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審決分類 審判 全部無効 商4条1項10号一般周知商標 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 107
審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 107
審判 全部無効 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 107
管理番号 1093366 
審判番号 無効2001-35334 
総通号数 52 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-04-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2001-07-31 
確定日 2004-02-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第4207920号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4207920号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4207920号商標(以下、「本件商標」という。)は、「FREA-FLAME」の欧文字を横書きしてなり、昭和63年11月25日に登録出願され、第7類「建築又は構築専用材料、セメント、木材、石材、ガラス」を指定商品として、同10年11月6日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録は無効とする。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第43号証を提出した。
1 請求の利益
請求人は、「フリーフレーム協会」であり、「フリーフレーム工法」という法面安定工事の普及及びその工事技術の向上、並びに会員の地位の安定と発展に寄与することを目的として設立された法面工事施工業者及び当該工事用部材の製造業者からなる業界団体である(甲第2号証)。
請求人の略称である「フリーフレーム」は、「フリーフレーム工法」と名付けた法面安定工事の普及活動により、土木工事業界に広く知られ、この種業界において一定の地位を占め、信用を獲得してきた。
本件商標は、その構成文字より「フリーフレーム」の称呼が生ずるものであって、請求人の事業と本件商標の指定商品とは、工事(工法)とそれに用いる建築又は構築専用材料という密接な関係を有するものであることから、本件商標の登録によって被る不利益は極めて大きく、本件審判請求をするのに重大な利害関係を有する。
2 無効事由について
本件商標は、請求人の著名な略称「フリーフレーム」及び請求人が現実に使用している「フリーフレーム」と称呼上同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第8号、同第10号及び同第15号に該当する。
(1)「フリーフレーム」の著名性について
請求人が使用する商標(以下「使用商標」という。)は、遅くとも本件商標の登録出願時である昭和63年11月25日までには、全国的規模にわたる当業者及び法面工事の需要者間において、「フリーフレーム工法」の略称として著名であったとともに、同工法を実施している法面工事施工業者等からなる業界団体である請求人の名称の略称としても著名となっている「フリーフレーム」である。
すなわち、請求人は「フリーフレーム協会会則および会員」(昭和50年12月 フリーフレーム協会事務局 発行)(甲第2号証)に記載される目的をもつ団体であり、その設立当初から、前記工法を「フリーフレーム工法」の名称で普及させるべく、積極的な宣伝広告活動を継続的に行っている。具体的には、土木建築関係の主だった新聞、雑誌等(例えば「建設物価」、「ベース設計資料」、「積算資料」など、甲第4〜第18号証)に請求人の名称と構成員の名称とを併記した半頁ないし一頁大の広告を定期的に掲載してきているほか、構成員各社の営業活動に使用するための統一カタログ及び見積参考資料(甲第19〜第25号証)、施工実績書(甲第26号証)、技術資料(甲第27号証)を発行し、いずれの場合においても請求人の名称を表紙に大きく表示した形態のものである。
また、請求人は、工法宣伝普及活動の一環として、前記工法の解説書(昭和58年理工図書発行・請求人編「フリーフレーム工法」、甲第28〜第29号証)を刊行し、技術講習会(甲第30〜第32号証)、写真コンテスト(甲第33〜第34号証)などを開催するほか、土木工事の発注者である公企業、地方公共団体に対する広報活動を積極的に行い、前記工法による法面工事に関する種々の問題、技術的事項につき、各官庁との連絡折衝の窓口になり、全国的規模にわたる「フリーフレーム工法」の宣伝広告に関する活動を継続しておこなってきた。そして、同工法の施工実績は、昭和60年に118万平方メートル、昭和61年に161万平方メートル、昭和62年に198万平方メートル、昭和63年に212万平方メートル、平成元年には243万平方メートルに達し、各年とも、法面保護壁による土留め・斜面安定工事分野において他の工法を凌駕し、群を抜くものとなった。したがって、本件商標の出願当時において、法面工事に関連した業界及び発注者の間で「フリーフレーム工法」とその推進団体である請求人「フリーフレーム協会」の名を知らない者はなかったといってよい。
