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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Z09
管理番号 1090484 
異議申立番号 異議2002-90226 
総通号数 50 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2004-02-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-04-12 
確定日 2003-11-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第4534448号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4534448号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4534448号商標(以下「本件商標」という。)は、「OmegaLand」の文字を標準文字として、平成12年12月11日登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知機,ガス漏れ警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,消防艇,スプリンクラー消火装置,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接機,家庭用テレビゲームおもちゃ,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,メトロノーム」を指定商品として、平成14年1月11に設定登録されたものである。

2 取消理由
(1)登録異議申立人、オメガ エス アー(以下「申立人」という。)の提出した甲各号証及び申立人の主張を総合すれば、申立人は、1848年の創業に係り、1894年以降、時計について「OMEGA」(以下「引用商標」という。)をはじめ「オメガ」、「Ω」の商標を使用し、第二次世界大戦前から、オリンピック、その他の世界のスポーツ競技大会における各種データの計時、計測、記録及びこれらの表示に係る多様な機器についても、これらを商標として使用してきたものであることを認めることができる。そして、「OMEGA」がオメガ社の時計の商標であることは、角川外来語辞典(甲第5号証)、図解外来語辞典(甲第6号証)、コンサイス外来語辞典(甲第7号証)等の各種の外来語辞典にも掲載されており、このことは、引用商標が我が国を含め世界的に著名な商標であることを示しているということができる。
そうとすれば、引用商標は、申立人の業務に係る「時計」等の商標として、本件商標の出願時においては既に、我が国における取引者、需要者の間において広く知られていたものと認めることができる。
(2)しかして、本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、「O」と「L」の文字が大文字で表されていることから、その構成上、「Omega」と「Land」の語を結合したものと容易に把握し得るものであり、しかも、両語の結び付きにも自然な意味合いを認識することはできないものであるから、本件商標は、全体として不可分一体の商標とみることはできず、「Omega」とLand」の語とに分離して認識し得るものである。
そして、本件商標の指定商品は、申立人の業務に係る商品である「時計をはじめとする各種データの計時、計測、記録及びこれらの表示に係る機器類」と関係の深い商品を数多く含むものである。
(3)してみれば、本件商標は、その構成中に、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える「Omega」の文字を含むものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、前半部の「Omega」の文字より、申立人の著名商標「OMEGA」「オメガ」を連想、想起し、該商品が申立人又は申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。

3 商標権者の意見
商標権者は、取消理由に対し、意見を要旨次のように述べている。
(1)引用商標は、申立人の業務に係る「時計」等の商標として、本件商標の出願時においては既に、我が国における取引者、需要者の間において広く知られていたものと認めることができる、との理由に関しては、確かに時計に関しては、「OMEGA」を含んでいるので、申立人の危倶を理解できないわけでもない。しかし、「OMEGA」と「OmegaLand」とは別違な商標であると認識している。
(2)さらに、本件商標の構成については、商標権者の意図とは相違して、本件商標を一体の結合商標とは認定しないで、「Omega」と「Land」に分割審理し、「Omega」と「Land」の語に分離して認識し得るものであると認定したものである。しかし、一体不可分の結合商標を恣意的に分割審査したことに関しては、称呼、発音が、わずか6文字の、しかも呼称がスムーズな商標「オメガランド」を、「オメガ」と「ランド」に分離審査し、この分離をすることにより恣意的に類似状況を作り出し、取引の実態とは相違した事象において類似の判断したことに関しては、同意できかねる認定である。
商標の使用においては、そのブランドを保護しつつ使用するのが一般的であって、その文字態様も大切であり、その意味でも本件商標は、「OmegaLand」であって、一体不可分の文字態様で使用されるものである。
(3)なお、商標権者の意向を無視し、商標権者が承服していない状況下において、「本件商標は、その構成中に、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるOmegaの文字を含むものであるから、…その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。」との認定に対しては、本件商標は、あくまで「OmegaLand」であって、「OMEGA」とは相違する商標である。
(4)過去の登録商標の中で、「OMEGA〇〇〇」を構成要件とする商標及び商標の一部に「OMEGA」「オメガ」または「Ω」を含む商標が有効に存在している現実がある。特に登録第3193777号商標「オメガロック」は、申立人の所有する商標と同一区分に共存している。
また、商標判断の際に無視されたLand部分については、「〇〇〇Land」と、Landを含む多くの商標が特許庁のIPDLで調査するかぎりでは存在している。したがって、本件商標のみが不平等な取扱いを受ける理由はない。

