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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 010
管理番号 1118148 
審判番号 取消2003-31561 
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-07-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2003-11-18 
確定日 2005-05-17 
事件の表示 上記当事者間の登録第4332332号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4332332号商標(以下「本件商標」という。)は、「プロカバー」の片仮名文字を横書きしてなり、平成9年2月7日に登録出願、第10類「超音波診断のための経膣用プローブカバー嚢袋」を指定商品として、同11年11月5日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録はこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び第1答弁に対する弁駁を次のように述べている。
(1)請求の理由
請求人の調査するところによるも、本件商標はその指定商品に継続して3年以上日本国内において商標権者により使用されている事実を発見することができなかった。また、本件商標について、専用使用権通常使用権の登録もされておらず、したがって、これらの者による使用の事実もない。
よって、請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、請求の趣旨のとおりの審決を求める次第である。
(2)第1答弁に対する弁駁
被請求人は、その使用を立証するものとして商品カタログを提出しているが、その商品カタログには、印刷年月日の表示が全くないから、該商品カタログは、本件取消審判の予告登録日前3年以内に印刷されたとはいえず、予告登録日以降に印刷された可能性もある。
したがって、被請求人は、本件取消審判の予告登録日前3年以内における本件商標の使用を客観的に立証していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法としてカタログ及び乙第1号証の1ないし同第7号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)第1答弁
本件商標に関しては、平成9年5月より現在に至るまで、カタログに示すとおり、日本国内の医療機関に販売を行っている。したがって、本件審判請求は成り立たない。
(2)第2答弁
被請求人は、乙第2号証から乙第7号証に示すとおり、本件商標を「超音波診断のための経膣用プローブカバー嚢袋」(以下「本件商品」という。)について、本件審判請求登録日前3年以内にわが国で現実に使用している。
乙第2号証は、被請求人が継続して製造販売している本件商品の包装に、本件商標が使用されている事実を示すものであり、乙第3号証は、同使用説明書の写しである。本件商品は、乙第2号証に示すように、144個を密封して中袋に梱包され、使用説明書とともに、外箱に包装されて販売されている。乙第2号証の包装箱及び乙第3号証の使用説明書には、本件商標「プロカバー」、製造元として、被請求人である「ジェクス株式会社」の名称及び本件商品を意味する「ディスポーザブルカバー」なる名称が明記されている。「ディスポーサブルカバー」が本件商品「超音波診断のための経膣用プローブカバー嚢袋」を示すものであることは、使用説明書の形状・構造等の説明及び性能・使用目的・効能等の説明から明らかである。そして、本件商品を特定すべく、包装箱及び使用説明書中には、医療用具承認番号「21000BZZO0231000」が表示され、外箱背面下部にはバーコード番号「4 973210 410203」が示されており、バーコード番号の下6ケタの「410203」は本件商品を示す番号(品番)である。また、外箱の背面下部には発売元である「社団法人日本家族計画協会」の名称が示されている。
乙第4号証は、社団法人日本家族計画協会の発行に係る「2002/総合カタログ/教材・備品のご案内」であり、「リプロ・ヘルス用品」139頁には、本件商標が付された本件商品の写真が掲載されている。
乙第5号証は、被請求人が社団法人日本家族計画協会に宛てた平成14年4月18日付け売上伝票写しであり、乙第6号証は、ハクゾウメディカル株式会社に宛てた平成14年4月20日付け売上伝票写しであり、乙第7号証は、株式会社三笑堂に宛てた平成15年6月20日付け売上伝票写しである。これら乙号証には、発行者たる被請求人の名称が印刷され、品名欄には、本件商標「プロカバー」を示す英字表記「PRO COVER」が、そして、商品コード欄には、品番である本件商品の外箱背面下部に印刷されたバーコード番号の下6ケタ「410203」が示されており、被請求人が本件商標を付した本件商品を販売した事実を示すものである。
以上のとおり、本件商標は、取消請求に係る商品「超音波診断のための経膣用プロープカバー嚢袋」について、本件審判請求の登録日前3年以内に、被請求人により、日本国内において現実に使用されているものである。

第4 当審の判断
(1)被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
