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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z29
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Z29
管理番号 1073642 
審判番号 審判1999-11825 
総通号数 40 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-07-16 
確定日 2003-02-07 
事件の表示 平成9年商標登録願第172379号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第29類「加工野菜及び加工果実、乾燥野菜、野菜、冷凍果実、冷凍野菜」を指定商品として、平成9年10月31日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、同10年10月1日付(同10年10月3日差出し)手続補正書により指定商品中「乾燥野菜」を「乾燥アガリクス茸」に、「加工野菜及び加工果実」を「アガリクス茸を原材料とした加工食品」にそれぞれ補正されている。

2 原査定の理由
原審では、「本願商標は、ありふれた氏である「大山」の文字と、アガリクス茸を使用した商品の意味合いを認識させるにすぎない「アガリクス」の文字とを、一連に「大山アガリクス」と書してなるものであるから、これを本願の指定商品中、例えば「アガリクス茸を原材料とした加工食品,乾燥アガリクス茸」等、アガリクス茸を使用した商品に使用するときは、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と認める。したがって、この商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、別掲に示すとおり、「大山アガリクス」と横書きし、その「大山」の漢字部分の上段に小さく振り仮名風に「おおやま」と平仮名文字を配した構成よりなるところ、「大山」及び「おおやま」の文字部分は、ありふれた氏「大山」を表したものであり、また、「アガリクス」の文字部分は、学名を「アガリクス・ブラゼイ・ムリル(AGARICUS BRAZEI MURILL)」というヒラタケ属の茸の一種である「アガリクス」を表しているものと認められる。最近、「アガリクス」(茸)は、健康に有効な食品の素材として栽培、加工され、いわゆる健康食品として流通していることについては、請求人(出願人)提出の甲号各証によっても認めることができる。
してみると、本願商標は、ありふれた氏といえる「大山」「おおやま」の文字と指定商品の原材料となり得る茸の一種であるアガリクス茸を表す「アガリスク」の文字を一連に表しているものであり、両文字全体で特段の意味合いを生じるものとはいえないので、その各文字の意味を超え全体として別の意味合いを看取されることはないものである。
そうしてみると、この商標を指定商品中「アガリクス茸、アガリクス茸を原材料とする商品」について使用しても自他商品を識別する標識として機能し得ないものと認められることから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識し得ないものであり、かつ、その商品以外の商品について使用するときは、その商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。
(2)次に、請求人(出願人)は、「大山アガリクス」に係る商品は高品質であるとして、他のアガリクス茸を用いた商品と明らかに区別され、全国規模で広告宣伝し販売されているので、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であるのか認識することができない商標ということはできない旨主張し、その使用事実を示す資料として甲第1号証ないし同第29号証を提出している。
ところで、商標が、その構成態様からして自他商品を識別する標識として機能し得ないものと認められるものであるとしても、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っている商標については登録を受けることができる(商標法第3条第2項)とされており、その場合における登録を受けることのできる商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することのできる商標であるところの、当該使用されている商標と同一の商標であって、その使用に係る商品を指定商品としている場合に限られるものと解される。
そこで、請求人(出願人)提出の商品パッケージ、商品カタログ、新聞又は雑誌に掲載された広告及び記事である甲号各証をみるに、いずれも乾燥アガリクス茸又は同茸から抽出したエキスを原材料とした商品(加工食品)について「ピュア大山アガリクス茸」、「真正 大山アガリクス茸」、「真正/オオヤマ アガリクス」(「真正」と「オオヤマ」の文字を二段に表示)、「ピュア/オオヤマ アガリクス」(「ピュア」と「オオヤマ」の文字を二段に表示)、「大山アガリクス茸」、「瑞祥 大山アガリクス茸(エキス)」の表示がされ、また、一部の新聞・雑誌の記事には「大山アガリクス」と記載されていることが認められるところである。
しかしながら、本願商標の構成態様は、別掲に示すとおり、「大山アガリクス」と横書きし、その「大山」の漢字部分の上段に小さく「おおやま」と平仮名文字を配した構成よりなるところ、いずれの甲号証においても本願商標と同一の構成態様による表示がされているものを見出すことができない。
また、本願の指定商品については、平成10年10月1日付手続補正書の「5 補正の内容」の項における記載によると、「第29類指定商品の内容の補正」と記載し、「『乾燥野菜』→『乾燥アガリクス茸』に補正、『加工野菜及び加工果実』→『アガリクス茸を原材料とした加工食品』に補正」と記載されていることから、この補正の結果、願書記載の指定商品を「アガリクス茸を原材料とした加工食品、乾燥アガリクス茸、野菜、冷凍果実、冷凍野菜」に補正されたものと解される。
そして、使用されている商品についてみると、甲号各証に表されている商品は、「乾燥アガリクス茸、アガリクス茸から抽出したエキスを原材料とした加工食品」と認められ、補正後の指定商品には、それ以外の商品「野菜、冷凍果実、冷凍野菜」も含まれているものである。
してみれば、請求人は、乾燥アガリクス茸やアガリクス茸から抽出したエキスを原材料とした加工食品の生産、販売高が相当数あり、それらの商品について上記商標を使用しているとしても、本願商標をその指定商品について使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているものと認めることはできないものであるから、この点における請求人の主張は認めることができない。
その他、本願商標を需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものと認めることのできる証拠の提出はない。
(3)したがって、本願商標を商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして拒絶した原査定を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲

審理終結日 2002-11-11 
結審通知日 2002-11-22 
審決日 2002-12-09 
出願番号 商願平9-172379 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (Z29)
T 1 8・ 272- Z (Z29)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩本 和雄 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 平山 啓子
小林 和男
商標の称呼 オオヤマアガリクス、オーヤマアガリクス、アガリクス 
代理人 三浦 光康 

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