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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) 003
管理番号 1127841 
異議申立番号 異議1998-92302 
総通号数 73 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-01-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-12-28 
確定日 2005-11-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第4185862号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4185862号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第4185862号商標(以下「本件商標」という。)は、「PERVALENTINO」の文字を書してなり、平成8年11月5日登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,靴クリーム,靴墨」を指定商品として、同10年9月11日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、要旨次のよう述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第14号証(枝番号を含む。枝番号をまとめて引用するときは枝番号を省略する。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、以下(1)ないし(3)の登録商標(以下、まとめて「引用各商標」という。)と「バレンティノ」の称呼及びイタリアの著名な服飾デザイナー「バレンティノ」の観念を共通にする類似の商標であり、また、本件商標の指定商品は引用各商標の指定商品と抵触するものであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。
(1)登録第1285172号商標は、「VALENTINO GARAVANI」の文字を書してなり、昭和49年10月1日登録出願、第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同52年7月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第2097520号商標は、「VALENTINO」の文字を書してなり、昭和53年5月11日登録出願、第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同63年11月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第3279309号商標は、「GARAVANI VALENTINO」の文字を書してなり、平成5年6月30日登録出願、第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同9年4月11日に設定登録されたものである。
2 商標法第4条第1項第15号について
イタリアの服飾デザイナー「VALENTINO GARAVANI」は、単に「ヴァレンティノ」(VALENTINO)と略称されており、この略称も本件商標の登録出願の日前より著名なものとなっており、また、本件商標の指定商品中の「化粧品」は、ファッションと非常に関連性の深い商品であるから、本件商標を化粧品等の指定商品について使用した場合、その商品があたかも「VALENTINO GARAVANI」(バァレンティノ ガラバーニ)の制作又はデザインに係る「VALENTINO」シリーズの一ラインナップ商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
3 商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、著名なイタリア人服飾デザイナーである「VALENTINO」の著名な略称である「VALENTINO」含む商標であるにもかかわらず、同デザイナーは商標権者に対し、本件商標を登録するにつき何ら承諾を与えた事実はない。

第3 取消理由の通知(要旨)
1 本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するか否かに関し、職権により証拠調べをしたところ、申立人が既に提出した証拠以外に、上記法条に該当すると認められる下記(1)ないし(9)の書証を発見したので、その結果を下記2の取消理由通知と共に通知する。
(1)「世界の一流品大図鑑ライフカタログVOL.1」(昭和51年6月5日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ・ガラバーニ」が、「イタリアファッション界の旗手と呼ばれ、女性を最高に美しく見せるデザイナーとして高く評価されている。」こと、及びその経歴等を紹介する内容とともに「ブラウス、セーター、ネクタイ」の商品の写真が掲載されていること。
(2)「EUROPE一流ブランドの本(講談社MOOK第2巻)」(昭和52年12月1日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」の所有する店舗の紹介と簡単な経歴が「婦人服」の商品と共に掲載されていること。
