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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 登録しない Z07 |
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管理番号 | 1086749 |
審判番号 | 不服2000-3391 |
総通号数 | 48 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-12-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-03-09 |
確定日 | 2003-10-21 |
事件の表示 | 平成 9年商標登録願第126876号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「CR-H」の文字を標準文字により書してなり、第7類「スタンピングプレス」を指定商品とし、平成9年6月11日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、商品の品番・形式、あるいは規格等を表示するための記号・符合として、一般に使用されている欧文字の「CR」に、ハイフォンで「H」を一連に書してなるものと認められる。そうだとするならば、本願商標は全体として、極めて簡単でありふれた標章のみからなる商標と言わざるを得ず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断する。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、その構成前記のとおり、「CR-H」と書してなるところ、これは全体として一定の意味合いを表す語ないし表示として、一般に親しまれているものとは認められないものであるから、かかる構成にあっては、ローマ文字の2字「CR」とローマ文字「H」の各文字をハイフンをもって結合してなるものとして看取されるとみるのが相当である。 ところで、産業機械関連の業界をはじめ各種分野に携わる事業者は、それぞれに自己の製造、販売に係る各種製品について、その製品管理又は取引上の便利性から、ローマ文字2文字及びこれにアラビア数字やローマ文字をハイフンで結合した標章等を当該商品の規格、品番等を表すための記号又は符号として商取引上類型的に採択・使用している実情がある。そして、これは本願指定商品を取り扱う業界においても例外ではない。 例えば、「機械技術11 臨時増刊号 1989 vol.37 No.14 ’89年版 最新工作機械・工具総覧」(発行者 日刊工業新聞社)の記載によれば、工作機械に用いられる型式として「CNCロール旋盤『LR-8N型』(株)唐津鐵工所」(第20頁)、「NC自動旋盤『LN-20G形』富士機械製造(株)」(第33頁)、「TiNコーティングドリル『G-SD、G-TD』(株)神戸製鋼所」(第138頁)、「カトウタッパー『SA-V形、SA-R形』カトウ工機(株)」(第169頁)、「マグネチッククーラントセパレータ『MS-D形』鐘通工業(株)」(第190頁)、「機械技術 1996年11月臨時増刊号 第18回日本国際工作機械見本市ガイドブック」(日刊工業新聞社)の記載によれば、工作機械に用いられる型式として「超高速スピンドル『TC-X』ブラザー工業株式会社」(資料請求番号97)、等のように、また、インターネットのホームページ情報をみると、フライス盤の型式として、「SV-F」、「MS-V」(http://www.machinetoolist.com/mrkw/mfurai.htm)の如く、ローマ文字の2文字にアラビア数字やローマ文字の1文字ないし2文字をハイフンを介して組み合わせるなどして、商品の種別、規格又は品番を表すための記号・符号表示として、取引上普通に用いられている状況が認められる。 してみれば、本願商標は、その構成前記のとおり、ローマ文字の2字(CR)にローマ文字の1字(H)をハイフンで連結させたものであって、その態様等に格別特異な点も見出せないものであり、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、商品の型式・品番又は規格を表示するための記号・符号として普通に用いられる標章の一類型と理解するに止まり、当該商品の出所を示す識別標識としては認識しないといわざるを得ないから、結局、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標といわなければならない。 なお、請求人(出願人)は、事例を挙げて本願商標は登録されるべきである旨述べているが、いずれも本願商標とは商標の具体的構成が相違し、事案を異にするものであって、これを本件に採用することは適切でなく、また、本件については、前記認定のとおり判断するのを相当とするものであるから、その主張は採用することができない。 したがって、本願商標を商標法第3条第1項第5号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すべき限りではない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2003-05-01 |
結審通知日 | 2003-05-12 |
審決日 | 2003-06-11 |
出願番号 | 商願平9-126876 |
審決分類 |
T
1
8・
15-
Z
(Z07)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 福島 昇 |
特許庁審判長 |
小林 薫 |
特許庁審判官 |
岩崎 良子 大橋 信彦 |
商標の称呼 | シイアアルエイチ、シイアアルエッチ |
代理人 | 福森 久夫 |