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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 126
管理番号 1076748 
審判番号 取消2001-31078 
総通号数 42 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-06-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2001-10-01 
確定日 2003-04-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第2707781号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2707781号商標の指定商品中「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」についての登録は、取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2707781号商標(以下「本件商標」という。)は、平成4年3月31日に登録出願され、別掲のとおりの構成よりなり、第26類「印刷物、その他本類に属する商品」を指定商品として、同7年6月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べた。
本件商標は、その指定商品中「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」について継続して3年以上日本国内において使用された事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由及び審尋に対する回答を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第4号証を提出した。
本件商標は、取消を求められている指定商品中の「録画済みビデオテープ・ビデオディスク」について通常使用権者により使用されている。
(1)使用者
使用者である株式会社ディー・スクエアは、乙第1号証の会社案内に記載されているように、被請求人の事業部である「CDC事業部」を母体に平成3年4月1日に設立された会社であり、親子関係にあるものであって、通常使用権者であることは疑いない。
(2)使用商標
本件商標は、「D」の文字を2つ重ねたような図形とその右側に英文字「D一SQUARE」が配置された構成よりなるところ、乙第1号証(会社案内)に表示された商標は、文字部分が図形部分の下に配置されているという相違があるが、図形部分と文字部分との一体性は明瞭であり、使用商標は本件商標の同一性の範囲内にある。
(3)使用商品
使用商品「録画済みビデオテープ・ビデオディスク」が通常使用権者の取扱商品であることは、乙第1号証(会社案内)の営業案内として説明されている中の「ビデオ・マニュアル、VTR」と記載されているとおりである。
また、乙第2号証の使用権者の登記簿謄本の営業目的にも「各種広告宣伝の情報媒体の企画、制作および販売」と記載されている。
通常使用権者が販売する「録画済みビデオディスク」の現物の一例は、乙第3号証として提出するカラーコピーの通りである。ここにも本件商標が表示されている。なおカラーコピーの写真の撮影者は、被請求人会社知的財産権本部に所属する白川昭久である。
この商品は、所謂「CD-ROM」であるが、「ビデオディスク」とは「画像と音声の信号を記録したレコード状の円盤(広辞苑より)」をいうのであるから、「CD-ROM」は「録画済みビデオディスク」である。
(4)使用を証する資料
乙第1号証として提出する会社案内は、単なる会社案内にとどまらず、会社の取扱商品、営業内容を紹介し、広く需要者、取引者に知らしめるものであるから、商標の「使用」について定義する商標法第2条第3項第7号の「商品・・に関する広告・・に標章を付して展示し、または頒布する行為」に該当する。
乙第1号証(会社案内)の印刷日は不明であるが、乙第2号証(登記簿謄本)に記載のように、ディー・スクエアは「東京都新宿区西新宿二丁目7番1号」において設立登記され、平成11年6月21日に現住所「新宿区市谷砂土原町1丁目2番34号」に移転しているところ、乙第1号証に記載された住所が現住所であることより、乙第1号証が本店移転日である平成11年6月21日以降に作成されたことは明らかである。つまり、本会社案内の印刷日は、本件審判請求の登録前3年以内である。
(5)審尋に対する回答
(a)審尋では、会社案内が単に営業案内に過ぎず、これのみでは当該商品が具体的に取引されているものとすることができないから、補完資料を提出することを求めている。
