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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Z36
管理番号 1101677 
審判番号 審判1999-14049 
総通号数 57 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-08-30 
確定日 2004-08-05 
事件の表示 平成10年商標登録願第 10103号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「情報マネジメント」の文字を横書きしてなり、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,企業の信用に関する調査,税務相談,税務代理,慈善のための募金」を指定役務として、平成10年2月12日に登録出願されたものであるが、指定役務については、願書に記載のものを平成11年6月10日付け手続補正書をもって、「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金」と補正されたものである。

2 当審において通知した拒絶の理由(要旨)
(1)我が国において、「情報マネジメント」の語は、例えば、以下のように使用されている。
(a)横須賀市の「情報マネジメントに関する基本指針」は、「この指針は、本市において作成し、又は収受した情報の取扱いに関する原則等を定めることにより、高度情報社会に適応した情報の適正な管理及び円滑な運用を図り、電子自治体を実現することを目的とする。」ものであって、その「情報マネジメント規則」によれば、「情報マネジメント」は、「情報の適正な管理及び円滑な運用の計画をいう。」(第2条)とされている。
(b)1989年9月13日付け日刊工業新聞(9頁)には、「セキュリオン24、新サービス事業化。文書や磁気テープ類の保管、配送。遠隔検索も」の見出しのもと、「セキュリオン24は、運輸省貨物流通施策課が打ち出したドキュメントビラ構想にのっとった統合・情報マネジメント事業に乗り出す。・・・ドキュメントビラ構想とは、企業の保有する膨大な量の書類や磁気テープを機密性や防災性に優れた専用倉庫に保管し、情報通信や迅速な輸送サービスと組み合わせることで、便利で信頼できる文書管理サービスを実現・・」との記事が掲載されている。
(c)株式会社ワンビシアーカイブズのホームページの「総合情報マネジメント」(wysiwyg://214/http://www.wanbishi.co.jp/i_management/)には、「ワンビシアーカイブズ総合情報マネジメント部門は、企業の情報セキュリティの確保、オフィス情報管理の合理化を目指して、・・情報管理分野における様々な事業を開拓してまいりました。」の記載がある。
(d)金沢工業大学、九州東海大学その他多くの大学や高校では、「情報マネジメント学科」が講義科目として設置されている(例えば、九州東海大学(http://bm-1.ktokai-u.ac.jp/~kms/im/infoout/course.html)では、「情報マネジメント学は、よりビジネスの現場に近い発想で応用情報学を捉え、情報を実践的に活用していこうとするもの」との説明がある。)。また、社会人等を対象とした「情報マネジメント」のセミナーなども行われている(例えば、株式会社L.M.J.ジャパン(http://www.lmj-japan.co.jp/iso9000/lmj_9.htm)が開催する「ISO9000対応情報マネジメント推進セミナー」の紹介には、「電子メディア管理を含む『情報』の管理がますます重要になり、鍵となっています。」の記載がある。)。
(2)上記(1)の実情からすると、「情報マネジメント」は、概略「情報の管理及び運用」といった意味を有するものとして、理解され、認識されるものというのが相当である。
そして、本願商標の指定役務は、「情報の管理及び運用」と格別密接な関係を有する役務ということができる。
そうすると、上記意味を有する本願商標をその指定役務について使用しても、その需要者は、役務の提供者が情報の管理及び運用を十分に行っていることを表示したものと理解するにとどまり、自他役務を識別する標識たる商標を表示したものとは認識し得ないというべきである。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標といわなければならないから、商標法第3条第1項第6号に該当する。

