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審決分類 審判 全部無効 審理一般(別表) 審決却下 117
管理番号 1093460 
審判番号 審判1998-35661 
総通号数 52 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-04-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 1998-12-22 
確定日 2004-02-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第2721189号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求を却下する。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1.本件商標
本件登録第2721189号商標(以下「本件商標」という。)は、「POLO」の欧文字を書してなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)、布製身回品(他の類に属するものを除く)、寝具(寝台を除く)」を指定商品として、平成9年5月2日に設定登録されたものである。

2.請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1及び第4号証を提出した。
(1)本件商標「POLO」は世界的に知られた「スポーツ名」であり「一般用語」に過ぎない。「POLO」と言えば英国に於いてプレーが盛んで、英国皇太子が特に好むスポーツとして日本のマスコミでも数多く報道され、特に故「ダイアナ元妃」関連の報道とも重なって、日本人で知らない者はいない程有名である。最近日本でも福岡県に実際の「ポロ・クラブ」が設立され、活動を始めている。その為、「POLO」は日本では「スキー」「テニス」「ゴルフ」と同等の一つの「スポーツ名」に過ぎないと考えられる。
又「ファッション業界」においては、「ポロ競技」に着用する衣料から発生した「ポロ・シャツ」(略称「ポロ」)は日本人の日常生活の中に定着しており誰でも知っている。
よって「POLO」は「一般用語」としても認識されているものである。
(2)請求人は英国のロンドン郊外に実在する「ポロ・クラブ」の主宰者である。
日本においても「POLO」ブランドの商品化は盛んに行われているが、そもそも「POLO」は英国等で数百年の歴史をもって盛んに活動されており、それらの国が長年の伝統を守り、築き上げてきたものである。現在でも「ポロ競技」の為には広大なフィールドの維持や数百頭の馬の管理等膨大な資金が必要であり、英国に実在する「ポロ・クラブ」も、経営に困窮しているのが現実である。その為、それらの海外の「ポロ・クラブ」は、経費の一部を補う意味からも自己の名称(商標)を使って日本で商品化事業を行う事を希望しているが、本件商標が登録されている為、その計画を断念せざるを得ない状況である。そもそも日本の「商標登録制度」の基本を考えても、ある企業(又は個人)が長年使い続けてきた名称(商標)で消費者に高い評価を得たり、又自己の費用宣伝活動を続けた結果の功績について、権利として確立するのが主眼であると思われるが、本件商標については、過去の商標法の運用に不備があった時代に、偶然に商標登録を成功させたと考えられる。
(3)「POLO」は現在沢山の商標登録が認められており、現在では「POLO」は特定の商標権者のものとは言えない。

