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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Z09 |
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管理番号 | 1124553 |
審判番号 | 不服2000-17318 |
総通号数 | 71 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-11-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-10-31 |
確定日 | 2005-09-07 |
事件の表示 | 平成10年商標登録願第103410号拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本件商標登録出願 本件商標登録出願は、商標(以下「本願商標」という。)の構成を別掲に示すものとし、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、1998年6月5日オランダ国においてした商標登録出願に基づき、パリ条約第4条の規定による優先権を主張して、平成10年12月2日に登録出願されたものである。 第2 原査定の引用商標 原査定において、本願商標が商標法4条1項11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の3件である。 1 登録第1151427号商標 登録第1151427号商標は、「FLEXY」の欧文字を横書きしてなり、昭和47年8月15日に登録出願、第11類(昭和35年3月8日昭和35年政令第19号をもって改正された商標法施行令第1条に基づく商品の区分のもの)「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として昭和50年9月8日に設定登録され、その後、昭和60年11月14日及び平成8年1月30日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。 2 登録第1655269号商標 登録第1655269号商標は、「FLEXY」の欧文字を横書きしてなり、昭和56年6月24日に登録出願、第11類(昭和35年3月8日昭和35年政令第19号をもって改正された商標法施行令第1条に基づく商品の区分のもの)「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として昭和59年1月26日に設定登録され、その後、平成6年6月29日及び同16年1月27日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同16年1月20日に指定商品の書換登録の申請がなされ、同年6月2日に、指定商品を第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電池」とする書換登録がなされているものである。 (以下、上記「1」及び「2」の登録商標を一括して「引用商標」という。) 3 登録第3261185号商標 登録第3261185号商標は、「USB」の欧文字を横書きしてなり、平成6年6月2日に登録出願、第9類(平成3年9月25日平成3年政令第299号をもって改正された商標法施行令第1条に基づく商品及び役務の区分のもの)「電池,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として平成9年2月24日に設定登録されたものである。 第3 当審の判断 1 登録第3261185号商標との類否について 本願商標構成中の「USB」の文字については、以下の「2」に述べるように、その指定商品との関係において、パソコンと周辺機器を結ぶインタフェイス規格である「Universal Serial Bus」の略語と認められるものであるから、この文字は、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないか、あるいは、その機能が極めて弱いものというべきであって、本願商標構成中の「USB」の文字が識別力を有するとの前提をもって、本願商標が登録第3261185号商標と類似するとした原査定の判断は、この限りにおいて妥当ではない。 よって、登録第3261185号商標をもって、本願商標が商標法4条1項11号に該当するということはできない。 2 引用商標との類否について 本願商標は、上記「第1」に示したとおりのものであって、その構成中の「Flexi」の欧文字は、「融通性のある、自在な」等の意味を有する連結詞であり(請求人が審査時に置いて提出した甲第6号証)、また、「USB」の欧文字は、パソコンと周辺機器を結ぶインタフェイス規格である「Universal Serial Bus」の略語と認められる(理由は後記する)ものであって、本願商標は、この2語を結合してなるものと認識・把握されるものである。 