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審決分類 審判 判定 その他 属する(申立て成立) Y25
管理番号 1118527 
判定請求番号 判定2004-60100 
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標判定公報 
発行日 2005-07-29 
種別 判定 
判定請求日 2004-12-22 
確定日 2005-05-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第4709100号商標の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 商品「帽子」に使用するイ号標章は、登録第4709100号商標の商標権の効力の範囲に属する。
理由 1 本件商標
本件登録第4709100号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成15年1月20日登録出願、第25類「革靴・ゴム製靴・ガロッシュ・編上ブーツ・編上靴・浴室用サンダル・浴室用スリッパ・雨靴・長靴・サンダル靴・スリッパ・その他の履物,ゴルフ靴・体操用靴・乗馬靴・その他の運動用特殊靴,レインコート・ショーツ・スーツ・スカート・ビジネススーツ・子供服・ズボン・ドレススーツ・オーバーオール・オーバーコート・イブニングドレス・ジャケット・作業服・ジャンパー・ジーンズパンツ・トッパーコート・ツーピースドレス・パーカ・ボディスーツ・下着・ズボン下・シャツ・水泳帽・水泳着・水泳用トランクス・シュミーズ・セーター・スポーツシャツ・スリップ・ドレスシャツ・ジャージー製被服・カーディガン・コルセット・パジャマ・ポロシャツ・プルオーバー型セーター及びプルオーバー型シャツ・Tシャツ・ネクタイ・防寒用手袋・スカーフ・ストール・靴下・帽子・防水加工を施した被服・その他の被服,ガーター,皮製ベルト,靴下止め,スボンつり,バンド,運動用特殊衣服」のほか、第3類、第6類、第14類、第18類、第24類及び第28類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同15年9月12日に設定登録されたものである。

