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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Z29 審判 全部申立て 登録を維持 Z29 |
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管理番号 | 1103424 |
異議申立番号 | 異議2002-90805 |
総通号数 | 58 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2004-10-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-11-15 |
確定日 | 2004-08-18 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4594903号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4594903号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4594903号商標(以下「本件商標」という。)は、「黒さや」の文字を横書きしてなり、平成13年11月6日に登録出願され、第29類「豆」を指定商品として、平成14年8月16日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由(要旨) 本件商標は、「熟した莢(さや)の色が黒い豆、黒莢(さや)品種の豆」を表すにすぎないから、これを上記意味合いに相応する商品に使用しても、商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、商標法3条1項3号に該当し、本件商標を上記以外の商品に使用するときには商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから商標法4条1項16号に該当する。 第3 当審の判断 登録異議申立人の提出した、甲第2号証の1の5葉目には(5)「莢と子実」として、「ダイズの莢は、・・・成熟期の莢色は褐色のものが多いが、白莢、黄莢、赤莢、または黒莢を品種名に付したものがあるように変異に富む。」とあり、また、甲第3号証によれば、「大豆」の品種和名には、「黒莢7号」、「黒莢三本木」、「日高黒莢」、「黒莢」などがあることが認められる。 そうとすると、「黒莢」の文字は、商品大豆の品種名を表示するものと解されなくもない。 しかしながら、甲第2号証の2によれば、アズキの莢の色に「黒褐」、「褐」、「丹褐」、「淡黄褐」などがあるとされているが、これらがアズキの品種名であることを示す記載は認められない。また、甲第2号証の3には、「1.品種の分類」(アズキの品種)との項において、「塾莢色による分類(黒莢〜白莢)などがあるが、品種の分類基準としては考えられない。」と記載されているところである。さらに、甲第3号証では、同じ品種和名の「黒莢」でも、「JP番号」、「原産地」が異なることで品種Noが別立てとなって掲載されていることからすれば、単なる「黒莢」の文字のみをもってしては、大豆の正式な品種が識別し得ないとも解されるところである。 そうとすれば、上記甲第2号証の5葉目の記載、甲第3号証における「黒莢」との表示の存在のみをもってしては、「黒莢」の文字が、指定商品である豆について、特定の豆の特定の性質を有する品種を表示するものであるとするには十分とはいえないものである。 しかも、本件商標は「黒さや」の文字よりなるものであり、本件商標「黒さや」が、指定商品の品種名を表示したものと、取引者・需要者により直ちに認識されるとはいい得ないものと判断するのが相当といわねばならない。 そして、職権をもって、「黒さや」の文字が、指定商品である豆の品種を表すものであるか否かについて調査するも、この語が、その指定商品の品質(品種)を表示するものとの確定的な証左は認められず、また、取引上、豆の品種を表すものとして普通に使用されている事実も発見できなかった。 したがって、本件商標である「黒さや」は、商品の「豆」の品質(品種)を普通に用いられる方法で表示するものとはいえず、本件商標を商標法3条1項3号に違反して登録されたものとすることはできない。そうとすれば、本件商標が同法4条1項16号に違反して登録されたとすることもできない。 してみれば、本件商標は商標法43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものといわなければならない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2004-07-30 |
出願番号 | 商願2001-105217(T2001-105217) |
審決分類 |
T
1
651・
272-
Y
(Z29)
T 1 651・ 13- Y (Z29) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 白倉 理 |
特許庁審判長 |
佐藤 正雄 |
特許庁審判官 |
宮川 久成 山本 良廣 |
登録日 | 2002-08-16 |
登録番号 | 商標登録第4594903号(T4594903) |
権利者 | 柳田 隆雄 |
商標の称呼 | クロサヤ |
代理人 | 鎌田 文二 |
代理人 | 東尾 正博 |
代理人 | 鳥居 和久 |