• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 124
管理番号 1116568 
審判番号 取消2004-30348 
総通号数 66 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-06-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2004-03-10 
確定日 2005-05-02 
事件の表示 上記当事者間の登録第1341145号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1.本件商標
本件登録第1341145号商標(以下「本件商標」という。)は、「CORVARA」の欧文字を書してなり、昭和50年2月20日に登録出願され、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和53年8月25日に設定登録されたものである。

第2.請求人の主張
本件審判請求人(以下、「請求人」という。)は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中「釣り具」について登録を取り消す、との審決を求める。と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べた。
1.請求の理由
請求人が調査したところ、本件商標はその指定商品中、「釣り具」について継続して3年以上日本国内において使用されていないことが判明した。
従って、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中「釣り具」につき取り消されるべきであるから、請求の趣旨通りの審決を求めるものである。
2.弁駁の理由
被請求人は、本件商標をその請求に係る指定商品について、乙第1号証ないし乙第2号証の1を提出することにより、本件審判請求登録前3年以内に使用している事実があると反論している。しかし、これらの証拠のみでは、被請求人が本件商標を使用しているとは到底いえない。
(1)乙第1号証によると、被請求人は、同社の店頭で配布していたとされるチラシ広告に本件商標を使用していたと反論している。かかるチラシ広告は、乙第1号証の1によると、印刷業者により納品させることにより完成させたものと推測する。
通常、印刷業者により完成して納品されるチラシ広告は、用紙に色彩が施され、デザイン化された登録商標などの特殊な文字が印刷されているものであり、かつそのように印刷する能力を備えているのが印刷業者であるはずである。にもかかわらず、乙第1号証に示されたチラシ広告では、例えば「SPORTIVA」の文字が通常の書体で書かれている。甲第1号証で示す2001年から2002年の被請求人が発行するカタログ19頁では、この商標をデザイン化した態様で使用されており、甲第2号証で示す同社のホームページにおいても同様に使用されている。また、同社のカタログ及びホームページ全般において登録商標には、登録商標を示すRマーク(Rの文字を○で囲んだマーク)が示されているにもかかわらず、印刷業者に発注したはずのチラシ広告にそのようなデザイン化された文字やマークが存在しないのは、このチラシ広告がパーソナルコンピュータのワープロソフトやホームページ作成ソフトを使用して作成されたものであると考えられる。その証拠に、チラシ広告の最下部に同社の電子メールを表示する部分には、「webmaster@nippin.co.jp」と書かれていて、このメールアドレスにはワープロソフトやホームページ作成ソフトで自動的に挿入される下線が引かれている。しかも、文字が青色に変わるのもそのようなソフトの特徴であり、まさしく本審判の反論のためだけに作成したものと言わざるを得ない。その他、このチラシ広告の文字を眺めていても、通常の文字変換で表示されるものばかりで、電話番号を示す「TEL」の文字も「でんわ」と入力し変換すれば表示される文字であり、「Fax」の文字については、「ファックス」と入力しても「TEL」のような記号に変換されない。このようなチラシ広告を印刷業者に発注するとは到底考えられないものである。
また、乙第1号証では、チラシ広告で広告する8つの商品のうち、登山用のカバンでリュックサックに商標「ヒドンピーク」と「ヒリシャンカ」が表示されているが、この商品についてだけは価格が表示されていない。印刷業者ならこんな単純なミスを見逃すことはあり得ないと考えられる。
(2)乙第1号証の1では、印刷業者が発行した納品書が提出されている。この納品書には、納品書右上にある「No.」には番号が記入されていない。また、「¥」のマークも記載されていない。さらには合計金額の欄に金額が記載されていない。それに何より消費税が加算されていないのは不自然である。これは印刷業者から会社名が記載された白紙の納品書を入手し、それに記載したとしか考えられない。
(3)次に、乙第1号証では、チラシ広告で広告する8つの商品のうち、寝袋を意味するシュラフの商標「ALUDOWN」が示されていて、外表面が赤色で内表面が青色のシュラフの写真が示されている。甲第1号で示すカタログ10頁で同じ商品 「ALUDOWN」について説明されていて、カラーは「インディゴ・ロイヤルブルー」とのみ表示されていて、他の商品で写真の色と異なる色が存在する場合には説明がなされている。従って、この頃には、赤色の「ALUDOWN」は販売されていなかったものであるから、このチラシ広告が、請求人が主張する年月に作成されたものとは考えることができない。
