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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z30 |
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管理番号 | 1078301 |
審判番号 | 不服2000-934 |
総通号数 | 43 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-07-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-01-24 |
確定日 | 2003-05-06 |
事件の表示 | 平成10年商標登録願第100477号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「プロ仕様」の文字を標準文字で書してなり、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,穀物の加工品,サンドイッチ・すし・ピザ・べんとう・ミートパイ・ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,米,食用粉類」を指定商品として、平成10年11月24日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、食品業界では業務用の商品としてプロ仕様と称される商品が存在するところ、前記意味合いの商品であることを認識させるにすぎない『プロ仕様』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願の指定商品に使用するときは、単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、これは、一般に「専門家用に設計された商品、専門家のために作られた商品」という程の意味合いを有するものとして、「カメラ、調理器具、化粧品、スポーツ用品」をはじめ多種多様な商品に普通に使用されているものであるところ、食品に関しても「プロ仕様」の文字は、新聞記事において、例えば、「そうなると、プロ仕様の業務用食品を市販用に開発し、量販店の惣菜売場を基軸とした家庭市場への販路拡大につなげることができると考えている。」(中部業務用冷食特集:問屋・ユーザーに聞く 2001.02.28 日本食糧新聞)、「核家族化の進む中、『手軽に本格的な味を楽しみたい』とする生活者の期待にこたえるべく、家庭内で出しにくいスパイシーなプロ仕様のソースで、大人向け辛口。」(二幸、プロ仕様のソース「インドケララ地方風のカレーソース」2品発売 1998.06.19 日本食糧新聞)、「会場では、業務用商品としてプロ仕様で作られたヤグチ開発商品(YGCオリジナル商品)の紹介」(ヤグチ、マルヤ会が素材に学ぶ料理の彩りテーマに秋季見本市開催 1996.11.20 日本食糧新聞)、「高級業務用『一流ホテルビーフカレー』商品など四種類や居酒屋向け・プロ仕様「牛もつ煮込み」などこだわり商品も差し込んでいる。」(一藤水産「黒潮市場下高井戸店」、生鮮カテゴリーキラーを導入 1996.03.22 日本食糧新聞)、「オランダ中央青果競売市場協会の長嶋孝彦さんは『栽培や包装での害虫対策にコストがかかり、加工済み野菜よりはるかに輸入は難しい』とする半面、プロ仕様の食材に対する消費者のニーズは高く・・・」(日本をねらう、′96国際食品・飲料展から1、野菜 1996.03.19 日本農業新聞 4面)等のように記載されている。 また、インターネットのホームページにおいて、該文字は、例えば、「コーヒーとプロ仕様の業務用食材をご家庭に・・・業務店価格で皆様にお届け致します。」(http://www.galstown.ne.jp/mayor/gourmet/nineteen/index_gourmet_mall11.html)、「業務用(プロ仕様)で培われた味を皆様へ」「【プロ仕様】料理人御用達の麺をお届け!」(http://www.rakuten.co.jp/akane/447676/)、「プロ仕様の長冷むぎで、季節のご挨拶」(http://www.yoshizawa-mokei.com/sub03.htm)、「これは、プロ仕様の中華麺を、その味をキープしたままアマチュア仕様に変更するノウハウが無かったことによるものと推測される。」(http://e-awa.com/hp/akaike/)、「マーガリンやショートニングなど、プロ仕様の加工油脂をお届けしています。」(http://www.nisshin-seiyu.co.jp/jigyobu/index.shtml)、「業務用食品問屋さんに卸していたプロ仕様の食品をご提供いたします。」(http://bb.bidders.co.jp/maruhiro/)等の如く宣伝、広告の文言として普通に使用している例が少なくないことから、本願商標をその指定商品に使用した場合、上記実情からして、これに接する取引者、需要者は、その商品が「業務用の商品、プロ(専門家)用、プロ(専門家)と同じ方法で作った商品」等であると認識し、商品の品質、用途を表示したものと理解するにとどまるものであるから、本願商標は、結局、商品の品質、用途を表示したものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当であり、独占適応性に欠けるものといわざるを得ない。 なお、請求人は、本願の指定商品について、商標「プロ仕様」を使用したのは請求人がはじめてであり、「図1」ないし「図23」の商標使用状況報告書を提出し、昭和62年6月から現在に至るまで、商標「プロ仕様」を使用した指定商品を継続的に販売した結果、現況では需要者に広く知られるようになっている。そして、商標「プロ仕様」を使用している商品名は、200品目以上であり、他店との差別化を計って販売してきた。さらに、「図24」ないし「図161」は、その使用形態を示すものであり、業務用とも家庭用とも区別した特別な商品として販売し、現在では独自のブランドとして育ち、需要者に認識されている旨主張しているが、請求人の提出した証拠によっては、請求人の主張を認めるに足る商標が使用による識別力を有するに至った事実、同業組合又は同業者等による客観的な証明等もないから、本願商標それ自体が使用による識別性を有するに至っているものと認定することはできず、請求人の主張は、採用することができない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は、妥当であって、これを取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-05-16 |
結審通知日 | 2002-05-24 |
審決日 | 2002-06-04 |
出願番号 | 商願平10-100477 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(Z30)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 岩本 和雄 |
特許庁審判長 |
三浦 芳夫 |
特許庁審判官 |
井出 英一郎 柳原 雪身 |
商標の称呼 | プロシヨー |
代理人 | 柏原 健次 |