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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない 042 |
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管理番号 | 1075301 |
審判番号 | 審判1998-14859 |
総通号数 | 41 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-05-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1998-09-22 |
確定日 | 2003-03-26 |
事件の表示 | 平成 4年商標登録願第180524号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「高嶋易断」の文字を縦書きしてなり、第42類「占い、易」を指定役務として、平成4年9月10日に登録出願されたものである。 2 原審における拒絶の理由 原審において登録異議の申立てがあった結果、原査定は、「本願商標は、ありふれた氏である『高嶋』の文字と役務の質、内容を表示するにすぎない『易断』の文字を『高嶋易断』と縦書きしてなるにすぎないものであるから、これをその指定役務に使用しても、取引者、需要者が何人の業務に係る役務であるかを認識することができず、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとする本件登録異議の申立ては、理由がある。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 原審において登録異議申立人が提出した証拠(甲第4号証)及び請求人の主張によれば、(ア)「高嶋易断(高嶋は高島とも称される)」とは、江戸時代末期1832年生まれの高嶋嘉右衛門が1887年に初版十刊を刊行した易学書の表題名であり、その後の改訂版を経て1906年に出版したのが「高嶋易断」13巻上下5分冊の大著であったこと、(イ)明治末期にはこの「高嶋易断」を中心に近代の易占ブームが起こったこと、(ウ)高嶋嘉右衛門は易号名を高嶋呑象と称し、「高嶋易断」の創始者であったが、直系の弟子は一人も持たず、正当な「高嶋易断」は彼一代で途絶えていること、(エ)その後、高嶋呑象の後継者をかたり「高嶋易断」の名の下に易占を行う高嶋易者が少なからず存在していたことが認められる。 これらの事実によれば、上記易学書「高嶋易断」の発刊を契機として易占ブームが起こり、高嶋呑象の後継者がいないことから自称高嶋流の易者が多数出現し、現在に至っているものであろうことは推認するに難くない。 そして、登録異議申立人の提出に係る証拠(甲第1ないし3号証)によれば、現在においても、「高嶋易断」又は「高島易断」ないしは「高嶋」又は「高島」の名称を用いて「占い、易」の業を行う者が請求人以外にも多数存在していることが認められる。 そうすると、「占い、易」の業界においては、「高嶋易断」の文字は、古くから易の一つを指称するものとして普通に用いられており、また、需要者間にもそのように認識されているものといわざるを得ない。 以上からすれば、「高嶋易断」の文字を普通に用いられる方法で書してなる本願商標は、これをその指定役務である「占い、易」に使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができないものというのが相当である。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。 なお、請求人は、その相談活動を組織的に全国各地で定期的に行うことにより、その広告宣伝を通して、「高島易断総本部」の周知性を高め、易占の指導・教育を通して「高嶋易断」の普及に尽くしており、易占の需要者は、「高嶋易断」といえば請求人及び請求人から業務委託を受託した者が行う易、占いであると認識する旨主張し、証拠を提出しているが、「高嶋易断」の文字を用いて易、占いの業を行う者は請求人以外にも多数存在しており、本願商標については上記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-12-06 |
結審通知日 | 2002-12-17 |
審決日 | 2003-01-30 |
出願番号 | 商願平4-180524 |
審決分類 |
T
1
8・
16-
Z
(042)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 茂木 静代、為谷 博、箕輪 秀人 |
特許庁審判長 |
大橋 良三 |
特許庁審判官 |
高野 義三 土井 敬子 |
商標の称呼 | タカシマエキダン、タカシマ、エキダン |
代理人 | 瀬谷 徹 |