ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 Y41 |
---|---|
管理番号 | 1134634 |
審判番号 | 不服2003-9958 |
総通号数 | 77 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2006-05-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-04-28 |
確定日 | 2006-04-17 |
事件の表示 | 商願2002-10935拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「情報処理士」の文字を横書きしてなり、第41類「教育」の役務を指定役務として、平成14年1月30日に登録出願、その後、指定役務については、当審における同18年2月7日付けの手続補正書をもって、第41類「情報処理学を学ぶ者に対する資格の認定・資格の付与」と補正されたものである。 2 原査定における拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、『情報処理士』の文字を書したものである。しかし、本願商標の末尾には、『士』の文字を有するところ、一般に末尾に『士』の付された名称の中で、一般国民にとって接する機会が多く、知られている度合いの大きいものの多くは、『弁護士』『栄養士』『学士』『税理士』『建築士』『司法書士』など国家資格に係るものである。また、情報処理に関して、情報処理技術者、第一種情報処理技術者、第二種情報処理技術者の国家資格が存在している。そして、2000年1月5日に株式会社自由国民社より発行された『自由国民ガイド版 国家試験資格試験全書』の巻末(例えば、A-26頁)には、『<資格と特技>を取得するための 学校・通信教育団体名簿』が掲載され、そこには、大学や専門学校が多数見出せる。このような事情からすると、一般需要者は、本願商標のように末尾に『士』の付された名称に接した場合、情報処理についての一定の国家資格を表していると理解されることが多いものと認められる。そうすると、本願商標は、その指定役務に使用するとき、その教育が、情報処理について一定の国家資格を取得するための教育であるかのように一般需要者を誤信されるおそれがあるから、商標として登録することは、社会公共の利益に反するものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、「情報処理士」の文字を書してなるところ、その構成文字中、「情報処理」の文字部分は、「収集した多量の情報に、コンピュータなどを使って分類・整理・選択・演算などの処理を施して、目的に応じた情報を得ること。」(株式会社三省堂発行 大辞林)の意味合いを表し、また、構成文字中の末尾の「士」の文字部分については、一般国民が末尾に「士」の付された名称に接した場合、一定の国家資格を付与された者を表していると、理解することが多いと一般的にはいうことができる。 しかしながら、当審において調査するも、本願商標である「情報処理士」と同一又は類似する名称の国家資格は、存在しないばかりでなく、「情報処理士」と同一又は類似する名称が他の法律によって、使用を規制されているといった事実も見い出し得ないところである。 そうとすれば、本願商標を補正後の指定役務に使用しても、取引者、需要者をして、これより直ちに国家資格を表す名称の一つであるかのごとく誤信を生じさせるおそれがあるものとはいえず、それゆえ、本願商標をその役務に使用をすることが、国家資格制度の秩序を乱すおそれがあるものと認めることもできないから、結局、本願商標は、社会公共の利益に反するものではなく、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標ということはできない。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして、本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は妥当でなく、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2006-03-27 |
出願番号 | 商願2002-10935(T2002-10935) |
審決分類 |
T
1
8・
22-
WY
(Y41)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 平松 和雄 |
特許庁審判長 |
大場 義則 |
特許庁審判官 |
蛭川 一治 内山 進 |
商標の称呼 | ジョーホーショリシ、ジョーホーショリ |
代理人 | 大木 一幸 |