(3)「服飾辞典」(昭和54年3月5日第1刷文化出版局発行)の、ヴァレンチィーノ ガラヴァーニ[Valentino Garabani、1932〜]の項に、「イタリア北部の都市(ヴォゲラ)に生まれる。17才でリセオ(中学)を中退、パリに行く。スチリストになるため、パリのサンジカ(パリ高級衣装店組合の学校)で技術を身につける。1951年、ジャン・デッセ(オート・クチュール)のもとで5年間アシスタントとして仕事をする。その後2年間、ギ・ラローシュのアシスタントをし、1958年独立、ヴァレンティーノ・クチュールの名でローマに店を開いた。このころ、イタリアのモードは世界的に有名になりつつあった。彼の最初の仕事は、フィレンツェのピッティ宮殿でのコレクションである。このコレクションは、〈白だけの服〉という珍しい演出であったが、その美しさはジャーナリストの間で評判となり、「ニューズ・ウィーク」「ライフ」「タイム」「ウィメンズ・ウェア・デイリー」各誌紙で取材、モードのオスカー賞を獲得した。1967年、ヴァレンティーノの名は世界に知れわたった。1972年には紳士物も始め、その他アクセサリー、バッグ、宝石類、香水、化粧品、家具、布地、インテリアと、その仕事の幅はたいへん広いが、すべてヴァレンティーノ独特のセンスを保っているのはみごとである。ヴァレンティ-ノの洋服に対する考えは、まず個性が第一で、彼のコレクションからは、デテールでなくそのエスプリをくみ取ってもらうことに重きをおく。ローマの高級住宅地、アッピア・アンティカに母親とたくさんの犬と暮らしている。仕事でパリとローマを行き来するが、世界中を旅行するなど忙しい日々である。物をつくる人は誰でも波があって、いつも傑作が続くとはかぎらないが、ヴァレンティーノは現在、ローマのオート・クチュール界で最も好調なデザイナーといえる。以前から東洋風なエキゾティシズムが好きで、時によってトルコ風、アラブ風の特色がみられるが、最近はキモノのセクシーさを1950年代のハリウッドの雰囲気に表現、あやしく美しいヴァレンティーノの世界をつくり出している。」との紹介記事が掲載されていること。
(4)「朝日新聞」(昭和57年11月20日夕刊第3頁)において、世界の服をリードする3人のうちの1人として「バレンチノ」の紹介記事が掲載されていること。
(5)「男の一流品大図鑑’85年版」(昭和59年12月1日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO GARAVANI」「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」の文字と共に、「スーツ、ブルゾン、シャツ、ネクタイ、ベルト及びバッグ」の商品が掲載されていること。
(6)雑誌「non-no」1989年 No23号(平成元年12月5日株式会社集英社発行)及び「marie claire」(1996年2月1日中央公論社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」が単に「ヴァレンティノ」と略称され、商品「婦人服」等と共に掲載されていること。
(7)「英和商品名辞典」(1990年株式会社研究社発行)[Valentino Garavani]の項において、「イタリア Romaのデザイナー Valentino Garavani(1932-)のデザインした婦人・紳士物の衣料品・毛皮・革製バッグ・革小物・ベルト・ネクタイ・アクセサリー・婦人靴・香水・ライター・インテリア用品など。Roma,Firenze,Milanoなどにあるその店の名称はValentino(vは小文字でかくこともある)。・・・ 」との記事及びデザイナーとしての紹介記事が掲載されていること。
(8)「世界の一流品大図鑑’93年版」(平成5年5月20日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO」ブランドの香水が掲載されていること。
(9)「岩波=ケンブリッジ世界人名辞典」(1997年11月21日株式会社岩波書店発行)の[ガラヴァーニ]の項において「ヴァレンティノ Garavani,Valentino通称ヴァレンティノ Valentino(伊 1933-)服飾デザイナー・・・・」との紹介記事が掲載されていること。
同じく、[ヴァレンティノ Valentino]の項において、「ガラヴァーニ、ヴァレンティノ」を見よとの表示があること。
2 本件商標を取り消すべき理由
(1)申立人の主張の趣旨及び甲第9号証ないし甲第13号証、前記職権証拠調べの証拠によれば、次の事実が認められる。
(ア)「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)は、1932年イタリア国ボグヘラで誕生、17才の時パリに行き、パリ洋裁学院でデザインの勉強を開始し、その後フランスの有名なデザイナー「ジーン・デシス、ギ・ラ・ロシュ」の助手として働き、1959年ローマで自分のファッションハウスを開設した。1967年にはデザイナーとして最も栄誉ある賞といわれる「ファッションオスカー(Fashion Oscar)」を受賞し、ライフ誌、ニューヨークタイムズ誌、ニューズウィーク誌など著名な新聞、雑誌に同氏の作品が掲載された。これ以来、同氏は、イタリア・ファッションの第1人者としての地位を確立し、フランスのサンローランなどと並んで世界三大デザイナーと呼ばれ国際的なトップデザイナーとして知られている。
我が国においても、ヴァレンティノ ガラヴァーニの名前は、1967年(昭和42年)のファッションオスカー受賞以来知られるようになり、その作品は「Vogue(ヴォーグ)」誌などにより継続的に日本国内にも紹介されている。
昭和49年には、三井物産株式会社の出資により同氏の日本及び極東地区総代理店として株式会社ヴァレンティノヴティックジャパンが設立され、ヴァレンティノ製品を輸入、販売するに至り、同氏の作品は、我が国のファッション雑誌にも、より数多く掲載されるようになり、同氏は、我が国においても著名なデザイナーとして一層注目されるに至っている。
以上のとおり、ヴァレンティノ・ガラヴァーニは、世界のトップデザイナーとして本件商標が登録出願された平成8年11月5日当時には、既に我が国においても著名であったものと認められる。
同氏の名前は、「VALENTINO GARAVANI」「valentino garavani」「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」とフルネームで表示され、このフルネームをもって紹介されることが多いが、同時に新聞、雑誌の記事や見出し中には、単に「VALENTINO」「valentino」「ヴァレンティノ」と略称されてとりあげられており、ファッションに関して「VALENTINO」「valentino」「ヴァレンティノ」といえば同氏を指すものと広く認識されるに至っているというべきである。そして、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)氏がデザインした婦人服、紳士服、ネクタイ、バッグ、靴、ベルト、アクセサリー等のファッション関連の商品は、「VALENTINO GARAVANI」「valentino garavani」「VALENTINO」「valentino」「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」「ヴァレンチノ」の商標(以下、これらの商標をあわせて「引用標章」という。)をもって我が国の取引者、需要者の間に広く知られていた事実が認められる。
