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審決分類 |
審判 査定不服 商品(役務)の類否 取り消して登録 Z09 |
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管理番号 | 1118409 |
審判番号 | 不服2001-5444 |
総通号数 | 67 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-07-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-04-09 |
確定日 | 2005-06-22 |
事件の表示 | 商願2000-120417号拒絶査定不服審判事件について、平成15年8月22日にした審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決[平成15年(行ケ)第456号、平成16年7月26日判決言渡]があったので、さらに審理の上、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「SUMCO」の欧文字を標準文字とし、平成11年11月29日に登録出願された平成11年商標登録願第109473号を原出願とする、商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、第9類「半導体ウエハ」を指定商品として、同12年11月7日に登録出願されたものである。 2 原査定の引用商標 原査定において、本願の拒絶理由に引用した登録商標は、次の(1)ないし(3)に示すものである。 (1)登録第1472675号商標(以下「引用商標1」という。)は、「SAMCOS」の欧文字を横書きしてなり、昭和53年1月17日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、昭和56年7月31日に設定登録、平成3年9月27日に商標権存続期間の更新登録がされているものであるが、その後、該登録に係る権利は、平成13年7月31日に存続期間満了により消滅し、平成14年4月24日に商標権の登録の抹消がされているものである。 (2)登録第4347216号商標(以下「引用商標2」という。)は、「サームコ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和58年4月21日に登録出願、第11類「電球類,照明器具,電池,電気磁気測定器,電線,ケーブル,民生用電気機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。),電気材料」を指定商品として、平成11年12月24日に設定登録されたものである。 (3)登録第4348733号商標(以下「引用商標3」という。」は、「THERMCO」の欧文字を横書きしてなり、昭和58年4月21日に登録出願、第11類「電球類,照明器具,電池,電気磁気測定器,電線,ケーブル,民生用電気機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。),電気材料」を指定商品として、平成12年1月7日に設定登録されたものである。 3 前審決及び同審決取消訴訟 前合議体は、本件拒絶査定に対する不服の審判について審理をし、平成15年8月22日に、「本願商標と引用商標2及び3とは、称呼において類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品『半導体ウエハ』は、引用商標2及び3の指定商品のうち、『電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)』中の各種商品と類似する商品というのが相当であるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すことはできない。」旨の審決(以下「前審決」という。)をした。 これに対して、審判請求人は、東京高等裁判所に前審決の取り消しを求めて審決取消訴訟を提起した。 東京高等裁判所は、これを平成15年(行ケ)第456号として審理し、平成16年7月26日に「特許庁が不服2001-5444号事件について平成15年8月22日にした審決を取り消す。」との判決をした。 4 当審の判断 引用商標1の商標権は、前記の項目2(1)のとおり、その商標登録原簿の記載によれば、平成13年7月31日存続期間満了により、商標権の登録の抹消が平成14年4月24日にされているものである。 してみれば、引用商標1を引用して本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定の拒絶の理由は解消した。 次に、本願商標の指定商品と引用商標2及び3の指定商品との類否について判断するに、商標法第4条第1項第11号に規定する指定商品の類否は、取引の実情に照らし,それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認混同されるおそれがあるか否かによって判断されるべきである。 これを本件についてみるに、本願商標の指定商品「半導体ウエハ」は、集積回路等を製造するための原材料として用いられるものであるところ、集積回路等の生産とその原料である半導体ウエハの生産とは分業化が進み、少なくとも我が国における半導体ウエハ市場の大半を占める単結晶シリコンウエハについては、専業の半導体ウエハメーカーがこれを生産し、集積回路等を生産するデバイスメーカー等は、これを半導体ウエハメーカーから購入することが、半導体ウエハ取引における常態となっていたものと認めるのが相当である。 そして、半導体ウエハは、一般需要者向けの商品ではなく、その需要者はデバイスメーカー等であり、また、半導体ウエハに対する一連の加工は、大気中の微粒子を極限までろ過し、温度、湿度も制御されたクリーン・ルーム内でしか行うことができないから、その取引当事者は、こうしたクリーン・ルーム設備を保有する者だけに限られるというべきである。 このような、諸事情を総合考慮すれば、商品「半導体ウエハ」と「集積回路等の電子応用機械器具」とについて、同一又は類似の商標が使用されたときに、半導体ウエハの需要者であるデバイスメーカー等において、それらの商品が同一営業主の製造又は販売に係る商品であると誤認混同されるおそれはないといわなければならない。 してみれば、本願商標の指定商品「半導体ウェハ」と引用商標2及び3の指定商品のうち、「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)」に属する集積回路等の各種商品とは、相紛れるおそれのない非類似の商品であると判断するのが相当である。 また、本願の指定商品「半導体ウエハ」は、前記以外の引用商標2及び3のいずれの商品とも相紛れるおそれのない非類似の商品である。 したがって、両商標の類否について述べるまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号には該当しないものであるから、これを理由として拒絶した原査定は、妥当でなく、取り消すべきである。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2003-08-04 |
結審通知日 | 2003-08-08 |
審決日 | 2003-08-22 |
出願番号 | 商願2000-120417(T2000-120417) |
審決分類 |
T
1
8・
264-
WY
(Z09)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 鈴木 幸一 |
特許庁審判長 |
佐藤 正雄 |
特許庁審判官 |
宮川 久成 中束 としえ |
商標の称呼 | サムコ、スムコ |
代理人 | 前田 均 |
代理人 | 西出 眞吾 |