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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y34 審判 全部申立て 登録を維持 Y34 審判 全部申立て 登録を維持 Y34 審判 全部申立て 登録を維持 Y34 |
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管理番号 | 1091969 |
異議申立番号 | 異議2003-90296 |
総通号数 | 51 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2004-03-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-05-30 |
確定日 | 2004-02-02 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4648774号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4648774号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4648774号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成14年5月31日に登録出願、第34類「たばこ,喫煙用具(貴金属製のものを除く。),マッチ」を指定商品として、平成15年2月28日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第2145860号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ZINO」の欧文字を横書きしてなり、昭和61年5月12日に登録出願、第27類「たばこ、喫煙用具、マツチ」を指定商品として、平成1年6月23日に設定登録されたものである。同じく、登録第2707012号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成3年4月5日に登録出願、第27類「たばこ、喫煙用具、マッチ」を指定商品として、平成7年5月31日に設定登録されたものである。同じく、国際登録第419399号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ZINO」の欧文字を横書きしてなり、2002(平成14)年4月17日を事後指定の日とし、第34類「Tobacco, unprocessed or manufactured;smokers' requisites; matches.」を指定商品として、平成14年11月15日に設定登録されたものである。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用各商標とは、称呼、外観において、類似の商標であり、指定商品も同一のものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人に係る「ZINO」及び「ZINO DAVIDOFF」は、商品「たばこ、喫煙用具」等に使用され、周知・著名な商標であるから、本件商標は、申立人の取り扱う商品「たばこ」等について使用する場合、その出所について混同を生ずるおそれがある。 (3)商標法第4条第1項第19号について 本件商標は、周知・著名な商標である「ZINO」及び「ZINO DAVIDOFF」の出所表示機能を希釈化させ、若しくはこれらの商標ひいては創業者であるジノ・ダビドフ氏の名声等を毀損させる目的をもって出願したもの又は周知・著名な商標について取引上の信義則に反する不正の目的で出願されたものと考えざるを得ないから、本件商標は、不正の目的をもって使用するものである。 (4)よって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「INO」、「イノ」の文字に相応し、「イノ」の称呼を生ずるものである。 他方、引用商標1及び引用商標3は「ZINO」の文字に相応し、「ジノ」の称呼を生ずるものである。引用商標2は、「Zino」と「Davidoff」の文字よりなるところ、その構成は、一体不可分にまとまりよく、書されているものであって、これを、殊更、分離観察してみなければならない特段の理由は見当たらないから、全体の構成文字に相応し、「ジノダビドフ」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。 そこで、先ず、本件商標より生ずる「イノ」の称呼と引用商標1及び引用商標3より生ずる「ジノ」の称呼とを比較するに、両者は、共に2音構成よりなり、第1音において、「イ」と「ジ」の音の差異を有し、第2音において、「ノ」の音を共通にするものである。 そうして、両称呼は、僅か2音という短い音構成よりなり、その差異音「イ」と「ジ」の音も音質、音感を異にするものであるから、両者をそれぞれ一連に称呼するも、互いに聞き誤るおそれはないものというのが相当である。 次に、本件商標より生ずる「イノ」の称呼と引用商標2より生ずる「ジノダビドフ」の称呼とを比較するに、両称呼は、その音数、音構成において、明らかな差異を有するものであるから、互いに聴別し得るものである。 また、本件商標を構成する「INO」と引用各商標を構成する「ZINO」の欧文字を比較すると、その構成は、第1字目に「Z」の文字の有無の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、両文字の綴りを区別することは極めて容易であって、別異の字形として認識、理解されるものであり、外観上区別し得るものである。さらに、本件商標は、特定の意味を有しない造語よりなるものであるから、観念において比較することはできない。 してみれば、本件商標と引用各商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても非類似の商標というべきである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人の提出に係る甲第6号証ないし甲第16号証によれば、申立人の使用する商標「ZINO(ジノ)」及び「ZINO DAVIDOFF(ジノ・ダビドフ)」は、我が国において、本件商標の登録出願前から、商品「葉巻たばこ」に使用され、仮に、周知著名であったとしても、前記したとおり、本件商標とは、非類似の商標であり、別異の商標と認識、理解されるものであって、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人の引用各商標又は使用商標を連想、想起させるものとはいえないから、本件商標は申立人又は申立人と経済的、組織的な関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできない。 (3)商標法第4条第1項第19号について 前記で判断したとおり、本件商標は、申立人の引用各商標又は使用商標と出所の混同を生じない別異の商標と認識、理解されるものであるから、本件商標をその指定商品に使用するとしても、申立人の引用各商標又は使用商標の出所表示機能を希釈化させ、申立人の創業者であるジノ・ダビドフ氏の名声等を毀損させる目的又は取引上の信義則に反する不正の目的で出願され、不正の目的をもって使用するものということはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 (2)引用商標2 |
異議決定日 | 2004-01-14 |
出願番号 | 商願2002-45046(T2002-45046) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(Y34)
T 1 651・ 261- Y (Y34) T 1 651・ 262- Y (Y34) T 1 651・ 222- Y (Y34) |
最終処分 | 維持 |
特許庁審判長 |
小池 隆 |
特許庁審判官 |
鈴木 新五 柴田 昭夫 |
登録日 | 2003-02-28 |
登録番号 | 商標登録第4648774号(T4648774) |
権利者 | 日本たばこ産業株式会社 |
商標の称呼 | イノ、アイエヌオオ |
代理人 | 溝部 孝彦 |
代理人 | 古谷 聡 |