(イ)さらに、当審において調査するに、「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」「VALENTINO GARAVANI」「valentino garavani」は、我が国においては、「ヴァレンチノ」、「ヴァレンティーノ」あるいは「VALENTINO」「valentino」とも略されて表示されていることは、田中千代「服飾辞典」(同文書院1981年p550)、山田政美「英和商品辞典」(株式会社研究社1990年p447)、金子雄司外「世界人名辞典」(岩波書店1997年p84)において裏付けられるばかりでなく、雑誌における表現においても、たとえば、「marie claire」1996年2月1日号、「non‐no」1989年 No23号等からも認められる。
(2)以上の事実よりすると、上記デザイナーである「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)は、引用標章を婦人服を始めとし、紳士服、ネクタイ、バッグ、靴、ベルト、アクセサリー等のファッション関連の商品に使用しており、その結果、引用標章は、遅くとも本件商標の登録出願の時には、既に我が国において、取引者、需要者の間に広く認識されていたものである。
(3)他方、本件商標は、その構成中に「VALENTINO」の文字を有するものであり、前記認定したとおり「VALENTINO」は周知なものであるから、本件商標において「VALENTINO」の文字は重要な意味を持つ言葉と認識される。そして、本件商標の指定商品「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,靴クリーム,靴墨」は、引用標章が使用されている被服等の商品と関連のあるファッション関連の商品である。
(4)そうすると、本件商標を、商標権者がその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、周知商標である引用標章を連想させ、本件商標が付された商品が引用標章の一種ないし兄弟ブランド、ファミリーブランドであるなどと誤解し、あたかも上記デザイナーである「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)又は、同人と組織的・経済的に何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号に該当する。

第4 商標権者の意見(要旨)
商標権者は、取消理由通知に対し、要旨以下のように意見を述べ、証拠方法として、資料1ないし資料4(枝番号を含む。枝番号をまとめて引用するときは枝番号を省略する。)を提出した。
1 「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)は創造商標ではなく人の名前である。多くの国において人々は「氏」と「名前」によって「他人」を区別している。「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)も基本的には同様で、「氏」と「名」で初めて自他識別力がでるものである。
イタリア人の名前で「VALENTINO」(ヴァレンティノ)はローマの電話帳に多数ある(資料2)。
インターネットで探してもすぐに「ジャンニ バレンティノ」、「バレンティノ ロッシ」、「ルドルフ バレンティノ」「聖バレンティノ」等々デザイナー、映画俳優、自動車レーサー、聖人まで、多くの分野で「バレンティノ」を用いている(資料3)。
服飾報道の場合には記事内容が決まっていて、例えば「VALENTIN(ヴァレンティノ)」と言えば「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)と読者が分かっているから「GARAVANI」部分を省略するのであって、例えばスポーツ紙で「長嶋」と言えば「長嶋 茂雄」と分かっているから「茂雄」を省略し、あえて「長嶋 茂雄」と書かないのと同じである。
2 本件商標「PERVALENTINO」は、同書、同大、等間隔であって「PER」分離する理由はない。
一般の人は、語頭から語尾に向けて読んでいくものであり、その場合視線は語頭の「P」に先ずいって、次に「E」に、そして「R」「V」「A」「L」「E」「N」「T」「I」「N」「O」と流れていって「パーバレンティノ」と称呼するというのが自然である。
本件商標は、「VALENTINO」の部分を格別大きく表示したわけでもなく、色を変えたわけでもない。「PERVALENTINO」全体を同書、同大、等間隔で表記したものであるから、一般の取引者、需要者は語頭部分から自然に「パーバレンティノ」と一連不可分に称呼するということができる。
本件商標を称呼してみれば理解できるように視覚が商標全体に行き渡らず、視覚に入って理解できるスペルは前半の「PERVA」辺りまでで、それから後半の「LENTINO」に進み、「VALENTINO(バレンティノ)」などと記憶に残らない。
3 「VALENTINO」(ヴァレンティノ)は、人の名前としてはありふれたもので、類を異にする登録商標にも、「GIANNI VALENTINO」登録第2682253号商標(第4類)、「RUDOLPH VALENTINO」登録第2623355号商標(第20類)、「GIANNI VALENTINO」登録第2659649号商標(第20類)などがある。
提出された各証拠書類において、使用されている商標もほとんどが「VALENTINO GARAVANI」であって、本件商標の登録出願前に「VALENTINO」の使用はない。「VALENTINO」の片仮名(ヴァレンティノ)使用は雑誌などのへの宣伝コピー的使用であって、いわゆる商標的使用は「VALENTINO GARAVANI」であり、「VALENTINO GARAVANI」は著名なものもあるが、「VALENTINO」は必ずしも著名なものということはできない。このことはインターネットのチャットからもいえることである(資料4)。
