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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) Z25 |
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管理番号 | 1095250 |
異議申立番号 | 異議1999-90567 |
総通号数 | 53 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2004-05-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-04-23 |
確定日 | 2004-03-24 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4225800号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4225800号商標の商標登録を取り消す。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4225800号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、平成8年6月18日登録出願、第25類「和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド ,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成10年12月25日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法4条1項8号、同11号、及び同15号に違反してされたものであり、本件商標の登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第62号証(枝番を含む。)を提出した。 1 本件商標は、商標法4条1項8号に該当する 本件商標は、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)氏の氏名の著名な略称を含む商標であり、その承諾を得ずに登録出願されたことは明らかであるから、本件商標は商標法4条1項8号に違反して登録されたものである。 2 本件商標は、商標法4条1項11号に該当する 本件商標は、登録第2072497号商標ほか、7件の登録商標と類似するものであり、かつ、指定商品においても同一又は類似のものであるから、本件商標は商標法4条1項11号に違反して登録されたものである。 3 本件商標は、商標法4条1項15号に該当する 本件商標は、著名商標「VALENTINO GARAVANI」、「VALENTINO」と類似するものであって、これを商標権者がその指定商品に使用した場合、その商品が恰も申立人の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法4条1項15号に違反して登録されたものである。 第3 本件商標に対する取消理由 1 申立人の主張の趣旨及び甲第7号証、同第13号証ないし同第62号証(枝番号を含む。)によれば、次の事実が認められる。 「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)は1932年イタリア国ボグヘラで誕生、17才の時パリに行き、パリ洋裁学院でデザインの勉強を開始し、その後フランスの有名なデザイナー「ジーン・デシス、ギ・ラ・ロシュ」の助手として働き、1959年ローマで自分のファッションハウスを開設した。1967年にはデザイナーとして最も栄誉ある賞といわれる「ファッションオスカー(FashionOscar)」を受賞し、ライフ誌、ニューヨークタイムズ誌、ニューズウィーク誌など著名な新聞、雑誌に同氏の作品が掲載された。これ以来同氏は、イタリア・ファッションの第1人者としての地位を確立し、フランスのサンローランなどと並んで世界三大デザイナーと呼ばれ国際的なトップデザイナーとして知られている。 わが国においても、ヴァレンティノ・ガラヴァーニの名前は1967年(昭和42年)のファッションオスカー受賞以来知られるようになり、その作品は「Vogue(ヴォーグ)」誌などにより継続的に日本国内にも紹介されている。 昭和49年には三井物産株式会社の出資により同氏の日本及び極東地区総代理店として株式会社ヴァレンティノブティックジャパンが設立され、ヴァレンティノ製品を輸入、販売するに至り、同氏の作品はわが国のファッション雑誌や業界紙、一般新聞にも数多く掲載されるようになり、同氏はわが国においても著名なデザイナーとして一層注目されるに至っている。 2 以上によれば、ヴァレンティノ・ガラヴァーニは、世界のトップデザイナーとして本件商標が出願された当時には、既にわが国においても著名であったものと認められる。 同氏の名前は「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)とフルネームで表示され、このフルネームをもって紹介されることが多いが、同時に新聞、雑誌の記事や見出し中には、単に「VALENTINO」「ヴァレンティノ」と略称されてとりあげられており、ファッションに関して「VALENTINO」「ヴァレンティノ」といえば同氏を指すものと広く認識されるに至っているというべきである。 そして、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラバーニ)氏がデザインした婦人服、紳士服、ネクタイ、バッグ、靴、ベルト、アクセサリー等のファッション関連商品は、「VALENTINO GARAVANI」「VALENTINO」「バレンティノ」の商標(以下「引用商標」という。)をもってわが国の取引者、需要者の間に広く知られていというべきである。 3 さらに、当審において調査するに、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)は、我が国においては、「ヴァレンチノ」、「ヴァレンティーノ」あるいは「VALENTINO」とも略されて表示されていることは、田中千代「服飾辞典」同文書院1981年p550、山田政美「英和商品辞典」(株)研究社1990年p447、金子雄司外「世界人名辞典」岩波書店1997年p84)において裏付けられるばかりでなく、雑誌における表現においても、たとえば、「marie claire」1996年2月1日号、「non-no」1989年 No23号からも認められる。 4 以上のとおり、「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)は、引用商標を婦人服を始めとし、紳士服、アクセサリー、バッグ、香水等の商品に使用しており、その結果、引用商標は、本件商標の登録出願の時には、既に我が国において、取引者、需要者間に広く認識されていたといえる。 5 本件商標は、別掲に表示するとおり、図形を上段に配し、「GIORGIO」と「VALENTINO」の欧文字とを下段に横書きしてなるところ、本件商標の指定商品には、帽子・靴類等をはじめとするファッション関連の商品が含まれていることから、取引者、需要者は、その構成中の「VALENTINO」の文字について、著名となっている引用商標の「VALENTINO」を想起すると判断するのが相当である。 6 そうとすると、商標権者が、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、引用商標を想起・連想し、本件商標が付された商品が引用商標の一種ないし兄弟ブランド、又は、ファミリーブランドなどと理解し、あたかも上記デザイナーである「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ・ガラヴァーニ)又は同人と組織的、経済的に何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。 7 したがって、本件商標は、商標法4条1項15号に該当する商標であったにもかかわらず登録されたものである。 第4 商標権者の意見 当審は、商標権者に対し、意見書を提出するための相当の期間を指定して上記「第3」の取消理由を通知したが、商標権者は、指定期間を経過するも何ら意見を述べていない。 第5 当審の判断 本件商標は、上記「第3」に述べた取消理由があり、商標法43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
【別掲】 本件商標 |
異議決定日 | 2004-02-04 |
出願番号 | 商願平8-67530 |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Z
(Z25)
|
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 加園 英明、寺光 幸子 |
特許庁審判長 |
宮下 正之 |
特許庁審判官 |
山本 良廣 宮川 久成 |
登録日 | 1998-12-25 |
登録番号 | 商標登録第4225800号(T4225800) |
権利者 | 瀧定株式会社 |
商標の称呼 | ジョルジョバレンティノ |
代理人 | 杉村 興作 |
代理人 | 末野 徳郎 |
代理人 | 溝上 満好 |
代理人 | 溝上 哲也 |