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審決分類 審判 判定 その他 属さない(申立て成立) Y03
管理番号 1124755 
判定請求番号 判定2004-60090 
総通号数 71 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標判定公報 
発行日 2005-11-25 
種別 判定 
判定請求日 2004-11-10 
確定日 2005-10-07 
事件の表示 上記当事者間の登録第4728287号商標の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 商品「化粧品,せっけん類」に使用するイ号標章は、登録第4728287号商標の商標権の効力の範囲に属しない。
理由 1 本件商標
本件登録第4728287号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に表示したとおりの構成よりなり、平成15年2月7日登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同15年11月21日設定登録されたものである。

2 イ号標章
請求人が商品「クレンジングゲル,ホワイトニングアミノウォッシュ,,ナチュラルスキンソープ,エッセンシャルローション,エマルジョンミルク,スペシャリストセラムW,スペシャリストセラムL,スペシャリストセラムS,スペシャリストセラムP.クリームオブクリーム,サンシールドUVゲル,シルキーシャンプー,シルキーコンディショナー,トライアルセットを含む化粧品又はせっけん類」について使用する標章として示したイ号標章は、別掲(2)に表示したとおりの構成よりなるものである。
なお、判定の対象となるイ号標章については、本件判定請求書の記載では不明確であると判断し、当審において、平成17年3月23日付けで審尋を発し、請求人からの同年5月6日付け回答書により、別掲(2)のイ号標章として特定されたものである。

3 請求人の主張
請求人は、同人が商品「化粧品、せっけん類」について使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属しないとの判定を求め、その理由を要旨次のように述べている。
(1)判定請求の必要性
請求人は、本件商標の商標権者より大阪地方裁判所に商標権侵害等差止仮処分命令申立事件(平成16年(ヨ)第20032号)(以下「本件裁判」という。)として申立てられた。本件裁判の申立人(債権者)である本件商標の権利者は、請求人との間で化粧品等の取引関係にあったが、予め警告等の通知が何らなされることなく突然に前記仮処分命令申立を行った。本件裁判において、本件商標とイ号標章とは非類似関係にある旨の主張を行うが、前記本件商標に係る商標権の効力の範囲にイ号標章が属しないことについて、より高度な専門的知識をもって中立的立場から判断される判定を特許庁に求める。
(2)イ号標章の説明
請求人は、平成16年6月中旬よりオーツープレシャス(O2Precious:「2」の文字は、酸素の分子式のように右下に小さく表記されている。)シリーズとして、クレンジングゲル,ホワイトニングアミノウオッシュ,ナチュラルスキンソープ,エッセンシャルローション,エマルジョンミルク,スペシャリストセラムW,スペシャリストセラムL,スペシャリストセラムS,スペシャリストセラムP,クリームオブクリーム,サンシールドUVゲル,シルキーシャンプー,シルキーコンディショナー,トライアルセットの化粧品を販売している。この請求人の販売方式は、商品知識を有する専門スタッフが顧客に対して個別に電話をかけて商品説明を行い、この化粧品のサンプルをトライアルセットとして郵送して勧誘を行うテレホンアポイント方式(電話勧誘方式)である。
被請求人は、平成15年3月10日より、「O2ファクトリースキンケアシリーズ」という名称を用いた化粧品、せっけん類を販売している。この被請求人の販売は、当該被請求人に商品開発を依頼した会社(以下「請求外会社」という。)へ全て納品し、当該請求外会社が本件商標を付した商品をテレホンアポイント方式により行っている。
(3)イ号標章が本件商標に係る商標権の効力範囲に属しないとの説明
ア.本件商標は、「オーツーファクトリー」からなる文字商標部分とこの上方に配設される真円枠内に「O」と「2」とを組合わせた図形商標部分とから構成される。前記文字商標部分は、片仮名文字の「オーツーファクトリー」を横書きにし黒字ゴシック活字体を基本構成とする。また、前記図形商標部分は、二重の真円形枠内を黒塗りとし、当該黒塗り部分に図案化した欧文文字の「O」とアラビア数字の「2」とを略横並びに配設して白抜きで描画される基本構成である。
イ.他方、イ号標章は、略正方形状の枠内にアラビア数字の「2」を渦巻状に図案化した模様を配すると共に当該枠内に「Precious」の文字を配して構成される。このイ号標章が描画されるパッケージングには、「オーツープレシャス」、「O2プレシャス」又は「O2Precious」の文字が発売元、製造元の表記と共に描画されている。この「オーツープレシャス」、「O2プレシャス」及び「O2Precious」の文字標章は、この片仮名文字の「オーツープレシャス」を横書きにして構成され、また酸素の化学記号である「O2」と片仮名文字「プレシャス」とを組合わせて横書きにして構成され、さらに酸素の分子式である「O2」と欧文文字「Precious」を組合わせて横書きにして構成される。
ウ.本件商標とイ号標章との類似性について
まず、称呼の類似性については、本件商標が「オーツーファクトリー」と淀みなく且つ段差無く一連に発音して柔和且つ落着いた音感を生じさせるのに対し、イ号標章は「プレシャス」と淀みなく且つ段差無く一連に発音して活発且つ軽快な音感を生じさせることから、本件商標と音感に差異があり聴別でき全く別異な称呼である。
次に、観念の類似性については、本件商標が「オーツーファクトリー」の名称により「O2」から酸素及び「ファクトリー」から工場又は工房の各々より「酸素工房等」の語意観念を有するのに対し、イ号標章が「プレシャス」と同音の英語の「Precious」から「大切な」又は「貴重な」等の語意観念を有することから、明らかに異なる観念を生じさせるものである。
また、外観の類似性については本件商標の図形商標部分が二重真円形枠内を黒塗りとし、当該黒塗り部分に欧文文字「O」とアラビア数字「2」とを横並びに組合わせて模様を白抜き描画されて重厚な印象を与えるのに対して、イ号標章の図形標章は略正方形状の枠内にアラビア数字の「2」を極めてデフォルメした渦巻状の模様を描画して当該枠内に「Precious」の文字を配する構成とされて軽快な印象を与えることから、全く別異な外観である。
以上のとおり本件商標とイ号標章とは、外観、称呼、観念のいずれにおいても全く異なるものであることから非類似の商標であり、共に同一の商品(化粧品、せっけん類等)に付したとしても出所混同を生じないことから、イ号標章は、商標登録第4728287号に係る商標権の効力の範囲に属するものでない。

