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審決分類 審判 全部無効 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 無効としない 036
審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない 036
審判 全部無効 商標の周知 無効としない 036
管理番号 1078261 
審判番号 無効2001-35558 
総通号数 43 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-07-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2001-12-25 
確定日 2003-05-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第3239794号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第3239794号商標(以下「本件商標」という。)は、「シティカード」の片仮名文字を横書きしてなり、使用に基づく特例の適用を主張して、平成4年8月31日に登録出願され、第36類「資金の貸付け」を指定役務とし、特例商標として、平成8年12月25日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張の要点
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第6号証(枝番を含む。)を提出している。
1 理由
(1)請求人は、シティグループ企業(甲第1号証の1)の金融部門を代表するシティバンクの持株会社であるところ、シティバンクは、1812年に米国で設立され(甲第1号証の2)、1902年には日本に進出(甲第3号証の1)して今日に至る銀行で、外国では勿論、日本においても非常に有名な外国金融機関である(甲第2号証の1及び2、甲第3号証の1ないし5)が、例えば1988年(昭和63年)4月1日の新聞「日経金融」の見出しには、「為銀1位はシティ、米100社アンケート―ヘッドハンター会社調査」とか、1990年(平成2年)1月16日の「日経金融」では、「分析 銀行・証券人気度ランキング(4)外国系-外国銀行、シティが圧倒的強さ」の見出しの下、「在日外国銀行ではシティバンクが総合評価で圧倒的な強みを示し、二年連続で一位だった…」と報道されている(甲第3号証の2)。
(2)請求人は、1973年頃から「CITI」又は「シティ」を語幹とする商標、例えば“CITIBANK”、“CITICORP”、“CITIMONEY”、“CITIDIRECT”、“CitiShopping”、“Citicard”、“Citi Special Loan”、“Citi TraveI Desk”、“CITIPORTOFOLIOS”等々の採択、使用をはじめ、世界各国で登録をし、所有している。日本においても多数の登録を保有している(甲第4号証の1ないし11)。
(3)CITIBANKは、1970〜1980年代において、日本においても、“CITI”および“シティ”と略称され、(2)の事実と共に“シティ”といえばシティバンクを指称するものとして、新聞・雑誌により周知の事実となった。
(4)商標“Citicard”はキャッシュカード等について1973年頃から米国を皮切りに使用されはじめ、例えば登録第1024861号(1974年1月14日出願、1975年11月11日登録)、登録第1423239号(1985年12月25日出願、1986年12月30日登録)ほかや、1977年(昭和52年)頃の登録として、オーストリア、ベネルックス、ブラジル、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、英国、西ドイツ(現ドイツ)、アイルランド、イタリー、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、スイスにおいて、それぞれ国際分類第36類の金融サービスについての商標登録を得ている。これ以後漸次他の国々においても登録を増やし、世界で初めて“Citicard”は88カ国に共通に通用するキャッシュカードとして注目を集めた(甲第5号証の1及び2)。
(5)本件商標は、特例による登録とはいえ、被請求人により使用され、登録されたものであるが、前記のとおり請求人が当初1973年以後、更に世界共通のカードとしては、少なくとも1977年以後から使用している“Citicard”と同一に近い極めて類似の商標である。甲第5号証の2(今井森夫著「シティバンクvs日本の銀行 絶対トクする銀行の選び方」P60-67)に示すように、日本の女子学生やOLも利用し、珍重している事実があるので、これを実質的同一の本件商標の登録としての存在は、極めて不適切であり、商標法第4条第1項第10号に該当し、登録されるべきではなかったと考える。少なくとも、1970〜1980年代から新聞社、エコノミスト、銀行家などの間では、請求人の“Citicard”の存在は充分知られていたことは、甲各号証から充分認識できることである。
(6)更に、本件商標は、上記第(1)ないし(3)項に述べたとおりの事実から、商標法第4条第1項第15号及び同第8号にも該当する。
(7)以上の次第で、本件商標は商標法第46条第1項第1号の規定により、無効とすべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、請求人の提出した証拠が請求人の主張を裏付ける資料として採用することができない旨を述べている。その根拠は、提出証拠のいずれもが本件商標の出願日以降の事実に関するものだからであるとしている。
しかし、この主張は間違ったもので、これらは出願後に発行等された刊行物であっても、出願前からの事実を証明するものだからである。