(4)さらに、甲第1号で示す被請求人が発行するカタログ7頁において、被請求人は、本件商標「CORVARA」をカタカナ書きにした「コルバラ」がテントに使用されている事実がある。テントは旧分類で24類の「運動具」に属するもので、本件商標の指定商品の範囲に属するものである。とすれば、被請求人は、本件商標「CORVARA」をテントに使用するためこ商標登録を受けたと考えられる。
(5)乙第1号証に示された「CORVARA/釣り具セット」の写真について詳しく見てみると、「LET’S FISHING!!」、「CORVARA」、「NIPPIN」とワープロで書かれたかのように記載されている。この表示だけだと被請求人が製造していると推測され、それならば製造記録が残っているはずである。これを示さないでこのチラシ広告だけで商標を使用していると証明しようとすることは十分に立証したとはいえないものである。1000円という価格からすれば、安い外国製の釣り竿をどこかで購入し、透明な包装の中に入っている紙を交換したとしか思えない。
(6)次に、乙第2号証で示された「ご注文フォーム」についてであるが、カタログにもホームページにも載っていない商品で、店頭でしか配布していないチラシ広告を見たのならば、わざわざ自宅からファクシミリで注文することはしないと考えられる。それに、3人分もキープしておきたいのならば、電話で問い合わせるのが通常の購入者の態度である。ちなみに、ファクシミリ送信後に送信した用紙上部に記入される日付や時刻はファクシミリ機においていくらでも変更できるものであり、日付を証明した事実とはいえない。被請求人もそれを理解し、わざわざ、「希望お支払い方法」の欄に「その他」を追加し、「8月9日(金)」をあえて記載したのだと推測される。
(7)乙第2号証の1では、手書きの領収書のコピーで使用事実を証明している。しかし、店頭で購入したのならば、レジで自動的に出てくるレシートが領収書となるのが通常である。ましてや、宛名には自然人の名が記載されており、わざわざ手書きの領収書を発行しているのは不自然である。それに、宛名の文字とその他の文字の筆跡が異なることに疑問を感じる。その当時発行された3150円の領収書の宛名を修正したものと思わざるを得ない。
(8)以上の通り、被請求人が提出した資料は虚偽のものとしか言いようのないものであって、商標法第79条に規定する詐欺の行為により審決を受けようとするものといえる。

第3.被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証、乙第1号証の1、乙第2号証、乙第2号証の1を提出している。
答弁の理由
(1)請求の理由の要約
請求人は、本件商標が、この指定商品中の「釣り具」については、継続して3年以上日本国内において使用されている事実はない、と主張するものである。
(2)請求人の主張に対する反論
しかしながら、被請求人は、本件商標をその請求に係る指定商品について、本件審判請求の予告登録前3年以内に使用している事実がある。これを以下の通り立証する。
(2-1)乙第1号証は、被請求人が平成14年7月1日に発行し、同日より平成14年8月31日まで、被請求人の店舗である秋葉原本店(東京都千代田区外神田3丁目11番11号)の店頭にて配布していたチラシ広告「NIPPIN PRESS Vol 15」である。
チラシ広告「NIPPIN PRESS」は、平成10年9月1日発行の「NIPPIN PRESS Vol 1」から平成16年5月19日現在配布中の「NIPPIN PRESS Vol 20」に至るまで、その時々の販売戦略に応じて不定期に発行され、被請求人の店頭にて配布されている広告である。
乙第1号証の「NIPPIN PRESS Vol 15」は、「夏到来!! キャンプに行こう!!」というタイトルのもと、7月から8月の夏休み期間における、キャンプ商品の需要拡大を企図して作成された広告であり、ブーツ、ザック、シュラフ、テント等を写真入りで掲載するとともに、1.5メートル釣竿、1.5号糸、玉浮き、ゴム管、割ビシ、ハリス止め及び袖針等で構成される釣り具セットに本件商標を付した商品、釣り具セット「CORVARA」を写真入りで掲載している。
このように、「釣り具」に関するチラシ広告に、本件商標「CORVARA」を付して配布していた行為は、明らかに本件商標の「使用」に該当するものである(商標法第2条第3項第8号)。
また、乙第1号証の1は、被請求人への、「NIPPIN PRESS Vol 15」1000部についての納品書(写し)である。乙第1号証の1からは、被請求人のもとへ「NIPPIN PRESS Vol 15」1000部が、平成14年6月20日に納品された事実が明らかとなる。
この乙第1号証の1によって明らかとなる、平成14年6月20日の時点で被請求人が乙第1号証「NIPPIN PRESS Vol 15」を1000部保有していたという事実からも、被請求人によって乙第1号証が、平成14年7月1日より現実に配布されたという事実が明白である。
以上から、乙第1号証ないし乙第1号証の1によって、本件審判請求の予告登録前3年以内の期間に、被請求人が、請求に係る指定商品について、本件商標を使用していた事実が明白になるものと確信する。
