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審決分類 審判 査定不服 商4条1項10号一般周知商標 登録しない(当審拒絶理由) Z30
審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない(当審拒絶理由) Z30
管理番号 1090300 
審判番号 不服2000-8604 
総通号数 50 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-06-09 
確定日 2003-12-02 
事件の表示 平成11年商標登録願第 3074号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本件商標登録出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、ややデザイン化した「Bo-Lo’GNE」の態様からなる標章を上段に、「ボローニャ」の片仮名文字を下段に、それぞれ横書きしてなり、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として、平成11年1月14日に登録出願されたものである。

第2 当審において通知した拒絶の理由
当審は、平成15年6月4日付で、新たに下記の内容の拒絶理由を通知した。


1 職権による調査
本願商標に関連して、当合議体が職権により調査したところ、下記のことが認められる。
なお、本件審判請求人は、別件、登録第4235499号商標(以下、「別件登録商標」という)に対する無効審判事件(以下、「件外無効審判事件」という)との関係で、別件登録商標が平成14年5月20日に移転の設定登録(件外「大同建設株式会社」への権利移転)がされるまで、別件登録商標の商標権者すなわち件外無効審判事件の被請求人として該審判事件の手続に関与してきたところである。したがって、本件審判請求人は、件外無効審判事件との関係で、以下に提示する内容について開示されているところである。
(ア)件外無効審判の請求人である「京栄食品株式会社」(以下、「件外無効審判請求人」という)は、ボロニヤパン事業部として昭和54年8月から食パンの生産を始め、京都市内において営業していたこと。
(イ)件外無効審判請求人は、平成10年8月末時点において、北海道、東京都、愛知県、京都府、大阪府、徳島県、広島県、山口県、福岡県、鹿児島県等日本各県に営業所及びフランチャイズ店を有してたこと。
(ウ)件外無効審判請求人の取り扱いに係る食パン(「デニッシュ食パン」と称されている)は、平成元年に開発され、これに「BOLONIYA」及び「ボロニヤ」の商標(以下、「引用商標」という)が使用されていたこと。
(エ)引用商標は、件外無効審判請求人の取り扱いに係る食パンに使用されるものとして、平成8年5月頃までには、京都市内において需要者の間に広く認識されていたこと。
(オ)件外無効審判において証拠方法として提出された雑誌及び書籍(平成7年秋から平成10年にかけて発行されたもの)によれば、件外無効審判請求人が製造販売する食パンが紹介され、また、「BOLONIYA」あるいは「ボロニヤ」の標章の記載が認められること。
2 職権による調査に基づく当審の判断
(ア)上記によれば、引用商標は、平成元年に件外無効審判請求人により開発され、製造・販売されている食パンを表示するものとして、本願商標の登録出願時において取引者・需要者間に広く認識され周知・著名となっていたということができる。
(イ)商標法4条1項10号について
本願商標は、ややデザイン化された「BO-LO’GNE」の文字を上段に、「ボローニャ」の文字を下段にそれぞれ横書きしてなることから、ここから「ボローニャ」の称呼が生ずるものである。
他方、引用商標からは、「ボロニヤ」の称呼を生じるものである。
そうとすれば、本願商標と引用商標とは称呼において類似する商標であって、本願商標の指定商品中「菓子及びパン」は、引用商標が使用されている商品「食パン」と同一又は類似する商品である。
してみれば、本願商標は、件外無効審判請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標に類似する商標であって、かつ、その商品又はこれに類似する商品について使用するものといわなければならないから、その指定商品中「菓子及びパン」については、商標法4条1項10号に該当する。
(ウ)商標法4条1項15号について
(A)本願商標の「菓子及びパン」以外の指定商品について
本願商標の指定商品中「菓子及びパン」以外の「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」と、引用商標が使用される食パンとは、食品という関係において極めて密接な関連性を有しているものであって、かつ、商品の取引者・需要者の相当部分が共通する商品といえるものである。
(B)出所の混同について
引用商標は、食パンを表示するものとして使用され、本願商標の登録出願前より、取引者・需要者の間に広く認識されていたものであることからすれば、本願商標をその指定商品中「菓子及びパン」以外の指定商品について使用した場合は、これに接する取引者・需要者は、引用商標を連想・想起することで、これが件外無効審判請求人あるいはその者と組織的、経済的に何らかの関係がある者の取り扱いに係る商品であるかのごとく認識する蓋然性が極めて高いというべきである。
(C)してみれば、本願商標は、これをその指定商品中「菓子及びパン」以外の指定商品について使用するときは、引用商標を使用した商品との間に、出所の混同を生ずるおそれがあるものといわなければならないから、商標法4条1項15号に該当する。

第3 当審の判断
上記「第2」の拒絶理由について、請求人に相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人からは何らの意見、応答もない。
上記「第2」の拒絶理由は妥当なものと判断されるので、本願は、この拒絶の理由によって拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-09-18 
結審通知日 2003-09-26 
審決日 2003-10-10 
出願番号 商願平11-3074 
審決分類 T 1 8・ 25- WZ (Z30)
T 1 8・ 271- WZ (Z30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 高山 勝治 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 高橋 厚子
宮川 久成
商標の称呼 ボローニャ、ボローネ 
代理人 梶原 克彦 

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