これらの中には出願後の事実を証明するものも含まれているが、請求書の理由に対応させて、これらの資料をみればわかるように、出願前から出願後、査定時そして現在に至るまでの事実(周知・著名性)を示すものである。
また、甲第4号証の1として提出した日経新聞記事の見出しの殆どが「米シティ」と記されているとしているが、みれば分かるように、少なくともそのうちの6割は「シティ」の見出しである。
(2)本件商標が商標法第4条第1項第8号に該当しないとする被請求人の理由について
被請求人は、英字「CITI」あるいは「Citi」を語幹とする商標の使用、登録の事実を示す証拠(甲第4号証の8及び11)を個々にあげ、著名な略称「シティ」との関連が不明であると述べている。
しかし、甲第1ないし第4号証で挙げた証拠を精査し、総合的にみた場合、「シティ」が著名な「シティバンク」「シティコープ」等の略称として周知・著名である事実が明確に浮かび上がってくるはずである。
甲第4号証の他の証拠で「シティ」が著名な商品等表示の略称「CITI」のカタカナ表記として、金融サービスの需要者に広く認識されていることが証明されているわけである。指摘の甲第4号証の8や11は、この事実の証明を補強する位置付けの証拠になる。簡単にいえば、請求人の「シティ」を語幹とする商標が外国においても周知・著名であることを間接的に補強証明するものである。甲第4号証の8は、外国において請求人の「CITI」を語幹とする商標が数多く使用されていることを示すものである。当然、外国においては、「シティ」でなく、「CITI」が使用されているわけである。
また、被請求人は、「シティバンク」の米国企業や外国系銀行での評価では取るに足らないという趣旨のことを述べている。
しかし、米国中心に世界経済が動いている現状において、米国での評価が世界レベルの評価ということであり、即我が国での評価に繋がることは言を待たないところであろう。ムーディーズの格付けしかりである。
次に、新聞・雑誌記事の類は「シティバンク」「シティコープ」等を「シティ」と略記しているのは単に字数制限からに過ぎないと述べている。
しかし、これが略記の主たる理由とは思えない。見出しは、本文の内容を簡潔に示す重要なものである。見出しの「シティ」とは何の略なのかわからなければ意味がないわけである。「シティ」という略記を使うということは「シティ」とは何なのか発信元と読者との間で共通の認識が成り立っているということなのである。被請求人が後述しているように、「シティ」は普通“都市、都会”といった意味であるが、これら経済欄の「シティ」にはこの意味とは別のセカンダリーミーニングは確立しているということなのである。
新聞・雑誌記事で「シティ」と略記しているのは「シティ」が「シティバンク」「シティコープ」の略称であることが我が国の需要者にとって周知の事実であることの何よりの証明といえるものである。
以上のように、甲第1ないし第4号証で挙げた証拠を総合的に判断した場合、「シティ」が著名な「シティバンク」「シティコープ」等の略称として周知・著名であることは明らかであり、本件商標は他人の著名な略称を含む商標として、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(3)本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当しないとする被請求人の理由について
「Citicard」が本件商標の出願当時、請求人の役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたことは明らかである。
請求書で述べたように、「Citicard」は世界共通のカードとして少なくとも1977年から世界各国で使用され、請求人が有数の世界企業であるだけに、いち早く市場に提供したサービスとその商標のグローバルな周知度は加速度的な広がりを見せている。1980年代には日本のマスコミや金融業界においても広く知られるようになっている。そして、新聞記事(甲第6号証の1)をみればわかるように、1987年からは90年頃に掛けて、「シティカード」のカード・サービスの開始、UC・マスターカード・VISAとの提携、ゴールドカードの発行、都銀オンライン提携等の動きで既に一般需要者にも「Citicard」の存在は知られており、甲第5号証の2にあったように、日本の女子学生やOLにも珍重される事実があるので、「Citicard」が出願当時、我が国の一般需要者にも周知であることは明らかである。
そして、本無効理由の根拠も、「Citicard」が1991年以降から世界共通のキャッシュカードとして使用されていることだけを根拠とするものではなく、上記の事実に併せて、その他の甲各号証で挙げた証拠をも総合的にみた場合、「Citicard」が商標としても周知であることはより明確になるはずである。
このように、本件商標は他人の周知商標「Citicard」と同一に近い極めて類似の商標であるので、商標法第4条第1項第10号に該当する商標である。
(4)本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当しないとする被請求人の理由について
被請求人は、「シティ」が「市、都市、都会」を意味する語として普通に使用されているので識別力が弱く、単に商標中に「シティ」が含まれているからといって、請求人に係る役務とは直結しない。よって、本件商標が請求人の業務に係る役務と混同の生じるおそれがある商標には該当しない旨述べている。
しかし、上記(2)で述べたように、金融業界において、単に「シティ」といった場合や「シティ」を語幹とする場合は“都市、都会”とは別の意味、すなわち、「シティバンク」「シティコープ」の略称というセカンダリーミーニングが確立し、強い識別力を発揮している。「福岡シティ銀行」「東京シティ銀行」「京都シティ銀行」等も金融のグローバル化に伴い、将来混同やダイリュージョンなどの法律問題が生じないという保障はないが、「都市」の名前を冠して、「福岡市の銀行」、「東京都の銀行」、「京都市の銀行」という風な使われ方をしているのである。単に「シティ」と表示され、使用された場合は、さきに述べたとおり、日本でもすでにセカンダリーミーニングが充分認識され、請求人を指称するものとして通用しているので、「福岡シティ…」などとは全く“意味”、“重み”が違い、需要者がその違いを明確に区別できることは言を待たないところである。