3 請求人の意見(要旨)
(1)本願商標について
本願商標は、一体不可分のものとして文字通り「情報という無形の商品」を貨幣に見立て「債権」・「債務」の対象として取り扱う「マネジメント」するもので、「情報」という価値を保有する「債権」と「情報」を受け取り利用する「債務」との関係を、金銭の「債権」・「債務」の関係に見立て、それを貨幣に見立て、単位を決めて「マネジメント」し、効率よく運用するシステムにおいて、従来存在しなかった熟語を創造したものである。
一般に商標を構成する各文字が一様に連なりその各語に対応する文字の大きさや形態に差異がない場合は、仮に一連の商標の構成中にある語意を有する単語を含む場合であっても、その単語が日常使用されない特異な語であるとか、その語自体が特別顕著な印象を与えるとか、称呼が全体として殊更冗長であるなどの特段の事情がない限り、商標は構成文字を分離して観察すべきでなく、商標全体として一体的に認識することが相当である。
特に、現在における取引の経験則に照らしても、一体不可分に書された造語商標は、取引者、需要者においても、該商標中にある語意を有する単語が存在しているといえども、その単語を抽出して当該商標にいかなる観念が具有しているかを充分に考察することなしに、商標構成の全体を一体的、直感的に認識することが通常である。
したがって、本願商標は、全体として「情報の債権・債務」、「情報の債権化・債務化」を「マネジメント」する創造語であり、単に役務の質(内容)を表示したものではなく、自他役務の識別標識としての機能を充分果たすものである。
よって、本願商標は、需要者が何人の業務に係る役務であることを認識できる商標であるといわざるを得ないものである。
(2)登録例について
過去において、普通の書体で構成された「情報マネジメント」なる商標が登録されている(第1号証ないし第4号証)。

4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、前記したとおり、「情報マネジメント」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものである。
そして、該「情報マネジメント」の語は、前記2で認定したとおり、全体として、「情報の管理及び運用」の意味合いをもって、取引の実際において普通に使用されているものである。
そうすると、上記意味合いを有する本願商標は、これをその指定役務について使用しても、格別顕著な語であるとはいえず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することがでない商標というべきである。
(2)請求人の意見について
請求人は、本願商標について、「『情報という無形の商品』を貨幣に見立て・・・従来存在しなかった熟語を創造したもの」と述べ、「一体不可分に書された造語商標は、取引者、需要者においても、該商標中にある語意を有する単語が存在しているといえども、その単語を抽出して当該商標にいかなる観念が具有しているかを充分に考察することなしに、商標構成の全体を一体的、直感的に認識することが通常である。したがって、本願商標は、全体として『情報の債権・債務』、『情報の債権化・債務化』を『マネジメント』する創造語であり、単に役務の質(内容)を表示したものではなく、自他役務の識別標識としての機能を充分果たすものである。」旨主張する。
しかしながら、前記2で認定したとおり、「情報マネジメント」の語は、「情報の管理及び運用」の意味合いをもって、取引市場において普通に使用されている語であり、請求人の創作に係る語であるとは到底認めることはできない。また、請求人の本願商標を採択するにつき、いかような理由があるにせよ、「情報マネジメント」の語が上記意味合いをもって、普通に使用されている語である以上、需要者が本願商標に接した場合は、自他役務を識別する標識たる商標とは認識し得ないというべきである。
さらに、請求人は、第1号証ないし第4号証を示し、普通に書された「情報マネジメント」の文字よりなる商標が既に登録されているから、本願商標も自他役務の識別機能を有するものである旨主張するが、第1号証ないし第4号証に示された登録商標は、本願商標の指定役務とは異なる商品及び役務を指定商品及び指定役務とするものであって、前記2で認定したとおり、本願商標の指定役務は、「情報の管理及び運用」と格別密接な関係を有する役務ということができるから、過去の登録例の存在をもって、本願商標がその指定役務に使用された場合も、自他役務の識別機能を有するとすることはできない。したがって、上記登録例は、本願商標と事案を異にするものといわざるを得ず、前記認定、判断を左右するものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-02-17 
結審通知日 2004-02-27 
審決日 2004-03-09 
出願番号 商願平10-10103 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (Z36)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大島 護 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 茂木 静代
高野 義三
商標の称呼 ジョーホーマネジメント 
代理人 若林 拡 

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