そして、本願商標を構成する文字は、上記の2語が結合することによって、全体として親しまれた熟語的意味合いを形成するとも認められないものであって、これを一連に称呼するにはいささか冗長であり、また外観においても、「Flexi」の欧文字に続く「USB」の欧文字が大文字で表示されていることから、本願商標は、視覚的にも「Flexi」の欧文字部分と、「USB」の欧文字部分とに分離して観察されるという構成のものであって、構成中の「Flexi」の欧文字が連結詞であるとしても、本願商標は、これを常に一体不可分のものとして見なければならない特段の理由は見あたらないものである。 しかも、構成中、「USB」の文字部分は、本願指定商品中の「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)」との関係においては、パソコンと周辺機器を結ぶインタフェイス規格である「Universal Serial Bus」の略語(日経パソコン新語辞典99年版:日経BP社発行)と認められるものであって、該文字(語)に関する記事・情報等は、例えば、以下の(ア)ないし(ウ)記載の如く関連辞書、インターネットウェブページ情報等で見受けられるものである。 (ア)’98-’99年版 最新パソコン用語事典(株式会社技術評論社発行)の「USB」の項には、「キーボード、マウス、スピーカ、モデム、プリンタなどの比較的低速な周辺機器とパソコンの間の接続を、すべて同じコネクタとケーブルで統一しようとすためのインターフェイスをいう。94年11月からコンパック、インテル、マイクロソフト、ナショナル・セミコンダクタの各社により策定が開始され、」との記載が認められる。 (イ)前出の日経パソコン新語辞典99年版の「USB」の項には、「米マイクロソフトが提唱するPC98で必須と定義されており、Windouws98を搭載したほとんどの機種で採用されている。米アップルコンピュータもAppleDesktopBus(ADB)に代わるインタフェースとして98年8月発売のiMacに採用した。」との記載が認められる。 (ウ)インターネットウェブページ(http://www.iodata.jp/products/usb/point/whats.htm)には、「UBSとは?」とのタイトルのもと、「USBとは『Universal Serial Bus』という新しいインターフェイスです。従来からあるパラレルポートやシリアルポートに変わる次世代インターフェイスとして注目され、従来のインターフェイスとの違いを簡単に説明するならば、扱いが簡単で、速度が速く、賢いインターフェイスとなります。 新しいといっても1994年に『万能の周辺機器インターフェイスが必要』としてパソコン業界によってはじめて作成された規格です。1996年始にはUSBの仕様書1.0が完成しパソコン本体にUSBインターフェイスがようやく装備されるようになったのです。 そして、周辺機器の接続にUSBインターフェイスを採用したApple iMacの登場。Windows 98でUSBがサポートされたことで、USBは広く普及することになります。」 との表示が認められる。 以上によれば、コンピュータの関連分野において「USB」の語は、周辺機器とコンピュータを接続するための規格を表すものとして、普通に使用されているといえるものであり、 本願商標構成中の「USB」の文字は、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないか、あるいは、その機能が極めて弱いというべきである。 してみれば、本願商標は、その構成中の「Flexi」の欧文字部分をもって取引に資されることも決して少なくないというべきである。 そうすると、本願商標からは、「フレクシ」の称呼が生じるものである。 他方、引用商標はいずれも、「FLEXY」の欧文字よりなるものであるから、ここから、「フレクシー」の称呼が生じるものである。 そして、本願商標から生ずる称呼と、引用商標から生ずる称呼とは、引用商標の称呼において末尾部分に長音がある点の差異にすぎないから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときには、語韻・語調が近似し、互いに紛らわしく聴取されるというのが相当である。 してみれば、本願商標と引用商標とは、外観に差異があり、観念において共通する点が認められないものの、その称呼において類似する商標というべきであって、互いの指定商品についての取引が口頭でなされることがあることを考慮すれば、本件の類否判断における称呼の役割をいまだ軽視することはできず、本願商標と引用商標の構成・態様を総合的に考察しても、両者は互いに類似する商標というべきである。 また、引用商標の指定商品中には、本願商標の指定商品と同一又は類似する指定商品が含まれているものである。 したがって、本願商標が商標法4条1項11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
【別掲】本願商標 |
審理終結日 | 2005-04-12 |
結審通知日 | 2005-04-12 |
審決日 | 2005-04-25 |
出願番号 | 商願平10-103410 |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(Z09)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小出 浩子 |
特許庁審判長 |
佐藤 正雄 |
特許庁審判官 |
宮川 久成 中束 としえ |
商標の称呼 | フレキシユウエスビイ、フレクシユウエスビイ、ユウエスビイ、フレキシ、フレクシ |
代理人 | 津軽 進 |
代理人 | 宮崎 昭彦 |