ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) Z03 |
---|---|
管理番号 | 1104952 |
異議申立番号 | 異議2002-90729 |
総通号数 | 59 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2004-11-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-10-15 |
確定日 | 2004-09-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4585231号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4585231号商標の指定商品中「化粧品」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4585231号商標(以下「本件商標」という。)は、「トップスピード」の片仮名文字を標準文字により書してなり、平成13年6月18日に登録出願され、第3類「洗剤,その他のせっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,フロアーポリッシュ用剥離剤,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、同14年7月12日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件登録異議の申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。 (1)本件商標は、登録第4247533号商標(以下「引用商標」という。)と類似の商標であり、その指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 引用商標は、別掲のとおりの構成よりなり、平成9年9月25日に登録出願され、第3類「ネイルエナメル,マニキュア被膜上に塗付するトップコート,マニキュアの塗付膜の密着性を向上するためのベースコート,マニキュア被膜の乾燥用スプレー状化粧品,その他の化粧品」を指定商品として、同11年3月5日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。 (2)引用商標と同一構成からなる商標(以下「トップスピード商標」という。)は、申立人が商品「ネイルエナメル」に使用し、申立人の商標として広く一般に知られている。よって、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがあり、また、申立人の著名商標を希釈するものであり、標識の汚染行為(ポリューション)に該当するものであるから、同法第4条第1項第15号及び第19号に該当する。 (3)したがって、本件商標の登録は、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきである。 3 当審における取消理由 当審は、平成16年3月30日付けで商標権者に対し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与え、本件商標の指定商品中「化粧品」についての登録は、要旨次のとおりの取消理由により、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものと認める旨通知した。 <取消理由> 本件商標と引用商標との商標の類否について判断するに、本件商標は、「トップスピード」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「トップスピード」の称呼及び「最高速度」の観念を生ずるものである。他方、引用商標は、別掲のとおり、ややレタリングされた欧文字を二段に書してなるものであって、引用商標の構成文字左側の数本の細い横線はスピード感を表現していると認め得ること及び「TOPSPEED」が「最高速度」の意味を有する英語として一般に知られていることより、引用商標に接する取引者、需要者は、引用商標は「TOP」及び「SPEED」の欧文字を二段に表したものと容易に理解、認識し得るとするのが相当であるから、その構成文字全体に相応して「トップスピード」の称呼及び「最高速度」の観念を生ずるものといわなければならない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、「トップスピード」の称呼及び「最高速度」の観念を共通にする類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品中「化粧品」と引用商標の指定商品とは、同一又は類似のものである。 したがって、本件商標の指定商品中「化粧品」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。 4 商標権者の意見 前記3の取消理由の通知に対し、商標権者からは何らの応答もない。 5 当審の判断 本件商標の指定商品中「化粧品」についての登録は、前記3の取消理由により、商標法第4条第1項第11号に違反してされたと認められる。 次に、「化粧品」以外の商品の登録について判断するに、トップスピード商標が申立人の業務に係る「ネイルエナメル」について使用されていたとしても、申立人の提出に係る証拠によっては、トップスピード商標が本件商標の登録出願時には、申立人の業務に係る商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたものとするに充分な証拠とは認められないから、「化粧品」以外の商品について、本件商標を使用した場合、その商品が申立人又は申立人と関係がある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるとまではいえず、また、本件商標は、不正の目的を持って使用をするものとは判断し得ない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び第19号に該当するものではない。 以上のとおり、本件商標の指定商品中、結論掲記の商品については、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の3第2項により、その登録を取り消すものとし、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、その登録を取り消すべき理由がないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
(別掲) |
異議決定日 | 2004-07-28 |
出願番号 | 商願2001-54977(T2001-54977) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
ZC
(Z03)
|
最終処分 | 一部取消 |
前審関与審査官 | 大橋 信彦 |
特許庁審判長 |
田辺 秀三 |
特許庁審判官 |
内山 進 高野 義三 |
登録日 | 2002-07-12 |
登録番号 | 商標登録第4585231号(T4585231) |
権利者 | 株式会社リンレイ |
商標の称呼 | トップスピード、トップ |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 大島 厚 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 福田 伸一 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 福田 武通 |
代理人 | 福田 賢三 |
代理人 | 加藤 ちあき |