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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 203
管理番号 1110252 
審判番号 取消2003-31200 
総通号数 62 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-02-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2003-09-08 
確定日 2004-11-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第474845号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第474845号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第474845号商標(以下「本件商標」という。)は、「マチス」及び「パールモン」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和30年3月3日登録出願、第3類「香料、クリーム、乳液、その他本類に属する商品」を指定商品として昭和30年12月26日に設定登録され、その後、昭和51年5月10日、同60年11月14日及び平成7年11月29日の3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証(枝番を含む。)及び参考資料を提出した。
1 請求の理由等
本件商標は、その指定商品について継続して3年以上日本国内において使用した事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
さらに、本件審判請求前に請求人は、被請求人に、平成15年7月14日第13139号書留内容証明郵便物(甲第3号証の1)をもって本件商標の使用の有無について問い合わせをしたが、何等回答がなかった。なお、同郵便物は、平成15年7月15日に被請求人によって受け取られている(甲第3号証の2)。よって、甲第3号証の1の郵便物の受取りの事実が明らかな平成15年7月15日以降の本件商標の使用は、商標法第50条第3項の規定により、本件商標の使用とみなされるべきでない。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証の写真は、被請求人によれば、平成15年10月16日撮影であることが明記されているから、それ自体、本件審判の請求の登録日前3年以内における本件商標の使用の事実を証明するものではない。仮に写真に示された商品(以下「使用商品」という。)が本件審判の請求の登録日前3年以内に存在していたとしても、使用商品が商品として市場に流通される状態にあったかどうかを認定することはできない。
なお、審判の請求の登録日の後に撮影された商品の写真が商標の使用の事実を証明するものではないことは、東京高裁平成13年(行ケ)第550号判決において判示されているところである(参考資料1)。
(2)被請求人は、使用商品が、製造・販売に係る「商品」である旨を主張しているが、商標法上、商品とは、我が国の市場において独立して商取引の対象として流通に供されているものであることを要件とすると考えられるところ(例えば、東京高裁平成12年(行ケ)第117号判決(参考資料2))、使用商品の容器又は外装は、以下の(a)ないし(c)の点で現行の薬事法及び同法関連法規又は容器包装リサイクル法関連法規に適合していない可能性があり、使用商品を商品として製造・販売したとする主張は、不自然であると考える。
(a)使用商品の容器又はラベルには、製造番号又は製造記号及び使用期限の記載が認められない。
薬事法第61条第3号及び第4号によれば、化粧品の製造番号又は製造記号、及び、使用期限が記載されるべきところ、使用商品にはそれらと認められる明確な表示がない。
(b)使用商品のラベルには、化粧品の成分表示がない。
平成13年4月1日以降、化粧品の容器、外装又はラベルに、化粧品に含まれる全ての成分を、成分量の多い順に表記することが義務づけられている(薬事法第61条第4号、平成12年9月29日 医薬発第990号、平成13年3月6日 医薬審発第163号・医薬監麻発第220号。なお、化粧品業界間では、かかる全ての成分の表示のことを「全成分表示」と称している。)。しかしながら、使用商品の容器又はラベル上に成分表示は、一切表示されていない。
(c)容器又は外装の材質を表す、所謂「識別マーク」が表示されていない。
平成13年4月以降、財務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省令第1号、同第2号により、プラスチック製容器包装と紙製容器包装にも、「資源の有効な利用の促進に関する法律」に基づき、容器包装のリサイクルのための、「識別マーク」を表示することが義務づけられている。しかしながら、使用商品には、かかる「識別マーク」が見られない。
上記のように、使用商品の容器又はラベルは、平成13年4月以降の薬事法又は容器包装リサイクル法関連法規に適合していない可能性があり、もし平成13年4月以降本件審判の請求の登録日までに使用商品の物品を薬事法上の化粧品として販売すれば、薬事法違反又は容器包装リサイクル法違反に該当する可能性がある。そのような薬事法違反の危険を犯してまで、本件商標が使用されたとする主張は、不自然であり、容易に認められるものではないと考える。
(3)したがって、乙第1号証は、本件商標がその指定商品に使用しているものと認められるに足るものではなく、被請求人による本件商標を本件審判の請求の登録日前3年以内に使用したという主張も不自然である。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出した。
1 本件商標は、その指定商品中、スキンミルクの識別標識として使用されている。この使用事実を立証するため、被請求人は乙第1号証を提出する。
2 乙第1号証は、被請求人の製造・販売に係る商品の写真であるが、この写真には「スキンミルク」「マチス パールモン」の商標が明示されているから、この証拠によって、本件商標は、商品との具体的関係において使用されているというべきである。
第4 当審の判断
1 被請求人は、本件商標をその指定商品中の「スキンミルク」について使用しているとして乙第1号証を提出しているので、以下検討する。
2 乙第1号証は、容器に入った使用商品を撮影した写真と認められるところ、使用商品の容器に貼付されたラベルには、本件商標と社会通念上同一といい得る「マチス パールモン」の文字及び商品名を表したものといえる「<スキンミルク>」の文字が表示されていることが認められる。
しかしながら、乙第1号証は、被請求人の説明によれば、撮影年月日が平成15年10月16日とされていることから、本件審判の請求の登録日である平成15年10月1日よりも後に撮影されたものであって、それ自体、本件審判の請求の登録日前3年以内の期間に本件商標が使用されていた事実を立証するものではない。
そうすると、乙1号証のみによっては、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に商品「スキンミルク」について使用されていたものとは認められない。
その他、被請求人は、本件商標が上記期間内にその指定商品について使用されていたことを示す証拠を何ら提出していない。
3 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品について、本件商標を使用していたことを証明し得なかったのみならず、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていないといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-09-24 
結審通知日 2004-09-28 
審決日 2004-10-13 
出願番号 商願昭30-5565 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (203)
最終処分 成立  
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 茂木 静代
三澤 惠美子
登録日 1955-12-26 
登録番号 商標登録第474845号(T474845) 
商標の称呼 1=マチスパールモン 2=マチス 3=パールモン 
代理人 明石 昌毅 
代理人 江口 俊夫 

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