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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を取消(申立全部取消) Y03 |
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管理番号 | 1124696 |
異議申立番号 | 異議2004-90488 |
総通号数 | 71 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2005-11-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2004-08-13 |
確定日 | 2005-09-28 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4769802号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4769802号商標の指定商品中第3類「歯磨き」についての登録を取り消す。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4769802号商標(以下「本件商標」という。)は、「メタリックガム」の片仮名文字と「METALLIC GUM」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成14年12月2日に登録出願され、第3類「せっけん類,香料類,歯磨き,化粧品」を指定商品として、平成16年5月14日に設定登録されたものである。 第2 申立人の主張する取消理由 これに対し、本件登録異議申立人は、昭和63年7月20日に登録出願され、「G・U・M・」の文字を横書きしてなり、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品として、平成4年1月31日に設定登録された登録第2370753号商標(以下「引用商標」という。)を引用して、本件商標は、著名な商標である引用商標と商品の出所混同を生ずるおそれのある商標であり、その指定商品中「歯磨き」については、商標法4条1項15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきであると主張している。 第3 本件商標に対する取消理由 当審における平成17年6月1日付け取消理由通知の要旨は、下記のとおりである。 記 (1)本件商標は、前記「第1」で記載したとおりである。 (2)登録異議申立人サンスター株式会社(以下「申立人」という。)の提出に係る甲各号証によれば、申立人の子会社であるジョンオーバトラーカンパニーは、虫歯と歯周病を予防するための歯ブラシ、歯間クリーナー、歯磨き等を中心とするデンタルケア製品を開発、製造、販売する企業であり、「G・U・M」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)を種々のデンタル製品に永年にわたり使用し、その製品は、米国、カナダをはじめとするヨーロッパ、日本等世界の主要な地域で歯科医等の専門医療機関はもとより一般消費者にまで広く販売されている。また、引用商標は、アメリカ、カナダ、イギリス、イタリア等数多くの国で商標登録を受けており、わが国においても、「G・U・M・」の構成からなり、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品とする登録第2370753号商標を有している。 わが国においては、1989年以来、申立人がわが国における独占的な通常使用権を得て、引用商標に係る「歯ブラシ、歯磨き、洗口液」等のデンタルケア製品の販売をしており、申立人の主力製品の1つとして、その販売高は、1997年以降、毎年110億円を超えるまでに至っており、テレビ、新聞、雑誌等を通じて盛んに宣伝広告を行うとともに、申立人の商品に関する記事は、新聞、雑誌にも頻繁に取り上げられていたことを認めることができる。そして、それらの広告や記事等のなかでは、引用商標は「GUM」とも記載され、その読みを表す場合は「ガム」と記載されていることを認めることができる。 以上の事実によれば、引用商標は、申立人らの業務に係る「デンタルケア製品」の商標として、本件商標の出願時においては既に、わが国における取引者・需要者の間において広く知られていたものと認めることができ、その著名性は登録査定時においても継続していたものということができる。 (3)本件商標は、上記のとおりの構成よりなるところ、全体として親しまれた特定の語義を有するものではなく、「メタリック/METALLIC」の語と「ガム/GUM」の語との結び付きにも自然な意味合いを把握することはできないから、これら両語の結び付きは必ずしも強固なものということはできない。そして、本件商標の指定商品の中には、申立人の業務に係る商品と同じ「歯磨き」を含むものである。 してみれば、本件商標は、その構成中に申立人が「歯磨き」等の商品について使用する著名な商標「G・U・M」と出所表示機能の点においては同視し得る「GUM/ガム」の文字を含むものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品中の「歯磨き」について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、申立人の使用に係る著名な引用商標を想起し、該商品が申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。 (4)したがって、本件商標の指定商品中「歯磨き」についての登録は、商標法4条1項15号に違反してされたものである。 第4 商標権者の意見 商標権者は、前記「第3」の取消理由について、指定した期間内に意見を述べていない。 第5 当審の判断 当合議体は、上記「第3」の取消理由の通知について、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。 そして、上記「第3」の取消理由は妥当なものと認められるので、本件商標登録は、その指定商品中「歯磨き」については、商標法4条1項15号に違反して登録されたものであるから、本件商標登録は、この指定商品については、商標法43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2005-08-09 |
出願番号 | 商願2002-101627(T2002-101627) |
審決分類 |
T
1
652・
271-
Z
(Y03)
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最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 渡邉 健司、鈴木 雅也 |
特許庁審判長 |
佐藤 正雄 |
特許庁審判官 |
山本 良廣 宮川 久成 |
登録日 | 2004-05-14 |
登録番号 | 商標登録第4769802号(T4769802) |
権利者 | 株式会社資生堂 |
商標の称呼 | メタリックガム |
代理人 | 福井 陽一 |