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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Z2942 |
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管理番号 | 1121556 |
審判番号 | 不服2002-22210 |
総通号数 | 69 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-09-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-11-18 |
確定日 | 2005-07-29 |
事件の表示 | 商願2001-63511拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第29類及び第42類の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成13年7月11日に登録出願、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同14年7月9日付け手続補正書により、第29類「牛たんを使用した肉製品」及び第42類「牛たん料理の提供」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由(要旨) 原査定は、「本願商標は、ありふれた氏の『伊達』の文字と『牛の舌の肉』を表す『牛たん』の文字とを格助詞『の』で結び『伊達の牛たん』と横書きしてなるから、これを補正後の指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者は何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、別掲(1)のとおり、「伊達の牛たん」の文字を筆字風の文字で横書きしてなるところ、「伊達」の文字と「牛たん」の文字とを格助詞「の」で連結して、一連に表したものと容易に認識させるものである。 ところで、本願の指定役務「牛たん料理の提供」は、宮城県仙台市が発祥の地とされ、現在では、同地の代表的な名物として広く一般に認識されるに至り、本願の指定商品「牛たんを使用した肉製品」も土産品、贈答品等として盛んに取引されているという実情がある。 また、宮城県仙台市は、藩祖「伊達政宗」が城を築き、豪華絢爛な伊達文化が栄えた城下町としても一般に広く知られていることから、現在においても、仙台市周辺地域を表すものとして、又は、同地にゆかりのあることを表すものとして、藩祖の氏に由来する「伊達」の文字が、様々な商品又は役務について使用されており、特に、本願の指定役務を取り扱う業界においても、例えば、次のように使用されていることが、インターネットのホームページにおける記述からも認められる。 (A)「日本料理 六本木 伊達」のホームページにおいて、「季節の海鮮料理と牛タンの店」(http://www.it-japan.co.jp/date/)との記述、 (B)「清酒菊正宗酒造」のホームページにおいて、「お店を探す キクマサおすすめ『味な店』」の見出しのもと、「関西地区 大阪府大阪市 北区」の地域の、「炭火たん焼 仙台炭火たん焼 北区梅田1丁目 伊達屋」の基本情報において、「…お店紹介 仙台本場仕込みの牛タンの店。…」(http://www.kikumasamune.co.jp/guide/list/353/dateya.html)との記述、 (C)「SHOP GATE 大阪版」のホームページにおいて、「グルメ&フード」の項目中、「和食・日本料理」の「和わりばし」の店舗詳細において、「…日本料理出身オーナーが作る和食メニュー。仙台牛たん・手作り豆腐は絶品!…伊達牛たん炭火焼・手作り寄せ豆腐を自慢とする当店は造り寿司を始め 100品程の和食居酒屋。…」(http://www.shopgate.jp/ShopDetailServlet?shopSerial=307&branch=0)との記述がある。 以上の事実を総合勘案すると、本願商標の構成中前半部の「伊達」の文字は、ありふれた氏の一つとして認識されるとともに、本願の指定商品「牛たんを使用した肉製品」及び指定役務「牛たん料理の提供」とその構成中後半部の「牛たん」の文字との関係からすると、これに接する取引者、需要者は、宮城県仙台市周辺地域を意味するものと認識、理解することも少なくないというのが相当である。 してみれば、本願商標は、ありふれた氏であり、かつ、商品の産地、販売地若しくは役務の提供地を表したものと認識させる「伊達」の文字と、商品又は役務の提供の用に供する物「牛たん」の文字とを格助詞「の」で結合して一連に表したものといえるから、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標であるといわざるを得ない。 なお、出願人(請求人)(以下「出願人」という。)は、本件審判請求の理由において、同人は本願商標の構成文字を要部とする別の商標の権利者であり、これに識別力が認められるとすれば、本願商標も同様である旨主張する。 しかしながら、出願人の所有に係る登録第3249885号商標は、別掲(2)のとおり、その構成中に同人の名称の略称である「伊達の牛たん本舗」の文字を表した落款を有するものであって、該部分をもって自他商品識別力を有するものとみるのが相当である。 また、出願人は、ありふれた氏と指定商品・役務を結合した商標又はこれらを格助詞「の」で結合した商標の登録例を列挙し、本願商標もそれらと同様のものであるから登録されるべきである旨主張する。 しかしながら、それらの事例は、商標の具体的構成において本願商標と異なるものであることはいうまでもなく、出願人がありふれた氏であるとする文字部分が直ちにありふれた氏を認識させるとはいえないものである点、又は、取引の実情等が考慮されたものである点において異なり、本願商標と同列に論ずることはできないものであるから、それらの事例をもって本願商標の登録の適否についての判断基準とすることは適切でないから、結局、出願人の主張はいずれも採用することができない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別 掲(1) 本願商標 別 掲(2) 登録第3249885号商標 (色彩については原本を参照されたい。) |
審理終結日 | 2005-05-23 |
結審通知日 | 2005-05-27 |
審決日 | 2005-06-08 |
出願番号 | 商願2001-63511(T2001-63511) |
審決分類 |
T
1
8・
16-
Z
(Z2942)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 堀内 仁子 |
特許庁審判長 |
野本 登美男 |
特許庁審判官 |
和田 恵美 三澤 惠美子 |
商標の称呼 | ダテノギュータン、ダテ |
代理人 | 小田 治親 |