しかし、使用態様の一類型行為として、商標法2条3項7号では、「商品に関する広告、定価表又は取引書類に標章を付して展示し、又は頒布する行為」が挙げられている。したがって、仮に、商品に関する広告が1回だけ行なわれたに過ぎない場合であっても商標が使用されたと判断されるべきである(乙第4号証 昭和53年審判第14928号審決)。
けだし、会社案内は、会社の営業内容を紹介し、営業に利するために作成され配布されるものであるから、これを商品の広告と認定するに何らの憚りもない。
審尋では、補完資料として、取引した期日が明示された納品書・請求書・領収書等の伝票類の提出を求めている。
しかし、このような使用態様をすべての商標権者に求めることは妥当ではない。けだし、商標を使用することと商品が現実に販売されることとは別の問題である。仮に商品が1個も売れなくとも、販売活動において商標が使用されれば、商標の宣伝広告的機能が発揮され、それなりにグッドウイルが商標に化体するのである。このことは、非常に高額で需要が乏しい商品の場合を考えれば容易に理解できる。もし審尋のように、現実の商品販売の事実を求めるとすると、このような販売が難しい商品については、登録商標の保護が薄くなる結果となる。商品の需要度や販売の難易度によって、等しい筈の商標の保護の厚さに違いがあってよいものではない。
(b)審尋では、使用期日が確認できる広告・宣伝等が掲載された印刷物の提出も求めているが、乙第1号証の会社案内が宣伝広告用の印刷物であること、審判請求登録前3年以内のものであることは前述の通りである。
(c)審尋では、請求に係る指定商品のいずれかについて登録商標が使用されていることを明らかにするように求めている。
この点も、乙第1号証(会社案内)第2頁に商品「∨TR」と記載されているので明らかである。通常、「VTR」といえば、「録画済ビデオテープ」をいうのであり、正に取消を求められた商品の中の「録画済ビデオテープ」である。
そのほか、乙第3号証として提出した商品の写真からも明らかなように、磁気テープから磁気ディスクへという技術の流れに添って、被請求人は「録画済みビデオディスク」の製造販売活動を行なっているのであり、この「録画済みビデオディスク」も取消を求められた商品の中の1つである。

4 当審の判断
被請求人の提出に係る乙第1号証(株式会社ディー・スクエアの会社案内)、同第2号証(株式会社ディー・スクエアの登記簿謄本)及び同第3号証(CD-ROMの写真のコピー)をもってしては、本件商標は、請求に係る指定商品中の「録画済みビデオテープ・ビデオディスク」に使用されていたものとは認められない。
確かに、乙第1号証の会社概要によれば、株式会社ディー・スクエアは、被請求人の事業部であるCDC事業部を母体にして設立された会社であることが記載されており、このことからすれば、株式会社ディー・スクエアは被請求人の通常使用権者の立場にあったものであることを認めることができる。また、同第2号証によれば、株式会社ディー・スクエアの本店住所は、「東京都新宿区西新宿二丁目7番1号」から平成11年6月21日に「新宿区市谷砂土原町1丁目2番34号」に移転しており、乙第1号証に記載されている株式会社ディー・スクエアの所在地が「新宿区市谷砂土原町1丁目2番34号」となっていることからみれば、乙第1号証の会社案内は、本件審判の請求の登録前3年以内に作成されたものであることを認めることができる。そして、乙第1号証(会社案内)の表紙等には本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されており、営業案内欄には「ビデオ・マニュアル、VTR」の記載があることを認めることができる。
しかしながら、乙第1号証の営業案内欄の「ビデオ・マニュアル、VTR」の記載は、あくまでも営業案内としての記載であって、具体的な商品の製造・販売の事実を表しているものではない。
加えて、乙第1号証の会社案内には「ディー・スクエアは、プロフェッショナルの情熱を有機的に融合し、より高品位なイベントを総合的にプロデュースする会社です。」と記載されているように、株式会社ディー・スクエアは、イベントをプロデュースする会社と認められ、該会社案内に紹介されているのは、専ら、株式会社ディー・スクエアが過去においてプロデュースした展示会、見本市、記念式典、記念パーティ、シンポジウム、国際会議、美術展、公共イベント、スポーツイベント、コンサート、音楽祭等々の記事である。
そして、会社案内2頁ないし3頁の記事にしても、「Network/ネットワーク」の表題のもとに、株式会社ディー・スクエアはイベントの担い手となるあらゆる分野のエキスパートを最大限に引き出すことのできるネットワークを編成しているとして、企画開発、トータル・マネジメント、グラフィク等のネットワークの一つとして、映像・通信の分野を挙げ、その分野の業務として、各種映像の企画、記録映画製作、映像展示、大型映像等の業務とともに「ビデオ・マニュアル、VTR」を掲げているものである。