4 被請求人の答弁
被請求人は、請求に対し、何ら答弁していない。

5 当審の判断
本件商標は、別掲(1)のとおり二重の真円形枠内を黒塗りにし、その中に白抜きで曲線状の模様と図案化した数字の2とおぼしき図柄を配してなる図形の下に、「オーツーファクトリー」の片仮名文字を横書きしてなるものである。
これに対して、イ号標章は、別掲(2)のとおり角に丸みを持たせた二重の正方形状の枠内に、渦巻状の模様を配し、当該枠内中央左寄りに「Precious(第3文字目「e」の上にはアクサンテギュが冠されている。)」の文字を配した構成からなるものである。
しかして、本件商標及びイ号標章のような図形と文字との組合せから構成される標章にあっては、図形部分と文字部分とが常に一体不可分のものとしてのみ把握されるとみるべき特段の事情は認められないものであり、図形又は文字の各部分がいずれもそれ自体独立して自他商品を識別する標識としての機能を果たし得るものと認められる。
そこで、本件商標の文字部分(以下「本件文字部分」という。)とイ号標章の文字部分(以下「イ号文字部分」という。)」について見るに、本件文字部分は、「オーツーファクトリー」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「オーツーファクトリー」の称呼が生ずるものであり、また、「オーツー」及び「ファクトリー」の文字が、それぞれ酸素の分子記号(O2)及び英単語「factory」の読みを片仮名で表したものとして認識される場合があることから、「酸素の工場」程度の観念が生じるとするのが相当である。
一方、イ号文字部分は、「Precious(第3文字目「e」の上にはアクサンテギュが冠されている。)」の文字を横書してなるものであるところ、その綴りが極めて類似する英単語「precious」がよく知られていることからすれば、該単語の発音及び語義に相応して「プレシャス」の称呼及び「貴重な,高価な」等の観念が生じるというのが相当である。
してみれば、本件商標より生ずる「オーツーファクトリー」の称呼とイ号標章より生ずる「プレシャス」の称呼とは、構成音数、音構成において明らかな差異を有するものであって、彼此相紛れるおそれはないものと認められ、また、本件商標とイ号標章は、観念上は互いに区別し得る差異を有するものというべきである。
次に、本件商標の図形部分(以下「本件図形」という。)とイ号標章の図形部分(以下「イ号図形」という。)について見るに、両者は、二重に縁取られた輪郭図形内に、渦巻き状の曲線を配してなることに特色があり、右上方から左下方に向けて曲線が配され、輪郭図形内の右斜下方には数字の「2」をデフォルメしたような渦巻き状の曲線を配して表したという点においては、共通しているということができる。
しかしながら、(1)外輪郭については、本件図形は黒塗りの円形図形であるのに対し、イ号図形は白抜きの角を丸くした正方図形であること、(2)上記輪郭内に描かれた模様が、本件図形は、数字の「2」をデフォルメしたものと比較的明瞭に看取されるのに対し、イ号図形は、特定の事物を描いたものと直ちに認識することができないといえるものであって、必ずしも数字の2を描いたものとは認識できない態様であることにおいて、両者は明白な差異を有するものである。
してみれば、本件図形とイ号図形にあっては、上記差異が両者の視覚的印象に与える影響は大きく、これに接する看者はそれぞれ異なったものとして記憶し認識するとみるのが相当であるから、両者を時と処を異にして離隔的に観察するも、外観において相紛れるおそれはないものといわざるを得ない。
そうとすれば、本件商標とイ号標章とは、称呼、観念及び外観のいずれについても相紛れるおそれのない非類似のものといわなければならない。
したがって、本件商標とイ号標章とが前記のとおり非類似のものであると認められる以上、本件判定請求に係る商品「化粧品、せっけん類」に使用す
るイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属しないものといわざるを得ない。
よって、結論のとおり判定する。
別掲 別掲
(1)本件商標


(2)イ号標章

判定日 2005-09-27 
出願番号 商願2003-9227(T2003-9227) 
審決分類 T 1 2・ 9- ZA (Y03)
最終処分 成立 
前審関与審査官 大塚 順子 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 山本 良廣
小出 浩子
登録日 2003-11-21 
登録番号 商標登録第4728287号(T4728287) 
商標の称呼 オオニ、オーツーファクトリー、オオツー 
代理人 平井 安雄 
代理人 神保 欣正 
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