(2-2)乙第2号証は、顧客から被請求人宛てにファクシミリで送信された、釣り具セット「CORVARA」の注文書(写し)である。乙第2号証からは、平成14年8月5日付けで、釣り具セット「CORVARA」3セットの発注があった事実が明らかとなる。なお、本答弁書は、証拠方法も含め公開されてしまうため、乙第2号証の発注人が個人であり、その個人情報の保護に配慮する必要があることに鑑み、乙第2号証中の発注人の名字、郵便番号の下4桁、住所の一部、および電話番号(ファクシミリ番号)の中3桁にマスキングを施しているが、必要に応じて、いつでもその原本を審判官に提示する用意がある。
また、乙第2号証の1は、乙第2号証の発注に応じて、被請求人が商品引渡および代金受領の際に発行した領収書の控え(写し)である。この乙第2号証の1からは、平成14年8月9日に、被請求人から発注人へ釣り具セット「CORVARA」3セットの引渡しがなされた事実、およびその代金として被請求人が発注人より金3,150円(消費税込み)を受領した事実が明らかとなる。
このように、乙第2号証および乙第2号証の1からは、本件審判請求の予告登録前3年以内の期間内の平成14年8月9日に、被請求人が釣り具セット「CORVARA」を販売した事実が明らかとなる。かかる販売行為が本件商標の「使用」に該当することは明らかである(商標法第2条第3項第2号)。
以上から、乙第2号証および乙第2号証の1によって、本件審判請求の予告登録前3年以内の期間に、被請求人が、請求に係る指定商品について、本件商標を使用していた事実が明白になるものと確信する。
(3)以上述べたところから、乙第1号証ないし乙第2号証の1によって、被請求人が、請求に係る指定商品について審判請求の予告登録前3年以内に本件商標の使用をしている事実は明白である。ついては、答弁の趣旨の通りの審決を求めるものである。

第4.当審の判断
本件審判において被請求人より提出された乙第1号証は、被請求人(ニッピン秋葉原本店)より2002年7月1日に発行された「NIPPIN PRESS VOL15」とタイトルされた1枚のチラシ広告(カラー)と認められるものであり、この紙面にキャンプグッズのご紹介との見出しで他の登山靴、ザック、シュラフ、テント等の売り出し商品と共に「CORVARA/釣り具セット」が写真で掲載されている。そして、釣り具セット(竿、針、浮き、おもり等)が収納されたビニール製の袋の中に、同じく本件商標「CORVARA」が表示された紙片が挿入されてあることが認められる。 また、乙第1号証の1は、上記のチラシ広告を印刷したと認め得る「有限会社宇田川印刷」が被請求人宛に発行した平成14年(2002年)6月20日付けの納品書(写し)であり、その品名には「NIPPIN PRESS VOl15」と記載されており、その数量(1000部)、単価、金額等が記入されている。さらに、乙第2号証及び同第2号証の1は、顧客から被請求人(秋葉原店)に宛てた前記「COVARA/釣り具セット」の平成14年8月5日付の注文書(FAX)及び被請求人より注文の顧客宛てに発行した平成14年8月9日付の領収書(写し)と認められるものである。
しかして、上記提出に係るチラシ広告、納品書、注文書、領収書等は、その掲載・記載内容からして、実際に取引に使用されたと認め得るものであり、かつ、これら書面に表示又は記載されている日付等からすれば、本件審判請求の登録(平成16年4月7日)前3年以内に本件審判の取消に係る指定商品「釣り具」についての使用と認められるものである。
なお、請求人は、前記「2.弁駁の理由」で被請求人発行の2001〜2002版の総合カタログ(カラー、写し)を提出して、これに掲載されている商品と上記チラシ広告に掲載されている商品との違いなどを縷々述べて、該チラシ広告及び取引書類等が虚偽のものである旨を主張しているが、総合カタログとチラシ広告では掲載スペースの差異などにより各商品の掲載内容が異なることは通常の商取引(広告宣伝)においてみられるところであり、その他の主張も各書類が虚偽であることを前提とした根拠のないものといわざるを得ないから、これら請求人の主張は採用することができない。
してみれば、被請求人(商標権者)は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標を本件審判の請求に係る指定商品「釣り具」について使用をしていたものと認めることができる。
したがって、本件商標の指定商品中、請求に係る商品「釣り具」についての登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消すべきものではない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-03-07 
結審通知日 2005-03-09 
審決日 2005-03-23 
出願番号 商願昭50-18839 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (124)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 山本 邦三郎 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 小林 薫
岩崎 良子
登録日 1978-08-25 
登録番号 商標登録第1341145号(T1341145) 
商標の称呼 コオバラ 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