4 当審の判断
(1)申立人の主張によれば、申立人は、1848年の創業に係り、1894年以降、時計について「OMEGA」、「オメガ」、「Ω」の商標(以下まとめて「引用商標」という。)を使用し、また、第二次世界大戦前から、オリンピック、その他の世界のスポーツ競技大会における各種データの計時、計測、記録及びこれらの表示に係る多様な機器についても、引用商標を使用してきたものと推認し得るものである。
さらに、申立人の提出に係る角川外来語辞典(甲第5号証)、図解外来語辞典(甲第6号証)、コンサイス外来語辞典(甲第7号証)及び英和商品名辞典(甲第8号証)によれば、「OMEGA」、「オメガ」はスイスの時計メーカー、また、その時計の商品名であって、スイス第2位の時計メーカーであると記載されている。
してみると、前記の実情よりすれば、引用商標は、申立人の業務に係る「時計」について、本件商標の登録出願時及び登録査定時において既に、我が国における取引者、需要者の間において広く知られていたものと認められるものである。
(2)そこで、本件商標をみるに、本件商標は、前記したとおりの構成よりなるところ、「O」と「L」の文字が大文字で表されていることから、その構成上、「Omega」(ギリシャ語アルファベットΩ)と「Land」(陸、陸地)の語を結合したものと容易に把握し得るものであり、しかも、全体として特定の意味を有する成語(熟語)として存在しないものである。そして、本件商標は、その構成中に申立人が商品「時計」について使用し、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国における取引者、需要者の間において広く知られている「Omega」の文字を有しているものである。
さらに、本件商標の指定商品は、申立人の業務に係る商品である「時計をはじめとする各種データの計時、計測、記録及びこれらの表示に係る機器類」と関係の深い商品を数多く含むものである。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品について使用した場合は、これに接する取引者、需要者は、本件商標の構成中の前半部の「Omega」の文字部分に強く印象付けられるというのが相当である。
なお、商標権者は、意見書において、「OMEGA」と「OmegaLand」とは別違な商標であり、本件商標の構成については、商標権者の意図とは相違して、本件商標を一体の結合商標とは認定しないで、「Omega」と「Land」に分割審理し、「Omega」と「Land」の語に分離して認識し得るものであるとして、一体不可分の結合商標を、恣意的に分割審理したものである。また、呼称がスムーズな商標「オメガランド」を、「オメガ」と「ランド」に分離審査し、この分離をすることにより恣意的に類似状況を作り出し、取引の実態とは相違した事象において類似の判断をしたことには、同意できかねる認定である旨述べている。
しかしながら、本件前記の認定は、本件商標と引用商標とが類似する商標であるか否かを認定しているわけではなく、本件商標中に「Omega」の文字を含むものと看取、理解されるか否かを判断しているものであって、恣意的に分離観察し、商取引の実際を無視しているわけではなく、むしろ、商取引の実際を考慮して、認定、判断しているものである。
(3)してみれば、本件商標は、商標権者の本件商標を採択した意図及び同人の本件商標についての認識とは関係なく、取引者、需要者にその構成中に「Omega」の文字を含むものと看取、理解されるものであるから、これをその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、前半部の「Omega」の文字より、申立人の著名商標「OMEGA」「オメガ」を連想、想起し、該商品が申立人又は申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。
なお、商標権者は、意見書において、本件商標は、あくまで「OmegaLand」であって、「OMEGA」とは相違する商標である。過去の登録商標の中で、「OMEGA〇〇〇」を構成要件とする商標及び商標の一部に「OMEGA」「オメガ」または「Ω」を含む商標が有効に存在している現実がある。特に登録第3193777号商標「オメガロック」は、申立人の所有する商標と同一区分に共存している。また、商標判断の際に無視されたLand部分については、「〇〇〇Land」と、Landを含む多くの商標が特許庁のIPDLで調査するかぎりでは存在している旨述べている。
しかしながら、「オメガロック」の登録例は、本件とは、その判断時、構成等を異にするものであって、必ずしもこの一件の登録例によって、本件の判断が左右されるものではない。また、本件商標の判断の際にLandの文字部分については無視したわけではなく、これを論ずることが本件商標の判断に影響を及ぼさないものと認定したものであるから、この点に関する商標権者の主張は採用することができない。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2003-10-02 
出願番号 商願2000-132686(T2000-132686) 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (Z09)
最終処分 取消  
前審関与審査官 小林 由美子 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 高野 義三
茂木 静代
登録日 2002-01-11 
登録番号 商標登録第4534448号(T4534448) 
権利者 株式会社オメガシミュレーション 横河電機株式会社
商標の称呼 オメガランド 
代理人 山川 政樹 
代理人 黒川 弘朗 
代理人 西山 修 
代理人 山川 茂樹 
代理人 紺野 正幸 

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