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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 Z29 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 Z29 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 取り消して登録 Z29 |
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管理番号 | 1076697 |
審判番号 | 審判1999-8040 |
総通号数 | 42 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-06-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-05-10 |
確定日 | 2003-05-07 |
事件の表示 | 平成9年商標登録願第138951号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第29類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成9年7月16日に登録出願、その後、指定商品については同11年1月27日付手続補正書により「クロテッドクリーム」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶理由 原査定は、「本願商標は、その指定商品との関係においてその構成中に『Clotted cream』を想起させる『Clotted』の文字とありふれた氏と認められる『中沢』の文字を有してなるから、これをその指定商品中『乳製品』に使用しても、単に、『中沢さん』または『中沢製造販売会社』のスコーンに添えられる乳白色のクリームとしか認識されず、自他商品識別標識としての機能を有しないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。なお、出願人は、本願商標が取引者、需要者に広く認識されているとして種々の資料を提出しているが、それら資料によっても使用の結果出願人の業務に係る商品であることを認識できるに至っているものとは認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について 本願商標は、別掲のとおり「Clotted」と「中沢クロテッド」の文字を二段に書してなるものであるところ、その構成中の「Clotted」「クロテッド」の文字部分は、指定商品との関係から「クロテッドクリーム」を意味する語と認識し把握されるものとみるのが相当であり、また、その構成中の「中沢」の文字部分はありふれた氏と認められるものである。 そうとすれば、本願商標は、「中沢の製造・販売に係るクロテッド」の意味合いを表現したものと容易に理解し、認識せしめるものというべきであって、自他商品を識別する標識たる商標とは認識し得ないものとみるのが相当である。 してみると、本願商標は、前項1のとおり指定商品の補正により、商標法第4条第1項第16号には該当するものではないが、これをその指定商品について使用しても、単にその商品の品質を表示するにすぎず、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。 (2)商標法第3条第2項について 請求人は、本願商標が、実際の市場において、商標法第3条第2項の要件を具備するものであると主張し、証拠方法として甲第1号証ないし同第43号証を提出している。そこで、請求人の前記甲各号証について検討するに、以下のことが認められる。 (ア)請求人が「クロテッドクリーム」に使用している商標 甲各号証によれば、請求人が、商品「クロテッドクリーム」に使用している商標は、本願商標と同一の商標といい得るものである。 (イ)使用開始時期及び使用期間 甲第6号証、同第7号証及び同第17号証によれば、請求人は、各種乳製品等の製造・販売を行う会社であり、1994年頃より商品「クロテッドクリーム」に本願商標を付して発売し、商品「クロテッドクリーム」を国内で初めて、かつ唯一の製造・販売会社として周知・著名であり、現在も継続して使用していることが認められる。 (ウ)宣伝広告等 甲各号証によれば、本願商標は、「日経流通新聞」「朝日新聞」「DIME」「Hanako」「ヴァンテーヌ」「A-2CLUBMAGAZINE」「ミキハウス・ラブ」「すてきな奥さん」「女性自身」「ERIO」「Day」「Tokyo Santa Back Number」「東京パノラマ」「家庭画報」「dancyu」「レタスクラブ」「グルメジャーナル」「ヴァンサンカン」「pink」「オレンジページ」「anan」等新聞、各種の雑誌、グルメ関係の専門誌及び請求人のパンフレット等に宣伝広告又は商品を紹介する記事が掲載されていること、またアフタヌーンティーの菓子「スコーン」に欠かせないものとして販売されていることが認められる。 (エ)使用商品の販売数量 甲第7号証によれば、本願商標が付されている商品「クロテッドクリーム」の販売は、希望小売価格130g380円、初年度販売目標は一億円であり、この種の商品の販売数量としては多い数と認められる。 (オ)他者による本願商標の使用の有無 「Clotted」「中沢クロテッド」の文字は、請求人一社が使用しており、「クロテッドクリーム」の製造・販売をしているのは請求人のみであることが認められる。 (カ)以上、(ア)ないし(オ)の事実を総合すれば、本願商標は、請求人によって、1994年以降継続して商品「クロテッドクリーム」に使用された結果、「Clotted」「中沢クロテッド」の文字よりなる本願商標は、請求人の業務に係る商標として、取引者、需要者に広く認識されるに至ったものと認められる。 (3)結語 してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、請求人によってその指定商品について永年使用された結果、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるに至っているものと認められることから、同法第3条第2項に規定する要件を満たすものであって、登録すべきものというべきである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第2項を適用し、登録すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標 |
審決日 | 2003-04-15 |
出願番号 | 商願平9-138951 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
WY
(Z29)
T 1 8・ 17- WY (Z29) T 1 8・ 272- WY (Z29) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 瀧本 佐代子 |
特許庁審判長 |
宮下 正之 |
特許庁審判官 |
小林 和男 平山 啓子 |
商標の称呼 | クロテッド、ナカザワクロテッド、ナカザワ |
代理人 | 安原 正之 |
代理人 | 安原 正義 |