そうとすれば、この記事にある「ビデオ・マニュアル、VTR」の記載は、あくまでも、イベントのプロデュースの一つの表現手段として「ビデオ・マニュアル、VTR」があることを紹介しているものと理解・認識させるものであって、株式会社ディー・スクエアがそれ自体独立した商品としての「録画済みビデオテープ・ビデオディスク」の製作・販売をしていることを紹介しているものとは認められない。
したがって、乙第1号証の会社案内は会社の取扱商品をも紹介しているものであるから、商標法第2条第3項第7号の「商品・・に関する広告・・に標章を付して展示し、または頒布する行為」に該当する旨の被請求人の主張は、いずれにしても、その前提において誤っているものというべきであるから、採用することはできない。
また、被請求人は、乙第2号証である株式会社ディー・スクエアの登記簿謄本の営業目的にも「各種広告宣伝の情報媒体の企画、制作および販売」と記載されている旨主張しているが、商業登記簿は、商取引が安全かつ円滑に行われ、取引をする相手方が不測の損害を被ることのないように、その会社がどのような業務をすることを目的に設立されている会社であるのか等の事項について公示するためのものであって、登記簿の営業目的の記載をもって、個別具体的な商品についての商標の使用の事実までをも立証し得るものではない。
更に、被請求人は、本件商標が請求に係る商品に使用されている事実を証明するものとして、乙第3号証の「CD-ROMの写真のコピー」を提出している。
しかしながら、乙第3号証の「CD-ROM」については、ケースの表部分及びCD-ROM本体に大きく「ICME 2001」の表題があり、その上部あるいは下部に「2001 IEEE International Conference on Multimedia and Expo」、「22-25 August 2001 Tokyo,Japan」と表示されており、最下部には「IEEE」の文字と図形標章等が表示されている。また、ケースの裏部分にも、表部分と同様の表示があり、最下部には「IEEE」と図形標章の表示とともに、「D-SQUARE」の文字と図形標章等も表示されている。
これらの表示からみれば、乙第3号証の「CD-ROM」は、主催者と認められるIEEEが2001年8月22日から25日までの間、東京で開催した「ICME 2001」と称される国際会議についてのCD-ROMとみるのが自然であり、乙第1号証との関連をも併せ考慮すれば、株式会社ディー・スクエアがIEEEから依頼を受けた上記国際会議についての企画・運営又は開催のサービスの成果物の一つとしてIEEEに納品したものとみるのが相当である。
そうとすれば、乙第3号証の「CD-ROM」は、上記役務の提供に付随して供されたものというべきあって、それ自体が独立した商品として取引されたものとはいえず、他に、これが独立した商品として取引された事実を裏付ける証拠は提出されていない。
そして、提出された証拠のみをもってしては、請求に係る指定商品についての本件商標の使用の事実が明らかでないところから、審判長は「本件商標が上記商品について使用されたことを明らかにする補完資料の提出を求める。その他、請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明されたい。」旨の審尋を行ったが、被請求人は、反論する意見書を提出するのみで、補完資料等の使用の事実を明らかにする証拠を何ら提出していない。
してみれば、被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人により、その請求に係る指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中の「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 本件商標(登録第2707781号商標)


審理終結日 2003-02-12 
結審通知日 2003-02-17 
審決日 2003-03-12 
出願番号 商願平4-45333 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (126)
最終処分 成立 
前審関与審査官 宮下 行雄澁谷 良雄薩摩 純一 
特許庁審判長 田辺 秀三
特許庁審判官 岩崎 良子
小林 薫
登録日 1995-06-30 
登録番号 商標登録第2707781号(T2707781) 
商標の称呼 ディースクエアー、スクエアー 
代理人 木村 吉宏 
代理人 名越 秀夫 
代理人 生田 哲郎 
代理人 小谷 武 
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