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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z15
管理番号 1115027 
審判番号 不服2003-65009 
総通号数 65 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-01-22 
確定日 2005-02-15 
事件の表示 国際登録第761999号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第15類「Musical instruments.」を指定商品として、2001年1月12日付けGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2001年(平成13年)7月11日を国際登録の日とするものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、指定商品の立体形状と認められ、これをその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、単に商品の形状として認識するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)立体商標は、商品若しくは商品の包装(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品の出所を表示し、自他商品を識別する標識として採択されるものではない。
そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように、商品等の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者・需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まり、このような商品等の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。
また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。
そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者・需要者間において、当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。
(2)これを本願についてみれば、本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるところ、近年、従来のギターとは異なり、ヘッドフォンまたはアンプを使用することを前提に、共鳴胴を持たず指板と胴体部のフレームにより構成され、また、弦を調律する機構も、伝統的な楽器のように頭部ではなく、胴体部に配した構成の楽器が増えてきている実情よりすれば、本願商標が機能及び美感とは全く関係のない特異な形状よりなるものと認定するすることはできない。
前記の様な形状を持った楽器が普通に取引されている実情としては、例えば、次のようなインターネットによるホームページの情報等により、是認できるところである。
ア 別掲(2)に示す楽器が「アリア 消音ギター、消音ベース」の見出しの下、宣伝、広告及び販売されている(http://www.rakuten.co.jp/e-gakkinet/421762/433252/)。
イ 別掲(3)に示す楽器が「YAMAHA SLG-100N サイレントギター」の見出しの下、宣伝、広告及び販売されている(http://www.rakuten.co.jp/soundhouse/509239/509260/509813/)。
以上よりすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、単に商品の形状と認識するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものと判断するのが相当である。
(4)なお、請求人は当庁における登録例を挙げて主張するところがあるが、掲げられた登録例は、本願商標とは商標の構成等において事案を異にするものであるから、本件の判断に影響を及ぼすものではなく、請求人のこの主張も採用できない。
(5)したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】



審理終結日 2004-09-02 
結審通知日 2004-09-10 
審決日 2004-10-05 
国際登録番号 0761999 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z15)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田中 敬規 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 岩崎 良子
早川 文宏
代理人 加藤 義明 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 

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