乙第2号証は包装箱の写真であり、乙第3号証は2002年12月21日(新様式第1版)の表示のある使用説明書であるところ、乙第2号証の外箱の正面上部、背面下部、両側面、中袋正面等及び乙第3号証の使用説明書には、「プロカバー」の商標が表示されており、乙第2号証の外箱の正面上部、中袋正面等には「プロカバー」の商標とともに「PROCOVER」の欧文字も併せ表示されている。また、外箱の背面下部、中袋の表面及び使用説明書等には、製造元・製造業者として被請求人である「ジェクス株式会社」の表示がなされており、外箱の背面下部には発売元として、「社団法人日本家族計画協会」の名称が示されている。そして、外箱及び中袋には、「ディスポーザブルカバー」なる商品の名称が表示されており、使用説明書の形状・構造等の欄には、「本品は天然ゴムラテックス製の経膣用プローブ専用のカバーです。」とあり、性能・使用目的・効能等の欄には、「超音波診断機の経膣用プローブに装着し、体液等によりプローブが汚染されることを防止します。」なる記載がされている。更に、外箱背面下部等には、医療用具承認番号「21000BZZO0231000」とともに、本件商品の品番を示す「410203」の数字がバーコード中に表示されている。
乙第4号証は、社団法人日本家族計画協会発行の「2002/総合カタログ/教材・備品のご案内」と題するカタログであり、139頁の右下には、「プロカバー(超音波診断プローブ用カバー)」の表示のもとに、乙第2号証と同じ商品の写真が掲載され、商品説明とともに、医療用具承認番号「21000BZZO0231000」が示されている。
乙第5号証は、被請求人が社団法人日本家族計画協会宛てに発行した平成14年4月18日付の売上伝票写しであり、発行者たる被請求人の名称が印刷され、品名欄には、英字表記「PRO COVER」の表示が記載されており、商品コード欄には、乙第2号証の外箱背面下部に表示されているバーコード中の品番表示である「410203」の数字が示されている。
乙第6号証は、被請求人がハクゾウメディカル株式会社に宛てた平成14年4月20日付の売上伝票写しであり、乙第7号証は、被請求人が株式会社三笑堂に宛てた平成15年6月20日付の売上伝票写しであって、いずれにも、乙第5号証と同じく、発行者たる被請求人の名称が印刷され、品名欄には、英字表記「PRO COVER」の表示が記載されており、商品コード欄には、品番表示である「410203」の数字が示されている。
(2)上記した乙各号証によれば、被請求人は、乙第2号証の包装箱に「ディスポーザブルカバー」なる商品名を表示しており、これは、乙第3号証の使用説明書によれば、天然ゴムラテックス製の経膣用プローブ専用のカバーであって、超音波診断機の経膣用プローブに装着し、体液等によりプローブが汚染されることを防止するためのものであることが認められるから、該「ディスポーザブルカバー」なる商品は、本件商標の指定商品である「超音波診断のための経膣用プローブカバー嚢袋」と認めることができる。
そして、乙第2号証(写真)の包装箱、2002年12月21日の日付のある使用説明書(乙第3号証)及び被請求人の製造に係る本件商品の販売を行っていたものと認められる社団法人日本家族計画協会が発行した2002年総合カタログ(乙第4号証)には、本件商標である「プロカバー」の商標及び「ディスポーザブルカバー」なる商品名が表示されており、これら乙号証の発行年の記載からみれば、本件審判の要証期間内に、使用説明書は使用されており、総合カタログは頒布されていたものと認められる。
また、取引の事実を示す乙第5号証ないし乙第7号証の売上伝票写しには、その品名欄に、本件商標である「プロカバー」の英文字表記と認められる「PRO COVER」の表示があり、商品コード欄には、乙第2号証の包装箱に表示されているバーコード中の品番表示である「410203」と同じ数字が示されていることから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を用いて、「ディスポーザブルカバー」なる本件商品を本件審判の要証期間内に販売していたものと容易に推認し得るものである。
(3)この点について、請求人は、被請求人提出の商品カタログには、印刷年月日の表示がなく、本件取消審判の予告登録日前3年以内の使用を証明するものではない旨主張している。
確かに、被請求人が第1答弁において提出した商品カタログには、印刷年月日の表示がないから、該商品カタログをもって、本件商標の使用を証明したものとはいえないが、被請求人が第2答弁において提出した乙第2号証ないし同第7号証によれば、上記のとおりに判断し得るものである。
(4)してみれば、被請求人は、本件審判の予告登録日(平成15年12月10日)前3年以内に、日本国内において、本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)を取消請求に係る本件指定商品について使用していたものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-12-17 
結審通知日 2004-12-20 
審決日 2005-01-05 
出願番号 商願平9-12703 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (010)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉田 静子 
特許庁審判長 涌井 幸一
特許庁審判官 富田 領一郎
小川 有三
登録日 1999-11-05 
登録番号 商標登録第4332332号(T4332332) 
商標の称呼 プロカバー 
代理人 熊野 剛 
代理人 川本 真由美 
代理人 白石 吉之 
代理人 田中 秀佳 
代理人 青木 篤 
代理人 城村 邦彦 
代理人 江原 省吾 
代理人 田島 壽 
代理人 勝部 哲雄 
代理人 山根 広昭 

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