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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z41
管理番号 1131418 
審判番号 取消2004-30728 
総通号数 75 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-03-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2004-06-09 
確定日 2006-02-14 
事件の表示 上記当事者間の登録第4481000号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4481000号商標(以下「本件商標」という。)は、「がんばれ!ニッポン!」の文字を書してなり、平成12年4月5日に登録出願、第41類「オリンピック競技大会・オリンピック冬季競技大会・アジア競技大会・アジア冬季競技大会・ユニバーシアードその他これらに準ずる国際的総合競技大会の開催,スポーツに関する講演会の企画・運営又は開催,セミナーの企画・運営又は開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),ゴルフの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,サッカーの興行の企画・運営又は開催,競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,当せん金付証票の発売,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,スキー用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与」を指定役務として、同13年6月8日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張の要点
請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。
本件審判請求後、請求人は、平成16年9月27日付手続補正書により請求の趣旨を補正するとして、「補正の内容(波線部分のとおり補正する)」欄に、「商標法第50条の規定により、本件商標のうち、指定役務第41類の別紙不使用にかかる役務一覧表記載の役務にかかる部分の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」(「指定役務第41類の別紙不使用にかかる役務一覧表記載の役務にかかる部分の」の文字部分の下部に波線が表示されている。)と記載し、当該手続補正書に添付した「不使用にかかる役務一覧表」には、「第41類の指定役務中、下記の役務(下記下線で削除したもの以外の役務)」として、本件商標の指定役務中「オリンピック競技大会・オリンピック冬季競技大会・アジア競技大会・アジア冬季競技大会・ユニバーシアードその他これらに準ずる国際的総合競技大会の開催」及び「運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」の役務に下線が付されている。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定役務のうち、別紙不使用にかかる役務一覧記載の役務について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが商標としての使用をしていない。したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
請求書に添付された「不使用にかかる役務一覧表」には、「第41類の指定役務中、下記の役務(下記下線で削除したもの以外の役務)」として、本件商標の指定役務中「オリンピック競技大会・オリンピック冬季競技大会・アジア競技大会・アジア冬季競技大会・ユニバーシアードその他これらに準ずる国際的総合競技大会の開催」の役務に下線が付されている。
(2)被請求人の答弁に対する弁駁の理由
被請求人の掲げる乙第1号証ないし同第14号証における文書に標記した「がんばれ!ニッポン!」の標章は商標法上の商標としての使用とはいえない。
(ア)乙第1号証は、単なる平成16年1月16日付けのプレスリリースの内容にすぎない。
(イ)乙第2号証は、コナミ株式会社(以下「コナミ」という。)にかかる、同号証添付のチラシを讀賣新聞に平成16年3月6日付の折り込み広告として配布した、というものであるが、
(a)チラシの頒布部数40,000部の根拠が不明である。すなわち、何ら客観的取扱いの裏付けのない文書である。
(b)平成16年3月6日という頒布日の根拠が不明である。すなわち何ら客観的な取扱いの裏付けのない文書である。
