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審決分類 審判 全部無効 商4条1項7号 公序、良俗 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 003
管理番号 1078495 
審判番号 審判1998-35627 
総通号数 43 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-07-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 1998-12-11 
確定日 2003-06-05 
事件の表示 上記当事者間の登録第3370476号商標の商標登録無効審判事件についてされた平成13年6月27日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成13(行ケ)年第443号平成14年7月31日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 登録第3370476号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第3370476号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲に表示したとおりの構成よりなり、第3類「せつけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、平成6年12月1日に登録出願、同10年10月16日に設定登録されたものである。

2 引用商標
請求人の引用する登録第2583183号商標(以下、「引用商標」という。)は、後掲に表示したとおりの構成よりなり、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、平成3年3月19日に登録出願、同5年9月30日に設定登録されたものである。

3 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第18号証(上申書に添付された甲第11号証ないし甲第18号証を含む。)を提出した。
本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、及び同第15号に該当し、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
(1) 商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、片仮名文字「ダリ」と欧文字「DARI」を上下二段に配してなるから、その構成に照らし「ダリ」の称呼が生ずる。
「ダリ」は、我が国を始め世界的に著名なスペイン生まれのシュールレアリスム、超現実派画家のサルバドール・ダリの著名な略称であり、本件商標は、片仮名文字「ダリ」を要部とするものである。
サルバドール・ダリと無関係な者が、「ダリ」を含む商標を自己の商標として採択、使用することは、サルバドール・ダリないしその遺族の名誉を毀損するものである(甲第2号証、甲第3号証)。
(2) 商標法第4条第1項第11号について
引用商標より「サルバドールダリ」の称呼及び画家「サルバドール・ダリ」の観念が生ずることは明白であり、「ダリ」は「サルバドール・ダリ」の姓(略称)として著名であるから、引用商標において「Dali」は要部であり、「ダリ」の称呼を生ずる。
他方、本件商標からは「ダリ」の称呼を生ずるから、本件商標と引用商標とは称呼において類似する。また、引用商標及び本件商標は、画家「サルバドール・ダリ」の観念を生じるから、観念においても類似する。よって、本件商標は引用商標に類似し、指定商品においても類似する。
(3) 商標法第4条第1項第15号について
請求人は、日本において、カネボウ社に対して、引用商標である筆記体の欧文字「Salvador Dali」を付した香水の輸入販売を許諾しており、引用商標を付した香水は、1994年より我が国においてカネボウ社により輸入販売れている(甲第7号証)。毎年、カネボウ社において、カネボウ社の卸値で10億円を超える大きな売上を記録している。そして、ダリの香水は、本件商標の登録出願日である平成6年12月1日より前に輸入販売が開始されており、販売に先立ってカネボウ社がダリの香水の広告宣伝をし、本件商標の登録出願時には既に周知であった(甲第8号証ないし甲第10号証)。よって、本件商標をその指定商品に使用するときは、本件商標を付した商品が請求人又はライセンシーその他請求人と何らかの経済的な関係にある者により製造販売されたものであるとの誤認を取引者、需要者に生じさせるおそれのあるものである。

4 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
(1) 商標法第4条第1項第7号について
被請求人は、「Salvador Dali」が有名な画家であることを否定するものではない。しかし、有名なのは画家としてであって、本件指定商品との関係で、何ら関係するところは存在しない。また、本件商標の英文字部分は「DARI」であって、氏の部分「Dali」とはスペルを相違し略称でもない。すなわち、本件商標「ダリ/DARI」は造語であって、本件商標に接した需要者が、画家「Salvador Dali」と何らかの関係があると関連付けて認識することはあり得ない。
(2) 商標法第4条第1項第11号について,
本件商標は「ダリ」、「DARI」の文字を上下に配してなり、これから「ダリ」の称呼を生じる。これに対して、引用商標は、極めて崩した英文字とおぼしき文字を分離不能に纏まりよく表した、署名風の態様から構成している。仮に、需要者が引用商標を「Salvador Dali」の英文字と認識したとしても、各構成文字が同じタッチで外観上纏まり良く表わされており、この構成から「Salvador Dali」と全体を一体的に認識する。外観上纏まりのある引用商標であるにもかかわらず、需要者が「Salvador」部分と「Dali」部分とに分離した上で、「Dali」のみを抽出して認識することはありえない。このため、引用商標から生じる称呼は「サルバドールダリ」を唯一のものとする。
また、観念においても、画家の氏名「Salvador Dali」と、何ら観念を生じない造語からなる本件商標とは比較することもできず、さらに外観においても相紛れるおそれはない。
したがって、本件商標は、引用商標と称呼、外観、観念のいずれにおいても類似するところのない非類似商標である。
(3) 商標法第4条第1項第15号について
被請求人は、引用商標が周知商標であることを認めるものではないが、仮に引用商標が出願以降に周知であるとしても、本号の適用がないことは明白である。

5 当審の判断
本件審判事件についてされた平成13年6月27日付け審決に対し、東京高等裁判所においてなされた審決を取り消す旨の判決(平成13年(行ケ)第443号)は、平成15年2月18日付けの最高裁判所による上告棄却及び上告審として受理しない旨の決定(平成14年(行ツ)第268号、同(行ヒ)第317号)により確定しているものである。
そして、上記判決によれば、本件商標は、その構成に照らし、指定商品の取引者、需要者に故サルバドール・ダリを想起させるものと認められるところ、同人は、生前、スペイン生れの超現実派(シュールレアリスム)の第一人者の画家として世界的に著名な存在であり、その死後、本件商標の登録査定時である平成10年7月23日当時においても、「ダリ」はその著名な略称であったのであるから、遺族等の承諾を得ることなく本件商標を指定商品について登録することは、世界的に著名な死者の著名な略称の名声に便乗し、指定商品についての使用の独占をもたらすことになり、故人の名声、名誉を傷つけるおそれがあるばかりでなく、公正な取引秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものとして、公の秩序又は善良の風俗を害するものといわざるを得ないと判断されている。
然るに、審決を取り消す判決が、その事件について当事者たる行政庁である特許庁を拘束することは、行政事件訴訟法第33条第1項の規定から明らかである。
そうすると、本件商標は、商標法第4条第1項第7号の規定に違反して登録されたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第46条第1項の規定により、無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 < 後 掲 >
本件商標




引用商標


審理終結日 2001-05-21 
結審通知日 2001-06-01 
審決日 2001-06-27 
出願番号 商願平6-122197 
審決分類 T 1 11・ 22- Z (003)
最終処分 成立 
前審関与審査官 小野寺 強 
特許庁審判長 大橋 良三
特許庁審判官 小川 有三
高野 義三
登録日 1998-10-16 
登録番号 商標登録第3370476号(T3370476) 
商標の称呼 ダリ 
代理人 佐藤 雅巳 
代理人 金久保 勉 
代理人 古木 睦美 
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