都の伝統・文化・歴史・観光に関する技芸・スポーツ又は知識の教授,京都の伝統・文化・歴史・観光に関するセミナーの企画・運営又は開催」に補正されたものである。
してみれば,本願商標は,補正後の指定役務について,請求人により使用された結果,現在では,請求人の提供に係る役務を表示するものとして,取引者,需要者間に広く認識されるに至っているものというべきである。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するとしても,同法第3条第2項の規定の適用を受けるべきものである。
また,補正された結果,役務の質について誤認を生じさせるおそれもないから,本願商標は,商標法第4条第1項第16号に該当しないものである。
(2)商標法第4条第1項第7号について
前記3(1)のとおり,本願商標「京都検定」は,請求人が国土交通省近畿運輸局,京都府及び京都市の後援等を得て実施している検定試験の略称であり,請求人が,当該名称との関係において,本願商標を登録することについて正当な地位にないとはいえないものであって,他に,請求人が登録商標として使用・採択することにより商取引の秩序を害するおそれがあるという事情も見いだし難いものである。
してみれば,本願商標は,その指定役務に使用しても,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということはできないものであって,商標法第4条第1項第7号に該当しないものである。
(3)以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同法第4条第1項第7号のいずれにも該当するものではないから,これらを理由として本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。
その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決日 2006-04-20 
出願番号 商願2004-23409(T2004-23409) 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (Y41)
T 1 8・ 17- WY (Y41)
T 1 8・ 272- WY (Y41)
T 1 8・ 22- WY (Y41)
最終処分 成立  
前審関与審査官 手塚 義明 
特許庁審判長 柳原 雪身
特許庁審判官 山本 良廣
鈴木 雅也
商標の称呼 キョートケンテー 
代理人 肥田 正法 

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