3.被請求人の答弁
被請求人は、「本審判の請求は成り立たない。審判の費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第6号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)請求人は、審判請求書において、「『POLO』は世界的に知られた『スポーツ名』であり、『一般用語』に過ぎない。」と主張し、証拠として英国における「写真」等の複写物を多数添付しているが、この主張は全くの誤りであり、添付資料も本件商標登録を無効にする証拠とはなり得ない。
その根拠を以下に詳細に説明する。
(2)まず第一に、本件商標「POLO」がたとえ請求人の言うところの「スポーツ名」或いは「一般用語」であったとしても、必ずしもその指定商品の「普通名称」「慣用商標」等には該当しない。即ち、たとえ登録商標「POLO」がスポーツ名「ポロ競技」を観念させ得たとしても、「POLO」或いは「ポロ競技」が本件商標の指定商品「被服」等についての普通名称等とは言えない以上、商標法第3条第1項第1号及び第2号には該当しない。
このことは、乙第1号証に示す網野誠著 ”商標”〔第4版〕第195頁ないし第196頁において 「商品の普通名称も、その名称に相当する商品以外のものに商標として使用される場合においては,商品識別の能力がある。たとえば、ウイスキーに『あんみつ』、石油に『Shell』、バルブ・コック類に『扇』のような商標が使用される場合においては、ウイスキーや石油のような商品について特定の商社・生産会社等の製造・販売するものとして,その他の商社・生産会社等の生産・販売するウイスキー,石油等と明確に区別することができる。」と説明されていることからも明らかである。
なお、本件登録商標と同様に、スポーツ名を商標とし、かつ、「被服」等を指定商品として登録された例として登録第438363号商標「SKI」、登録第3141525号商標「RUGBY」、登録第1346487号商標「角力」、登録第1978657号商標「Cricket」、登録第3256580号商標「アイスホッケー」、登録第1509395号商標「バドミントン」がある。これらの「SKI」「RUGBY」等は、請求人のいうところの一般用語と思われるが、あくまでもスポーツ名を指し、被服等の商品名を指すものではないからこそ、商標登録されたものと確信する。
(3)第二に、本件審判の被請求人は、現在、乙第3号証に示す登録第1434359号商標「POLO」及び乙第4号証に示す登録第1447449号商標「図十Polo」の商標権者であり、このうち乙第3号証に示す登録商標は、昭和47年6月13日に出願後、昭和55年9月29日付で登録され、また乙第4号証に示す登録商標は、昭和47年4月22日に出願後、昭和55年12月25日付で登録されている。
これら商標の出願当時(昭和47年)、わが国では「ポロ」「POLO」という競技は全く馴染みのない「スポーツ名」であり、この語が「一般用語」(普通名称等)に該当するとはいえず、依って商標法第3条(同法第条はもとより)に該当することなく、登録されたものと考えられ、現在でもこの「POLO」は、相変わらず馴染みのない「スポーツ名」であり、必ずしも「一般用語」であるとは言い切れない。
このことは、乙第5号証に示す網野誠著 ”商標”〔第4版〕第202頁において「普通名称化したものであることが認定されるためには、とかく希望的な観察をしがちな同業者の認識のみでは足らず、少なくとも一般消費者が普通名称化していることを認識することが必要であるが、さらにそれのみならず、当該商品の取引者間において現実に普通名称として使用されていることを必用とする。したがって、辞書やその他の一般刊行物、当該取引に関係ない学問的・技術的文献、講演等において普通名称であるかのように使用されているのみでは足りない。」と説明されていることからも明らかである。
(4)加えて、本件登録商標は、当初、乙第3号証及び乙第4号証の各商標の連合商標として出願したものであり「POLO」或いは「Polo」の欧文字四字のみからなる商標の独占排他権は、本件審判の被請求人だけが、享有できるのであり、依って、「POLO」と他の欧文字とを結合してなる「POLO〜」「〜POLO」「〜POLO〜」等の商標はともかくとして、「POLO」のみからなる四文字商標は、本件審判の被請求人だけが権利取得できるものである。
(6)なお、乙第6号証に示す昭和53年審判第9700号によれば、乙第3号証に示す登録商標について、「原審は、上記『Polo』の文字部分から、商品『ポロシャツ』を直観する旨を説示しているが、需要者・取引者間において、『ポロシャツ』が『ポロ』と略称されている事実は、当審において調査するも発見できなかった。」とされ、また、「本願商標は『ポロ競技』を観念させるものであって、商品『ポロシャツ』を直感させる要素はなく、その指定商品に使用しても十分自他商品の識別力を具備するものであり、恰も『ポロシャツ』の商品名を示すものであるかの如く、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものをいうを相当とする。」と判断されている。
この審決に照らしてみれば、本件登録商標「POLO」は、商標法第3条第1項第3号はもとより、同第6号及び商標法第4条第1項第16号にも違反していないため、本件商標登録は、商標法第46条第1項各号のいずれにも該当せず、無効理由を有していない。

4.当審の判断
請求人は、(1)「POLO」は「スキー」「テニス」「ゴルフ」と同等の一つの「スポーツ名」に過ぎない。(2)海外の「ポロ・クラブ」は、経費の一部を補う意味からも自己の名称(商標)を使って日本で商品化事業を行う事をきぼうしているが、本件商標が登録されている為、その計画を断念せざるを得ない状況であること。(3)本件商標については、過去の商標法の運用に不備があった時代に、偶然に商標登録を成功させたと考える。等を主張している。
しかしながら、請求人は、「POLO」に関する実情を述べるのみで、本件商標の登録を無効とすべき請求の理由を具体的に述べておらず、また、その違反適用条文を何ら示していない。
そうとすれば、本件商標の無効理由は実質的に審理できないものである。
したがって、本件審判請求は不適法なものであるから、商標法第56条において準用する特許法第135条の規定により却下すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-09-08 
結審通知日 2003-09-11 
審決日 2003-10-07 
出願番号 商願昭56-27639 
審決分類 T 1 11・ 0- X (117)
最終処分 審決却下 
前審関与審査官 木村 幸一 
特許庁審判長 滝沢 智夫
特許庁審判官 岩崎 良子
宮川 久成
登録日 1997-05-02 
登録番号 商標登録第2721189号(T2721189) 
商標の称呼 ポロ 
代理人 江原 省吾 
代理人 中村 博 
代理人 城村 邦彦 
代理人 岩出 誠 
代理人 田中 秀佳 
代理人 村林 俊行 
代理人 外山 勝浩 
代理人 白石 吉之 
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