請求人の名称の「フリーフレーム協会」は、請求人の推進する工法名称と一体のものとして、業界に広く知られており、その知名度は周知という程度を超えて著名という域に十分に達している。「フリーフレーム」は、上述のように、よく知られた請求人の名称の一部をなすものであり、これを見聞きした者は、誰しも「フリーフレーム協会」を「フリーフレーム工法」と共に思い浮かべる。換言すれば、「フリーフレーム」の語は、直ちに、特定の主体(請求人)を想起させるものであり、請求人の略称として、十分な著名性を備えている。
(2)商標法第4条第1項第8号の該当性について
「フリーフレーム」の著名性については、前記甲第4号証ないし第34号証に示すとおり土木工事業界は勿論のこと、特許庁の審決例(甲第35号証)及び東京高等裁判所の判決例(甲第36号証)等からも十分認識し得るところである。
(イ)本件商標と使用商標との類否
本件商標は、「FREA一FLAME」の文字を横書きしてなるものであるから、この構成文字からは「フリーフレーム」の称呼をも生じると判断するのが自然である。
すなわち、本件商標において、ハイフン「一」で区切られた前半部分の構成文字「FREA」中の「REA」は、わが国における英語の普及度の高さから見て、また、本件商標の後半部分の「FLAME(フレーム)=炎」のローマ文字との関係から見ても、全体は英語の綴り字と判断し得るものであり、英和辞典によれば、該語は例えば「freak=fri:k」、「read=ri:d」などの発音例通りに「リー」と発音され、また、語尾の「EA」は、例えば「Sea=si:」、「seal=si:l」、「seam=si:m」、「tea=ti:」などの発音例通りに「イ-」と発音する場合が普通と認められることから、「FREA」の文字からは「フリー」の称呼が生じるとするのが常識である(甲第37号証)。
本件商標の採択理由が「フリーフレーム」の称呼を目的としていることは、上記発音例から十分に推察し得るものであり、本件商標の全体の称呼は「フリーフレーム」である。
(ロ)本件商標と使用商標との同一性
両商標は、前記詳述のとおり、いずれも「フリーフレーム」の称呼が生じ、称呼上同一であることは明らかである。
したがって、本件商標は、「他人の著名な名称の略称を使用するもの」であり、本件商標は商標法第4条第1項第8号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第10号の該当性について
本件商標は、他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用するものである。
使用商標は、施工実績表(甲第38号証)、カタログ(甲第39〜第41号証)、業界新聞(甲第42〜第43号証)において、現実に略称の形態でも使用されている。しかるに、本件商標は、請求人の著名な略称と認められる「フリーフレーム」と称呼されるものであり、使用する商品は「建築又は構築専用材料、セメント、木材、石材、ガラス」であるから、その商品は「建築又は構築専用材料」をも含み、それらの商品について本件商標を使用する場合には、「フリーフレーム工法」についての使用商品との関係からみて、請求人の業務に係る役務についての使用と認識され得るものである、
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第15号の該当性について
本件商標は、「他人の業務に係る商品若しくは役務と混同を生ずるおそれがあるもの」である。
(イ)使用商標の著名性
請求人「フリーフレーム協会」あるいは同協会が推進する「フリーフレーム工法」の略称である「フリーフレーム」の著名性については、前述の通り、土木工事業界、特許庁及び東京高等裁判所のいずれにおいても十分認識されている(前記各甲号証参照)。
(ロ)本件商標と使用商標との同一性
両商標は、前記詳述の通り、いずれも「フリーフレーム」の称呼が生じるから、称呼上において同一の類似商標である。したがって、本件商標を使用するときには、他人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれが十分にある。
すなわち、本件商標は、使用商標と称呼上同一又は類似のものであるから、「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」である。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(5)むすび
本件商標は、他人の著名な略称をよりなるものであり、また、他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用するものである。
さらに、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれのある商標であるから、結局、本件商標は商標法第4条第1項第8号若しくは商標法第4条第1項第10号及び商標法第4条第1項第15号に該当し、商標法第46条の規定によりその登録は無効とされるべきである。

第3 被請求人は請求人の上記第2に対し答弁していない。

第4 当審の判断
1「フリーフレーム」の著名性について