そういった意味では被請求人が挙げた「シティ抵当証券」「シティ投資顧問株式会社」「シティワイドカードローン」といった「シティ」を語幹とする商標は過誤登録といえるものであるし、これで確定したものとして被請求人が拠り所とする前例にはなり得ず、混同、ダイリューションが生じた場合には、改めてTRIPS等条約上の側面から問題になると思われる。
また、被請求人がいう地域的範囲の問題については、商標権の効力範囲には地域的制限がない以上、混同の蓋然性なしとの理由にはならない。
本件商標は「シティ」と指定役務との関係で識別力が極めて乏しい語「カード」を結合させた商標であるから、「シティ」を語幹とする商標に該当する。これを第三者が使用したとすると、具体的に判断した場合に需要者が「シティ」本体あるいはいわゆる「シティ」グループの提供するサービスであると認識するおそれがあることは明らかである。このように、被請求人のここでの反論も本無効理由を否定する理由にはならない。

第3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第44号証を提出している。
1 請求人は、本件商標が、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第15号に該当し、商標法第46条第1項第1号の規定に基づき登録が無効である旨の主張をしている。
しかしながら、請求人の主張は全く理由がない。
2 まず、請求人がその主張を裏付ける資料として提出した甲第1号証の1及び2、甲第2号証の1及び2、甲第3号証の1及び3ないし5並びに甲第4号証の1ないし10は、いずれも本件商標の出願日(1992年8月31日)以降の事実に関するもので、請求人の主張を裏付ける資料としては、採用することのできないものである。
よって、これらの甲各号証を根拠とする請求人の主張は理由がない。
なお、甲第1号証の1及び2、甲第2号証の1、甲第3号証の1、4及び5、甲第4号証の3、4、5、9及び10は、いずれも請求人「シティバンク」を扱った書籍であり、甲第1号証の2、甲第3号証の1、甲第4号証の5に至っては、著者の1人が請求人の元社員である。
3 本件商標が商標法第4条第1項第8号に該当しない理由について
請求人は、「シティ」が請求人の著名な略称であることを主張しているが、甲第4号証の8は、「CITI(ロゴ)」に関する資料である。
また、甲第4号証の11は、「CITI」又は「Citi」を冠した商標を、請求人が様々な商品・役務を指定して登録を受けていることが理解できるものの、請求人の主張する著名な略称「シティ」との関連が不明である。
なお、「為銀1位」というアンケートは、ヘッドハンター会社が行っており、米国企業100社の中から選ばれている。金融専門誌の資料からは、金融専門家及び大企業の間で、日本の金融機関を対象外とした場合に、外国系の銀行では「シティバンク」の評価が高いことを示しているに過ぎない。
新聞・雑誌記事の類は字数の制限があって、請求人「シティコープ」「シティバンク」を「シティ」「米シティ」と略記しているに過ぎない。これをもって、「シティ」が請求人の略称として著名である証とすることはできない。
そして、この他に請求人の主張を裏付ける証拠はない。
よって、「シティ」が請求人の著名な略称とはいい得ないから、本件商標が請求人の著名な略称を含む商標ということはできないものであり、本件商標は何ら商標法第4条第1項第8号に該当するものではない。
4 本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当しない理由について
請求人は、「Citicard」を1991年以降から世界共通のキャッシュカードとして使用していることを根拠として、本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当する旨を主張している。
しかし、本件商標の出願当時、請求人の役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていた事実は不明であり、確認できない。
たとえ、1970年代〜1980年代に新聞社、エコノミスト、銀行家の間で「Citicard」の存在が知られていたとしても、その事実をもって、本件商標の指定役務「資金の貸付け」の需要者の間で、請求人の「Citicard」の存在が知られていたとはいえない。
そして、この他に、本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当する事実を裏付ける証拠はない。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものとはいえない。
5 本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当しない理由について
請求人は、「シティ」の語を含んだ商標が、請求人の業務に係る役務と混同すると主張するが、「シティ」は、「市、都市、都会」を意味する平易な英単語の表音であり、我が国においては、請求人の名称よりは、普通日常的に「市」「都市」「都会」を意味するものとして様々に使用されている。
また、「福岡シティ銀行」「東京シティ信用金庫」「京都シティ信用金庫」「徳陽シティ銀行」等といった金融機関が存在することから、商標中に「シティ」の語が含まれているからといって、請求人に係る役務とは直結しない。
事実、本件商標同様に「シティ」等の語を含む商標が、同一の役務を指定して多数登録を受けている(乙第1ないし第44号証)。
これらの登録例の多くは、請求人がその主張の根拠とする甲各号証が示す日付以降に登録を認められている。
