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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z33
管理番号 1098411 
審判番号 不服2001-14709 
総通号数 55 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-08-20 
確定日 2004-05-24 
事件の表示 商願2000-1394拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、後掲のとおりの構成よりなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成12年1月13日に立体商標として登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、その指定商品との関係においては、商品の包装(収納容器)の一形態を表したものと容易に認識させる立体的形状よりなるものであるから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の包装(収納容器)の形状を普通に用いられる方法をもって表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、後掲のとおり、ねじ山のある口元を有し、全体が縦長の八角柱的な容器の形状を容易に理解させるものであって、本願の指定商品「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を収納する容器の一形態を表したと認められるものであるから、これをその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、単に商品の収納容器と認識するにすぎないものと判断するのが相当である。
(2)立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物の形状も含むものであるところ、商品の容器の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品の容器の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・自他役務(以下、「自他商品等」という。)を識別する標識として採択されるものではない。
そして、商品の容器の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように商品の容器の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品等を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品の容器の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は、当該商品の容器の形状を表示したものであると認識するにとどまり、このような商品の容器の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、いまだ商品の容器の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。
ところで、本願の指定商品「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」においては、商品の容器の形状等の外観上の特徴が需要者の購買心理、選択意欲、消費行動等に重要な影響を与えるものといえるから、商品の容器の形状において、特に、美感や装飾等のデザイン性が強く追求されるのに対し、商品の品質、性質(液体)等の面から特定の形状にしなければならない必要性は比較的薄いといえる。
そうすると、上記商品の容器の形状は、市場の流行や需要者の用途、嗜好等に合わせ、美感や装飾等のデザイン性を強く意識した各種の特徴的な変更、装飾等が施される実情にあるものと認められ、その場合、立体的形状に施されたその種の変更、装飾等は、外観上同種の商品の容器の形状と比較し、特徴的なものと認められるとしても、それらは専ら需要者が商品を選択するに際して、外観上の美感、若しくは魅力的な形状という嗜好上の意味合いを与えているにすぎず、それはいまだその商品の容器の形状の範囲内のものと認識するにとどまるものである。
したがって、上記商品の容器の形状における変更、装飾等は、自他商品の出所を表示する識別標識として機能しているものではなく、その立体商標の形状の全体を観察しても識別力を有するものとは認められない。
そして、本願商標は、前記認定のとおり、その形状がやや特徴的なものであっても、それは商品の容器の、主として美感若しくは魅力的な形状をより発揮させるために施されたものというのが相当であり、商品の容器の形状を普通に用いられる方法の範ちゅうで表示する標章のみからなる商標というべきであるから、その形状に特徴をもたせたことをもって自他商品の識別力を有するものとは認められないことは、前記のとおりである。
(3)したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定の認定、判断は、妥当なものであって、取り消すべき理由はない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 本願商標

審理終結日 2003-12-18 
結審通知日 2003-12-18 
審決日 2004-01-14 
出願番号 商願2000-1394(T2000-1394) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z33)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 高橋 厚子 
特許庁審判長 田辺 秀三
特許庁審判官 井出 英一郎
柳原 雪身
代理人 田中 克郎 
代理人 稲葉 良幸 

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