財団法人建設物価調査会作成の報告書(甲第4号証)、「建設物価」昭和51年12月号、同1982年(昭和57年)1月臨時増刊号、同1988年(昭和63年)1月号(甲第5号証ないし甲第7号証)、「建設物価建設資材要覧昭和58年度版」(甲第8号証)、株式会社建設工業調査会作成の報告書(甲第9号証)、昭和57年3月発行の「ベース設計資料」(甲第10号証)、財団法人経済調査会作成の報告書(甲第11号証)、「積算資料」’87-7臨時増刊 昭和62年7月号(甲第12号証)、雑誌「地すべり技術 第23号」Vol.8,No.2 社団法人地すべり対策技術協会雑誌(甲第13号証)、昭和56年10月発行の雑誌「月刊ダム日本」444号 10 1981(甲第14号証)、昭和56年3月発行の雑誌「緑化工技術」7巻3号(甲第15号証)、雑誌「土木施工 11」昭和56年11月号(甲第16号証)、昭和58年8月発行の雑誌「基礎工」Vol.11,No.9 8(甲第17号証)、昭和59年7月発行の雑誌「砂防と治水」46号1984(甲第18号証)、フリーフレーム協会作成の平成3年3月30日付け報告書(甲第19号証)、請求人発行のフリーフレーム工法のカタログ(甲第20号ないし第22号証)、請求人発行のフリーフレーム工法の見積設計資料(甲第23号証、第24号証)、請求人発行のフリーフレーム工法の見積参考資料(甲第25号証)、請求人発行のフリーフレーム工法施行実績(甲第26号証)、請求人発行のフリーフレーム工法技術資料(甲第27号証)、理工図書発行 福岡正巳監修 フリーフレーム協会編「フリーフレーム工法」1989年5月1日発行(甲第28号証)その他請求人の提出した甲各号証を総合すれば、請求人は、昭和51年1月の設立当初から、「建設物価」、「積算資料」等の業界誌、日刊建設工業新聞等の業界紙その他当業界向け出版物に、年数回ないしそれ以上、請求人の名称と各会員会社名とを表示したフリーフレーム工法の広告を掲載し、同工法のカタログやその施工に関する各種技術資料の作成、書籍の編著を行い、また自ら同工法の講習会を開催し、あるいは依頼を受けて地方自治体の開催する講習会に講師を派遣するなど、全国的規模にわたりフリーフレーム工法の宣伝広告に関する活動を継続して行ってきたこと、そして、同工法の施工実績は、昭和60年より平成元年の各年とも、法面保護壁による土留め・斜面安定工法の実績としては群を抜き、他を圧倒するものであったことを認めることができる。
そうすると、「フリーフレーム協会及び「フリーフレーム工法」は請求人の名称及びその業務にかかる工法の名称として広く知られていたものと言うことができる。
そして、「フリーフレーム」の語は、請求人の名称の「フリーフレーム協会」から団体の性質を表す「協会」の部分を省いたものであり、前記のとおり請求人による普及宣伝活動の状況及びフリーフレーム工法の著しい普及状況に照らし、請求人の名称、またフリーフレーム工法とに関しても、それぞれの識別力を有する部分であることを併せ考えると、遅くとも昭和63年11月25日の本件商標の登録出願時までには、全国的規模にわたる当業者及び法面工事の需要者間において、フリーフレーム工法及び同工法を実施している法面工事施工業者からなる業界団体である請求人の名称の略称として著名となっていたことが認められる。
3 本件商標と使用商標との類否について
本件商標は、「FREA一FLAME」の欧文字を横書きしてなるものであるから、これよりは「フリアフレーム」の称呼を生ずるものと判断するのが相当である。
他方、請求人が引用する標章「フリーフレーム」は、「フリーフレーム協会」の著名な略称及び「フリーフレーム工法」の略称としても著名であること前記認定のとおりであり、その構成文字全体より「フリーフレーム」の称呼を生ずること明らかである。
そして、上記「フリアフレーム」の称呼と「フリーフレーム」の称呼とは、「フ」「リ」及び「フ」「レー」「ム」の音を共通にし、第3音目において「ア」と「リ」に続く長音(ー)とが相違するのみであり、それらは中間における比較的弱い音の差異でしかないために、それぞれを一連に称呼した場合には全体の語調・語感が近似し、彼此聞き誤るおそれが少なくない。
したがって、本件商標と使用商標とは、称呼において類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品「建築又は構築専用材料、セメント」と請求人の役務である「フリーフレーム工法の教授・指導」とは、建築又は構築の工法の教授・指導において、当然にその建築又は工法に使用される建築材料についても教授・指導の対象となることから、密接な関係を有するものといわなければならないものであって、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、請求人の著名な略称又は「フリーフレーム工法」を連想・想起し、該商品が請求人若しくは請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認められる。
3 結論
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、本件商標の登録は、同法第46条第1項の規定により無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-12-08 
結審通知日 2003-12-11 
審決日 2003-12-26 
出願番号 商願昭63-132441 
審決分類 T 1 11・ 23- Z (107)
T 1 11・ 25- Z (107)
T 1 11・ 271- Z (107)
最終処分 成立 
特許庁審判長 滝沢 智夫
特許庁審判官 小林 薫
岩崎 良子
登録日 1998-11-06 
登録番号 商標登録第4207920号(T4207920) 
商標の称呼 フリエフレイム、フリーフレイム、フリエフラメ、フリー、フリエ、フレイム、フラメ 
代理人 海津 保三 
代理人 平山 一幸 
代理人 野田 明正 
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