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審決分類 |
審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 005 |
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管理番号 | 1076651 |
審判番号 | 審判1999-35542 |
総通号数 | 42 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-06-27 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 1999-10-01 |
確定日 | 2003-04-14 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第3370520号商標の商標登録無効審判事件についてされた平成13年10月15日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成14年(行ケ)第88号 平成14年7月11日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第3370520号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第3370520号商標(以下「本件商標」という。)は、「サマリール」と「SAMARIL」の文字を二段に併記してなり、平成7年3月29日登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同10年10月16日に登録されたものである。 2 請求人の引用する登録商標 請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第3183036号商標は、「Amaryl」の文字よりなり、平成4年7月13日登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同8年7月31日に登録されたものである。同じく登録第3183037号商標は、「アマリール」の文字よりなり、平成4年8月14日登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同8年7月31日に登録されたものである。以下、これらを合わせて「引用商標」という。 3 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、証拠方法として甲第1号証ないし同第10号証を提出し、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、その登録は無効にされるべきである旨述べた。 4 被請求人の答弁 被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、証拠方法として乙第1号証ないし同第11号証を提出し、本件商標は上記法条に該当するものではなく、その登録は無効にされるべきではない旨述べた。 5 当審の判断 本件商標と引用商標との類否について判断するに、両商標の構成それぞれ前記のとおりであるから、本件商標からは「サマリール」、引用商標からは「アマリール」の称呼を生ずるものである。 そこで、この「サマリール」と「アマリール」の両称呼を比較するに、その相違点は、語頭音の「サ」と「ア」の相違のみであり、それ以外は音そのもの、音数、拍数いずれも同じである。相違する両語頭音も、「sa」と「a」として、いずれも母音「a」を含む点において共通する。そして、「サ」の無声摩擦子音「s」は、それ自体比較的聴取しにくい音であることに加え、母音の中でも特に口を大きく開けて明瞭に発音する母音「a」と結合するときは、「シ」音などと比べ、「a」の音が強く印象に残るように発音されることになる。 このように、「サ」と「ア」の発音上の相違は、もともと大きなものとはいえないところ、両称呼とも、長音部分「リー」に強勢が置かれ、語頭音はそれより弱く発音されがちでもあって、語頭音の差異が称呼全体の差異に与える影響はさらに小さくなるといえるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、その全体的印象(音感)が相似たものとして聴取され、取引上彼此聞き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。 してみれば、本件商標と引用商標とは、外観において相違し、かつ、観念上も俄に類似とすべき点を見出せないとしても、その称呼において相紛らわしく、互いに誤認混同のおそれのある類似の商標といわなければならない。そして、両商標の指定商品は同一のものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-09-27 |
結審通知日 | 2001-10-02 |
審決日 | 2001-10-15 |
出願番号 | 商願平7-30582 |
審決分類 |
T
1
11・
262-
Z
(005)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小野寺 強、宮下 正之 |
特許庁審判長 |
上村 勉 |
特許庁審判官 |
鈴木 新五 小池 隆 |
登録日 | 1998-10-16 |
登録番号 | 商標登録第3370520号(T3370520) |
商標の称呼 | サマリール |
代理人 | 加藤 義明 |