2 イ号標章
請求人が商品「帽子」に使用する標章として示したイ号標章は、別掲(2)のとおりの構成よりなるものである。

3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の判定を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証(枝番号を含む。)を提出した。(1)判定請求の必要性
請求人は、本件商標の商標権者であるところ、被請求人が、イ号標章を付した商品「帽子」を平成16年12月5日に愛知県名古屋市内のキノエネ大須店において販売していることを発見した(甲第3号証の1、甲第5号証)。帽子の裏側に付されたラベルには「韓国製」と記されている(甲第3号証の3)。
本件商標中「GG」の文字に相当する部分が、イ号標章では鏡文字(甲第3号証の1及び2)になっている。
本件商標は、1938年に請求人によって創出され(甲第7号証)、長年の販売実績及び宣伝努力から、「GG柄」又は「GG」マークと呼ばれ親しまれて、周知・著名性を獲得した結果、所謂ファッションアイテムに関連して極めて高い出所表示機能を発揮するものとなっている(甲第7号証ないし甲第11号証)。
また、本件商標が現に使用される場合に、商品の上に地模様の如き態様にて表示されること、四隅の四角が斜めの細かな鎖のように見え、上記「GG」マークが斜めに連なるように配されて見えること、等の主要な特色が明確に認識される。この表示・使用態様も、請求人の商品に関する商品等表示として、当業者・需要者に周知・著名な本件商標の表示方法である。本件商標は、請求人の信用を化体しており、商品が一つ一つ丁寧に作られた高品質のものであることを保証する商標であると需要者に認識されていて、高い品質保証機能をも発揮している。
一方、イ号標章は、一見して本件商標に見まがうばかりの鏡文字(見誤らせることを意図していることは明らかである。)を呈しており、本件商標が現実に使用されている態様と全く同一の態様、配置(四隅の四角が斜めの鎖のように見えるような配置がなされる。)によって、商品の上に表示されている。したがって、イ号標章は、標章ばかりでなくその使用態様も本件商標とほぼ同一であり、外観上極めて相紛らわしい表示態様となっている(甲第4号証)。
被請求人のイ号標章が付された商品は、非常に粗雑な作りとなっており、材質も程度の低いものである。かかる被請求人の商品の市場における流通が放置されると、本件商標に化体された高度の業務上の信用を害するおそれがある。
イ号標章を付した商品は、現在、韓国をはじめアジアの国々からの輸入量が膨大なものとなってきている。
これらの商品は、安売りイベント商法や露天商またはインターネット販売等のルートを通じて、我が国市場で多量に流通するに至っており、請求人の正規商品の販売量への影響もさりながら、正規商品への信用の低下の問題を引き起こしかねない事態が懸念されている。
(2)イ号標章の説明
イ号標章は、欧文字「GG」を図形化した本件商標(向かって右側のGを90度回転して上下を逆とし左側の普通の向きのGと対にしたもの)とほぼ外観上同一である「GG」を鏡文字で表わしている。すなわち、丁度上記「GG」を鏡に写したときに見られる画像をそのまま文字化したものである。この鏡文字「GG」を中央に配し、その四隅に黒塗りの小さい四角形を、本件商標と同一のバランスで配したものである(甲第3号証の1及び2)。
(3)イ号標章が商標権の効力の範囲に属するとの説明
本件商標は、「GG」の文字を図形化したもの(向かって右側のGを90度回転して上下を逆とし左側の普通の向きのGと対にしたもの)を中央に配し、黒塗りの小さい四角形を四隅に配して構成されるものである(甲第1号証)。
本件商標中の「GG」の文字部分と、イ号標章中のこれに対応する部分は同一ではないものの、イ号標章の「GG」に対応する部分は、本件商標中の「GG」の文字態様に酷似した文字態様を、上述の鏡文字として表わしたものにすぎない(甲第4号証他)。
しかして、イ号標章の「GG」に対応する部分の四隅には、本件商標と全く同様のバランスで小さな黒塗りの四角が配されており、本件商標とイ号標章は外観上酷似しており、極めて紛らわしい。したがって、イ号標章は、本件商標と外観上極めて類似する故に本件商標の効力の範囲に属するものと考えられる。
本件商標の使用方法は、商品の上に商標を所謂地模様的に表示する使用態様であるが、このような態様での商標の使用が、出所表示機能を発揮するものであることは判例によっても認められている(大阪地裁昭和60年〔ワ〕4147号:甲第6号証)。
イ号標章の使用態様は、本願商標の通常の使用態様に酷似した形態で、商品の上に地模様の如き態様にて表示される。
本件商標の使用態様の特徴は、「GG」が上下左右斜めに位置取りされるよう配され、「GG」の四隅の小さな四角が上下斜めに配される「GG」の四隅の小さな四角とそれぞれ斜めに連なり、これが斜めに配された細かな鎖のように見え、上記「GG」マークが斜めに連なるように配されて見えるという美的な配慮がなされている。
イ号標章が、この特徴的な繋がりをそのまま模倣して配されていることは明らかで(甲第3号証の1及び2、甲第4号証)、イ号標章は、本件商標と使用態様においても外観上極めて相紛らわしいといえる。そのうえ、本件商標の使用態様が、商標としての使用と認められることが明らかである以上、イ号標章の使用態様もまた、商標としての使用を意図したものである。
本件商標の指定商品中、第25類「帽子」とイ号標章の使用商品「帽子」とは同一である(甲第4号証)。イ号標章が商標は当然のこととして、この正規商品を模倣し、その顧客吸引力にフリーライドしようとしている意図は、上記証拠(甲第4号証)からも明白である。
以上のとおり、イ号標章は、本件商標と外観上類似する標章であり、その使用商品と指定商品は同一であるから、被請求人が商品「帽子」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものである。