以上述べたとおり、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するという取消理由は、当を得たものとはいえない。

第5 当審の判断
1 甲9号証ないし甲第13号証及び前記2の取消理由の通知を総合すると、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)は、世界的に著名な服飾デザイナーであり、我が国においても、単に「VALENTINO」、「ヴァレンティノ」と略称され、ファッションに関して「VALENTINO」「valentino」「ヴァレンティノ」といえば同氏を指すものと広く認識されるに至っているというべきである。そして、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)氏がデザインした婦人服、紳士服、ネクタイ、バッグ、靴、ベルト、アクセサリー等のファッション関連の商品は、引用標章をもって我が国の取引者、需要者の間に広く知られていた事実が認められる。
そして、同デザイナーのデザインに係り、申立人の取扱いに係る商品である「婦人服、紳士服、ネクタイ、バッグ、靴、ベルト、アクセサリー」等のファッション関連の商品に表示される引用標章は、本件商標の登録出願前より、我が国のファッション関連商品の需要者の間に広く認識されていたものであり、その著名性は、本件商標の登録査定時(平成10年(1998年)5月8日)に至るまで継続していたものであると認めることができる。
そうすると、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)のデザインに係り、申立人の取扱いに係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている「VALENTINO」の文字を含む本件商標は、これをその指定商品について使用するときは、その需要者をして、該商品があたかも「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)のデザインに係る商品であるかのように、若しくは申立人、又はこれらと何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものとみるのが相当である。
2 商標権者の主張について
商標権者は、上記第4のように意見を述べ、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当しない旨主張する。
しかしながら、前記1の認定のとおり、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)は、世界のトップデザイナーとして、本件商標の登録出願時には、既に我が国のファッション関連の業界にとどまらず、一般の消費者の間にも広く認識されていたということができ、そのデザインに係る商品群に使用される「VALENTINO」、「ヴァレンティノ」の表示もファッション関連商品の需要者の間に広く認識されていたというべきであるから、たとえ、「VALENTINO」がイタリアにおいてありふれた名前であるとしても、本件商標の登録出願時における我が国のファッション関連商品の分野において、「VALENTINO」の表記に接する需要者は、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)ないしそのデザインに係る商品について使用される商標を想起、連想するというのが相当である。
そうすると、本件商標は、前記したとおり、「PERVALENTINO」の文字を同書、同大、同間隔に書してなるものであるとしても、全体として特定の氏名、熟語を表すものとして一般の取引者、需要者に良く知られているというような実情がなく、かつ「VALENTINO」(バレンティノ)が、イタリアにおいてはありふれた氏姓ないし名であるとしても、日本においてはありふれた氏姓ないし名であるとは認め難く、加えて本件商標の指定商品「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,靴クリーム,靴墨」は、引用商標が使用されている被服等の商品と関連のあるファッション関連の商品であり、取引者、需要者を共通にする場合が少なくないという関係において出所の混同のおそれがないことが明らかでない。
さらに、本件商標「PERVALENTINO」は、12文字と多めの字数で構成され、また、これより生ずる「パーヴァレンティノ」又は「ペルヴァレンティノ」の称呼もやや冗長な7音で構成されており常に一気一連に称呼しなければならない格別な事由も見当たらない。
さらにまた、本件商標と構成を一にする商標の登録事例及び「VALENTINO」を含む登録商標が複数存在している事実は認められるとしても、それらがいわゆる除斥期間を経過している登録商標であるか否か等の事情、また、申立人の「VALENTINO」、「ヴァレンティノ」ブランドとの関係で混同を惹起させるかものかどうかは、両者の指定商品・役務との関係等個別、具体的に決せられるべきであって、本件における混同可能性を否定する根拠とするには適切でない。
以上を総合すると、本件商標は、これに接する需要者はその構成中の著名な「VALENTINO」の文字部分に強く印象づけられるというのが相当であって、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標といわざるを得ず、上記に関する商標権者の主張は、いずれも採用できない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2005-09-27 
出願番号 商願平8-124416 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (003)
最終処分 取消 
前審関与審査官 大島 勉 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 三澤 惠美子
中村 謙三
登録日 1998-09-11 
登録番号 商標登録第4185862号(T4185862) 
権利者 ペレバレンチノジャパン株式会社
商標の称呼 ペルバレンチノ、パーバレンチノ 
代理人 緒方 園子 
代理人 浅村 肇 
代理人 浅村 皓 
代理人 宮城 和浩 
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