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審決分類 審判 査定不服 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 登録しない Z0619
管理番号 1096686 
審判番号 審判1999-18376 
総通号数 54 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-11-18 
確定日 2004-04-26 
事件の表示 平成10年商標登録願第5675号拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本件商標登録出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、「斜面安定協会」の文字と「フリーフレーム」の文字を上下二段に書してなり、第6類及び第19類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成10年1月27日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するものとして本願商標を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 本願商標の構成は前記のとおり、「斜面安定協会」の文字と「フリーフレーム」の文字よりなるものであるところ、構成中の「フリーフレーム」の語について、新聞記事情報及びインターネット掲載情報に照らせば、以下の事実が認められる。
(1)「経営ひと言/ライト工業・吉沢伸常務『より高強度に』」との見出しのもと、「『より高強度の技術を確立するのが私の役目』と抱負を語るのは、フリーフレーム協会(東京都墨田区)会長に就任したライト工業常務の吉沢伸さん。フリーフレームは、金網型枠とコンクリートを吹き付けて切り土法(のり)面、自然斜面に枠をつくる工法。災害防止効果から道路などの急傾斜地で採用している。協会の会員も103社と『順調に拡充している』」との記事が掲載されている。(2003年(平成15年)6月13日 日刊工業新聞19頁)
(2)「フリーフレーム協、のり面安定工事を省力化した『交点ブロック工法』を開発」との見出しのもと、「フリーフレーム協会は、道路、ダムなどののり面(斜面)安定工事の省力化を図った『交点ブロック工法=写真』を開発した。斜面に据え付ける梁(はり)交差部のブロックをプレキャスト化し、現場作業を省力化したのが特徴。………同協会はフリーフレーム工法業者六十七社で組織。」との記事が掲載されている。(1992年(平成4年)9月1日 日刊工業新聞 20頁)
(3)フリーフレーム協会のインターネットホームページ(http://www.freeframe.gr.jp/profile/top/index.html)によれば、同協会は、昭和51年1月に発足し、十勝川ダムのり面工事でフリーフレーム工法採用して以来、これが、画期的工法として全国に知られることとなり、昭和55年には、協会事務局を岡部(株)に置き、同協会員20社を越える旨の沿革が紹介されており、以降、今日まで、同協会は活動を継続していることが認められる。
また、同ホームページ情報によれば、現在、同協会は、全国会員、地域会員合わせて103社により構成されていることが認められる。
2 上記の事実に照らせば、「フリーフレーム」の語は、本願商標出願時において、全国的規模にわたる法面工事の施工業者及び需要者間において、フリーフレーム工法の略称として著名であったとともに、同工法を実施している社団である「フリーフレーム協会」の名称の略称を表したものとしても著名となっており、これが現在においても継続しているということができると判断される。
請求人は、「『フリーフレーム協会』なる『任意団体』を商標法第4条第1項第8号に規定する『他人』とするのは、法の厳格な適用を逸脱するものである。」旨主張しているが、法人格のない社団は、権利主体となることについて一定の制限があるとはいえ、社会において一定の地位を占めており、それに伴う名誉、信用等の人格権的利益を享受し得るものであり、自己の名称等が他人によりみだりに使用されない利益をも含むものと解すべきであり(平成10年1月14日 東京高裁 平成8年(行ケ)225号判決参照)、請求人の主張は失当であって採用することはできない。。
そうとすれば、本願商標は、「フリーフレーム協会」の著名な略称である「フリーフレーム」の文字を含むものであり、かつ、同協会の承諾を得ているとは認められないから、商標法第4条第1項第8号に該当するとの理由をもって本願を拒絶すべきものとした原査定の認定・判断は妥当なものであって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-02-16 
結審通知日 2004-02-27 
審決日 2004-03-09 
出願番号 商願平10-5675 
審決分類 T 1 8・ 23- Z (Z0619)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩内 三夫 
特許庁審判長 滝沢 智夫
特許庁審判官 岩崎 良子
小林 薫
商標の称呼 シャメンアンテイキョーカイ、フリーフレーム、シャメンアンテイ、フリー 
代理人 加藤 誠 

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