4 被請求人の答弁
被請求人は、イ号標章が、本件商標の商標権の効力の範囲に属さない、との判定を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
(1)商標の類否について
(ア)商標の類否の判断基準について
商標法は、商標の有する出所識別機能をその保護法益とするものであるから、商標権の効力の範囲を判定する際の商標の類否判別基準も、外観や呼称といった形式的、外形的基準よりも、商品の出所の誤認混同のおそれの有無に求めるほうが法の趣旨に合致するものといえる。そして、商品出所の誤認混同のおそれの有無を判断するにあたっては、商品の取引の実情、具体的な取引状況を勘案することが必要不可欠である。
この点について、昭和43年2月27日最高裁判所第三小法廷判決も、商標の類否は、「商品の取引の実情を明らかにし得るかぎり、その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当」とした上で、「商標の外観、観念または称呼の類似は、その商標を使用した商品につき出所の誤認混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず、従って、右三点のうちその一において類似するものでも、他の二点において著しく相違することその他取引の実情によって、なんら商品の出所に誤認混同をきたすおそれの認めがたいものについては、これを類似商標と解すべきではない。」との基準を示している(乙第1号証)。
(イ)本件商標とイ号標章との使用商品の類否
請求人が販売する帽子がブランド品として2万6250円という高額な価格で販売されている(甲第8号証)のに対し、被請求人の販売したイ号標章の使用商品の販売価格は、その10分の1以下の1995円である(甲第5号証)。
被請求人は、いわゆるヤングカジュアルウェア販売店として、廉価な衣料品を販売する小規模な店舗であって、およそ請求人の販売商品のような高級ブランド品を販売するような店ではない。
このような両商品の販売価格差と販売店舗の性質という取引の状況を前提とすれば、両商品の出所の誤認混同のおそれは認められない。
イ号標章の使用商品は、いわゆるパロディ商品であり、購入者は、それを十分承知の上で、パロディとして、これを購入するものである。
なお、イ号標章について、請求人は、本件商標と同じ欧文字の「GG」を用いて、これを鏡文字形式で表現していると主張するが、パロディとしてのイ号標章は、「G」ではなく英小文字の「e」をモチーフにし、これを図形化したものである。
先述のような両商品の性質の違いをも考え合わせれば、イ号標章の使用商品が請求人の販売商品の類似品ではなく、別個のモチーフを素材とした、請求人の販売商品のパロディ品にすぎないことは明らかである。
また、請求人の販売商品のような高級ブランド品は、本件商標のような模様的商標のみではなく、タグや型押しによって真正品であることを示して、その出所を表示するものであって、請求人が示す請求人の商品にも、金具やタグでその出所が表示されている(甲第2号証の1、乙第2号証)。
これに対して、イ号標章の使用商品には、こうした金具やタグは付されていない。
一般の消費者が請求人の商品のような高級ブランド品を購入しようとする場合、通常、商品の外観ではなく、タグなどの表示によって、その真偽を確認するものである。
したがって、具体的な取引の場面において、タグも型押しもないイ号標章の使用商品が、請求人の商品と出所を混同されるおそれはない。
このようなイ号標章の使用商品の形態も、同商品が出所を混同させるおそれのないパロディ商品であることを示すものである。
イ号標章の使用商品は、税関の判断を通過して流通してきた商品であり、このこともイ号標章が本件商標の保護範囲に属さないことを示す事実であるといえる。
よって、イ号標章は、本件商標との類似性が認められず、同標章は本件商標の保護範囲に含まれない。
(2)判定の必要性について
被請求人が仕入れたイ号商標の使用商品は、10個程度と極めて少量であって、既に被請求人には在庫はなく、販売もしていない。したがって、判定の必要性も存在しない。

5 当審の判断
本件商標は、欧文字「G」と、それを180度回転させた逆さまの「G」とを組み合わせモノグラム化し、その外側の四隅に黒色正方形を配した構成よりなるものである。
一方、イ号標章は、格子状の模様を背景として、欧文字「e」と、それを180度回転させた逆さまの「e」とを組み合わせモノグラム化し、その外側の四隅に黒色正方形を配した構成よりなるものであって、本件商標を鏡に映して得られるような態様のものと認められる。
両者は、格子状の模様の背景の有無、「G」と「e」の欧文字をモチーフとした点において異なるとしても、いずれも組み合わせた文字の内側に切り欠いた横線が、本件商標では、左側が下方に、右側が上方に位置するのに対して、イ号標章では、左側が上方に、右側が下方に位置するというように、左右それぞれ反対側に付された点に差異を有するにすぎず、かつ、両者とも四隅には黒色の正方形を整然と配した図形となっている点を共通にするものであるから、両者は、全体として受ける印象を同じくし、構成の軌を一にするものとみられるものである。
そうとすると、両者を時と処を異にして離隔的に観察したときは、本件商標とイ号標章とは外観上相紛れるおそれのあるものである。
したがって、イ号標章は、本件商標に類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品中に含まれる商品「帽子」についての商標の使用と認め得るものであるから、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものである。
よって、結論のとおり判定する。
別掲 別 掲
(1)本件商標


(2)イ号標章

判定日 2005-05-12 
出願番号 商願2003-3107(T2003-3107) 
審決分類 T 1 2・ 9- YA (Y25)
最終処分 成立 
前審関与審査官 三澤 惠美子 
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 末武 久佳
鈴木 新五
登録日 2003-09-12 
登録番号 商標登録第4709100号(T4709100) 
商標の称呼 ジイジイ、ジイ 
代理人 柳生 征男 
代理人 中田 和博 
代理人 青木 博通 
代理人 外山興三 
代理人 足立 泉 
代理人 原田芳依 
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