(c)乙第2号証に添付の広告チラシのうち、広告チラシの主体たる識別標識は「KONAMI」、「KONAMI SPORTS CLUB」、「コナミ スポーツクラブ」であり、「がんばれ!ニッポン!」は、本件商標にかかる役務としての商標的使用の表示方法、表示形態としてなされていない。換言すれば、何ら指定役務としての識別力を現していない。
(ウ)乙第3号証は、(2)と全く同様の理由が存在する。
これに加え、頒布した日と称する平成16年3月20日は、本件不使用審判請求日(平成16年6月9日)前3月(平成16年3月9日)の後の日付であり、被請求人において、請求人の本件審判請求の動きがあるのを知って行ったものである(法50条3項本文)。
(エ)乙第5号証ないし同第14号証も、(2)と同様の論である。

3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第14号証を提出した。
本件商標は、本件審判の請求登録前3年以内、すなわち、平成13年6月30日から平成16年6月30日の登録時までの間に、日本国内において、正規に使用を許諾された通常使用権者により、本件請求に係る指定役務中「運動施設の提供」及び「スポーツ又は知識の教授」について使用された事実がある。
(1)「運動施設の提供」・「スポーツ又は知識の教授」についての本件商標の使用
被請求人「財団法人日本オリンピック委員会」は、平成16年1月16日付で、コナミスポーツ株式会社(本社:東京都品川区東品川所在。以下、単に「コナミスポーツ」という。)に対し、「スポーツクラブ及びその運営」という範囲について、本件商標の使用を許諾している(乙第1号証)。
一例を示すと、コナミスポーツでは、平成16年(2004年)3月1日〜同年3月31日にかけて、埼玉県狭山市入間川に所在する「コナミスポーツクラブ狭山」、及び、埼玉県川越市鯨井新田に所在する「コナミスポーツクラブ川越」への入会を呼びかけるため、「春のウエルカムキャンペーン」という宣伝・広告活動を行った(乙第2号証及び乙第3号証)。
乙第2号証及び乙第3号証として提出した証明書に添付されているのは、上記二つのスポーツクラブが所在する近隣地域に、平成16年3月6日付又は同20日付の讀賣新聞とともに頒布された広告チラシである。当該チラシには、コナミスポーツが運営するスポーツクラブへの入会を呼びかける文言とともに、本件商標が付されている。したがって、これらを新聞の折り込みチラシとして頒布する行為は、商標法第2条第3項第8号に規定する「使用」にほかならない。
また、当該チラシで説明されている提供役務の内容、すなわち「スポーツクラブの提供」及び「スポーツクラブにおけるトレーニングの教授」が、本件取消請求に係る指定役務中「運動施設の提供」及び「スポーツ又は知識の教授」の範疇に含まれることは、乙第4号証からも明らかである。
なお、上記乙第2号証及び乙第3号証に示した「春のウエルカムキャンペーン」は、各地に所在するコナミスポーツクラブでも同様に展開され(乙第5号証ないし同第7号証)、さらに、平成16年5月には「有料体験キャンペーン」が(乙第8号証ないし同第10号証)、同6月には「夏休み短期教室」についての告知が行われ、それぞれの広告に本件商標が付されて全国各地で頒布された(乙第11号証ないし同第12号証)。
さらに、甲第13号証及び同第14号証に示すとおり、コナミスポーツが宣伝用に頒布している冊子でも、本件商標は「スポーツクラブの提供」に関する広告について使用されている。
(2)結語
以上のとおり、本件商標は、本件審判請求登録日前3年以内に、本件審判請求に係る指定役務について、通常使用権者により使用されていたことが明らかであるから、本件商標の登録は取り消されるべきではない。

4 当審の判断
(1)本件審判の請求の趣旨によれば、その請求に係る指定役務は、本件商標の指定役務のすべてを対象としていたところ、請求人は、平成16年9月27日付手続補正書により、請求の趣旨を補正するとして、当初の取消請求に係る指定役務を縮減している。
しかしながら、この補正書による請求の趣旨の補正は、当初に取消しを求めた指定役務の範囲を変更することになるものであり、請求の要旨を変更するものと認められるから、商標法第56条第1項において準用する特許法第131条第2項の規定に基づき、採用することができない。
なお、請求の趣旨の記載は前記のとおりであるが、請求書記載の請求の理由とを併せると、指定役務中「オリンピック競技大会・オリンピック冬季競技大会・アジア競技大会・アジア冬季競技大会・ユニバーシアードその他これらに準ずる国際的総合競技大会の開催」を除いた指定役務について登録の取消を求めるものであると解したとしても、前記補正書による補正は、同様に、本件審判の請求の要旨を変更するものである。
(2)被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)被請求人「財団法人日本オリンピック委員会」は、平成16年1月16日に、JOCオフィシャルパートナー(契約カテゴリー「スポーツクラブ及びその運営」、契約期間「2004年1月16日〜同年12月31日」)として、コナミスポーツと合意した(乙第1号証)。
