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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y36
管理番号 1132859 
審判番号 不服2003-16712 
総通号数 76 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-07-28 
確定日 2006-03-06 
事件の表示 商願2002-43547拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、(1)のとおりの構成よりなり、第36類「資金の貸付け」を指定役務として、平成14年5月13日に登録出願されたものである。

2 原査定の引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3074326号商標(以下、「引用商標1」という。)は、「山陽信販株式会社」の文字を書してなり、平成4年9月24日に登録出願、第36類「クレジットカ―ド利用者に代わってする支払代金の精算,割賦販売利用者に代わってする支払代金の精算,貸金業規制法に基づく資金の貸付け」を指定役務として、同7年9月29日に設定登録されたものである。
同じく、登録第3074327号商標(以下、「引用商標2」という。)は、(2)のとおりの構成よりなり、平成4年9月24日に登録出願、第36類「クレジットカ―ド利用者に代わってする支払代金の精算,割賦販売利用者に代わってする支払代金の精算,貸金業規制法に基づく資金の貸付け」を指定役務として、同7年9月29日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
本願商標は、(1)のとおり、図形と文字との組合せよりなるところ、その構成中、図形部分と文字部分は、視覚上分離して認識されるばかりでなく、これらを常に一体のものとしてのみ把握すべき特別の理由は見いだし難いものであるから、それぞれ独立して自他役務識別標識としての機能を果たし得るものである。
そして、図形部分は直ちに特定の称呼、観念を生ずるともいいえないものであるから、該商標に接する取引者、需要者は、見やすく読みやすい文字部分に着目し、該文字部分をもって取引にあたる場合がむしろ多いものとみるのが相当である。
また、その文字部分においては、「GROUP」の文字部分が、我が国において「群、集団」又は「共通点をもつ人や物の集まり」を意味する外来語「グループ」に通ずる英語として広く親しまれ、商取引の場にあっては、例えば「東芝グループ」、「日立グループ」などのごとく、他の語に付して株式保有・融資・取引などを通じて継続的な結びつきをもつ企業が形成する企業系列を表す語として使用されており、該文字部分は、自他役務識別標識としての機能を果たしていないか、自他役務識別標識としての機能を果たしていたとしても、その機能は極めて弱いものと認識されるとみるのが相当であるから、これに接する取引者、需要者は「SANYO SHINPAN」の文字部分に自他役務の識別標識としての機能を見いだし、該文字部分をもって取引に資する場合も決して少なくないものと認められる。
したがって、本願商標からは、その文字部分の構成全体より「サンヨーシンパングループ」の称呼が生ずるとともに、上述のとおり、自他役務識別標識としての機能を有すると認識される「SANYO SHINPAN」の文字に相応して「サンヨーシンパン」の称呼をも生ずるとするのが相当である。
これに対して、引用商標1は、「山陽信販株式会社」の文字よりなるところ、その構成中の「株式会社」の文字が法人の組織形態を表す用語であり、「株式会社」の組織形態を採る法人はその商号中に必ず「株式会社」の用語を使用することが商法上義務づけられているものである。
このような事情を受けて、「株式会社」をその構成中に含むいわゆる商号商標の場合、法人の組織形態を表すに過ぎない「株式会社」の部分は自他役務識別機能が弱く、簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては、特段の事情がない限り、「株式会社」の部分が省略されて称呼されることがごく普通に見られるところである。
引用商標1についてみた場合、法人の組織形態を表すにすぎない「株式会社」の部分が省略されて「サンヨーシンパン」と称呼されることは当該部分の自他役務識別力に照らして極めて容易に推認することが可能であり、常に「株式会社」と「山陽信販」が一体として称呼されることを認めるに足りる特段の事情があるものとはいい難い。
そうとすれば、引用商標1は、その構成文字全体に相応して生ずる「サンヨーシンパンカブシキガイシャ」の称呼のほか、前記事情よりすれば、構成中の「山陽信販」の文字部分に相応して、単に「サンヨーシンパン」の称呼をも生ずるものといわざるを得ない。
また、引用商標2は、(2)のとおり、角を丸くした正方形状の図形中にの上部3分の2ほどにやや大きく欧文字の「AC」を黒く太線で表し、下部3分の1ほどを黒く塗りつぶした中に「山陽信販」の文字を白抜きで表した構成よりなるところ、その構成中、上部に書された「AC」の文字部分と下部に書された「山陽信販」の文字部分とは、視覚上分離して認識されるばかりでなく、これらを常に一体のものとしてのみ把握すべき特別の理由は見いだし難いこと、また、欧文字の2文字を結合した構成は、役務の種別、等級等を表示するための記号、符号の一類型として、普通一般に使用されているところであることから、該商標に接する取引者、需要者は、下部に表された「山陽信販」の文字部分に着目し、該文字部分をもって取引にあたる場合がむしろ多いものとみるのが相当である。
そうとすれば、引用商標2は、その構成文字全体に相応して生ずる「エーシーサンヨーシンパン」の称呼のほか、前記事情よりすれば、構成中の「山陽信販」の文字部分に相応して、単に「サンヨーシンパン」の称呼をも生ずるものといわざるを得ない。
してみれば、本願商標と引用各商標とは、その外観において相違し、観念においては、比較すべきところがないとしても、「サンヨーシンパン」の称呼を共通にする類似する商標であり、本願商標と引用各商標とは、役務の出所について混同を生じさせるおそれのある商標といわざるを得ない。
また、本願商標の指定役務は、引用各商標の指定役務と同一又は類似のものを含むものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
なお、請求人は、上申書において、平成16年4月1日以降、引用商標1及び引用商標2は、商標法第4条第1項第7号に該当することとなると解すべきであると主張し、引用商標に対して無効審判請求を行う旨述べているが、その後、相当の期間を経過するも、何ら具体的に手続がされているとは認められないものであり、これ以上審理を猶予すべき理由は見当たらないから、本件の審理を進めることとした。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
(1)本願商標



(2)引用商標2


審理終結日 2005-05-27 
結審通知日 2005-06-03 
審決日 2005-06-14 
出願番号 商願2002-43547(T2002-43547) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y36)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 飯塚 隆 
特許庁審判長 柳原 雪身
特許庁審判官 小出 浩子
山本 良廣
商標の称呼 サンヨーシンパングループ、サンヨーシンパン、サンヨー 
代理人 古木 睦美 
代理人 佐藤 雅巳 

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