このように、「シティ」の語が、平易な英単語の表音であることから、我が国においては、普通日常的に「市」「都市」「都会」を意味するものとして様々に使用されており、「シティ」の語そのものだけでは識別力が弱く、他の語と結合して識別力を発揮している。単に、商標中に「シティ」の語が含まれているからといって、請求人に係る役務とは直結しないと考えられている。
被請求人は、岐阜県と愛知県内に営業拠点を有する信用金庫であり、その支店において、本件商標をその指定役務「資金の貸付け」に使用するものである。
したがって、請求人の業務に係る役務と混同が生ずることは有り得ない。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。
6 以上述べたように、本件商標は何ら無効理由に該当しないことが明白であり、本件商標の登録は何ら取り消されるべき理由がない。

第4 当審の判断
請求人は、本件商標は商標法第4条第1項第8号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものである旨主張し、甲各号証を提出しているので、以下、検討する。
1 本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するか否かについて
請求人の提出に係る甲第4号証の7ないし9、甲第5号証の1及び2は、商標「Citi Card」「シティカード」に関連する証拠であり、その商標が使用されている事実は認められるが、いずれも本文の内容を含め本件商標の登録出願後のものである。
また、被請求人の答弁に対して提出された弁駁書に添付の甲第6号証の1の日本経済新聞、朝日新聞、日刊工業新聞及び毎日新聞等は、本件商標の登録出願前のものと認められるが、その記事は主として「ゴールドシティカード」についてのものであって、商標「シティカード」に関連した記事は僅か5件にすぎない。
そうすると、この程度の証拠によっては、「CITI」又は「シティ」の文字が請求人及び請求人の関連会社等(以下「請求人等」という。)の名称又は請求人等が使用している商標の語頭部に含まれている事実を考慮しても、商標「Citi Card」「シティカード」が本件商標の登録出願時に請求人等の業務に係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたものと認めるに十分なものということはできない。
したがって、本件商標は、商標の類否について検討するまでもなく、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものということはできない。
2 本件商標が商標法第4条第1項第8号及び同第15号に該当するか否かについて
本件商標は、前記のとおり「シティカード」の文字よりなるところ、その構成文字全体は、外観上まとまりよく一体的に表されていて、これより生ずると認められる「シティカード」の称呼は、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであることより、「シティ」の文字部分のみが独立した標識部分として認識され得ないというべきであるから、本件商標は、その構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識し把握されるとみるのが相当である。
そして、請求人の提出に係る甲第1号証の2、甲第2号証の4、甲第3号証の2及び3、甲第4号証の1及び12によれば、請求人等の名称又は請求人等の使用する商標「シティバンク」「シティコープ」等を単に「シティ」と略称している例は、簡潔を旨とする新聞記事の見出しにおいて時に見受けられる程度であり、その場合も本文においてはほとんど最初に「シティバンク」「米シティバンク」「シティコープ」「米シティコープ」と表記しており、その後の本文中に「シティ」と略称しているにすぎないものであるから、「シティ」が請求人等の略称として著名になっているとまではいえない。むしろ、「シティバンク」「米シティバンク」「シティコープ」「米シティコープ」の表記が我が国において請求人等を表す一般的表記として知られているとみることができる。
また、前記証拠以外の甲第4号証の2ないし10は、いずれも本文の内容を含め本件商標の登録出願後のものである。
そうすると、本件商標は、構成中の「シティ」の文字を捉えて単に「シティ」と称呼されることのないものというべきであり、また、その「シティ」の文字が請求人等の著名な略称とみられ又は請求人等を連想、想起させるとすべき相当の根拠がないものといわざるを得ない。
してみれば、本件商標は、請求人等の著名な略称を含むものということはできず、また、これをその指定役務に使用しても、取引者・需要者が請求人等の業務に係る役務であるかの如く、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号に違反して登録されたものということはできない。
3 結論
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号及び同第15号の規定に違反して登録されたものということはできないから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-12-18 
結審通知日 2002-12-24 
審決日 2003-01-07 
出願番号 商願平4-169177 
審決分類 T 1 11・ 255- Y (036)
T 1 11・ 271- Y (036)
T 1 11・ 23- Y (036)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 能條 佑敬宮下 行雄 
特許庁審判長 大橋 良三
特許庁審判官 高野 義三
滝沢 智夫
登録日 1996-12-25 
登録番号 商標登録第3239794号(T3239794) 
商標の称呼 シティカード、シティ 
代理人 松原 伸之 
代理人 橋本 千賀子 
代理人 村木 清司 
代理人 中山 健一 
代理人 恩田 博宣 
代理人 松嶋 さやか 
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