(イ)コナミスポーツから同社の業務に関する宣伝・広告物の作成・印刷・頒布等の発注や事務管理の業務委託を受けているコナミは、東京都立川市曙町所在の株式会社ビックスに広告チラシ40,000部の作成及び印刷を発注し、平成16年3月4日付けで納品を受け、同3月6日に埼玉県狭山市及び入間市において、讀賣新聞の折り込みチラシとして頒布させた。広告チラシ55,000部については、同3月18日に納品を受け、同3月20日に埼玉県川越市、鶴ヶ島市、川島町及び狭山市において、讀賣新聞の折り込みチラシとして頒布させた。
(ウ)上記広告チラシは、コナミスポーツクラブ狭山及びコナミスポーツクラブ川越への入会を呼びかける春のウエルカムキャンペーン用のもので、第1面には「JOCオフィシャルスポーツパートナーとして日本代表選手団をサポートします。」と記載され、役務の識別標識と認識し得る「がんばれ!ニッポン!」の文字が表示されている。
そして、被請求人ウエブサイトのホームページによれば、JOCオフィシャルパートナーは、「JOCオフィシャルパートナー」「オリンピック日本代表選手団オフィシャルパートナー」などの公式呼称、スローガン「がんばれ!ニッポン!」などのJOCマークを使用することができることが認められる。
以上の事実によれば、コナミスポーツは、本件商標の通常使用権者であって、平成16年3月6日及び同3月20日に、「スポーツクラブの提供」及び「スポーツクラブにおけるトレーニングの教授」の役務について、広告チラシを配布することにより宣伝・広告をした事実が認められ、当該広告チラシに表示されている「がんばれ!ニッポン!」の文字は、その体裁からみて本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
請求人は、乙第1号証は、単なる平成16年1月16日付けのプレスリリースの内容にすぎない旨主張する。
確かに、乙第1号証はプレスリリースの内容を掲載した資料であるが、当事者の双方が同日にプレスリリースし、その内容は、法人名(会社名)、問い合わせ先を明記して合意事項が記述されているものであるから、社会通念に照らせば、その内容が虚偽のものであるとは到底認められない。
また、請求人は、乙第2号証について、(a)チラシの頒布部数40,000部の根拠が不明である(b)平成16年3月6日という頒布日の根拠が不明であり、何ら客観的な取扱いの裏付けのない文書である、また、広告チラシの主体たる識別標識は「KONAMI」、「KONAMI SPORTS CLUB」、「コナミ スポーツクラブ」であり、「がんばれ!ニッポン!」は、本件商標にかかる役務としての商標的使用の表示方法、表示形態としてなされていない。乙第3号証も同様である旨主張する。
しかし、乙2号証及び同第3号証の証明書は、証明者である会社の住所、名称の下部に役職、氏名が記載され、氏名に続いて押印がされており、その内容も、広告チラシの作成・印刷先の住所及び名称並びに納品日、納品部数及び配布日、配布範囲、新聞紙名が明記されているのであるから、その内容は、証明をし得る役職の者が取引書類あるいは社内資料などに基づいて作成したものというべきであり、これらの証明書は、十分に証拠能力があるものといわなければならず、また、「がんばれ!ニッポン!」の文字が識別標識としての機能を果たさないとみなければならない格別の事由はない。そうすると、請求人の上記主張は採用できない。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、通常使用権者により請求に係る指定役務中の「スポーツクラブの提供」及び「スポーツクラブにおけるトレーニングの教授」について使用されていたといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-04-25 
結審通知日 2005-04-28 
審決日 2005-05-10 
出願番号 商願2000-34766(T2000-34766) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z41)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 涌井 幸一
特許庁審判官 小川 有三
富田 領一郎
登録日 2001-06-08 
登録番号 商標登録第4481000号(T4481000) 
商標の称呼 ガンバレニッポン 
代理人 寒河江 孝允 
代理人 大島 厚 
代理人 辻居 幸一 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 中村 稔 
代理人 加藤 ちあき 
代理人 松尾 和子 
代理人 熊倉 禎男 

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